一方通行は楽観的すぎる 作:au revoir
帽子よぉし!サングラスよぉし!服装よぉし!髪の毛地味に長しよぉし!
Tシャツに半袖のパーカー。七分裾のズボンにスニーカーソックスに藍色の紐ありスニーカー。オシャレな手提げカバン。
これでオレはシャレオツ草食系男子(女子にも見える)のはずだ!
……Tシャツにパーカーの時点でオシャレじゃないって?オレにとって十分オシャレなんだよ!(涙目)普段のTシャツを見てみろ、あれがダサいって知ったのは最近だからな。あのミサカ(何号か知らない)許さねぇ。
けど、ダサいって言われても着るからな!これは意地じゃないプライドの問題だ!だってオレ、あのTシャツちょっおかっこいいかなって思って買ったし!買ったし!!くそ!!
因みに髪の毛地味に長しは、ロングにしてポニーテールにしてるわけだ。今までは少し長いショートだからな。これはオレの能力で体内の電気信号を促進させて髪を少し長くした。つまり急成長的な。オレの手にかかれば髪の毛の成長速度は自由自在なのだ!はっはっは!
何故暑い夏にそんなことするのかと言うと、少しだけ遠くにあるファミレスが今日、女性限定で三割引だからだ。オレは自分で言うのもなんだが、所謂中性的な顔だ。男性にも女性にも見えるオレの容姿を利用してそのサービスを提供させて貰おうという算段である。
それならば、完璧に女装すればいいではないかと思うが、そこはな……男としての尊厳が。女装すればオレが男なのか女なのかわからなくなるから……不安になると思うから……自分の事なのに。
つまりだ。この服装なら少しボーイッシュな女がしそうな格好だろ?男もしそうな格好だろ?
短パンじゃない時点でボーイッシュじゃないアウトだなんて言わないで。お願いします。
さて、出かけるか。
夏休みも終盤。
まだまだ真夏の日差しは暑い。
と言ってもオレはあんまり感じないんだけどね!紫外線を反射してるからな!
ちょ、ひどい目にあった。
なんでファミレスに第三位がいるんですかね。というかあのおば……ゲフンゲフン、お姉さんと知り合いなんだろうか。……今言い直したのは何故か第三位と喧嘩したお姉さんに睨まれたからだ。なんなんだよ、怖ぇよ。あの眼力だけで誰にでも勝てそうだ。
第三位とそのお姉さんによってファミレスには電撃が走り、一時電子機器がショートした。昼なので停電になっても不便はなかったが。此方に攻撃が飛んでくるのは少しだけうざかった。反射で殆ど事足りるが。
というか、反射膜のすぐ横をなんかビームのようなものが通り過ぎてった時はヒヤヒヤした。だって、その飛んでいった先の座席やテーブル、壁が焼け溶けたからな。なんだよ溶けるって。怖ぇよ。
ってか、人の胸で張り合うあの二人はなんだったんだろうか。取り巻き?さすが第三位だな。ぼっちな第一位なオレとは違いますねぇ。……自分で言ってて悲しくなってきた。
しかしあのお姉さん、凄かったな。第三位と張り合うとは。もしかしたら
あの金髪の奴が麦野とかなんとか言ってたから、あのお姉さんは第四位の麦野沈利か?まさかあんなババ……ゲフンゲフン、お姉さんだとはなぁ。まぁ、同姓なだけで違うかもしれないが。
頼んでおいたミックスグリルを平らげ、ドリンクバーから取ってきたコーヒーを飲む。うん、普通に美味い。
オレは常人よりは少しだけ大食いだが、食べても太らないタイプなのかずっとガリガリである。まぁ運動すればいいんだろうけど、オレはする気がない。能力に頼りすぎるとダメだと知ったが、だからと言って運動をするのとは別だ。……ぶっちゃけ、運動が嫌いなだけなんだが。
「レディースディなので三割引させていただきますねー」
よっしゃ!
内心ガッツポーズを取る。
しっかし、三割引とはこのファミレスも随分いいサービスをしてくれるよなぁ。安いの万歳!
