良いのだけどはっきり言って今自分の居る場所すら把握できない命がそもそも何処に何が在るかすらわかってもいないのだ
すっかり道に迷ってキョロキョロ辺りを見回している命を見掛けた侍女の一人が
「巫女様、供の者を連れずお一人で一体どうかなさいましたか?」
そう声を掛けると
「昨日貰った竪琴とお歌のお稽古したいんだけどお歌歌ってても良い場所教えて欲しいの…お姉ちゃん」
そう言われビックリしながらも城の北に在る池の畔の東屋まで案内すると
「有り難う、お姉ちゃん…良かったら今度暇な時にみこのお歌聞いてね?」
笑顔で言われたその侍女は真っ赤になりながら
「巫女様のお役に立てて私の方こそ嬉しいです」
そう言って頭を下げ
「私はこれで失礼しますがここに巫女様がいらっしゃると観月様にお伝えしますね」
そう言ってその場を後にした
その侍女と結界から出て身体を慣らしているいる阿と遭遇し慌ている気配を感じ
「巫女様がこの先の入り口から見える東屋でお歌のお稽古をしていると観月様にお知らせに行こうと思いまして」
そう言われ
「ならみこには阿が付いてるからご心配なくと伝えて欲しい」
そう言って命の方に大股で歩いて行く後ろ姿にみとれていたけど我に反り観月達の部屋へと急いだ
その侍女と青ざめた表情のミナが鉢合わせし焦るミナを見て内心せせら笑い
(美月のスタッフと言っても大したこと無いな)
と思っているところにチサが
「すいません、みこちゃんは今何処に居るかご存知ではありませんか?」
そうきかれて見詰められた侍女は
「このまま真っ直ぐ行くと扉が有りますからその扉から外に出ますと右手に見える東屋にいらっしゃいます
先程騎士の阿様にそうお話ししましたら公女の観月様に阿が一緒に居ますからご安心下、そう伝えて欲しいと仰せつかり観月様達の所に向かうところです」
そう聞いてほーっと息を吐き出すミナに
「だからみこちゃんの事なら大丈夫と言ったんですよ?ミナさん…」
そう言われてさえ尚
そう伝えて欲しいと仰せつかり観月様達の所に向かうところです」
そう聞いてほーっと息を吐き出すミナに
「ですが…」
そう言って口をつぐむミナを見てふんっ…と鼻を鳴らすと
「私は観月様に巫女様と阿様の事をご報告に上がりますから(後は御勝手に)…」
そう言って立ち去る侍女を見送ったそチサはその時はそれが相手の心の声と気付かなかったけど徐々にその秘めたる力の目覚める時は近付いていた
チサとミナが東屋に近付くと命は既に東屋を離れすぐ側で池に脚を…いや、脚ではなく人魚化した下半身を水面にたらし尾ひれだけがゆらゆらと揺れていた
その周りを何人かの侍女達が見守っていたけれど命自身は気付いてないのか全く気にする様子はなく歌続けていて
「良い場所教えて貰ったんだね?みこちゃん…」
そう言われて近付いてくる二人に気付いた命が歌いながら笑顔を二人に向けると
「ミナさん…今朝はここでお茶にしてはどうかって思いますけど?」
命に声を掛けてからミナにそう話し掛けている二人の後ろから
「みこがこちらで歌の稽古をしていると報告を受けましたからユウとユカに仕度をさせてますので今暫く待ちなさい」
観月にそう言われて頷くと命の歌を聞くことしたミナとチサを見ながら
「貴女達はいつまでそうしているつもりなんですか?いい加減仕事に戻りなさい」
そう叱責を受け観月の背後に控えて居た侍女も慌てて戻ろうとするのを
「貴女は構いません、みこをこちらに案内してくれた礼に朝のお茶に招待します
勿論私が招待したのですから伯母様には私から話しますからサボってる等と心配しなくて良いですよ?ですが…」
そう言って歌の稽古に区切りをつけミナに脚を拭いて貰っている命に
