神喰いたちのゴールデンウィーク   作:秋ピザ

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もうなんかあやふやだぬ。やっぱ一月で連載完結はキツかったぬ。
忙しくて口調がどこぞのおじさんぬになってしまうほど忙しかったぬ。
え?理由?
他のやつ書いてたからです(フライング土下座)


ギルバートのゴールデンウィーク(完)

私は呪いである。

いや、かつては人間だったのだが、とある理由で自らを呪いとしてしまった。

そして当時の人間により鯉のぼりに人柱二人と封印され、長い長い時を過ごした。

だがある日、不意に金髪の…座りながら動く訳の分からない女?によって私は解放された。

その際に運悪く人柱二人も解放されてしまったが、幸運な事に近場で強力無比な肉体を持つ怪物が三体も存在したため、その肉体や特徴、能力を奪った。

そしてそのまましばらくの間眠りについた。

その間いくらかの人間が近付いて来たが良く分からない奴等が私の眠る場所の付近に居たのかこれまた幸運にも私の存在がバレてしまうことは無かった。

やがて幸運が重なって十分な休息を得た私は呪いとしての最盛期の頃の力を取り戻し、さらに肉体も他の要素2つと馴染むことで最高のコンディションとなっていた。だが、その長く続いた幸運もそれまでで、目覚めると同時に私と共に封印されていた人柱の二人がやってきた。

何やら面妖な物を持っていたが、現在の私の敵ではなく、かなり圧倒出来た。

しかし多少はダメージを受けたし、長い眠りによって腹も減っていたため、私は現在の肉体が求めるままに食料を探した。

するとそれは案外簡単に見付かった。

私の時代には居なかった化け物だ。

この体の元にした奴と似た点があるものたちだが…どうにも人柱二人が持っていた面妖な武器とそっくりな物が付いていた。

だが、そんなことを気にする暇も無いほど空腹に襲われていた私はその化け物を食欲のまま襲い、喰らった。

その味はそれほど良いものとは言えなかったが、空腹が丁度良い塩梅に味をマトモに感じさせてくれた。

 

ただ、この化け物は多少傷を負っていたため、何者かと交戦していたのだろう。

で、あるならばここは一度撤退を…そう考えた時、丁度化け物達に手傷を負わせたと思われる人間がやってきた。

どうやら体内に化け物たちと同じ何かを宿しているが、中身は人間らしく私に敵意を向けている。どうやら私と戦うつもりらしい。

ならば良いだろう…食事を中断し、一度吠えてからやってきた人間を見据え、体の方に戦闘を任せながら少し分析する。

ふむ、何やら斬った軌跡から刃が現れているな…奇術か何かだろうか。

だがそれは私に大したダメージを与える事もなく、私はその男を追い詰めた。

だが、そこで運悪く例の人柱たちがやってきて、怯まされてしまった。

その上三人が協力し、さらに私と戦っていた男が背中から黄金の翼を生やして私を奇妙な銃で撃つと周囲に爆発が広がり、私の体を壊していく。

このままではまずい。そう判断してその場から爆発に乗じて逃走したが…傷は深い。

運が良いのか悪いのか分からんが肉体の回復速度は異常に速く傷はすぐに癒えたが、恐らく奴等は私を殺しに来るだろう。

ならばすごすごと殺されてやる訳にもいかんし、迎え撃ってやるとしようか…

私は各地を点々としながら、自分が戦うのに有利な広い空間のある場所を探した。

その道中で少し強そうな化け物を見付けたので喰らい、さらに力を蓄えることもしていた。

そしてついに、全体を壁に覆われていて人柱の二人を閉じ込められて、なおかつ内が広い建造物を見付け、そこを決戦の場所と定めた。

二人は私がそこに着くとほぼ同時にやってきて、空中から一発喰らわされた。

アイツらは気配が薄いからな。どうしても最初の一撃はもらってしまう。

だが、大量の化け物を喰らい強化された私の敵ではなく、徐々に追い詰める事に成功した。

そしてあと一歩という所で……私を爆発で殺そうとした忌々しいヤツが仲間を連れてやってきた。

しかも、その内の一人が奇妙な技を使う度に奴等は少し強化されるし常に見られているような感じがするし猫のような髪型の女が飛び上がって鎚を叩き付ける度に私の肉体が反射的にその女を狙ってしまう。

その上あの男は斬撃を飛ばしてくるためいつ攻められるかが分からず、さらに人柱の黒い方も私に少しずつ手傷を追わせてくる。

それでもこの肉体の性能と強化によってギリギリ面倒なことに囮になってくる女を追い詰める事に成功した………だが、そこでまた例の男が金色の翼を纏う姿になった。

しかもこれまで見ていなかった謎の技を傷口に喰らい、さらに肉体の方が元々の中身の方の怒りを制御しきれずに突進してしまい、最後は自滅するかのように大量のエネルギーを喰らって死んだ。

