「うん、その…調理場のお手伝いするのに動き回るんには案配エエから思て終わったら着替えたほうがえーやんか?って…」
そう答えたので
「アタイは全然問題無いと言ったんだが…所で翔よ、鬼蓮のとはちょいと違うが同じ物の様だが未だその勾玉は残ってるのか?」
そう聞かれた翔は
「そん人のはバーサーカーの勾玉やね、観月様が一個変わったのが欲しいゆーたから渡したんよ
ガーディアンの霊玉とバーサーカーの勾玉は二個ずつしかなくてガーディアンはボクとみこお姉ちゃんがつこて…
後は、バーサーカーならもうもう一個有るけどどないするん?」
そう聞くと
「アタイもそいつが欲しいからみこ、頼めるな?
そう笑って言うと
「残りの手足もいつものように?」
そう聞くと
「ああ、頼む」
答えたので
「うん…でも今日は春蘭にやってもらうね、春蘭もアイテム錬成出来る様になった方が良いからね」
話を聞いていた真琴が
「翔、その勾玉はもう錬成しないの?」
そう聞かれた翔は
「ん~っ、あの勾玉と霊玉はボクの力だけで出来るんちゃうんよ
まこお兄ちゃんも知っとるやろか?侯爵様んとこのキラービー騒ぎ
結構大規模な侵攻やったから巣ごと退治せなアカン思て蜂の子大好きなボクは誉められて心苦しかったんやけど…
あれは、みこお姉ちゃんの勾玉と霊玉がある程度の規模のキラービーの巣を守るガーディアンズとバーサーカー達を取り込んで生まれた勾玉と霊玉やから…
欲しいからユーていつでも作れるもんちゃうんよ…残念やけど」
そう言われて溜め息を吐き
「仕方無い、当分諦めるけどキラービーが現れたら翔を呼ぶから任せて良いのかな?」
そう真琴に言われて嬉しそうな顔で
「うん、さっきもゆーたけど蜂の子欲しいから呼んだってくれたら嬉しいし蜂の巣の駆除は得意やねんから任しといてっ♪」
そう得意気に胸を反らして言う翔を見ながら笑顔で見守る一同だったが
「甲冑は無理でもみこや貴女が持つ羽を模した飾りの着いた衣装の羽で翔ぶことは出来ませんか?」
その観月の問い掛けに
「それは面白い発想力だな?夕べの騒ぎで翔が魔力を奪った竜魔鬼と風蜥蜴は共に風属性の飛行能力を持つ者達…
公女の言われる事を試すには丁度良い勾玉が手に入ったが衣装はあるのか?」
魔女の命にそう言われてミナが
「こちらに」
そう言って差し出したのは、翔はフェアリーと命の水の妖精で受け取った魔女の命がその羽の中央に押し付けると勾玉の魔力が羽に行き渡り
「済まないが王太子には暫し席を外してもらいたいのだが?今から私と翔が着替えるゆえな」
そう言ってニヤリと笑う命に溜め息を吐き
「んんんっ」
瑞穂の咳払いで我に返り
「あっ、す、済まない… 気が利かなくて申し訳無い」
そう言って出ていくのを見て
命はミナ、翔は呼ばれたセレナが用意下肌着を持って現れ着替えを手伝い着替えの最中に入れ替わり意識を取り戻したみこと翔の二人が試着する事になった
朝の魔鎧の稽古である程度のコツを掴めていた二人にはゆっくり翔ぶくらいなら造作も無いことだったから
「明日の朝の修行でこれも修行しないとねっ♪」
そう笑って翔に話し掛ける命を見ながら
「ミナ、取り敢えず真琴、翼、チサの分の水の妖精を作りなさい
