六軒島からの来訪
六軒島大量殺人事件。
1986年10月4日 - 5日にかけて、六軒島で起こったとされる右代宮一族惨殺事件。
事件の真相が分からないことと、近隣の島に流れ着いたメッセージボトルに、事件が魔女によって起こされたとも捉えられる荒唐無稽な内容が書かれていたことから、世の好事家たちからは、「魔女伝説連続殺人事件」とも呼ばれる。
ただし、1人の男の遺体がないことから、世の好事家たちは次第にこの男が犯人ではないかと考えた。
閉じられた猫箱であるがゆえに誰もあの場所で本当に何が起こったのかわからない。
メッセージボトルから全世界であの場所で何が起きたかという創造から様々な形で偽書がでて、その結果として、祭り上げられ架空の存在として黒き戦人が英霊と昇格された。
これは、黒き真実として創りだされた男の物語である。
「召喚の呪文は間違いなく覚えてきたであろうな?」
念を押すように聞いてくる間桐臓硯に、間桐雁夜は闇の中で頷いた。
深山町の丘の頂に聳える間桐邸が、腐臭の臭いが立ちこめる地下深くに隠匿されている蟲蔵である。
間桐雁夜は、元々魔術師を嫌悪している。何故、魔術に関わる聖杯戦争に参加するのか。
1年前
遠坂家の娘、遠坂桜が間桐家に養子に出されたのを遠坂葵から聞く。
魔術師がどんなものか、臓硯がどんな奴か知っている雁夜からしてみれば最悪の答えであった。
桜ちゃんを葵さんの所に帰してあげようと覚悟を決めて10年ぶりに間桐家を訪れた。
桜ちゃんを間桐家に置いておかないようにするために臓硯と交渉して聖杯を持ち帰ることを条件として桜ちゃんを解放するために第4次聖杯戦争に参加した。
雁夜は今まで魔術の鍛錬を積んでこなかったため、体内に「刻印虫」を宿すという処置によって即席の魔術師となる。
その代償はあまりに大きく、命を大幅に削られて死人のような容貌となってしまい、魔術を使うだけで文字通り血を吐くほどの苦痛をともなう状態である。
「―――告げる。汝の身は我が下に、我が運命は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば 答えよ。されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我は汝三大の言霊を 纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
唱えるうちに四肢が痙攣し、無事な右目からも血が出てくる。それでも雁夜の集中は止まらない。
・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・
この時雁夜は気づかなかったがズボンのポケットに入れていた物と時臣に対する復讐心が共鳴し、臓硯にとっても雁夜にとっても予想外な存在が現れる。
眩しい光から出てきたのは、青紫のスーツを着た男が現れた。
「問おう。お前が俺のマスターか。」
人を嘲笑うような顔で問いかけた。