一方通行は楽観的すぎる   作:au revoir

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十八話 仲直りをしましょう!

 

 

 

 

「それで、何でアンタがここにいるのか説明して貰おうかしら?」

「そうピリピリしなさンな。禿げるぜ?」

「禿げないわよッ!!」

 

あ、そう。

まぁ、女性より男性の方が禿げるって言うしな。女性ホルモンが足りないせいで、毛が薄くなっていくんだと。だけども、爺さんぐらいになってくると逆に男性ホルモンが少なくなり、体型が女性寄りになるらしい。人体の構造ってワカンナイネ。

っと、そんなこと言ってる場合じゃねぇか。

目の前の目に見えてピリピリしているお嬢様をどうにかしねぇとな。

第三位(御坂美琴)は背に美鈴さんを庇いながら此方へ威嚇しているからか、周りの人達が何だ?何だ?と野次馬化していく。地面に被弾している電光はコントロールしているのか、野次馬達には被害がない。無意識なのかどうか。おー怖い怖い。

 

「何で、だったか?別に?ただ知り合いが(・・・・・)常盤台の競技を見たいと言い出したから、オレは仕方なく(・・・・)ついてきただけだァ」

 

オレはオレの背後に隠れている打ち止め(ラストオーダー)の頭を、杖をついていない左手で乱暴に撫でてやる。やめろー!という抗議が上がるが、それを無視して超電磁砲(レールガン)と目を合わせる。これで逸らしてしまえば、ポケットに手を突っ込んでいる第三位から名の通りの技が飛んでくるだろう。まぁ?そんな事すれば、第三位と美鈴さんが無事じゃ済まないんだけどな。消し炭だ。

 

「ンで、行く途中に子供に置いてかれた親(・・・・・・・・・・)偶然(・・)出会った。年に一度しか入れないこの時期、学園都市の右も左も分からない親を置いていく子供の気が知れンなァ?そうは思わねェか?第三位ィ?」

 

ハァーイ、というふうに美鈴さんに手を振ると振り返してくれた。思わず苦笑する。

オレの言葉を聞いた第三位はぐうの音も出ないらしい。眉間に皺を寄せ此方を睨んでいる。それでも何処か申し訳なさそうな表情をしているからには、心当たりあるようだ。

 

「私は別に気にしてないわよ?美琴ちゃんに置いてかれたのはちょっとショックだけど、競技に遅れるのはまずいものね」

 

第三位の後ろからひょっこりと此方に顔を出してきた美鈴さんは、その綺麗な容姿にぴったりな笑顔を向けてきた。惚れそうなぐらいに素敵な笑顔だが、お生憎様年増好きでもない。Uターンをお勧めする。

 

「でも、打ち止めちゃんと一方通行君に会えて良かったわ。会ってなかったら今頃迷子だったもの」

「ちょっ!ママ!そりゃ、私に非があるけど!何でよりによってこいつと!」

「ん?何かいけないの?いい子達よ?」

「それはこいつの凶悪性をわかってないからでッ!」

「でも、一緒にいてくれたし、何も酷いことされてないわよ?」

「それはっ……!」

 

言葉に詰まる第三位。

はっはっは!信頼と実績は時として人を守るものだ!言葉だけじゃなくとも詰んだな!第三位!!母親相手では強く出れまい!

オレが過去何かしたかなんて事は、美鈴さんには関係ない。美鈴さんに会って、話して、一緒に観戦したのは、今日のオレなのだから。それに、外部の人間に学園都市の闇の部分を知られる訳にもいかない。そしたら、消されるのは美鈴さんだしな。第三位がいいのなら良いけども。

中学生と言えど超能力者(レベル5)。その頭脳は大人をも優に超えている。電子関連についてじゃ、そこらの科学者よりも詳しいんだろうな。そんな、賢い超能力者様だったら母親に伝えてはいけない事なんてすぐにわかるだろう。小学生でもわかる事だ。ついカッとなって言うべきモノでもない。

ニヤニヤと嗤うオレ。勝ち誇った笑みを浮かべるオレに対し、第三位はこめかみに青筋を浮かべた。

 