だが、私の本体はこうして残っている。

だからどうにでもなるのだ。

とりあえず、今はこの忌々しいこの男に乗り移って絆を切り裂いてやるときようか……お返しだ。

呪いである私の恨みはそう軽い物ではないと思え。

 

 

 

一方その頃極東支部では。

「あ!やっと見付かりましたよ!」

 

「おー、やっと見付かったか…いやぁ長かった」

 

「精々30分かそこらでですよね」

 

ムツミが30分に渡る捜索の末ようやく探し出した鯉のぼりは、しばらく倉庫で眠っていたからか全体的に黒く煤けていた。

傍目から見ればそれはただのゴミにしか見えないだろう。捨てられなかったのが不思議とすら思える。

だがしかし、そもそもこれくらい埃を被って居るのは想定内だったため、彼女は適当な窓から身を半分ほど乗り出して鯉のぼりを振った。

すると大して強くくっついていたわけではないのか簡単に埃が取れていく。風が強いのもあるだろう。

そしてあっと言う間にそれを取り込むと、不意に赤い鯉のぼりから一枚のカードのような物が落ちる。

それをムツミが拾おうとすると、いつの間にか来ていた何者かがそれをちょうど拾い、ムツミに渡す。

「あ、ハルさん、帰ってたんですね」

 

「おう、今日は飯がスペシャルだと聞いたからな。サクッとハンニバルとセクメト狩ってきた…それで今日は一体何をだしてくれるんだい?」

 

ハルさん、と呼ばれた人物はカードのようなもの…見方を変えれば札にも見える…をムツミに渡しながらそんな会話を交わした。

ムツミは『ちらし寿司だよ。しばらくすれば出来るから待ってて』と言い、札を適当な所に置いて料理の支度に取り掛かった。

さて、ここであえて説明すると、この札は今現在アカツキに乗り移り、絆を引き裂くチャンスを虎視眈々と狙っている呪いの型代なのだが、彼らは当然知るよしもない。

何せ札と言うには多少縦横の寸法が正方形に近いし、良く知らなければただの紙にも見えただろう。もしくはコースターにも見えるかもしれない。

つまり………

「いやー、仕事終わりの酒はうめぇよなぁ」

 

現に突如としてラウンジにやって来た男、リンドウによって実際にコースターにされてしまったのが証拠だろう。

「もう今日の任務が無いからって昼間から酒はどうかと思うぞ」

 

そして、その光景をもう慣れて諦めたかのようでありながら呆れたそぶりでいつも通りの事のようにリンドウの隣に座っているのはソーマ博士である。

ここまでメンバーが揃うのは極東支部ではかなり珍しいと言えるだろう。

そのため、多少酒が入っていていつものコースターと模様が違うことに気付かないリンドウに突っ込みが入ったりもする。

「ってリンドウさん、今ビール置いてるのコースターじゃないですよ!」

 

これは鯉のぼりを捜索していたメンバーの一人、コウタの言だ。

まぁ30分も使って探したぶん、多少大事にしたい気持ちがあるのだろう。

だがもしも未来のコウタが居たならば、現在のコウタこう言ったと言える。

『それだけは言うなよ!』と。

「ん?そうか…?ってこりゃなんだ?」

 

「あぁ、良く分からないけどね、鯉のぼりの中から出てきたんだよ。良かったらいる?」

 

リンドウは首を横に振った。まぁ、彼には愛用のコースターもあるし、無用の長物なのだろう。

そこでそれは適当にそのままにされるかと思いきや、ソーマが突然それを凝視してこんなことを言った。

「………少し見せろ」

 

いつもは小物等にこだわりを持たない彼が珍しく気に入ったのかと思い、リンドウはそれを渡した。

すると手に取るなりソーマはそれに書かれた模様を読み始めた。

実はその模様はいわゆる梵字と呼ばれるもので、普通読める人間など居ない(仏教はすでに滅びた)のだが………今回は運が良いのか悪いのか、ソーマはその梵字が読めた。

研究のヒントになりそうな文献を読むためにこんなものも読めるらしい。

そして、ソーマはそれを読み終えるなり、ブツブツと呟きながらおもむろに両手で破り捨てようとした。

「えっちょっソーマ!?何して………」

 

突然の行動にリンドウが派手なリアクションをしたが、ソーマの手の間にある紙が一切傷付いていないのを見て椅子から転げ落ちる。

「ふむ………コイツはどうやら、良く分からん呪いの札みたいだ。しかも封印も何もされていない…とりあえず破って消そうと思ったが、俺でも破れないとかなんなんだ?」

 