真琴も取り敢え当面はずそれで我慢しなさい」
そう言われた真琴が苦笑いしていると
「観月様が本当の間に合わせで良いと仰るのなら飾り羽を作り縫い付けても差し支えない服に縫い合わせてはみては如何でしょうか?」
それとその系統の服のデザインは御法さんが得意でしたからそう言った服の原画を預からせ頂ければ真琴様や命様、翼様とチサ様に翔ちゃんの分を作製とサイズ別の型紙を用意を致しますが?」
その以前のミナからは想像のつかない積極的な発言に驚いていると
「やはり差し出がましい口を利いてしまったのでしょうか?」
そう言って悄気るミナに
「いいえ、逆です…以前の貴女からは想像つかない成長に驚いただけですし、貴女の提示した二案は私も思い至りませんでしたが成る程と思いました
貴女もこれから色々忙しくなりますが…頼みますよ、ミナ」
そう言った観月の顔はミナの成長を心の底から喜んでいたが執務室の戸が叩かれて
「食事の支度が整ったと知らせが来ましたが?」
そう言われて追い出していた月光の事をすっかり忘れていた一同は笑いながら
「みこと翔はそのままで良いですね?」
そう女王に言われて翔と顔を見合わせて
「えっ、と…あのエプロンはダメ?」
そう命が聞くと
「食べる時に着ければ良いです」
そう言われてホッとした二人
その二人が宙を舞い食堂に向かうのを見て見惚れ、真琴の騎士姿にうっとりして見詰める侍女達を見て苦笑いを浮かべる女王だった
少し遅れた朝食の席で相変わらずミナに世話される命と、美輝に世話させる媛歌に新たに加わった翔の世話をするセレナ
食事のが終わり、後片付けの手伝いを終えたセレナは見習い侍女達と勉強に参加し
翔は保存食用に干物や薫製作りに、ビスケットや乾パンを焼いて一日を過ごし女王と王妃と観月は今後の予定を話し合い真琴は騎士達を鍛えていた
朝食を済ませ手伝いを終えたセレナは真琴に踊りを習い
翔は取り敢えず歌姫と舞姫の様子を見に行くとぼんやりとしていたけど二人とも目を覚ましていたので観月に報告
調理場の手伝いに戻り冷たい水を用意して二人の元に届けて貰った
二人の元には観月に王妃と女王が訪れると五人の話し合いがなされ
「差し支えなければ貴女達の話を聞かせて下さい」
観月にそう言われ戸惑う舞姫の頭を撫でながら
「お久し振り…と、そう言って良いのでしょうか?
観月さんとおば様方…私達の両親は皆様のご推察の通り最後の祭司長と呼ばれる父とこの世界では最後の舞姫と呼ばれる咲夜…貴女方の従妹です…」
「そして貴女が観月を観月さんと呼んだのはあの児の父親が如月なのだから…ですね?」
そう王妃に言われて
「その通りで私にとり如月様は初恋の人で幼い頃夢見た王子様…
私とお腹にいた弥生の命を擲い守ってくださった如月様には弥生を見せることが出来ませんでした…」
力無く項垂れる歌姫に
「如月に会いたいですか?」
観月にそう聞かれた歌姫は
「はい、お会いしたい…私が恋し弥生の父親である如月様にもう一度お会いしたい…それは決して叶わぬ願いでしょうが…」
そう言って自嘲気味に笑う歌姫に
「取り敢えずその弥生ですが幸い乳を与えてくれる者に馴染んでいるようですからその者を乳母にし私が預かりますが?
