決闘、それは互いの全力を尽くすもの。
そんな決闘は他人がやっていると、面白い。
自分でやっていると、血沸き肉踊る。
さて問題です、目の前で行われているのはなんでしょう。
「オラオラオラァ!こんなもんかァ!?」
「くっ、なんで当たらないんですの?」
それは空間歪ませてレーザーを逸しているからですよ、セシリア君。
「あーあ、まァた一個ビットが消えたぞォ!?どうすんだァ!?」
「なんでこんな、いとも簡単に」
それは動きが読みやすくて、フェイントも
「あー、つまんねぇ、装甲を一個ずつ剥いでいくか」
「なんて悪趣味な!」
激しく同感だよ、セシリア君。
「もうそろそろ終わらせるかァ」
「舐めないでください!」
いやぁ、舐めてるわけじゃないんだろうけど。
もうそろそろ終わるな、マジで。
そう、もうお分かりだろう、試合だ。
仙崎桜夏VSセシリア・オルコット
もはや完璧な
勝っているのはもちろん桜夏、圧倒的だ。
だいたい桜夏の機体『
スラスターはラファール・リヴァイヴの強化版であり、固定翼が3対可動翼が1対、スラスターのパワー自体はラファール・リヴァイヴの3倍強、機動性は2倍強である。
攻撃には
さらに自身の装甲を展開させ、1ミリの約8900層からなるエネルギー装甲を発生させる事ができる。
更にこの形態時はエネルギー装甲を変形させ、ビーム刀や指鉄砲からビーム等の攻撃が可能になる。
この形態は『
ちなみに更に上もあるのだが、桜夏自身も知らないそうだ。
『金剛阿修羅』はワンオフアビリティーが2つある。
『屈折』と『転移』の2つだ。
『屈折』は文字通り、何かを屈折させる。
『転移』も文字通り、何かを転移させる。
これらの理不尽性能で、普通の第三世代などでは話にならない。
もちろん龍虎兄や千冬姉なら何とかなるんだろうけど。
「最後に面白いもん見せてやる、鬼武者ァ!!」
装甲が展開していき、エネルギー装甲が甲冑型に変化していく。
最後にバンダナの様な
すると額と展開した装甲の後ろの部分から鬼の角のようなものが出現する。
そして背中のスラスターが向きを斜め後ろに可動し、黒の粒子を撒き散らす。
展開が終了するとバイザーの目にあたる
「な、なんですの!それは!」
「見りゃわかんだろ、鬼武者だ」
わからねえよ。
最後に俺が心の中でツッコミをすると同時に『転移』でセシリアの背後に周り、指鉄砲からビーム砲で終了した。
そして次は俺がセシリアとやる訳だが、この機体は初めて乗るので不安だ。
確か名前は『白式・無幻型』だとかなんとか。
『~型』と付いてるって事は何機かあるのだろうが、俺は聞いたことがない。
一見すると近接型っぽいのだが、良くは分からない。
しかしフォルムは独特だ。
鋭い印象を与える翼が
翼のような装甲で縦長のスラスターを隠すようにしているが、確認できるだけでもスラスターが16も搭載されている。
完全に機動力過剰ではないだろうか。
ちなみに根元から分かれている羽は、それぞれ個別に動かせるようだ。
白いペイントを基調に黒い線が走っている。
肩から
若干シールドの様にも見えるが、起動してみないとわからない。
手の甲は平らだが、指は関節の所に突起がある、これで殴れとでも言うのだろうか。
手は黒いが腕は白い、肘は外側に追加の装甲が付いていてそこは黒色だ。
胴体は肩にカバーのような装甲が有り、胸や腹の全体を覆うように装甲がある。
腹を屈めると上の装甲が下の装甲の上に滑り込むようになっていて、落ちたものも拾えそうだ。
その機構は肩にも搭載してある、主な武器が刀の俺にとっては嬉しい機構だ。
腹は黒色だが、それ以外は白色だ。
しかし反面に足は少し太い印象を受ける。
股関節部分に腹に付いていた装甲が有り、走るぐらいは出来そうである。
太もも部分は二の腕の装甲の1.2倍ほどしか厚さがないが、
脚にもスラスターが付いているので、そのための装甲ではなかろうか。
足裏には黒いペイント、表には白いペイントがされていて、他は真っ白だ。
頭にはバンダナの様な物が有り、額ではなく前頭部に装着するようで、オールバックに髪型が固定される。
そして何故か
バンダナは白、モノクルは金色の
最後に一言だけ言おう。
・・・・・・スッゴイ俺好み!!
