ソードアートオンライン《仮面の行商人》   作:Gissele

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今回はなかなか難しかったです。隠したい設定のせいでなんだかごちゃごちゃに。それでも一応形には出来たので、最後までお付き合いしていただきたいと思います。


5 踏み出す一歩

俺はキリトやシリカが逃げるように別れた後、47層の適当な宿屋を確保、そのまま眠りについた。寝て起きれば、またいつものように振る舞える。そう思っていた時期が俺にもありました。

全く眠れねぇ。ギンギンに目が冴えてやがる。メガ○ャキもビックリな程眠れなかった俺の現在のコンディションは最悪だ。

 

ところでどうして47層にいるの?って思った人もいるみたいだし説明しますか。

それは《プネウマの花》の採取に向かうためだ。昨日採取しようと思ってたんたけど、状況が状況だったから取り損ねたんだよね。というわけでもう一回行こうって話だ。

でも俺には必要無いんだよね、だってもう持ってるし。シーナが仲間になってからすぐにアルゴから情報を買い、プネウマの花、ゲットだぜ!みたいな。

じゃあ何のために?って話だけど、シリカにあげようかなって。昨日あんだけ怖がらせちゃったからね。完全に俺が悪いので、せめてものお詫びにって。許してもらえるなんて思ってないさ。元々許されるべきじゃないんだよ、俺は。

 

まあどうでもいいかそんなこと。ちなみに思い出の丘なう。目的のブツは手に入れたし、後はキリトに頼んでシリカに…………ってどうしよ超気まずいんですけど。絶対キレてるだろあいつうわぁ絶対会わないように

 

 

「こんなところにいたのか、ホロウ」

 

「………………ウイッス」

 

 

すると突然キリトが斬りかかってきた。「あびょ!!?」って声出ちまったじゃねえかコノヤロウ。てかここ圏内じゃないっすよキリトさん!?俺じゃなきゃ死んでるからね!!?

 

 

「よーし抵抗したら斬るぞ?抵抗しなくても斬るけど」

 

「結局死刑確定じゃねえか!!」

 

 

 

 

「とまあ茶番はこの辺にして」

 

「茶番て死にかけたからね俺!?」

 

「悪いのは完全にお前だろ」

 

「マジですみませんでした」

 

 

死神の魔の手から何とか逃れたところで、キリトが真面目な顔で切り出した。

 

 

「昨日のことは別に責めてない。お前のことは一応理解してるつもりだしな」

 

「…………じゃあ何の用だ?」

 

「………すまなかった」

 

「………はい?」

 

 

あれ、何でキリトが謝るの?明日雪降るの?それとも俺ピチュるの?

 

「俺がお前を連れてこなければ、ああならずに済んだのに…………」

 

 

「それには俺も了承したし、そもそも問題起こしたのは俺のせいだし謝るのは俺の方だろ。俺があのクソババア殺ろうとしたせいでシリカがドン引きしたってだけだしお前に落ち度は無えよ。しかもPK寸前の俺を止めたファインプレーとかMVP以外の何でもねえよだろうがバーカ。

あ、それと頼みたいことあるんだよね」

 

 

実際そうだよね、キリトがいなかったら俺ロザリアぶっ殺してたもん。刺してはポーション抉ってはポーション刻んではポーションのフルコンボキメる予定だったし。てかそんなのやったらいよいよ危ないな俺。

 

 

「バカはどっちだよ。…………それで頼みたいことって?」

 

「ああ、これなんだけど」

 

そう言うと俺はプネウマの花をキリトに渡す。

 

「それをシリカに渡しといてくれ。もちろんお前名義で。シリカへのお詫びだよ」

 

「お前がシリカに直接渡せばいいんじゃないか?」

 

「…………これ以上シリカを傷つける訳にはいかないだろ」

 

 

するとキリトはニヤニヤしながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だってさ、シリカ」

 

「っ!?」

 

 

するとあらビックリ。キリトの後ろからシリカがドーン!!っていつの間にキリトの後ろ移動してたの!?プリンセス○攻顔負けじゃねえか!!いやあ驚いた驚いた。

 

ってあれ?つまり今までの会話聞かれてた?……………ヤバくね?

 

 

「…………ちなみにいつから?」

 

「さ、最初から………………」

 

 

うわぁオワタ\(^o^)/

 

 

「…………ちょっと豆腐の角に頭ぶつけて死んでくる」

 

「ちょっと待ってください!!豆腐の角で死ねませんから!!」

 

 

あ、そこツッコむのね。

 

 

「キュッ!」

 

 

その後ろからちっちゃいドラゴンが出てきた。羽の色からすると、多分こいつが………………

 

 

「って痛ぁ!?」

 

 

いきなり噛まれた。

 

 

「ちょっとピナ!?」

 

 

あ、やっぱりピナだったのね。無事みたいでよかったよかった。でも一応俺も命の恩人的なポジションなのにこの扱いって。

 

 

「キュル~」

 

「もう、ピナったら…………。見ての通りピナも無事に蘇生出来ました。…………ありがとうございました」

 

「うんうん元気がありあまってるようでよろしい。…………よかったな」

 

 

本当によかった。これで思い残すことなくぼっちに専念出来るぜ!