「みこ、このお姉さんは優しかったですか?」
と声を掛けると
「うん、どこでお稽古したら良いかわからなくて困ってたみことお手て繋いで連れてきてくれたんだ、ありがとねお姉ちゃん」
そう言って笑顔で答えると
「みこちゃんおはよーっ♪」
りんの明るい声が響いてお茶を持ってきたユウとユカがその後についてきたのを見て
「ミナ、今朝のお茶の支度は貴女に任せますよ」
そう指示を与え
「貴女、名前は?」
その突然の問いかけに慌てて
「マ、マイと申します」
吃りながら答えると
「マイ…ですね、わかかりました…折り入って貴女に頼みたい事がありますが宜しいですか?」
その思いもよらない成り行きに緊張して
「私に出来ることならなんでも仰ってください」
との答えを聞いて
「現在命に付いている侍女は大公家の侍女のミナと見習いとして奉公に上がったばかりのりんの二人に任せてますが…
当然の事ながら共に城内に明るくないばかりかりんに至っては未々自身が勉強を始めたばかりですから…
マイ、貴女に二人を助け共にみこの世話をしてもらいたいのです」
と驚くべき申し出を請け
「私の様な者で宜しければ…」
震える声で答えると
「マイさん、共に命様の為に頑張りましょう」
裏表を全く感じない笑顔で言うミナに
「宜しくお願いします」
と頭を下げるりんと
「宜しく頼む」
と全く表情を変えることなく言う阿にそう言われ
「宜しくお願いします」
とミナにライバル心剥き出しで挨拶するとミナの用意したお茶を呑み驚いていたら
「この茶葉ならもう少し温くした方が良いですね」
とダメ出しされるのを聞いて自分達が淹れるお茶よりずっと美味しいのに…
ミナに対する見る目が代わってもう一度
「宜しくお願いします、ミナさん」
そう呟いた
「ではマイ、貴女の事は朝食の時伯母様にお願いしますから今から命に付いて貰います」
そう言ってユカを見る観月の視線には
「ミナ同様にマイも頼みますよ」
そう言っているのを理解し小さく頷くユカだった
そうして朝食の席でマイを借り受けたい旨を王妃に伝えマイには
「命の午睡の時間に必要な荷物を私達の部屋に持って来なさい
その方が命を見て貰う上で都合は良いですからね」
そう言われ命とチサとりんが午前の勉強の間その様子を見守るマイ
命の為のドレスのデザインを考えてるユウとユカに頼まれた針仕事をこなすミナとそれぞれのすべき事をして過ごした
そうして昼食後に鬼百合に頼まれていた彼女の四肢に霊玉と勾玉を埋め込むと脚は大きな結界に包み込まれ腕は中くらいの結界が四個小さな結界が二個に更に小さな結界が十個に別れ鬼百合も又結界に包まれた
食事の後午睡の命とそれを見守るマイとダンスのレッスンのチサ
礼儀作法のお稽古のりんとそれぞれのすべき事に別れユウが指導する
命の為の服のデザインを考えながら制作中の服の作業を急ぐユカとユカの指示を受けながら引き続き針仕事をこなすミナ
命の午睡が終わる頃には武具にその姿を変えた鬼百合の四肢
左足はアクエリアスの霊気を纏った戦斧で右足は黒い魔力を放つ鉈で共に柳水が所持
左腕は二本の青竜刀になり瑞穂が持つことに
右腕は小太刀二本は斬刃が
左手アクエリアスの霊気を纏ったバックラーで右手は黒い魔力放つハンドボーガンとなり二人で分け合い残りは十本の投げナイフとクナイとなりモリオンが管理することになった
その日の仕事を終えるとミナはその確かな針仕事の腕前を認められユカの助手として美月への移籍を進めると発表した
食事が始まり暫くして目覚めた鬼百合は二人に別れており互いの鬼百合は白黒の同じ型の胸当てを身に纏っていた
