「では、HRを始めます」
はい、可及的速やかに始めてくださいませ先生。
俺にはもうこの場所に居る事ができない。
もう俺は明日に走り出してもいいだろうか。
もはや先生の言うことなど全く聞いてないが、あとで桜花に聞けばなんとかなる。
あ、でも聞いてたことが一つある。
先生の名前だ、山田真耶というらしい。
しかし俺はなぜここにいるのだろう、意味がわからない。
そして後ろの桜花はなぜ目を開けたまま寝ているのだろう、意味がわからない。
あ、起きた。
さらになぜ俺と桜花は席が前後ろなのだろう、意味がわからないでもない。
極めつけには何だかわからないのだがさっきから悪い予感がしまくってる、意味がわからない。
なんだか俺が殴られる予感がする。
いや待てこの虫も殺せなさそうな先生が殴るだろうか、いやそんなわけがない。
つまり今来ていない担任の人が殴りに来るのだろうか。
いや待て、もしかしたら龍虎兄が来るのかもしれない。
しかし何故殴られるのだろうか。
「意味がわからない」
「え?」
ん?ああ、なんでもありません山田先生。
この世の理不尽を嘆いているだけですよ。
ん?あんまり大丈夫な気がしない
「では次の――――」
おっと、今は自己紹介タイムだったか。
しかし!俺は自己紹介というものが苦手だ。
出来るよ?できるんだけれども、苦手。
だった俺の紹介なんて言ったら、
どっちも言いたくないよ。
あぁ!こんなことを考えていたら俺の順番までもう後2人になってしまった!
どうするよ、マジどうするよ、どうするよ。
あれ?五七五になった、なぜだろう不思議だ。
あぁ!ついに後1人になってしまった!
こうなったらシンプル・イズ・ベストだ。
決して自棄糞とかそういうのじゃない。
「では、お、織斑くん」
「はい・・・・・」
俺は自身に満ち溢れた顔をして立ち上がる。
全員の目が俺の方に向くような気配がする。
「・・・・・・ゴクリ」
誰かの唾を飲むような音が聞こえる。
そして俺は口を開く。
「世界で2.5人目にISを動かした男こと、織斑一夏です。よろしくお願いします」
俺と桜花でほぼ同時に起動させたため2.5人目になる。
しかしそんな事はどうでもよかったのか、クラスの全員が次に続く言葉を待つ。
俺はそんなクラスに視線を向け、気合を出す。
教室の中に『ゴゴゴゴゴゴゴ』と言う地響きの様な音が響く。
「「「「「「「・・・・・・・・ゴク」」」」」」」
今度はクラスの全員が息を飲む。
そして俺は満を持して息を吸う。
クラスはまるで今からなにか大事が話があるかの如く静まり返る。
俺は腹に力を入れ、頭を素早く下げながら叫ぶ。
「以上ですッッ!!!!!!!!」
「「「「「「「「だぁぁぁぁぁ」」」」」」」」
俺と桜花の二人以外の全員がずっこけた。
おお!なんて素晴らしい結束力だ、俺は頭を下げながら驚嘆する。
そして席に―――――
『ズッパァァン!!!』
さて皆さんは臨死体験なるものをした事があるだろうか。
私は今現在、体験中です。
さて臨死体験などという人生でもそう体験するものではないであろうものを体験した俺であったが、私の頭を叩いたであろう人物にに対して物申すことがかろうじて出来た。
「ゲッ!!第四次のバーサーカー!!!」
「誰が湖の騎士だ」
『パァァァァン!!!』
あぁ!千冬姉!そんなことをしたら!
「脳細胞が死んでしまうぅ」
「害はないそうだ」
マジですか?
そんなものあるわけないですよね?
女子が若干引くほどの音が出る威力で殴ってそれはないよね?
ん?ないなら作ればいいのか?
いやいやそんな横暴が
「でもですね千冬姉、そんなものはないものと存じますが?」
「実証済みだ。それと織斑先生と呼べ」
『パァァァァァン』
「くっ・・・・・」
一夏 は 目の前 が 真っ暗 に なった 。
「きゃーーーーーー!!千冬様、本物の千冬様よー!!」
「私、お姉様に憧れてこの学園に入ったんです!北九州から!!」
「なんの!私はお姉様に指導していだくために中国から来てるわ!!」
「なんの!なんの!私はお姉様に躾ていただくためにロシアから来てるんだから!!」
「ふふふ!南半球からお姉様に罵られに来た私に叶うものはない!!」
「ハッ!!距離がナンボのもんだと言うねん!!大阪からでもお姉様への愛は負けへんで!!」
「ははは!!なら日暮里から来た私も負けないわ!!」
「皆~楽しそうだね~」
「あーあ、一夏の惨劇は既に記憶の中の忘却の海か。」
「あれ?カオス」
最後から2つ目が桜花、最後が俺。
俺の記憶が抜けている時に何があった。
ここまでカオスになるなんて、何をしたんだ千ふ・・・じゃなくて織斑先生。
「全く、自己紹介ごときでこんなことになるなんて。毎年、よくもここまでの馬鹿者を集結させたものだ、
さすがの織斑先生もこのカオスには鬱陶しそうにしている。
しかしそんなことでいいのか?ファン(?)の皆さんだろうに。
皆が落ち込んでないといいけど。
「キャーーーーーーーーーーーー!!!!」
「もっと叱ってくださいいいいい!!!!」
「そして逆らえないように調教を!!!!」
「でも時には優しくしてください!!!!」
「これであの辛い受験勉強が報われるッ!」
「皆~落ち着こうよ~」
「カオス」
「皆はツンデレ派なのかな?」
今度は最後から二番目が俺、最後のが桜花。
ちなみに最後から三番目は、皆を諌めるようにどう考えてもダボダボの制服の袖を降っている女の子。
あれ?それ以外はみんなヒートアップしてるの?
いや、箒と後3人ぐらいは冷静でした。
ん?あ、箒が居るではないか。
昨日、二人で涙のお別れをしたばかりなのに。
そういえば、その時の箒の顔が微妙だったかもしれない。
まさか!
俺へのサプライズか!?
なんだよそれなら早く言ってくれればいいのに。
あ、言ったらサプライズじゃないか。
「それよりも織斑と仙崎、なんだあの自己紹介は。一部で地響きのようなものが聞こえたが」
「あ、地響きは後ろで僕が口で言ってました」
「俺のはシンプル・イズ・ベストを追求した結果です」
二人まとめて殴られた。
「あははははははははははははは」
いつの間にか現れて俺達を笑っていた龍虎兄もついでに殴られた。
そういえば何で此処に龍虎兄が居るのだろうか?
そこまで考えて俺の頭は機能を停止した。
十数秒後に復活したが。