「アンタねぇ!ママのお陰で助かったもんよ!笑うんじゃない!」

「ハッ!誰が!誰の!お陰で助かっただって?……助かったのはどォ考えてもオマエだろ、第三位ィ?オレにやられたのもう忘れたのかよ。 ザンネンな頭してやがンなァ?」

「〈カッ、チーン〉超電磁砲が効かないからって何よ!他にやりようは沢山あるわよ!」

「馬鹿なンですかァ?オレの能力までも忘れたンじゃねェだろうなァ?何も効かねェよ!」

「やってみなくちゃわからないでしょ!」

「やるまででもねェからァ!」

 

オレと第三位じゃ相性良すぎなんだよ。

電撃を得意とし、砂鉄を操ったり、鉄骨を操ったり。そんなのオレだってできるし、反射の前にしては物理攻撃は効かない。何にでもベクトルはあるのだから、それが無い攻撃を用意して貰わねぇとなぁ?勝負になんねぇぞ。ま、到底無理な話だが。ハッハッハ!

ギリギリと火花を散らす第三位とニヤニヤと笑うオレ。どっちが優位かなんて、言うまでも無いだろう。

 

「ちょっと!止めようよ!ってミサカはミサカは公衆の面前で喧嘩してる幼稚な二人を止めてみたり!」

 

くいくいっと服を引っ張って、心配そうに眉を八の字にした打ち止めが此方を伺ってくる。

確かに公衆の面前で能力を使っての喧嘩に発展しそうだが、流石にそこまでするつもりはない。オレはいつだって受け身なんだ。先に手を出したのは彼方さんだと、風紀委員(ジャッジメント)警備員(アンチスキル)が来ても言い訳ができる。事実だし、オレは悪くねぇってな。

ただ、そこまで考えているオレの事を“幼稚”ってのは、聞き捨てならねぇなぁ。

 

「誰が幼稚だァってェ?あ"ァ!?」

「それが幼稚だって言ってるんだよ!ってミサカはミサカはむぎゅぅーーーーっ!!」

 

打ち止めのよく伸びる頬を勢い良く伸ばしたり縮めたりする。びよんびよんと伸びるそれは痛そうに見えるが、本人があまり痛そうにしていないため、あまり痛くないのだろう。

にしてもよく伸びるなー。

 

「そうよ、美琴ちゃん。喧嘩するなら、路地裏でファイッ!ってしなくちゃ!」

「ママも何言ってんの!?」

 

美鈴さん。それはテレビの見過ぎではありません?

何故か楽しそうにシュッシュッとシャドーボクシングの真似事をする美鈴さん。その姿は活発そうな見た目と相まって合ってはいる。

慌てる様に母親を止める第三位は、本当に強く出れないらしい。天然な母親としっかり者でありながら馬鹿な娘といいコンビだな。

というかそもそも、能力者同士、それも超能力者同士となると路地裏では済まされないのが現状だ。広く、何も被害が出ない場所でないと伸び伸びと戦闘ができない。もし路地裏とかでやれば、周りの建物が壊れるかもな。

 

「で、どォすンだ?第三位?やるか?」

 

ニヤリと笑って中指を突き立ててやると、第三位は徐ろに親指を下へと勢いよく突き立てた。

因みに意味はくたばれ、と殺すなので確実にオレの方が罪は軽い……はずである。

 

「望むところよ!……と言いたいけど、お生憎様、私はママを案内しなくちゃいけないの」

 

得意げに鼻を鳴らす事に何の意味があるのかわからないが、そう言った第三位は暗にどっかへ行けと告げる。

オレもこんな面倒くさいのとはおさらばしたいのだが、打ち止めと美鈴さんの目線がグサグサと痛いんだよなぁ。第三位にもそれは刺さっていて、頬に汗を垂れ流している。心なしか口角が引きつっているが、大丈夫だろうか。

 

「と、まァ……こンな現状だが……もう一度聞くぞ、第三位。どうする?」

 

腕を組んでドヤ顔をして、口角を引きつらせていた第三位は、やがて眉の先までもをヒクリヒクリと引きつらせた。

どうやら、夜までに病院に戻れなさそうだ。

 

「あーー!もう!わかったわよ!一緒に行動すればいいんでしょ!!すれば!!」

 