~~~~~セシリア装甲換装中・エネルギー補充中~~~~~
「ちょっと慣らしてくる」
俺は隣に居てくれた箒に声をかける。
「ああ、勝って来ないと、ひどいからな」
箒はそう言いながら、カタパルトの外に出る。
俺は頷きで返し、カタパルトに機体を固定する。
「カタパルト固定!射出シークエンスに移行!射出タイミングを白式に譲渡します!」
山田先生の声が聞こえてきた。
するとカタパルトの出口に向けて赤色の光が伸びていき、白式が少し傾けられた。
片眼鏡には『射出準備完了』と表示されている。
「織斑一夏、白式・無幻型」
俺は翼のスラスターを起動させ、前傾姿勢を取る。
「行きます!!」
射出の選択をするとカタパルトが前に動き出し、それに連動してスラスターも推進力を高めている。
同時に
出口に向かい加速し続ける白式。
俺の体にはGが上がるのを感じ始めた。
「シールドを貫通するほどのGが発生する加速かよッ」
そしてついに俺は出口へとたどり着き、空中に放り出される。
はじめはスラスターを停止させ、PICで飛行する。
「くっ、なんじゃこりゃ」
思わず声が出てしまった、それほどの機動性。
むしろ起動性がありすぎてフラフラしている。
おそらくスラスターの加速下でも期待制御や進路変更などができるように、強力なPICを使っているのだろう。
「それにしたって、これはないだろ」
頭の中で飛んでいる自分を想像して飛行していくが、まだ慣れない。
いろいろ試してみようと様々な事をしたが、どれも少しぎこちない。
「よし、上手くなってきた」
そろそろスラスターも起動させて飛行してみよう。
そう思ってスラスターを起動させる。
出力は20%程だ。
「なっ!ヤバイ!ヤバイ!」
スラスターが起動した瞬間の凄まじい加速で、白式はアリーナの壁に突っ込んでいった。
ギリギリPICで姿勢制御をして、翼を下に移動させることで上に向かう。
「グッ、凄まじい加速だよ、これ」
アリーナの上に行くのに数分とかからなかった。
次はPICで進路変更をしてみる。
「うっわ!何だこりゃ」
曲がっている自分を強く想像すると、
この速度でその曲がり方は有り得ないものだった。
「これ、GをPICで緩和している?」
凄まじい加速の中でも冷静に分析している自分に苦笑が漏れた。
加速の中でも自分の目は周りの景色を正確に捉えていた。
片眼鏡なのに、両目に効果があるみたいだ。
「もう少し、加速してみるか」
白式のスラスターの出力50%に上げる。
「ガッ、ゴフゲフ」
その瞬間にGが発生し、
白式のシステムを起動させて、これを緩和するものがないか調べた。
「お、あるじゃん」
『搭乗者保護システム』という名前だった。
とりあえず起動させる。
「おお、消えた」
少し調子に乗って、直角に曲がってみた。
「おおぉ」
次は武装を確認するか。
そう思い、武装を確認する。
[武装一覧]
[近接ブレード:雪片二型]
[近接ブレード:雪片三型]
[近接ブレード:戦刀鬼神]
[近接ブレード:六刀神山]
[近接ブレード:無刀神凪]
[エラー:使用時間が一定に達していないので、武装封印中]
一言だけ言おう、見事に近接ブレードしか無いな!!
「一夏、オルコットが来る、用意しておけ」
通信で千冬姉の声が届く。
管制室を見ると、龍虎兄が居る。
「うん、行ってくる」
龍虎兄が口パクで「行ってこい」と言っているのが、ハイパーセンサーで分かった。
そして、それに応えた。
龍虎兄なら、裸眼でも見えるはずだから。
そして声には少しの期待も含めていた。
「勝ったら、褒めてくれる?」と。
自分でも女々しいとは思っている、でも思わずには居られない。
昔から龍虎兄はあまり俺を褒めてはくれなかった。
初めての大会で初戦に勝った時も、「次も頑張れ」と言い。
それで優勝したときは、「明日は休み、明後日から修行開始だ」と言い。
初めて褒めてくれたのは、箒を男女と言った奴等を殴り倒した時。
「よくやった、大切なものを守ったお前は、最高にカッコイイぞ」と。
それから頑張ってきた、その中で龍虎兄は何回か褒めてくれた。
全部思い出せる、すっごく嬉しかった。
だから少し、頑張ってみる。