さすがの命も鬼百合が二人になるなどという予想外の事態ではあるけど
「夜ご飯は鬼百合の分が沢山要るから用意したげてね」
そう言われていたからたっぷり用意してある
また、命達が乗ってきた船の幹部達も招かれ彼らもそれに立ち会っていたので観月に
「帆風、お父様と今あちらで私に代わり美月の指揮を取っているユマに渡して欲しい書簡を預けますが宜しいですか?」
と聞くと
「聞かれるまでもなく任せるとそう言ってくれれば良い」
そう笑顔で答える帆風でそして提督には
「申し訳有りませんが帰還後間を置かず再びこちらに戻って頂くことになりますから宜しくお願いします」
その観月の要請には
「観月様やみこちゃんとチサちゃんに会えると皆喜んで来ますからその心配には及びません」
と答えると帆風も
「鬼百合殿と阿殿を姐さんと呼んで慕ってる奴も結構居ますからねっ♪」
と帆風に楽しそうに言われて
「アタイも共に酒を酌み交わして楽しい酒を呑める奴等を気に入ってるから又一緒に呑みたいもんだぜっ♪」
そう笑って言うと
「出航迄にはその機会を設けましょう」
と提督が請け合った
食事もあらかた終わり命の歌が始まり手の空いてる者も聴くことが許され集まってきた
そんな夜を五日過ごして一区切りがついたので
「みこ、チサにりん…明日明後日は貴女ん達のお勉強はお休みにしますがどうしますか?」
そう聞かれた命は
「りんちゃんのお家に遊びに行きたい」
観月の問い掛けにそう答えたけどりんは
「家に行っても二人とも漁に行ってるから誰も居ないよ?お父さんは仕掛けた網を引き揚げる日なら遅いかも知れないけど…」
そう言われてがっかりする命を見ながら
「チサはどうしますか?」
観月にそう言われて
「私はみこちゃんと過ごせれば何処でも良いですからみこちゃんの希望が叶えば良いです」
と、答えたので
「では馬車を用意しますから…鬼百合はどうしますか?」
そう聞かれた鬼百合は
「アタイは運良くりんの親父に会えたら漁についていきたいぜ」
そう鬼百合の答えるのを聞いたりんが
「ならみこちゃんは私達がいつもお母さん達が漁に出てる間過ごしてる岬に行く?」
そう提案されて勢い良く頭を上げると
「行く行くっ…りんちゃんそこに連れてってねっ♪」
そう言って喜んで答える命を見ながら
「そう言う事なら提督、明日非番の奴等を誘って俺達も同行しても良いですか?
りんが言う場所は俺達の間じゃ大物が期待できるって有名なポイントなんで皆喜んで行きますからねっ♪
勿論鬼百合殿は漁が終わったらみこと合流するのでしょ?ならば共に一杯やりながら釣糸を垂れませんか?」
と言われ
「そうだな、それなら運悪くりんの親父達に会えなくても楽しい時間が過ごせそうだぜっ♪、お前達はどうするんだ?」
そう聞かれて
「私達はお前ほど酒好きではないが命の行くところなら同行するだけだ」
と答えると頷く七人と嬉しそうに
「私達が美味しいお弁当を用意いたしますっ♪」
ユウも嬉しそうな声でいうと
「勿論ミナとマイの二人も手伝ってくれますね?」
そうユカに言われて
「勿論喜んで」
と、マイとミナが答えると
「私とりんちゃんにもお手伝いさせて下さい」
そう言ってチサが訴えると
「二人も宜しく頼みますね」
と言われて喜ぶ二人だったがやはり花の娘だけが
―その獣か私のどちらかを選べ、もう辛抱ならんゆえ其奴か私のどちらか…イヤ、私を解放しろ私が人界に留まる理由はない―
そう訴えだけれども誰にも相手にしてもらえず不貞腐れて終わりだった
明けて翌朝…命の馬車の同乗者はチサ、ミナ、マイ、ユイ、ユカ、阿、瑞穂、白檀、白蓮と馭者の隣に案内役としてりんが座り
