「コワシテヤル!!!!」
ああ、桜夏が閃光に飲まれていってしまった。
一夏は大丈夫だが、いつ狙われるかわからない。
私は居ても立っても居られず、管制室のマイクを掴んだ。
「一夏!早く逃げてくれ!」
しかし一夏は私の声が聞こえているであろうにも関わらず、黒い機体らに攻撃を仕掛けた。
私は星神先生なら何とかしてくれるかもと思った。
「ち、意外に早かったな、一夏を止める方法を考えるぞ」
「な、なぜですか!?」
星神先生は一度舌打ちをすると、携帯をとった。
私にはその行動がわからない、一夏が死ぬかもしれないのに。
「安心しろ箒、アレが発現した以上は一夏が死ぬわけがない」
「アレ?アレというのは何ですか?」
星神先生はアリーナの方向を指差した。
そこには先生達によって避難させられていく観客席の生徒達がいた。
私はもっと目を凝らして、一夏を探す。
「ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」
そこには白い装甲を持ち、白い翼を持つ悪魔が存在した。
白い装甲はよく見ると服の様で、その反面に翼は機械の様である。
その悪魔の顔は見間違えるはずもない、一夏の顔だ。
しかし服から炎の様なものを吹き出し、目を限界まで見開いた顔は、正しく悪魔であった。
「ガアアアアアアアアア!!!」
一夏は悪魔の様に口を開き、何故か鋭くなったように見える犬歯をむき出しにした。
そして悪魔は黒の機体の内の一つに飛びかかった。
凄まじい速さで黒の機体に取り付くと、右手で拳を繰り出した。
その拳は黒の機体の胴体に当たり、黒の機体は吹き飛んだ。
両脇の黒の機体は拳を繰り出した体制の一夏に、腕に取り付けられている剣で攻撃した。
「ガアッ!!」
しかし悪魔の翼から衝撃波が発生し、両脇の黒の機体を吹き飛ばす。
次に黒の悪魔は両脇に巨大な四角柱の物体を取り出し、砲門に漆黒を湛えた。
その先には先程殴り飛ばした黒の機体が居た。
それに向けて悪魔は漆黒の閃光を放つ。
漆黒が突き刺さると、黒の機体はそれに飲まれる。
それが終わると、そこには大きな穴が存在するのみとなった。
「地下装甲板を25も貫通してんのか、スゲエ威力だな」
「ほ、星神先生、アレは一体?」
「オイ龍虎!!アレは!!アレはお前の!!!」
織斑先生は星神先生を怒鳴り、襟を掴んでいた。
山田先生は思考が定まっていないのか、オロオロしている。
それを受けても星神先生は何も答えず、被害を確認している。
私は心の奥に怒りがあるのを感じつつ、星神先生に詰め寄った。
「星神先生!アレは一体何ですか!?」
そう言うと星神先生は肩をすくめ、織斑先生を私の前に突き出す。
そして織斑先生に、説明をしておけと言い残し、どこかに行ってしまった。
「箒、落ち着いて聞け、アレは元々は龍虎の機体が使っていたものだ」
「星神先生が?ということはあの世界大会でも?」
織斑先生は目元を手で覆い隠しながら、説明を始めた。
すると山田先生が私の横に来て、織斑先生に質問した。
「いや、公式の試合では一度も使っていない」
織斑先生はアリーナが見える強化ガラスに近づき、机に手をつく。
顔は見えないが、おそらく一夏を心配しているのであろう。
「アレは簡単に言えば、ISコアを暴走させるものだ」
「な、コアを暴走させる?そんなことが?」
ISコアは、ISが動くためのエネルギーを生み出し、その他機能を司る。
いわばISの脳であり心臓でありその他の臓器であると言えるものだ。
「可能だ、
「
コアには
一番下に訓練機などに付いている
基本的な機体に付いているコア、下から
さらに専用機に付く、
その上にバルキリー等の使う機体に付いている、
しかし
特殊なコアだろうか。
「私の乗ってきた機体にも搭載されていたものだ、今は桜夏と一夏の機体に付いている」
「全部で3人しか持っていないのですか?」
「正確には4人だな、龍虎の機体にも付いていた」
