一方通行は楽観的すぎる   作:au revoir

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二話 友達と出会いました!

 

 

 

 

いきなりだが……オレは転生者だ。

 

おい、ちょっと待て。引くな引くな引くな。

事実だ!そんな、ちょっとこの子頭大丈夫?え?みたいな顔で見るな。警察に電話するなよ?怪しい者でもないからな!?

ある日突然前世の記憶が蘇った的なあれだ。学園都市に放り込まれて、数日後の話だった。急に、頭に大量の記憶が入ってきた。それは一人分の人生で、膨大な量で知恵熱のような症状が出たのは今でも覚えている。まぁ、植え付けられた記憶ってこともありそうだが。

人は記憶によって人格を形成していると言ってもいいぐらいだ。だから、オレはこんなにも楽観的なのだろう。学園都市一位と呼ばれ、妬まれ、恐れられ、化け物と言われても何も思わないんだから。寧ろウザイと思う。妬むぐらいなら努力しろ。第三位を見習え。いや、その妹達を殺してるオレが言うのも何だが。

 

「ン?ありゃァ……」

 

上条サンじゃないっすか。

あいつも買い物か。そりゃ停電で冷蔵庫ダメになって、食い物全滅だもんな。

それに気づかなかったオレは第10021回目の実験の後、腹を下した。ちっくしょ、アレはあの世が見えたね。前世の親の顔が見えたんで、ちょいと自分の能力で何故かあった鉄骨投げつけたけどさ。あれはスカッとしたけど。

いやな?能力なければ常人以下なオレは胃も腸も弱いわけで。……常人でも食中毒は無理か。

取り敢えず選んだものを入れて、上条サンに近づく。真剣に食材を選んでいるそいつの肩をトンと叩いた。反射の膜は室内なので、解いている。そりゃな、反射設定したまま商品が大量に並ぶスーパーへ入ってみろ。オレを中心に阿鼻叫喚だわ。警備員(アンチスキル)呼ばれるわ。いや、風紀委員(ジャッチメント)の方かな。

 

「久しぶりだなァ、三下」

「あ、一方通行。久しぶりってもこの前会ったの一昨日だし、その三下っていうのいい加減やめてくれませんでせうか?」

「ン?ヒーローがいいのか?」

「やっぱ三下でいいです」

 

どうやら諦めたようだ。

俺ヒーローみたいに幸運なやつじゃないのに……寧ろ不幸。と呟く上条サンに、オレは何言ってんだと思う。不良に絡まれてる女性を助ける奴のどこがヒーローじゃないんだ。オレの場合、チラリと見るだけで無視するからな。力があっても厄介事はごめんだし、オレには関係ないしな。

 

「にしても、一方通行は何でここに?」

「あン?そりゃァ、昨日の停電で食材がすべてパァになったからなァ」

「へ、へぇー、そ、そうなんでせうか」

「ま、どこかのツンツン頭さンが、どこかのビリビリ女を怒らしたンだろうけど」

「すみませんでした」

「やっぱ、テメェのせいかよ」

 

ったく、何回繰り返せば気がすむんだ。被害が出るのはあの第三位のせいだろうけど、原因はこいつだ。大方、あの第三位はこいつのことを好きなんだろうな。でないと、毎回こうやって繰り返したりしないし。小学生かよ。いや、小学生じゃあの停電は起こせないか。

一回こいつらの夫婦喧嘩に巻き込まれた時があったが、ビビった。いきなり横から超電磁砲(レールガン)が飛んでくるんだから。反射で難なく返して、その場を去ったけど。一般人というかオレじゃなかったら死体も残らず死んでたぞ。

 

「ン?随分と買い込むンだなァ。金欠じゃなかったのか?」

「え?いや、上条さんは万年金欠ですよ。ただ、食費が物凄いシスターが居候してまして」

「はァ?シスター?」

「あぁ」

 

シスターってあのシスター?バトルシスターとじゃなくて?上条サン、いつのまにイメージが強くなってたんすか。惑星クレイからユニットを地球に呼び寄せたのか?PSYクオリアでもカード達の声しか聞くことができなかったのに?上条サン、パネェ……。

ってふざけてる場合じゃない。上条サンは良くも悪くもあまり嘘をつかないやつだ。ということは、本当のことなのだろう。不幸だ、不幸だと嘆いている奴なのに異性であるシスターが部屋に居候って。全世界の男共を敵に回したぞ、コラ。どういうことなンですかァ?