後続の馬車にユウ、鬼百合、柳水、斬刃、モリオンが乗り帆風と二人の部下も誘われ同乗した
予定通りりんの家の前で馬車を止めると網の引き揚げに向かうりんの父親に会い
「なぁあんた、網の引き揚げに行くんならついていって良いか?」
そう言われて
「来るのはかってだがタダ働きになるんだぞ?」
そう言われて笑いながら
「漁の後の一杯を呑ませて貰えりゃ良いんだぜ?つかみこの友達の親父から金なんか貰うつもりなんかねぇんだからよっ♪
柳水もついてきな、帆風…あんたらはどうするよ?」
そう誘われ「勿論お供しますよ、姐さんっ♪」
帆風の部活達が嬉しそうに
そう答えりんの父親に同行し馬車は引き続きりんの案内で岬に向かった
岬には直接こちらに来ていた乗組員達が思い思いの場所で一杯やりながら釣糸を垂れていた
命は馬車が止まると一目散に水際に走りいつもの緩慢な動きからは想像つかない手早さで服を脱ぎ捨てると沖に向かって泳ぎ始めた
後に残ったチサとりんだけどそのりんに向かいユカが
「りん、チサとミナは初めての海ですから二人に磯遊びの楽しさを教えてあげなさい」
そう言われ潮溜まりに二人を案内するりんに色々教えて貰いながらはしゃぐ三人のを遠巻きに眺めていた同行者達
見知らぬ馬車が現れ警戒していた子供達が三人の様子を伺っているとその中の一人がりんに気付いて
「留美菜っ!りんがっ …りんが居ひさしぶりに来てるよぉーっ!」
と語気を強める少女に留美菜と呼ばれた少女が料理の手を止め様子を見に来て
「本当…りんが帰ってきた…じゃああの人達はもしかして…」
そう呟いて身を乗り出すと
「りーん、帰ってきたのぉーっ!」
留美菜がそう叫ぶと
「今日はお勉強お休みだからみこちゃん達と遊びにきたのぉーっ!」
りんもそう叫び返すと隠れて様子を見ていた子供達が潮溜まりに居るりんの周りに集まり始め…そして三人を見ながら留美菜がりんに
「人魚姫様はいらっしゃらないの?」
そう聞くと
「みこちゃんならさっき沖の方に泳いでいったから多分お母さん達の漁場に行ったんだと思います」
と答えるりんに別の子が
「この二人は?」
そう聞かれたりんは
「チサ様はみこちゃんの家族でミナ様は美月のスタッフで私が一杯お世話になっている方達だよ」
そう言われたけど美月のスタッフになったばかりのミナは知名度は低くチサも自身命の影に隠れているのが現状のため一般市民には殆ど情報が流れてないために子供達の反応は薄かったがそれでもりんは皆を見回して
「皆にお願いが有るんだけどチサ様とミナ様は海に遊びに来るの初めてで海の事を余り知らないから皆も一緒に色々教えてあげてよ?」
と、りんが説明するとチサが
「私、山奥の生まれだからこちらに来る船に乗るまで海って見たことがありませんでしたから…」
と言うとミナも
「私も同じと言うか外で遊ぶなんて経験が殆ど経験ありませんでしたから…知らないのは海の事だけじゃないんですよ…」
と言うと一人の男の子が岩を動かし何かを摘まむと
「カニ…」
そう言って二人の前に差し出すと
「カニ、生きてるの始めてみたけど随分小さいんですね?」
ミナが感心しながら言うのを聞いた男の子が
「お姉さんは大きいのしか食べた事がないの?」
と、聞かれたミナが首を横に降り
「お仕事で運んだ事が有るだけで食べたことはありません」
と、答えるミナに
「美食家として有名な大公様のお屋敷で出される料理なら物凄いご馳走なんでしょうね…」
そう言って溜め息を吐き
「りん、良かったら久し振りに皆と一緒に食べてく?お鍋」
そうりんに声を掛けると
「味噌の良い香りがしますね…どうやら自家製のお味噌の様ですね…宜しかったら私達も頂いていいですか?