金が有り余ってるくせにこう好きなこと以外を節約しようとするのは前世からのクセなので。許して。
財布の中から小銭を取り出し、レジに置く。お、あと少しで無くなるなぁ。小銭補充しとかなくては。銀行に寄る予定が出来たか。
「ありがとうございましたぁー」
財布をカバンに入れて、外に出る。サングラスをつけてて良かったと思うのはこの日光の眩しさからか。流石に日光全てを反射してないので、あの眩しさだけはどうしても慣れない。
さて、銀行に行くか。脳内で地図を思い出し、この場所と照らし合わせる。ふむ、場所はあっちか。
大体の場所はこれで思い出す。と言ってもこの学区だけだが。まぁ必要となれば地図を見るし、一回見れば忘れない。何回か行けば、意図的に思い出さずにわかる。まぁ殆どの奴がそうか。
いつも空いている銀行というかATMだけを設置してある場所に着き、金を引き出す。ここは小銭を引き出せないが、そもそも小銭単位で引き出そうとも思ってないのでオールオーケーである。
三千を引き出し、銀行を出る。さて、これから何をするか。うーん。昼飯はもう食べたし、食後のコーヒーでも買いに行くか。
近くにあったコンビニに寄って、飲み物売り場に近寄る。まだ予備のコーヒーは部屋にあるので、コーヒーは一缶だけ買うつもりだ。なのでカゴは持ってきていない。
よくよく考えれば、オレってコンビニの売り上げに貢献していると思うんだよな。一回に何十缶も買うし、爆飲みするしで。うん、これでカフェイン中毒にならないの可笑しいよな。カフェイン依存にはなってるけど。
能力で無意識に分解を促進しているのだろうか?そんな有り得ない仮説を立ててみる。オレの能力はベクトル操作。反射だけでなく文字通り操ることは可能だが、体内のそんな奥までは操れない自信があるぜ、はっはー!(ドヤ顔)
ま、ドヤ顔でそんなこと言っても虚しいだけだが。
お、これは新作かな?美味いのかね。ま、一缶だけだし、金おろしたてだ。買うとするか。
レジで会計を済ませ、外に出る。何故か入れてくれたウエットティッシュを避け、レジ袋に入っているコーヒーを取り出す。さぁ、凶と出るか吉と出るか。
カシュッといい音が出る。ぐびっと一口飲めば、ほろ苦い液体が喉を潤してくれ……………って!
「まっずゥ!」
こ、こここれっ!コーヒーじゃねぇ!!
慌てて、表記されているこのコーヒー(仮)の名称を見る。
「……栄養ドリンク…………マジかよ」
うっそだろ。ヘマした。めっちゃヘマった。
栄養ドリンクって。コーヒーと間違えて買うって。初見で見たレッ◯ブルをコーヒーと間違えるぐらいの失態だぞ!……あ、いやあれは仕方ないけども。
だからちょっと高かったのか。金銭感覚少し狂ってるからなぁ。おとなしくエ◯マンでも買ってるんだった。くそぉ……。
近くの公園にゴミ箱があったので入れるために近づく。少し勿体無い気がするが、全部飲む気力もない。中身は捨てずにそのままゴミ箱に入れようとしたその時。
「ちょっと、そこの貴方」
声がかかった。
チラリと横を見ると、何だか見たことのある制服に身を包んだ濃いピンクの髪のツインテールがいた。うん、こんな見事なツインテール、最近見たこともないわ。ちょっとキャラが濃そうである。しかも止めてるゴムの上からリボンって。リボンって……。
「そこの貴方ですの、あ・な・た」
「いや、聞こえてるから」
指をさして、やたら貴方を強調するそのツインテールにオレはそう返した。聞こえてますって。ただ無視してるだけですよー。……タチが悪いな。
酷く驚いたようにこちらを見るツインテールの腕には
「驚きましたわ。そんな形ですから、高い声かと。いえ、貴方のテノール声をバカにしているわけではありませんのよ?ただ」
「意外か?」
「えぇ。これがギャップ萌えというわけですわね」
いや、違うと思う。
オレはそうツッコミたかったが、やめた。訂正するのが面倒くさいであります。
ツインテールはコホンとわざとらしく咳払いをするとこちらに向き直った。というか呼び名がツインテールになっちゃったよ。
「話を戻しますが」
戻すほど脱線しただろうか?