ヤケクソ気味にそう叫んだ第三位を哀れに思いながら、イェーイとハイタッチしている打ち止めと美鈴さんを見やる。打ち解けすぎだろ……打ち止めだけに。関係ないか。

じゃぁどこ行く?どこでもいいわよ。パレード見に行こう!そんな軽さの問答をした後、打ち止めと美鈴さんはルンルン気分で歩き出した。手にはいつの間にかパンフレットがあり、美鈴さんが案内してくれる様だ。オレは面倒くさいな、と思いながら、第三位は渋々あの二人について行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日が傾いてきた頃、後もう少しでパレードが始まるであろう場所でオレ達はクレープを食べていた。美鈴さんの奢りである。やったね。

温かい生地に冷たいアイスが溶けて絶妙なバランスを保っている。クレープを生み出した人は天才だな。美味い。

オレは甘党でも苦いもの好きでもないため、普通に色々なものを食べられる。つまり嫌いなモノがないし、平等に美味いと感じられる。ブラックコーヒーも美味いし、今食べている甘いクレープも美味い。

そのせいか、普段ブラックコーヒーを飲み漁っている事を知っている打ち止めは、美味いと言って食っているオレに胡散臭げな目線を送ってきていた。失礼な。

 

「……ねぇ」

 

仲良くベンチに座って食べていたオレ達だが、いち早く食べ終わった打ち止めは美鈴さんの手を引っ張り公園に遊びに行った。残ったのはオレと第三位だ。

何となく気まづいような雰囲気を醸し出していた第三位だが、やがてクレープを食べ終わると決心したように口を開く。その第一声が先程のだ。

オレはその呼びかけに応えず、もくもくとクレープを食べていたが、第三位は気にせず問いかけてきた。

 

「あの子、打ち止めだっけ?どう見ても妹達(シスターズ)よね?見た目の年齢が違うけど、口調は似ているし……」

 

やっぱりわかるよな。口調は妹達そっくりだし、見た目は第三位の幼い頃そのままだ。まぁ、性格と声の感じは本人の知識量からか少し大人びているが。

クレープを食べ終えると、オレは紙を丸めて少し遠くにあるゴミ箱へと投げた。能力を使うまでもなく、弧を描いて飛ぶ紙ゴミは綺麗にダストシュートされる。内心ガッツポーズを取った。

第三位が何故か紙ゴミを渡してくるが、無視をする。自分で入れろ、と促せば、ムカついたのか少し乱暴に丸めて放り込んだ。そして外れた。ザマァwwwww

第三位は立ち上がると、外れた紙ゴミを拾い、今度こそゴミ箱へと入れる。

 

「確かにあいつは妹達だ。検体番号は20001号」

 

オレの言葉に第三位は驚いたように振り返った。

 

「え?妹達は全部で二万体って……」

「オレも最初はそう思っていた、打ち止めに会うまではな」

 

研究者共から聞かされていた個体数は二万体。それを二万通りで殺すのが絶対能力者進化(レベル6シフト)計画だった。だが、何も作られたのが二万体ぴったり、という訳でもないだろう。打ち止めがそうだし、もしかしたら他にもいるかもしれない。

そもそも実験とは最初は失敗も付き物だ。失敗作、妹達を作ろうとして失敗した人形もどきがいたかもしれないし、妹達制作前に作ったプロトタイプもいたかもしれない。今はもう知る事はできない……事もないが、知ろうとは思わない。興味ないし。

 

「打ち止めは上位個体。妹達をまとめる、教官みたいなもンだ。最終信号(ラストオーダー)とも言ってたか?ま、忘れたが」

 

詳しくはオレも知らねぇし。

検体番号が何番だろうと、上位個体だろうとあいつはあいつだ。オレが出会ったのは生意気なガキであり、最初から心のない人形ではない。

いやー、ホント学園都市の科学技術ってスゲェな。DNAマップあるだけでクローン何万体も作れるんだから。何十年も先になったら、外も人間のクローン作れるぐらいになるのだろうか。それとも、もう作れるが、法律によってダメなのか。

……どっちもありえそうだな。

 

「じゃぁ、聞くけど……妹達を殺してたアンタがなんで、あの子と一緒にいるの……?」

 

もっともな質問だ。

元々、オレは妹達を一万体も殺しまくった殺人者だ。ま、今は過ぎたことなのでどうも思ってないけど、世間様から見れば、実験で仕方がなかったからと言っても凶悪犯だ。

では、その凶悪犯が被害者である妹達のまとめ役と一緒にいたら?

