一方通行は楽観的すぎる 作:au revoir
「あぢィ」
ちくしょう。何でこんなに暑いんだ。エアコン壊れてるし、なんでだよ。科学の街が停電って。なるかそりゃ。にしては脆すぎるだろ。
顎下まで伸びてる髪の毛をくくってはいるが、それでも暑い。どうするべきか、悩んだが、自分の能力でどうにもなることを知った。
だよな、やっぱこれだよな。あ"ぁー涼しい。
「だから、アルビノになるンだが」
そう呟いて立ち上がる。確か昨日、アイスを買ってきていたはずだ。
冷凍庫を開き、取り出す。箱で買ったガリゴリ君はコンビニで売っているのより小さい。だが、その分量もあるので実質こちらの方が安いとは、思う。考えたこともないが。
袋を破き、口に咥える。夕方だとしてもこの暑さは異常だ。やはり地球温暖化が進んでいるのか。国には学園都市の技術力を貰ってはやく地球問題を解決してほしい。でないと、いくら科学が発展してもそれを引き継げる後継者がいないと、意味がない。ま、オレには関係ない事だが。
能力を切っていた分、汗を掻いたオレはパタパタと下敷きで仰ぐ。この風は気持ちいい。
8月も中盤。夏休みがあと何週間で終わる!と嘆いている者もいるが、生憎オレには関係ないのである。オレは無職!イェイ!学生ですらねぇ!学園都市なのに!!
毎月、生活費+αと言って渡される金額で事足りる。カツカツでもなく、余裕な方である。まぁ、+αの方はオレがある実験に関わっているからであって、オレはそのお礼というかなんというか。その実験が成功してもオレが強くなるだけなんだが、それで礼って矛盾している。ま、けど成功したらしたで、オレをこき使うんだろうけど、この生活が続いてるのはそれのお陰だろう。
「後悔は全く感じないけどなァ」
よく分からん話である。
実験のために用意された人形を殺しても罪悪感は感じた。だが、後悔はしていない。
相手も一応人形だが生きていた。だから初めて殺した時、動揺はすれど後悔はしていなかった。罪悪感も感じたとは言ったが、それほどでもない。寧ろ少しだけである。弱い方が悪い。そう思う。
だが、それはオレ自身が人間として終わっているからだろう。兵器には感情はない。なるほど、人間としての感情を無くしていくのか。少し納得してしまう。
カレンダーを見る。確か今日も実験日だった気がする。こんな暑い中すれと?運動しろと?まぁ、歩くだけだし能力全開にすればどうって事ない。あれ?この実験、オレを追い込むはずのものなのに全然追い込まれてなくね?寧ろ楽勝しているような。……考えても仕方がない。もう一万は実験を繰り返している。科学者達もよく飽きないなぁ。
食べ終わったアイスの棒をごみ箱に投げ捨てる。ごみ箱へシュゥウウウウウーーーッ!超エキサイティンッ!!……ごめん、ネタに走った。
綺麗に放物線を描き、ごみ箱へダイレクトシュートしたアイスの棒を見届けてから、立ち上がる。六時になりかけだ。何か晩御飯作らないとな。腹が減っては戦はできぬってな。
冷凍庫から鶏のもも肉、玉ねぎを取り出す。今日の晩御飯はみんなもよく知ってるアレだ。あれあれ。親子が仲良くご飯の上に乗ってるあれだよ。もうわかっただろ?
まな板と包丁を取り出し鶏肉を食べやすい大きさに切り分け、玉ねぎを薄切りにする。
フライパンを取り出してから、水を入れ火をかける。それから砂糖、醤油、みりん、某カツオ風味のだしを入れる。混ぜ合わせ、煮立ってきたら、鶏肉と玉ねぎを入れて中火で三分。
んで、冷蔵庫から卵を取り出して、器に割りかき混ぜる。そして、フライパンに卵を回し入れて半熟状に煮たらOKだ。
炊飯器からご飯を卵を割った器に取り出し、その上に乗せたら完成だ。
ジャジャーン!親子丼〜!
麦茶を取り出して、コップに注ぐ。
机の上に親子丼と麦茶を置き、箸も取り出し置いて、両手を合わせる。
日本人なら誰でもするだろう。犠牲になった動植物に感謝します。……別に感謝してないけど。人間てそういうもんだ。
「いただきます」
はふっ。あ"ぁー、うめぇ!
