他の方の小説を読むと、自分の実力不足を嫌でも実感します。だが、それでいい。もっと頑張ります。
それでは12話です、どうぞ。
「……………………えっ?」
俺の仮面を剥いだリズの顔は、例えば車に轢かれた子犬を見るような、そんな顔をしていた。憐れみと嫌悪感が混じったような、そんな顔。後ろを見ると、キリト達も同じような表情をして、言葉を失っていた。
ああもう、だから見せたくなかったのに。
「なによ……………その顔」
ホロウの仮面を剥がしたあたしは、初めて見る彼の顔に驚愕と哀れみ、そして嫌悪感を抱いていた。
彼の顔は割と整っていて、どこか幼さを残したような顔で、周りと比べてもだいぶ上の部類だと思う。
しかし、顔の左半分には大きな火傷の痕があり、それがホロウの顔を紅く染めていた。その傷の大きさが、彼の負った傷の深さを嫌でも理解させた。深紅の瞳も、燃え上がる地獄を映してるようで、彼の内にある狂気が垣間見える。
これを抱えて生きてきた彼の苦痛を思うと、恐怖と悲しみが頭を満たす。いつもふざけてたホロウ。でもそれはこの傷を隠すためだったんだ。何も気づけずにいた自分に怒りを覚える。
でも、あたしの視線は別の場所に向いていた。もちろん顔の傷も凄まじいものだが、それ以上に、彼の表情が不思議に思えてならなかった。
「どうして、泣いてるのよ……………………」
とうとう見られてしまったか。今すぐ顔を隠したいが、両手を縛られてるので何も出来ない。ったく、こんな公開処刑ありかよ。
「ホロウ、あんた……………」
剥がした本人もこれだし。まあ、こういう反応するよね普通は。
「とりあえず縄解いてくれない?拘束プレイとか趣味じゃねーから」
冗談を交えて言ってみるも、やはり俺の涙は止まらない。拭ってもほっといても流れ続けるんだもの、しゃーないだろ。
拘束が解け、ひとまず自由にはなったが、皆はフリーズしたように俺を見つめる。
「おーい、元気ですかー?」
そう声を掛けても反応なし。いやこの空気はなんかマズい。俺のせいとはいえすっごくやりづらい。
「………………ホロウ」
そんな中、キリトが口を開いた。
「ん、どったの?」
「どうして、泣いてるんだよ」
「あー…………、言わなきゃダメか?」
「…………………………」
俺の言葉にキリトが押し黙る。皆には悪いけど、これは譲れない。そのために、今まで仮面を被ってきたのだから。
でも、知ってほしいとも思い始めていた。皆は、俺の異常性を嫌な程理解した。それでも、俺を捨てないでくれた。手を差し出してくれた。一緒に背負うと、言ってくれた。
「知りたいなら、教えてやる。でも、それは常軌を逸したものだ。それでも」
「教えてくれ。お前が仮面で隠してきたものを、背負ってきたものを」
俺の言葉を遮って、キリトが返答した。その目には、覚悟が見える。
「……………言ったでしょ、あたしたちにも背負わせろって」
リズも、戸惑いながらもそう言ってくれた。
「あたしにも…………一緒に背負わせてください」
シリカも、覚悟を決めてくれた。
「情報は漏らさないから、安心してクレ」
アルゴは少しからかうように言う。それも、気をつかってのことだろう。
「わたしも聞くよ。あなたには助けてもらったからね」
「俺も聞こう。同業者同士、仲良くやりたいからな」
アスナとエギルまで。さっき知り合ったばかりなのに、ここまでするとは。キリトやその周りの奴らはお人好しすぎる。甘ったるくて吐き気がしそうだ。
「だからこそ、なのかな」
だからこそ、信じられるのかもしれない。心からの善意も、受け入れようと思える。そう思えるのが、仲間ってやつなのかな。
「分かった、話すよ。今まで隠してきたこと、全部」
怖くないと言えば嘘になる。これを話してしまえば、今までのようにはいかないかもしれない。………拒絶されるかもしれない。
だとしても、話そう。あいつらだって覚悟を決めたんだ。それに俺が応えなくてどうする。
だから、明かそう。俺の………《柊空/ホロウ》の犯してきた、罪の全てを。
「…………これは、全てを間違えた愚か者の話だ」
前回、ホロウの過去を書くといいながら、物量的に書けませんでした。次回から書いていきますが、結構長く続くと思います。
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