私達も一応お弁当を用意してますからそれも皆で分け合って食べましょう」
そうユイが問い掛けるとりんも
「私も色々と教わりながらお手伝いしたんだよっ♪」
と、得意気に話すと
「わ、私達が食べる小魚のごった煮なんか美月のスタッフの皆さんのお口に合う訳無いですよ?」
そう留美菜が言うと
「そんな事はありませんよ?私達に限らず大公家にお仕えする者達の中には漁師の子は少なく有りませんから」
ユカがそう答えるとミナは
「逆に山奥の生まれの私は新鮮な魚がこんなに沢山入った鍋は初めて見るご馳走なんですよ?」
と言うとチサも
「私もミナさんと同じてすよ?でもまだお昼にはまだ早いからこの潮溜まりの事もっと教えてください」
そう呼び掛けると
「うん、一杯教えたげるね」
そう言って皆仲良く遊び始めた
見知らぬ命の接近に気づいた海女の一人が怒り顔で
「アンタ、初めて見る顔だね?今日この海域はアタシ等の漁場を知らぬとは言わせない
この落とし前、どう着けるんだい?」
そう言われたけど言われてる事をさっぱり理解できない命は
「知らないよ、みこ…りんちゃんのお母さんに会いに来ただけだもんっ♪」
そう笑って答えると
「りんちゃんのお母さん?」
そう呟くと当のりんの母親が命に気付いて
「に、人魚姫様、一体全体こんなとこまで何しにお出でになったのですか?」
りんの母親が驚いてそう声を掛けると
「人魚姫…様?」
そう呟いた海女が改めて目の前の少女の顔を見ると噂に聞いたコバルトブルーの髪とダークブルーの瞳
そして水の中に見えるのは人の脚ではなく人魚の下半身だったのだから
「人魚…姫、様…」
そう呟いて自分の無礼な振る舞いに怯える海女に向かい
「もお、何でわかってくれないのかなぁ~っ…みこはお姫様なんかじゃ~ないんだからねっ!」
と頬を膨らませ抗議しその後にりんの母親に向かって
「これを取ってきたら良いの?みこお手伝いしたいけど良いですか?」
そう言って海女達が捕ってきた魚介類を入れている桶を指差しながら聞かれて溜め息を吐き
「私がお教えしますからお手伝いお願いしますね…」
そう言って潜り始めると命もその後について潜り実物を見せながら取って良いもの悪いものを教えながら獲物を探した
命が潜り始めるとそれまでは見掛けなかった大型の海老やタコ、気付けなかった貝などがごろごろ見つかりあっという間に一日の限界漁獲量に達して漁の時間は未々有るもののこれ以上取ってはいけないのだからと切り上げるごとになり
「私達迄手伝って頂いて宜しかったんですか?」
そう聞く海女達に
「何にも知らないみこに一杯一杯教えてくれてありがとございました
みこ、又お手伝いに来ても良いですか?」
と逆に言われて
「みこちゃんにはお礼に後から良い物を差しあげますがまずは取り敢えずこれらをどうぞ…」
そう言って渡した魚籠には程々のサイズの牡蛎が入っており
「皆様と召し上がってください、又後程お会いしましょう」
そう言って漁港に近い方の岸から上がると市場に向かっていった
「あっ、人魚姫様だっ!」
岸に向かって泳いでくる命に気付いた目の良い男の子が叫ぶと皆で一斉に手を振って命を出迎えた
その騒ぎに気付いた近くでスケッチしていた画家達が集まり各々に命のスケッチを始めた
潮溜まりに来た命が仲間に入るとますます大ハシャギの子供達
山に入り香草や木の実、草の実を集めてきた留美菜達の母親達が帰って鍋の魚が溢れ反らんばかりになっているのに未々魚を捌いているのを見て
「留美菜、この魚達は一体…」
と恐る恐る聞くと
