NEGIMA/APOCRYPHA   作:三島溪山

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三か月ぶりみたいですね。仕事も暇な時期に入りましたので一報と思いまして投稿。


第一話

 目覚めると知らない天井だ―――ってのは、どうやら文学作品の中だけの出来事ではないらしい。記憶が確かなら野外の、それもジャングルといっていいほど上空は樹木に蔦が覆っていたと思うのだが。

 

 「うっ…」

 

 目覚めたばかりで光がまぶしい。掌で光を遮ると掛け布団がはだけて自身の肌が露出した。どうやら包帯が巻かれているようだ。ゆっくり体を起こそうとすると物音がした。音源の方を向くと褐色の少女が立っていた。

 

 「お、おい…」

 「せ、せんせー!」

 

 呼びかけようとしたら俺を見て外に出て行ってしまった。少し待っているとさっきの少女が先生とやらを連れてきた。

 

 「目を覚ましたようね」

 「ああ…」

 「意識は…はっきりしてるみたいね。自分の名前はわかる?」

 

 名前…本来なら青山――と名乗るべきだろうが生憎追われている身。おいそれと本名を晒す訳にはいかないだろう。

 

 「ぺ…」

 「「ぺ?」」

 「シン・ペシュメルガだ…」

 

 分家の癖に極みを身に付けた為に一族に追われ、襲い掛かる剣士から斬る。みっともなく生に執着し、目的もなく死から逃げる滑稽な俺にはぴったりだ。

 

 「あなたはここがどこかわかるかしら?」

 「いや…少なくとも地球ではないことはわかるが」

 

 いくらアマゾンの奥地でも魔力を発するジャングルなんて聞いたことがない。

 

 「地球…?あなたは旧世界(ムンドゥス・ウェトゥス)出身なの?」

 「まあ地球=旧世界(ムンドゥス・ウェトゥス)ならそうだろう」

 「あなたは近くの樹海に倒れているのをパトロールしていた生徒が見つけたの。ここらへんには(ゲート)はないわ。ただ、あなたみたいな生物が旧世界(ムンドゥス・ウェトゥス)にいるのも…」

 「俺はれっきとした人間だ」

 

 青山家には純粋な人間しかいない。半妖や妖怪などという人外と交わることなど歴史上ないはずだ。

 

 「私が見てきた旧世界(ムンドゥス・ウェトゥス)の人間はそんな耳をしてないわよ…?」

 「耳…?」

 

 手渡された手鏡で自身を見る。以前みた自身とはまるで違う…もはや同一人物とは言い難い。包帯が巻かれた痛々しい姿から見える尖がった耳に西洋人とのハーフを思わせる顔は、以前の純日本風な顔とは全く違っていた。

 

 「…どうやら記憶の混濁しているようね。一応重症患者だから暫く入院しておきなさい」

 「ああ。命を救ってもらった上に申し訳ない」

 「私は医者よ。当たり前のことをしたまで」

 

 冷静そうな医者は部屋を出て褐色の少女と二人きりになる。彼女は俺の方を見ようとしない。とりあえず助けてくれたお礼を言わないとな。

 

 「君が助けてくれた…そういう認識でいいのかな?」

 「あ、はい…そ、そう…です…」

 「ありがとう」

 「い、いえ!当たり前の事、ですから…」

 

 言葉をゆっくり紡ぐ少女は何だか可愛らしい。周りの女は鶴子みたいなお転婆しかいなかったしなあ。

 

 「それで…ここはどこなんだい?旧世界(ムンドゥス・ウェトゥス)出身(少なくとも自分ではそう思ってる)故、地理には疎いんだ」

 「こ、ここは学術都市アリアドネーです」

 「学術都市…?」

 「は、はい!『学ぶ意思さえあれば誰でも受け入れる』をモットーに、幅広い種族の生徒を抱える魔法学校が有名な中立都市です!」

 

 魔法…か。関東に関東魔法協会が統治する麻帆良に西洋の呪術なる魔法を修めている輩がいると聞いた。将来所属する予定だっただろう関西呪術協会とは犬猿の仲で、未だ小競り合いを繰り返している。俺もあまり良い印象はない。

 

 「ぺ、ペシュメルガ…さんはこれからどうするんですか?」

 「これから?」

 

 ふと、今後の事を聞かれて答えに迷う。逃げ切った後の事なんて考えたことなかった。何もない。

 

 「…」

 「…どう、したんですか?」

 「…いや、特にないなあ」

 

 困ったもんだと、まるで他人事のように漏らす。この、想像以上の出来事に出くわして呆気にとられたまま思考できない。先の事なんてもってのほかだ。

 

 「腕に自信がないわけではないが、素性の知れないものを信用はしてくれないだろうなあ」

 

 右も左も分からない土地で信用を勝ち取るのは難しい。ましてや、生まれ育った土地で信用されなかった俺では何もできないだろう。

 

 「あ、あの!」

 「ん?」

 「そ、そしたら通ってみませんか?」

 「通う?」

 「アリアドネーの魔法学校に、です!」

 

 マホウガッコウ?

 

 

 

 *

 

 

 

 あの後、彼女―フレア・リック―は言葉巧みに俺に対するメリットを提示し、入学へ誘導させられた。彼女の言うことは間違ってはないが…まあいい。入学はとんとん拍子に決まってしまった。いくら何でも早すぎだろと思ったが、入院から数日後に病室にアリアドネーの総長とやらがフレアの言葉を真に受けてきたみたいだ。入学の意思を聞かれただけで試験も何もなくOKを出してくる。それでいいのかと聞くが、

 

 「彼女から聞いたでしょ?『学ぶ意思さえあれば誰でも受け入れる』よ。貴方が抱える事情なんて気にしないわ」

 

 なんとまあ嬉しきお言葉…まあ伝統に則っただけだが今はありがたい。何も言わず、入学の許可を頂いた。ただ、俺が入学したのは魔法学校でフレアが在籍しているのは魔法騎士団候補学校という違う学校らしい。説明を聞けばどちらも全寮制の普通・専門学校か防衛学校かの違いらしい。魔法学校を選ぶとフレアは残念がっていたが…俺は騎士団みたいな高尚なやつではない。己の命の為に両親を斬り伏せる悪鬼なのだから…。

 




まあテンプレなんじゃない?オリキャラの説明を少し。

名前:フレア・リック
職業:魔法騎士団候補学校1-D(中等科)
年齢:13
性別:女
容姿:眼鏡をかけた黒髪の長髪。いわゆる地味子
適正:火、雷
体格:161cm、53kg、84-59-76

スリーサイズって男からすると想像できないですよね。どの数字が細いのか太いのかでかいの小さいのか分かりませんね。まあおかしいと思ったなら指摘ください。誤字脱字もあれば報告よろしくお願いします。
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