……したか。
「その缶……空き缶ではありませんよね?そのまま捨てられては回収するとき、中身が残っていては回収されない事もありますの」
「ふーン」
「……聞いてますの?」
いや、オレにとってどうでもいい事なんで興味ありませーん。
なんて、言うわけにもいかず。はァとため息をつく。
「わァったよ。捨てりゃいンだろ、捨てりゃ」
「あ、ちょっ」
近くにある木々の根元に栄養ドリンクの中身を捨てる。栄養たっぷりなので、この木も元気に育つだろう。ま、人間用なんで植物に意味あるかは知らねぇけどな。
「そういう意味で言ったんじゃありませんのに……」
はぁとため息を吐くツインテールを横目に、空になった空き缶を今度こそゴミ箱に捨てた。
手元のビニール袋も捨て、ウエットティッシュは貰っておこうか。カバンに放り込んだ。
「じゃ、どういう意味だったンですかね?」
「ちゃんと中身を飲んでから捨ててくださいな、という意味だったんですの」
「あっそ」
さっきも言ったが、お生憎様勿体無いからと言って飲む気になれない。
いや考えても見てくれ。
不味い飲み物があります。一口飲んだがゲロマズです。これ以上飲めば吐きそうです。じゃぁ?どうする?
答え、捨てる。
オレの素っ気ない態度にツインテールは口を開けてグチグチと何か言ってくるが、オレはそれを聞く気はない。
口直しの為にコーヒーを飲みたかったので、自宅に帰る事にする。やる事なくなったなぁー。髪の毛切ったら寝るか。
「素っ気ない殿方ですわね……」
風紀委員の腕章を外しながら、ツインテールの少女、白井黒子はそう呟いた。
中身の入った空き缶を捨てようとしていたのです止めたが、どうにも中身を飲む気は無かったらしい。
この学園都市では街のゴミ掃除や、ゴミ収集は全て警備ロボットに似たロボットがやってくれる。しかし、ゴミ箱に不純物……そのゴミ箱に定められた物以外が入っていれば回収されない可能性があるのだ。それを指摘しようと声をかけたのだが。
「わざわざ腕章を付ける必要も無かったですの」
何か文句をつけて来ないよう、付けたのだが……大人しく従ってはくれた。黒子の思い通りではないが。
しかし不思議な人物だった。
見た目からして女かと思えば、口を開いた途端出てくる音は低かった。
髪が長い男性はあまり珍しくはないが、それほどいるわけでもない。精々一年に一回か二回見かける程度である。けれど、白髪で長髪となるとその確率はぐんと下がる。そもそも白髪自体珍しい。というか老人以外にあまりいない。
ここは日本だ。外国人ならいざ知らず、日本人である彼があんな髪色をしているとは。染めたのだろうか?黒子は首を傾げるが、そもそも自身の髪色も珍しいだろうに。
「黒子ー!何してるのー!早く行くよー!佐天さん達が待ってるんだから」
「あ、はーい!お姉さま。すぐ行きますのー!」
そういえば愛しいお姉さまを待たせていた。
その事実に気づき、黒子は腕章をポケットの中に入れると眩しいぐらいの笑顔でその場を走り去っていく。
最近、留守番ばかりでお姉さま不足の黒子は抱きつかんばかりの勢いでお姉さま……御坂美琴へと近付いた。
その後、電撃が飛ぶのだが……それはもはやお約束と言っていいだろう。
学園都市は今日も平和だ。
前半テンション高かったりするアクセラさん。基本一人の時は内心だけ高いからね。
体内の電気信号を操って髪の毛を長くできるという設定を使いたかったがための一話。
しかし髪の毛の成長速度を変えれるなら、身体全体はできるのだろうか。……うん?幼少のころから成長速度を遅らせていたら、小萌先生のようになるのでは?なるほど!合法ショタか!!←おい