誰も彼もが、そのまとめ役である打ち止めを心配し、オレから遠ざけようとするだろう。真っ当な判断、良いことである。

第三位は当事者であるからして、そう睨むような顔で言ってきたのだろう。ましてや自分のDNAで作られた、瓜二つな妹達と同じ存在。多分、第三位の昔の写真と打ち止めを並べたら、そのまま出てきたようなそっくり度だろうな。ナニソレ、見てみたい。

“妹達”と言う様に、第三位にとってもう彼奴らは妹なのだろう。妹達もお姉様って呼んでるし。

 

「心配か?」

「そうね、とっても」

「ま、そりゃそうだろォなァ。加害者が被害者の親族の側にいる様なもンだ。心配じゃない方が可笑しい」

「じゃぁ……!」

「だが、加害者(・・・)っていう点については、オマエも変わらないと思うがなァ」

 

なんで?と言う言葉を遮ってオレは言う。

 

「オレは妹達を一万体も殺した張本人。殺人者であり、直接的な(・・・・)加害者だ」

「……何が言いたいのよ」

 

ギロリと言う言葉が似合うような眼をしてこちらを睨んでくる。おーおー、悪役顔似合ってんねぇ。オレの席、譲ろうか?

睨みながらも何を言いたいのかわからないような表情をしている第三位に、クカカッと笑う。本当に面白い。人間誰しも、自分の事が可愛いもんなぁ。

 

「わかるだろォ?オリジナル(・・・・・)?」

 

そう言うと同時に眼を見開き、言葉に詰まる。いや、息を呑んだという方が正しいか。

ここまで言えば、第三位はわかってくれるだろう。腐っても超能力者。まだ中学生と言っても頭の回転率の高さは同学年を抜いているし、意味もちゃんと理解できる脳はある。

だが、気持ちが、感情が理解に追いつかないのだろう。眼は焦点を合わさず揺れている。

わかっている、そんな事はとっくにわかっていた。アンタに口出しされる程でもない。そう思っているのだろうか?言葉を選んでいるようにも少なからず見えた。

 

「オマエは間接的な(・・・・)加害者だ。わざとじゃない分、オレよりも罪は軽いだろォが……ま、同罪だなァ」

 

そう、御坂美琴という幼い子供が研究者にコロリと騙された結果がコレだ。本人にとっては良いことをしたと思っていたのだろうが、後々になって軍事に悪用されそうになるとは思ってもみなかっただろう。そして、その渡したDNAマップが超能力者のクローンを作り出すためだなんて。ま、出来たのが劣化版であり、軍事に悪用される事はなかったが……オレの実験には流れてきた。

作ったは良いが、処理に困っていたのだろう。異能力者(レベル2)であり良くても強能力者(レベル3)の人形達はオリジナルにそっくり過ぎた。二、三年で死ぬとは言っても、そこまでこの学園都市全体に隠し通せる訳もなく、それを作った費用も馬鹿にならない。何とか応用できないだろうか?そう考えて白羽の矢がオレに立った訳だ。絶対能力者(レベル6)という未知の域へ安定して辿り着けるのはオレだけだったらしいからなぁ。

……そう考えるとなってみたいもんだな、絶対。ならないけど。

 

「…………それで、アンタは私を許さないって言いたいの?」

 

やっとのことで絞り出した声。その質問にオレはただただ、ため息を吐くしかなかった。

 

「話聞いてたかァ?オレは同罪(・・)って言ったンだ。許す、許さねェの問題じゃねェンだよ」

 

そこで区切って、息を吐く。

 

「心底、どォでもいい」

 

オレが吐くように言った言葉に驚いたように目を見張った第三位。こいつ、驚きすぎじゃね?

 

「オマエがDNAマップを渡さなければこンな事にならなかった……なンて言って欲しいのか?」

 

ゆるりと首を振る第三位。

 

「DNAマップを渡さなければ、確かにこンな事は起きなかった。妹達は作られなかったし、オレも彼奴らを殺す事もなかっただろう」

 

もし、御坂美琴が研究者にDNAマップを渡さなかったら。

彼奴らは作られず、オレも平和に超能力者ニートを楽しんでいただろう。スキルアウトをぶっ飛ばすのには変わりはないが、殺人者に成り下がる事もなかった。

しかし、それは“もしも”の話だ。分岐点の話であり、今の話でもない。もう、あり得ない話。

 

「それに、オマエがDNAマップを渡さなければ……彼奴らに出会う事もなかった」

「それは……」

「要は結果論だ。過程なンざ、どォでもいいンだよ」

 

オレはあいつに会えて良かったと思ってるぜ?