 

「俺も、上条さんに聞きたい」

 

いや、お前だろ。何故に他人に聞きたいみたいな発言なの。前から思ってたけど、自分で上条さんって呼んで寂しくないのか?

聞いても仕方ないので心の内にしまっておくが、呆れたような目線を送ってあげた。上条サンはやめろー!そんな目で見るなー!なんて言ってるけど、知ったことではない。

床に置いていたカゴを上条サンは持って立ち上がろうとするが、重っと言って置いてしまう。いや、そんなに貧弱じゃないだろ、アンタ。

どうやら、持てるが長くは持ちたくないらしい。カゴを見ると、2リットルの麦茶が先ほど雑に置いた影響か少し揺れていた。なるほど、これは重い。

 

「しゃァねェ。オレが持ってやるよ」

「え?」

 

友達(と思っている)だもんな、これぐらいはさせろ。

能力を発動し、カゴにかかっている重さの向きを操作する。重力はかかったままで、重さだけを軽く。そうすると面白いほどに軽くなり、オレのような運動を全くしていないガリガリでも持てるようになる。

 

「どこに、そんな力が」

 

上条サンが不思議そうにこちらを見ているが、さァ?と肩を竦ませ、歩き出す。

上条サンに能力の事は教えていない。ただ、きっと身体強化系だと思われているだろう。反射は見せてないからなぁ。

 

「これで買いもンは終わりかァ?」

「え、あぁ。あらかた買ったし、大丈夫だろ」

「じゃァ、レジにいくぞ」

 

スタスタと歩いていく。

チラリと上条サンの買い物カゴを見るが、やはりオレのより多い。これで万年金欠なんていうから絶対嘘だろう。まぁ、バイトして溜まったお金を使っているんだろうけど。それで万年金欠か……なるほど。

レジに着き、一番空いていると思われる場所へ先に上条サンのカゴを置いた。因みにレジは

店員が研修中じゃない奴で、買い物カゴの中身が少ないので、買っている奴が子供連れじゃなく年寄りでもない奴の後ろへ並べ。早く行ける。まぁ、そんな都合のいいときなんてほとんどないけど。

 

「何から何まですみません」

「運ンだだけだろう。何謝ってンですかァ?」

「いや、一方通行には助けられっぱなしだし」

「助けたの、一、二回しかないンですけど。義理堅いンだなァ」

「その一、二回が上条さんにとってでかいんでせうよ」

「お前、ホントその口調何なンです?なンかムカつくンだよなァ」

「いくら上条さんでもお前に言われたくはない」

「…………確かに」

「納得するの!?」

 

いや、オレもこの口調はどうかと思ってたところだ。癖なんで抜けないけどな。小さい母音と、んが変な発音になるのは、確か学園都市来た後だ。前は普通だったんだけどなぁ。

というか上条サンはわざとやってるだろ。わざとふざけることで、自分の精神を落ち着かせ、現実を見ないようにする。ん?わざとな分、オレよりマシじゃん。

上条サンの支払いが終わると、次はオレの番になる。値段は約三千ぐらい。うむ、ちょい買いすぎ?いや、普通か。財布から万札を取り出して、細かい小銭を出す。これでお釣りは八千である。チラリとこちらを見ていた上条サンが、細けぇ……と何やら呟いたのは逃してねぇぞ?ん?文句があるのかい?