咲夜の娘である貴女の娘ならば垢の他人ではありませんからね」
そう言われて
「多分生前より若返っている今の私には乳を与える事は出来ませんし私のみこ…舞姫と共に人魚姫に仕えるべき私が連れ歩く訳にもいきませんから宜しくお願いします…」
そう言って頭を下げる歌姫に倣い頭を下げ舞姫は頭を上げると
「私は精霊の巫女としての修行と人魚姫に踊りを教えこの世界の舞の女神の依り代目指してもらいますし私自身も精霊の巫女でなかった頃には習得出来なかった踊りに挑みます」
そう言って口をつぐむ舞姫
戸を叩く音がし控えめな声で
「あ、あのぉーっ…翔やけど入ってもエーですか?アカンかったらお二人さんに渡してほしいもん渡してもろたらそんでもえーんですけど…」
そう言われて観月が
「入れても良いですか?」
そう問われた二人は
「あの娘なら構いません…舞姫も良いですね?」
そう歌姫に言われて頷いたので戸を開けて
「入りなさい」
そう言って招き入れられた槍と一緒に入って来た翔は二人の前に着くとポテッと床に落ち両手を着いて
「あん時はえろー失礼いたしました…これつまらんもんやけどお詫びにもろて欲しいんですけど…」
そう言って手渡された手提げを受け取り改めて見る翔の顔や手足の至る所に引っ掻き傷…パッと見でわかるほどの深い傷がある事に気付き溜め息を吐いた舞姫が
「観月様、傷薬をお願いします…」
そう言うのを聞いて焦った翔が
「こん位唾つけとけば平気やから…舞姫様にそないな事さしたら罰当たりますよってボクの事なんか気にせんでエーですから…」
そう言われて
「黙りなさいっ!薬師である私が目の前に居る怪我人を放っておけるわけ有りませんっ!大人しく治療を受けなさいっ!」
その舞姫の気迫に恐れをなした翔が頭を抱え涙をポロポロ溢しながら
「堪忍したって下さい…ちゃんと大人しゅうえー子にしとりますからそない怒らんでもえーやないですか…」
そう言って震える翔の背中を撫でながら
「貴女が嫌いで言ってる訳じゃないのですからもっと聞き分けなさい、貴女に何かあったら…そう思ったら貴女のお友達だって悲しいのですよ?」
そう言われて力無く頷く翔に観月から受け取った傷薬で手当てをすると
「私達も貴女同様に人魚姫様にお仕えする者なのだから変な遠慮は要りませんよ」
そう言われても
「せ、せやけど…」
そう言って口ごもる翔に
「なら私達の事もお姉ちゃんと呼びなさい…王女達の事をお姉ちゃん、そう呼んでいるのでしょ?」
舞姫にそう言われて
「えと…そんなら舞姫お姉ちゃんと歌姫お姉ちゃん?」
そう照れ臭そうに名前を呼んでみると歌姫も翔の頭を撫でてくれるのを見て
「えへへ…」
そう照れ笑いする翔だった
その後訪れたのはミナで戸を叩き入室許可を得て
「観月様、歌姫様と舞姫様のお二方の衣装を急ぎ仕立てましたが?」
そう言われて見せられた服はワンショルダーワンピースとホルターネックのワンピースで
「シンプルだとは言え随分早い仕上がりですね?」
そう言われて
「はい、作り方を一工夫しまして…一枚布を使用していますしフリーサイズ仕様になっていますから…
お二人の体調が宜しく陛下のお許しを得られましたらそれをお召しになっていただき昼食をご一緒にと思いまして即席で拵えました」
そう言われて
「媛歌にも麦のワッペンで飾りを付けて作り当然若月でも出しましょう…いいえ、おば様…お国の服飾業者に頼みこちらでも生産販売を開始しても宜しいでしょうか?
その際ミナを若月支店の責任者にして勿論春蘭達にも手伝ってもらいますが?」
そう尋ねられた女王が
「それは巫女達がこの地に腰を据えて我が国に残ってくれるのですか?」
そう嬉しそうに聞かれ
「取り敢えずその方向で人事調整しますがミナは引き受けてくれますね?」
そう言われて一瞬寂しそうな表情を浮かべたが気持ちを切り替え
「承知しました、陛下と観月様のご期待に沿えますよう精進致します」
淀み無くそう答えるミナを見て
(これを機にみこ離れができれば良いのですが…)
そう思いこっそり溜め息を吐くとミナの手伝いで着替えを終えた二人の姿を見た女王が喜び
「早速お昼から食事を共になさい
それとミナ、二人の今夜のドレス期待してますよ」
そう誉められ
「お誉めに預かり光栄です、それでは私は作業に戻りますのでこれにて失礼致します」
そう言って退出しようとするのを見た翔も
「ほたらボクもお昼の支度お手伝いに行きますよって失礼します」
そう言ってミナ共に退出していった
昼食に招かれた舞姫が
「何故翔ちゃんは同席しないのですか?」
その疑問を口にすると
「私達は同席して欲しいのですけど本人が調理場の仕事が残っとるからと言い訳してこういった場に来るのを嫌がり頭を痛めてます」
そうあが言うと
「うん、その…調理場のお手伝いするのに動き回るんには案配エエから思て終わったら着替えたほうがえーやんか?って…」
そう答えたので
「アタイは全然問題無いと言ったんだが…所で翔よ、鬼蓮のとはちょいと違うが同じ物の様だが未だその勾玉は残ってるのか?」
そう聞かれた翔は
「そん人のはバーサーカーの勾玉やね、観月様が一個変わったのが欲しいゆーたから渡したんよ
ガーディアンの霊玉とバーサーカーの勾玉は二個ずつしかなくてガーディアンはボクとみこお姉ちゃんがつこて…
後はバーサーカーならもうもう一個有るけどどないするん?」
そう聞くと
「アタイもそいつが欲しいからみこ、頼めるな?