そう第三位に告げると、驚いたようで笑っているような顔をした。器用だな。

そう、第三位には少なからず感謝している。あいつに、打ち止めに出会う事が出来て、芳川にも黄泉川にも出会った。冥土帰し(ヘヴンキャンセラー)と顔見知りにもなったし、学園都市最強が最強じゃない事も、世界が広い事も知った。今までもオレは視野が狭かった。それを広げるキッカケをくれたのが、絶対能力者進化計画。そして、それを止める為にオレをぶん殴った上条当麻だ。

ま、上条サンは前から知り合いだったけどな。あの実験から今まで一度も会ってないけどな……多分嫌われたんだろうなぁ……。友人だと思ってたのになぁ……ぐすん。

ま、それは良いとして。

 

「とにかくだ、別に何とも思ってないのが現状だ」

 

そう断言すると、第三位はそう、とだけ呟いて安心したように笑った。これのどこに笑う要素があったのか謎だが、まぁ良いか。

それにしても、暗くなってきた。人もだいぶ集まってきたし、そろそろ移動しなくちゃならないな。よいしょっと立ち上がり、此方に気づいた打ち止めが手を振ってきたので、振り返す。

 

「あ、そうだ。オマエには謝るつもりはないから。他はどうだかわかンねェが」

「別に私に謝らなくても良いわよ。悲劇を生み出した原因は幼い頃の私……謝られる理由もない」

 

けど、と第三位は続ける。

 

「妹達には謝ってよね。じゃないと私が許さないから」

 

そう言って笑う第三位。

言われなくともわかってるよ、の意を込めて鼻で笑ってやると、途端にムスッとした顔になる。そういう所は年相応なんだな。

何だかそれに可笑しくなって、クカカッと笑っていると、打ち止めが此方にタタタッと走って来て左腕に捕まり、そして何故か第三位を猫のように威嚇する。

 

「人のモノに手を出しちゃいけないんだよ!いくらお姉様でも許さないから。ってミサカはミサカは牽制してみたり!」

 

ヴー!と獣のように唸る打ち止めをきょとんとした顔で見つめた後、第三位は吹き出し、アハハハッと笑い始めた。

何が面白いのだろうか。お腹を抱え、目尻に涙を浮かべるまでツボに入ったようだ。全くもって、どこが面白いのやら。

暫くして笑い終わった第三位は目尻に溜まった涙を指で拭く。どうやら収まったようだ。にしては、その口角はまだ弧を描いているんだが、大丈夫か?こいつ。

 

「ははっ、はっはー……ここまで笑ったの久しぶりよ。愛されてるわね、一方通行」

「ハッ!愛されてる?打ち止めに?冗談じゃねェよ」

 

一方通行と名前で呼ばれた事にも驚きながら、オレは鼻で笑う。本当に冗談じゃない。

 

「オレの好みは至って普通、同年代だ。年下は勘弁してイダァッ!!」

 

くれ、と言いかけたオレの脛に打ち止めの蹴りが打ち込まれた。打ち止めだけに。

ホント、脛だけはやめてくれマジで。スゲェ痛い。

涙目になるオレを見て更に笑い出す第三位に、急に拗ね出す打ち止め。そしてオレを見て、心配してくれた美鈴さんにシップを貰った。

その時に美鈴さんが神々しく見えたのはここだけの秘密だ。子供想いの良い人だと思ってたのに、神だったとは。マジで惚れそう……惚れないけど。

 

 

 

 

 

後で見た、ナイトパレードは綺麗だった。初めて見たもんで、圧倒されて、驚いた。さすが学園都市。よく分からないところに力を入れる。

柄にもなく、こういうのも良いなぁ、と思う程だったので、来て良かったのだろう。

 

 

まぁ、こうして大覇星祭一日目は終わっていった訳だが……いろいろ濃かった気がした。

 

 

 

 

 

 




和解、したのかね?

十六話が短い分、こっちが長くなったという。終わり方がグタグタなのはいつものことだよね、うん。
一日目終了とか言ってますけど、二日目やりませんから!もうこりごりだァ!!

次回!一方通行、禁書目録と会う!と思う!
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