「あのお兄さん達が魚を提供するから俺達も鍋食べさせてよって言ってくれて余りにもの小さいのは逃がして刺身がとれるサイズは刺身に
それ以外の魚は鍋に入れてるの」
と説明したけど魚を捌いている者の顔を見て思考が停止した
その母の様子に気付いた留美菜は
「母さん、潮溜まりを見て…もっと驚く方がいらっしゃるのだからねっ♪」
そう言われ潮溜まりに視線を移すと確かに驚くべき人物が居た…漁の時間は未々有るもののこれ以上取ってはいけないのだから切り上げるごとになり
「私達迄手伝って頂いて宜しかったんでしょうか?」
と申し訳無さそうに聞いてくる海女達に向かって
「何にも知らないみこに一杯一杯教えてくれてありがとございました
みこ、又お手伝いに来ても良い?」
と逆に言われて
「みこちゃんにはお礼に後から良いものをあげますね
でも取り敢えずこれをどうぞ…」
そう言って渡した魚籠には程々のサイズの牡蛎が入っており
「皆様と召し上がってください、又後程お会いしましょう」
と言って漁港に近い方の岸から上がると市場に向かっていった
「あっ、人魚姫様だっ!」
岸に向かって泳いでくる命に気付いた男の子が叫ぶと皆で一斉に手を振って命を出迎えた
その騒ぎに気付いた近くでスケッチしていた画家達が集まり命のスケッチを始めた
潮溜まりに来た命が仲間に入るとますます大ハシャギの子供達
山に入り香草や木の実、草の実を集めてきた留美菜達の母親達が帰って鍋の魚が溢れ反らんばかりになっているのに未々魚を捌いているのを見て
「留美菜、この魚達は一体…」
と恐る恐る聞くと
「あのお兄さん達が魚提供するから俺達も鍋食べさせてよって言ってくれてね
余りにもの小さいのは逃がして刺身がとれるサイズは刺身に
それ以外の魚は鍋に入れてるの」
と説明したけど魚を捌いている者の顔を見て思考が停止した
その母の様子に気付いた留美菜は
「母さん、潮溜まりを見て…もっと驚く方がいらっしゃるのだからね」
そう言われ潮溜まりに視線を移すと確かに驚くべき人物が確かに居た
「頭、なんか今日の網はやけに重いっすね?期待しちゃうだけの手応えっすね」
そう言われた船頭のりんの父親は
「いい加減たまにゃ大漁旗を上げて帰りたいから吉兆だと良いがな?」
そう答えるとずっしりとした手応えに相応しく網の中の魚達が窮屈そうに見えるくらい詰まっていた
しかもパッと見でも分かるくらいに高級魚がかなり混ざっている
漁師達が大喜びで生け簀に入れていると鬼百合と柳水は僅かに感じる船への衝撃に悪い予感が…
「鬼百合、どうやら悪い予感は当たってしまった様だ…
クラーケンが漁師達の獲物を横取りに来た」
柳水が言うクラーケンは勿論妖魅の類いではなく大王イカでも漁船を襲って漁獲の魚を奪う者を指しているのだが…
「出会しちまったもんはしょうがねぇ…
それに逆にこいつ仕留めりゃそれなりの小遣いなるんだから一石二鳥ってもんだぜ?
お前達は漁師達を守れ、アイツはアタイらが仕留めるからよ…行くぜ柳水っ!」
そう言っていつのまにか呼び出した円月刀達を構えた鬼百合がクラーケンに飛び掛かりいつの間にか呼び出した青海の銛を構えた柳水がクラーケンを睨み付けていた
勿論容易く倒せる相手ではなく鬼百合と柳水の二人をもってしてもそれなりに手を焼いたが所詮は魔物ではない普通の生物に過ぎないクラーケンの敵う相手ではない
結局二人に打ち倒されたクラーケンのその身体は船に曳航され出荷されることになった
そのクラーケンが引き揚げられ競りに掛けられると市場は大騒ぎとなり
単価的には中の上位でもその量は半端なく単品は勿論これひとつで最近不漁続きの漁師が多い市場では船数隻分売り上げに匹敵する