そう笑って言うと
「残りの手足もいつものように?」
そう聞くと
「ああ、頼む」
答えたので
「うん…でも今日は春蘭にやってもらうね、春蘭もアイテム錬成出来る様になった方が良いからね」
話を聞いていた真琴が
「翔、その勾玉はもう錬成しないの?」
そう聞かれた翔は
「ん~っ、あの勾玉と霊玉はボクの力だけで出来るんちゃうんよ
まこお兄ちゃんも知っとるやろか?侯爵様んとこのキラービー騒ぎ
結構大規模な侵攻やったから巣ごと退治せなアカン思て蜂の子大好きなボクは誉められて心苦しかったんやけど…
あれはみこお姉ちゃんの勾玉と霊玉がある程度の規模のキラービーの巣を守るガーディアンズとバーサーカー達を取り込んで生まれた勾玉と霊玉やから…
欲しいからユーていつでも作れるもんちゃうんよ…残念やけど」
そう言われて溜め息を吐き
「仕方無い、当分諦めるけどキラービーが現れたら翔を呼ぶから任せて良いのかな?」
そう真琴に言われて嬉しそうな顔で
「うん、さっきもゆーたけど蜂の子欲しいから呼んだってくれたら嬉しいし蜂の巣の駆除は得意やねんから任しといてっ♪」
そう得意気に胸を反らして言う翔を見ながら笑顔で見守る一同だったが
「甲冑は無理でもみこや貴女が持つ羽を模した飾りの着いた衣装の羽で翔ぶことは出来ませんか?」
その観月の問い掛けに
「それは面白い発想力だな?夕べの騒ぎで翔が魔力を奪った竜魔鬼と風蜥蜴は共に風属性の飛行能力を持つ者達…
公女の言われる事を試すには丁度良い勾玉が手に入ったが衣装はあるのか?」
魔女の命にそう言われてミナが
「こちらに」
そう言って差し出したのは翔はフェアリーと命の水の妖精で受け取った魔女の命がその羽の中央に押し付けると勾玉の魔力が羽に行き渡り
「済まないが王太子には暫し席を外してもらいたいのだが?今から私と翔が着替えるゆえな」
そう言ってニヤリと笑う命に溜め息を吐き
「んんんっ」
瑞穂の咳払いで我に返り
「あっ、す、済まない… 気が利かなくて申し訳無い」
そう言って出ていくのを見て
命はミナ、翔は呼ばれたセレナが用意下肌着を持って現れ着替えを手伝い着替えの最中に入れ替わり意識を取り戻したみこと翔の二人が試着する事になった
朝の魔鎧の稽古である程度のコツを掴めていた二人にはゆっくり翔ぶくらいなら造作も無いことだったから
「明日の朝の修行でこれも修行しないとねっ♪」
そう笑って翔に話し掛ける命を見ながら
「ミナ、取り敢えず真琴、翼、チサの分の水の妖精を作りなさい
真琴も取り敢え当面はずそれで我慢しなさい」
そう言われた真琴が苦笑いしていると
「観月様が本当の間に合わせで良いと仰るのなら飾り羽を作り縫い付けても差し支えない服に縫い合わせてはみては如何でしょうか?」