「付いて
少し気が立っていた自分の耳が、少しの違和感を訴える。
私が違和感の説明を求めると、織斑先生は目頭を抑えた。
「龍虎の機体は改修中で、現在コアを取り外している」
「じゃあ、星神先生に対処をお願いすることは・・・・・・」
「事実上、不可能に近いな」
「そ、そんな」
「まあ、急ピッチで進めさせているようだが」
織村先生がある理由でISに
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
いつの間にか黒の機体は6機に増えており、悪魔を包囲していた。
次の瞬間に悪魔が吠えると、衝撃波が発生して黒の機体はアリーナの壁に吹き飛ばされた。
しかし無差別に放たれた攻撃は、アリーナで気絶していた代表候補生らや桜夏を巻き込み、地面の土と共に全てを吹き飛ばした。
「コアを暴走させると、装甲はその莫大なエネルギーに耐え切れず自壊する」
織斑先生は一夏を厳しい目で見ながら、説明を再開した。
「その代わりにその莫大なエネルギーは服の形になる、装甲より硬い服に」
「そ、それがあの、炎みたいなものを噴出している服?」
「あれはエネルギーだ、ただエネルギーを外に放出しているだけ」
織斑先生はあの服がエネルギーだという。
しかしそれほどのエネルギーなど、どうやって出しているのか。
「
「数!?数十倍!?」
山田先生が驚いて飛び跳ねた、ついでに胸も飛び跳ねた。
そして私は今・・・若干思考がおかしくなっている。
「さらにコアが持つ特性を暴走させるため、単一能力のようなものが複数発現する」
「単一能力まで、すごいですね」
「しかし、なぜあんな姿に?」
私は織斑先生に向けて、疑問を口にした。
それだけならば切り札だ、しかし一夏は暴走している。
そこがわからない。
「それはコアを暴走させた場合に、コア・ネットワークの暴走で正常な思考が奪われるからだ」
「全部暴走するんですね」
「私ですら使うと言葉が喋れなくなる、完全に使いこなせるのは龍虎だけだ」
つまり織斑先生も暴走させることはできるのか。
しかしそれなら一夏は大丈夫だろうか、後遺症とかが残るんじゃないか。
「何で星神先生は使えるんですか?」
「ああ、アイツはコア・ネットワークの暴走に耐えられるからな」
「それは人間ですか?」
つまり世界中のISコアの思考とも呼べるものに、打ち勝っているということだ。
そんな星神先生ならISがなくても一夏を止められそうだが。
「アアアァアアアァアアアアァアアアアァアアアァアアアアァアアアアァアアア」
その声にアリーナを見てみると、6機の黒の機体に囲まれた悪魔がいた。
悪魔は絶妙なコンビネーションの黒の機体を攻めきれずにいる。
「ぐっ!」
黒の機体の腕から放たれた閃光が悪魔に当たる。
すると一夏の声が聞こえた。
やはりあそこに居るのは一夏なんだ、そう感じた。
「一夏、今行くから」
私には、安全なところで一夏が傷ついていくのを見るのは、耐え切れないようだ。
故に走り出してしまった、だが後悔はない。
後ろから山田先生の呼び止める声が聞こえるが、無視して走る。
先ほどの織斑先生の説明を聞けば、おそらく私の事も一夏は攻撃するだろう。
でもそれでも良いと思えた、それでも一夏の近くに行きたいと思えた。
「攻撃してきたら、一緒に寝てやらないからな」
小言を呟きながら通路を走る。
カタパルトに行けば、そこからアリーナに出ることができる。
そう思い、非常口からカタパルトに急ぐ。
一夏は私の事を分かってくれると信じて。
初の箒ちゃん視点です。
最近は主人公が書きにくい、その代わり一夏くんが書きやすい。
これはどういうことか。
この主人公書きにくいです、こんなこと言っていても始まりませんが。
もう主人公を一夏君にしようかな。
でもそうすると主人公は、一夏君とその他人物のパワーアップツールになってしまう。
ああ、なぜこんな事になってしまったのか。
感想&質問、待ってます。