…………うん、よかった。

 

 

「………………ごめんなさい!!」

 

「……………えっ?」

 

 

突然の謝罪。……………ごめんなんだかよくわからない。

 

 

「…………あたし、ホロウさんのことが怖かったんです。格好は不気味だし、時々意味不明だし、………………あの時もロザリアさんを本気で殺そうとしてたし」

 

ならどうして、と言いかけたところてシリカが続ける。

 

「でも、ホロウさんはあたしを守ってくれました。不安な時は笑わせてくれたり、シーナちゃんで安心させてくれました。たくさんホロウさんに助けてもらったのに、あたし……………」

 

何も言えない。確かにそうだ。シリカを何とか助けられないかって。でも、それは。

 

「…………あたしたちを助けてくれて、ありがとうございました」

 

シリカがぺこりと頭を下げる。

 

「……………フレンド登録してくれませんか?ホロウさんにお礼がしたいんです。いつになるかは分からないけど…………」

 

 

そう言うとシリカは俺にフレンドの申請をしてきた。俺は手を伸ばし、そして止める。

もう繋がりを持たないって決めたはずなのに。独りで生き、独りで死ぬって決めたのに。だからキリトとも半年近く会ってなかった。誰かと深く関わろうとしなかった。なのになんでみんなは、こんなに優しくするんだよ。ふざけるなよ。

ここで受け入れたら、また間違えてしまう。また傷つけてしまう。あの時の、あいつのように。それが怖いんだよ。同じ過ちを繰り返したくないんだよ。

だから拒絶しよう。相手の善意も慈悲も全て。そうすれば誰も傷つけなくて済むんだ。それが正解なんだ。

 

 

 

 

 

 

『本当にそう思ってるの?』

 

 

 

 

 

ふと、懐かしい声が聞こえた。

 

 

『相変わらずビビりだなあ。ちゃんとタマついてんの?』

 

怖いさ。失うより、独りのほうがずっといい。

 

『それは、傷つけるから?』

 

そうだよ。俺が、お前を××したように。

 

『何言ってるんだよ。シリカを助けたくせに。お前だって、それを望んでるんじゃねーのか?』

 

…………そうだけど。

 

『じゃあ、後は言うことねーな。じゃあな、ソラ。…………あいつらの気持ちから、逃げるなよ』

 

 

 

そして声は消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………ホロウさん?」

 

 

その声で意識が戻る。あれから少し時間が流れてたようで、シリカが不安そうな顔をしていた。

ウィンドウには、シリカからのフレンド申請。俺は……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『YES』を押した。

 

 

「ホロウさん……………!」

 

「………………改めてよろしくな、シリカ」

 

「……………はいっ!」

 

 

シリカが笑顔で返事をしてくれた。なんだかすごく疲れた。肩の荷が降りるってこのことっぽい。まあ、こういうのも……………ってキリト、お前なにニヤニヤしてやがる。まあわかるけど。

 

「本当、手間がかかる奴だなホロウは。無駄に」

 

「ブッ飛ばすぞてめぇ」

 

「まあまあ。……………案外、悪くないもんだろ?」

 

「………………まあな」

 

 

それでも、怖い。いつかこの繋がりが消えてしまうんじゃないかって。また間違えてしまうんじゃないかって。……………大事な人を、傷つけてしまうんじゃないかって。

 

それでも、頑張ってみるにした。この気持ちを失わないように。二度と選択を間違えないように。貰った気持ちを無駄にしないように。このまま逃げたら、きっとあいつに爆笑される。うん、それはムカつくし絶対阻止せねば。

 

 

まあ、まだ仮面は外せないかな。それはまだ時間がかかりそうだし。あいつのこともまだ踏ん切りをつけれていないし。………でも、時間はある。それに、俺は独りじゃない。だから、いつか壊してみせるさ。……………それでいいかな?

 

 

「おーい、ホロウさーん!!」

 

「早くしないと置いてくぞー!!」

 

 

キリトとシリカが俺を呼ぶ。2人とも笑っていた。

 

 

「待ってろ、すぐに追いついてやるから」

 

 

そう言って俺は後を追う。その仮面の下に、笑みを隠しながら。

 

 

 

 

 




今回もお読み下さりありがとうございました。色々やりたいことを詰め込んだ結果がこれです。でも後悔はしていない。
次回に進む前に、少しホロウとシーナのキャラ紹介のようなものをしようと思います。まだ出せない設定も多いですが、出来るだけぶちまけたいと思います。
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