それとその系統の服のデザインは御法さんが得意でしたからそう言った服の原画を預からせ頂ければ真琴様や命様、翼様とチサ様に翔ちゃんの分を作製とサイズ別の型紙を用意を致しますが?」
その以前のミナからは想像のつかない積極的な発言に驚いていると
「やはり差し出がましい口を利いてしまったのでしょうか?」
そう言って悄気るミナに
「いいえ、逆です…以前の貴女からは想像つかない成長に驚いただけですし貴女の提示した二案は私も思い至りませんでしたが成る程と思いました
貴女もこれから色々忙しくなりますが頼みますよ、ミナ」
そう言った観月の顔はミナの成長を心の底から喜んでいたが執務室の戸が叩かれて
「食事の支度が整ったと知らせが来ましたが?」
そう言われて追い出していた月光の事をすっかり忘れていた一同は笑いながら
「みこと翔はそのままで良いですね?」
そう女王に言われて翔と顔を見合わせて
「えっ、と…あのエプロンはダメ?」
そう命が聞くと
「食べる時に着ければ良いです」
そう言われてホッとした二人
その二人が宙を舞い食堂に向かうのを見て見惚れ、真琴の騎士姿にうっとりして見詰める侍女達を見て苦笑いを浮かべる女王だった
少し遅れた朝食の席で相変わらずミナに世話される命と美輝に世話させる媛歌に新たに加わった翔の世話をするセレナ
食事のが終わり後片付けの手伝いを終えたセレナは見習い侍女達と勉強に参加し
翔は保存食用に干物や薫製作りにビスケットや乾パンを焼いて一日を過ごし女王と王妃と観月は今後の予定を話し合い真琴は騎士達を鍛えていた
朝食を済ませ手伝いを終えたセレナは真琴に踊りを習い
翔は取り敢えず歌姫と舞姫の様子を見に行くとぼんやりとしていたけど二人とも目を覚ましていたので観月に報告
調理場の手伝いに戻り冷たい水を用意して二人の元に届けて貰った
二人の元には観月に王妃と女王が訪れると五人の話し合いがなされ
「差し支えなければ貴女達の話を聞かせて下さい」
観月にそう言われ戸惑う舞姫の頭を撫でながら
「お久し振り…と、そう言って良いのでしょうか?
観月さんとおば様方…私達の両親は皆様のご推察の通り最後の祭司長と呼ばれる父とこの世界では最後の舞姫と呼ばれる咲夜…貴女方の従妹です…」
「そして貴女が観月を観月さんと呼んだのはあの児の父親が如月なのだから…ですね?」
そう王妃に言われて
「その通りで私にとり如月様は初恋の人で幼い頃夢見た王子様…
私とお腹にいた弥生の命を擲い守ってくださった如月様には弥生を見せることが出来ませんでした…」
力無く項垂れる歌姫に
「如月に会いたいですか?」
観月にそう聞かれた歌姫は
「はい、お会いしたい…私が恋し弥生の父親である如月様にお会いしたい…叶わぬ願いでしょうが…」
そう言って自嘲気味に笑う歌姫に
「取り敢えずその弥生ですが幸い乳を与えてくれる者に馴染んでいるようですからその者を乳母にし私が預かりますが?