結構良くできたな!この汁がご飯に滲むと余計美味いんだよなぁ。これを思いついた人天才。その人には感謝するぜ。
十分もせずに食べ終わり、時計を見る。…………遅刻だ。
約束の時間より一分ぐらい過ぎている。確か今日は六時半だったよな?なんで、毎回同じ時間じゃねぇの?というか、六時前からご飯作ろうとしたオレが馬鹿か。
ここから、実験場まで歩いて十五分。お疲れ様でした。……取り敢えず遅刻だし、ゆっくりして行こうか。人はそれをクズと呼ぶ。
器とコップを洗い、手を拭く。さて、行くか。
立てかけてあった帽子を取り、被る。この白髪は目立つからなぁ。こうしてもある人物にはあまり意味ないけど。あれは、さぁ、プライバシーの侵害だよな?何処でも覗けるんだぜ?女風呂でも覗いてんじゃねぇの、あいつ。……ま、それはないか。
取り敢えず、時間が時間なんで能力を使って超スピードで向かう。オレの能力、超便利。演算が必要だが、それに関しては息するようにできるため大丈夫だ。
実験場に着くと、案の定か相手が先にいた。というかいつもの事だ。遅刻常習犯です、すみません。
「また、遅刻です。とミサカは貴方をジト目で見て非難します」
「飯、食ってたンだよ」
「知っています。今までの行動からしてそうではないかと思っていた所です。とミサカはミサカネットワークで手に入れた情報を伝えます」
「悪かったとは思ってるぜェ?」
「全然思ってないでしょう?とミサカは貴方を責めます」
グゥの音も出ねぇ。ぐぅ。
その代わりとなんだが、チッと舌打ちをしてさっさと始めるように言った。遅刻なのに偉そうなのは誰だぁい?オレだよぉ!
「はぁ。数分の遅刻は実験に支障は出ませんが、直して欲しい。とミサカはため息を吐きながら首を振ります。はぁ」
おい、誰だよ。人形に感情持たせたの!?めっちゃウザいんですけどぉ!?すみませんねぇ!遅刻常習犯で!!
「では、改めて実験を開始することにしましょう。とミサカは戦闘態勢に入ります」
ミサカは額につけていたゴーグルを付けて、バチバチと放電する。放電具合から強能力者ぐらいか?それでも凄いが、やはり超能力者のオレに敵わないな。同じ超能力者である人形のオリジナルだって、オレには敵わないわけだし。そのクローン体ともなると考えるまでもないだろう。
「第10021回目の実験を開始します。とミサカは実験の開始を宣言します」
相手が走ってきたので、オレも走りだす。いつまでも受け身なオレではないんですよぉ!
覚悟しな!人形さんよォ!!
「楽に死なせてやンよ!!」
ベクトルを操作し、細い足から出るとは思えない速度で回し蹴りを繰り出す。ミサカはそれをもろに食らい、横へ飛んでいき、やがてドォン!という音を立ててコンテナに突っ込んだ。
触れた瞬間に生体電気の操作もしておいたから、即死だろうな。うーん、やっぱ弱いし、脆い。いやオレも能力がなきゃ弱いんだけどね、脆いし。
あぁ、自己紹介が遅れたな。
オレは一方通行。アクセラレータだ。よろしく。
本当の名前は忘れた。テヘペロ。
「ま、だ……終わってませんよ。とミサカは奇跡的に生きていたことを知らせます」
ベコリと凹んだコンテナの前に人形は佇んでいた。
お、マジか。生きてたのかよ。奇跡的にって言うけど、人形も劣化バージョンとは言え、能力者だ。何らかの方法で威力を押さえたんだろうな。ま、そんなことはどうでもいいけど。
んじゃあ、続きやろうぜ?ミサカ妹さん?
「望む所です。とミサカは今までにない高揚感を隠しながら、答えます」
「いや、言ってる時点で隠せてねェよ」
だから、誰だよ!こいつに感情持たせたの!?
少年漫画風に熱くなってますけどぉ!?オレはラスボスですか!?悪役なの!?
フッ、と右腕を抑えてキメ顔をするミサカさんは、絶対何かの漫画の影響受けてる。絶対受けてる。
はぁとため息を吐いて、頭を掻く。……あ、そうだった帽子被ったまんまじゃん。まぁ、いいか邪魔じゃないし。
「行きます!とミサカは某宇宙戦闘機のパイロットを思い浮かべながら走り出します」
やっぱ影響受けてんじゃん!?
まぁ……それでも。
「遠慮なく殺っちゃいますッてなァ!!」
殺すことには変わりはない。
楽観的で、精神強めで、料理できる一方通行はお好きですか?
深くは考えてはいけない。いけないんだ。とあるなんて頭がこんがらがる作品に手を出した作者が悪いんや。何も考えてないんや。無印?旧約?新約?何それ美味しいの?
それと、作者は今でも一方通行さんをいっぽうつうこうと呼びます。ごめんね、アクセラレータ。早よ本名言えや。