支払いを済ませ、カゴを持って袋へ詰める場所へと移動する。学園都市だからって、レジがロボット相手でもないし、勝手に詰めてくれるというものでもない。

せっせと、袋へ詰めていく。こういうのって綺麗に詰めたときが一番嬉しいんだよな。

 

「今、思ったんだけどさ」

「あァ?」

「一方通行って女みてぇだよな」

 

こんのやろうはいったいなにをいってるんですかね?

 

「……頭、湧いてんですかァ?三下め」

 

そう言うと上条サンは笑顔で、いやと否定した。沸いてるだろ実際。沸騰してんじゃねぇの?熱でもあるのか?

寒気したんですけど。気のいい友人(だと思ってる)だったのに、まさかのホモサピエンス?あ、これ人って意味だった。同性愛者は、ホモセクシュアルだったけな?因みに異性愛者はヘテロセクシュアルと言うらしい。

オレはヘテロです。ノーマルです。ノンケですよ。例え中性的な顔しててもな!!!

女性って間違えられたことあるわ!!ちっくしょ!あの湯浴み屋の奴許さねぇ!そっちは男湯ですよって?オレは男だから入るの当たり前じゃねぇか!即帰ったわ!!料金返してもらいましたけど何か!?あんなクソみたいな所もう行かねぇし!こっちから願い下げだわ!!

はっ、いかんいかん。虎と馬が並走してしまった。

 

「いや、さっきみたいに小銭出すとかさ、その袋への詰め方といい、レジの選び方といい、主婦みたいだな!」

「現役主夫さンに褒めて貰うとは至極光栄だなァ」

「主夫じゃねぇよ!?」

「ハッ、同居人のシスターのために食材買って料理する男のどこが主夫じゃないって言い切れるンだ?」

「…………本当だ」

「納得すンのかよ」

 

なんだよ、こいつ。天然ツッコミボケキャラか。ツッコミとボケの両刀をこなす達人か。すげぇな。

袋へ詰め終わったオレ達は、スーパーの外へ出てそれぞれ帰路へ着く。上条サン曰く、シスターが腹を空かして駄々を捏ねているらしく、早く帰らないといけないらしい。本当にそいつシスターかよ。

どうやら、名前はインデックスというらしく漢字では禁書目録と書くらしい。変な名前だな、人のこと言えないけど。

 

「またな、一方通行」

「あァ、またな」

 

上条サンが手を振ってきたのを、オレは軽く手を挙げることで返した。

にしても、インデックスねぇ。確か索引って意味だ。禁書目録……禁書。ふぅん。

もしかしたら、上条サンはとんでもないのに片足を突っ込んでるかもなぁ。

 

「……こっちまで来なきゃいいンだが」

 

あの不幸人は厄介ごとが大の好物である。

オレが今行っている実験も、厄介ごとであり、学園都市の闇だ。日の人間が携わって良いものではないが、あの上条サンのことだ。飛び込んできそうである。

 

……できれば来ないでほしい。

 

人形は殺しても良い存在だが、あいつは戸籍があるこの国の人間だ。殺しても、死体処理がめんどくせぇんだよなぁ。犯人探しされるし。

まぁ、友(と思っている)にそんなことはしないが、万が一だけどな。

 

ま、めんどくさい友人(と思ってる)を持ってしまったけど。

 

「なンとかなるだろ」

 

人生、考えないで流されるのが楽だよ。痛い目に会うけど。

 

 

 

 

 

 

 




この一方通行さんは少しコミュ力が高いようで。作者はスーパーで知り合いを見つけたら即逃げます。スルーが一番。

このアクセラさんと上条さんは大分前から出会ってます。まぁ上条さんは竜王の殺息のせいで記憶吹っ飛んでますが。アクセラさんはそんなこと知らない。

因みに出会いは、上条さん不良に絡まれ→一方通行現る!→「道の真ン中、邪魔」→蹴り飛ばす→上条さん感謝!→「名前は!?」ですね。ふぇぇ、上条さんがコミュ力高すぎだよぉ……。切実に分けて欲しい!!
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