咲夜の娘である貴女の娘ならば垢の他人ではありませんからね」
そう言われて
「多分生前より若返っている今の私には乳を与える事は出来ませんし私のみこ…舞姫と共に人魚姫に仕えるべき私が連れ歩く訳にもいきませんから宜しくお願いします…」
そう言って頭を下げる歌姫に倣い頭を下げ舞姫は頭を上げると
「私は精霊の巫女としての修行と人魚姫に踊りを教えこの世界の舞の女神の依り代目指してもらいますし私自身も精霊の巫女でなかった頃には習得出来なかった踊りに挑みます」
そう言って口をつぐむ舞姫
戸を叩く音がし控えめな声で
「あ、あのぉーっ…翔やけど入ってもエーですか?アカンかったらお二人さんに渡してほしいもん渡してもろたらそんでもえーんですけど…」
そう言われて観月が
「入れても良いですか?」
そう問われた二人は
「あの娘なら構いません…舞姫も良いですね?」
そう歌姫に言われて頷いたので戸を開けて
「入りなさい」
そう言って招き入れられた槍と一緒に入って来た翔は二人の前に着くとポテッと床に落ち両手を着いて
「あん時はえろー失礼いたしました…これつまらんもんやけどお詫びにもろて欲しいんですけど…」
そう言って手渡された手提げを受け取り改めて見る翔の顔や手足の至る所に引っ掻き傷…パッと見でわかるほどの深い傷がある事に気付き溜め息を吐いた舞姫が
「観月様、傷薬をお願いします…」
そう言うのを聞いて焦った翔が
「こん位唾つけとけば平気やから…舞姫様にそないな事さしたら罰当たりますよってボクの事なんか気にせんでエーですから…」
そう言われて
「黙りなさいっ!薬師である私が目の前に居る怪我人を放っておけるわけ有りませんっ!大人しく治療を受けなさいっ!」
その舞姫の気迫に恐れをなした翔が頭を抱え涙をポロポロ溢しながら
「堪忍したって下さい…ちゃんと大人しゅうえー子にしとりますからそない怒らんでもえーやないですか…」
そう言って震える翔の背中を撫でながら
「貴女が嫌いで言ってる訳じゃないのですからもっと聞き分けなさい、貴女に何かあったら…そう思ったら貴女のお友達だって悲しいのですよ?」
そう言われて力無く頷く翔に観月から受け取った傷薬で手当てをすると
「私達も貴女同様に人魚姫様にお仕えする者なのだから変な遠慮は要りませんよ」
そう言われても
「せ、せやけど…」
そう言って口ごもる翔に
「なら私達の事もお姉ちゃんと呼びなさい…王女達の事をお姉ちゃん、そう呼んでいるのでしょ?」
舞姫にそう言われて
「えと…そんなら舞姫お姉ちゃんと歌姫お姉ちゃん?」
そう照れ臭そうに名前を呼んでみると歌姫も翔の頭を撫でてくれるのを見て
「えへへ…」
そう照れ笑いする翔だった
その後訪れたのはミナで戸を叩き入室許可を得て
「観月様、歌姫様と舞姫様のお二方の衣装を急ぎ仕立てましたが?」
そう言われて見せられた服はワンショルダーワンピースとホルターネックのワンピースで
「シンプルだとは言え随分早い仕上がりですね?」
そう言われて
「はい、作り方を一工夫しまして…一枚布を使用していますしフリーサイズ仕様になっていますから…
お二人の体調が宜しく陛下のお許しを得られましたらそれをお召しになっていただき昼食をご一緒にと思いまして即席で拵えました」
そう言われて
「媛歌にも麦のワッペンで飾りを付けて作り当然若月でも出しましょう…いいえ、おば様…お国の服飾業者に頼みこちらでも生産販売を開始しても宜しいでしょうか?
その際ミナを若月支店の責任者にして勿論春蘭達にも手伝ってもらいますが?」
そう尋ねられた女王が
「それは巫女達がこの地に腰を据えて我が国に残ってくれるのですか?」
そう嬉しそうに聞かれ
「取り敢えずその方向で人事調整しますがミナは引き受けてくれますね?」
そう言われて一瞬寂しそうな表情を浮かべたが気持ちを切り替え
「承知しました、陛下と観月様のご期待に沿えますよう精進致します」
淀み無くそう答えるミナを見て
(これを機にみこ離れができれば良いのですが…)
そう思いこっそり溜め息を吐くとミナの手伝いで着替えを終えた二人の姿を見た女王が喜び
「早速お昼から食事を共になさい
それとミナ、二人の今夜のドレス期待してますよ」
そう誉められ
「お誉めに預かり光栄です、それでは私は作業に戻りますのでこれにて失礼致します」
そう言って退出しようとするのを見た翔も
「ほたらボクもお昼の支度お手伝いに行きますよって失礼します」
そう言ってミナ共に退出していった
昼食に招かれた舞姫が
「何故翔ちゃんは同席しないのですか?」
その疑問を口にすると
「私達は同席して欲しいのですけど本人が調理場の仕事が残っとるからと言い訳してこういった場に来るのを嫌がり頭を痛めてます」
そう女王が言うと