ソーマは怪訝な顔をしながら、ムツミに『これを処分出来るか試してくる』と言ってラウンジを出ていった。何をするのだろうか。

 

そして場所は変わり訓練場。

そこにはソーマが、バスターブレードを持って例の札の前に佇んでいた。

「リンクサポート、効果発動します」

 

ふいに、ソーマの耳にオペレーターから強化効果が掛かったことを教える声が届く。

「よし…行くぞ」

 

そしてソーマはただ一言呟くと、また何かを呟きながらバスターブレードを構えた。

現在ソーマはバーストしており、バスターブレードが構えたと言うことは………チャージクラッシュだ。しかもそれはただのチャージクラッシュではない。

アカツキの血の力によって目覚めさせ、使えるようになったブラッドアーツ【CCジ・エンド】である。

そんな説明の間にも、バスターブレードの刀身が金色に発光する。チャージ終了の合図だ。

それをソーマはなお続いていた呟きを終えるとともに降り下ろした。

だが札には軽く傷が付いただけで破れない。

「テルオミ………他のバスターブレードでブラッドアーツが使える神機使いを呼んでくれ」

 

そこでソーマは、オペレーターに頼んで人員を増やす事にした。

テルオミと呼ばれたオペレーターは、それを待っていたとばかりに『すぐ着きますよ』と言い、実際に30秒とせずに二人の神機使いがやってきた。

「お、やってるなー、で、それなに?」

 

「なんかチャージクラッシュでも破れないらしいぜ?だから俺たちが呼ばれたんだと」

 

やってきたのはハルオミと、ブラッド所属で一応病み上がりの、ロミオであった。

一応と言うのは神機使いの回復速度が早すぎるからだが、そこはあえて詳しく触れないでおく。

「それじゃ、話は聞いてるな?これに同時にチャージクラッシュを喰らわせて破壊する。それだけだ」

 

ソーマは用件を二人に伝えると、バスターブレードを肩に背負った。

 

 

 

ぐぉっ…………なんだこれは………私の型代がダメージを受けている…だと………まずい…今のをあと二発喰らえば型代が持たぬ………

だが、あれほどの一撃を放てるものなどそうそう居ないだろうし連発出来るものでもあるまい………

やはり今日は運が良い………とにかく次あれを喰らった時に備えて型代から私を………切り放せない!?

まさかさっきまであの怪物に乗り移っていたせいか!?

こうなれば少しでも型代に防御を………ぐおっ。

なに………あれほどの一撃をまたすぐに………何故………

 

『そりゃ、ブラッドアーツだからな。あとお前、今俺の中に居るから弱ってるし』

 

キサマ…は…

 

『よう、ケルベロスの中身のヤツ。俺はブラッド隊長のアカツキ。さて………俺はお前を人類の敵として抹殺しなけりゃなんない。そしてお前は俺の中にいて、その本体を誰かが攻撃している…まぁ、分かるな?』

 

私の型代の防御力を下げたというのか!?だがキサマには霊能力など……

 

『あるんだなー、これが。俺の能力ってさ、他人の血の力に限らず色々目覚めさせるのに便利な訳よ。例えば霊能力だとか、な。まぁ、油断大敵ってとこだろ………おっと、どうやらお前にお別れを言わなきゃいけないみたいだな。足を見てみろよ』

 

私はそう言われて足を見た。

すると、あったはずの足がごっそりと無くなっている。

まさか………私に攻撃を受けた事を気取らせないようにした?

だがどうやって…いやまさか、ここが精神世界だからその苦しみだけをアイツが肩代わりしたとでも!?

 

『おう、良く分かったな…いやー、ポーカーフェイスも疲れるもんだわ。まぁ、お前に言っても意味ないけどな』

 

その言葉を聞くと同時、私の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………人間め……………いつか必ず貴様らを滅ぼしてやる…必ずだ……………




最後の説明

ソーマの呟いてたやつ
不動真言とか、そういうの。いわゆる陰陽師の使うやつ。

CCジ・エンド
相手の弱点に当たればほぼ一撃でアラガミが沈む。
ただチャージに時間が掛かる。
それでも素で威力がとんでもなく高いので普通に強い。
コラそこ、堅い部位にはブレイカーとか言わない。これロマン枠なんだぞ。

ムツミちゃん
極東支部である意味最強。実は最初、呪いの札をピリッと軽く破っちゃう予定だったけどそれじゃあんまりなので変更。

ハルオミ
我らが兄貴。聖なる探索が趣味。
好きなアラガミはイエン・ツィー、ヴィーナス、サリエル系統、アマテラス等々女性型アラガミ。
使用神機がスナイパーなのはスコープでスカートを覗く為とも言われている。
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