「寒いな…」
星の輝く漆黒の夜の中に私はいた。
今私はあの謎の施設ではなくイギリスの町中のビルの上に立っている。
何故こんな所にいるのかというと…
目覚めたときから半年ほどたった。今では私は、他の子供たちとは違うことをやらされていた。何でも1ヶ月くらいはガルドとの模擬戦をしていたのだが、その半ばくらいから勝率がどんどんあがっていき、月の最後のほうでは勝率が9割を越えてしまったのだ。そのため
「俺が教えられることはもう何もない。」
とかなんとか言って他の子供たちがガルドと訓練している最中に私は、抜刀術やら狙撃訓練など色々な技術を叩き込まれていた。
そして私は今、スナイパーライフルでの狙撃の訓練をやらされていた。
「ズガン……ズガン……」
(次がラスト‼)
そして最後の引き金を引き銃弾は目標の胸を穿った。
「はぁ…」
(100発中92発が命中…か、最初に比べたらだいぶ精度は上がったかな。」
そう思いながら、体を起こし射撃音から耳を守るためにつけていた耳当てをはずすと、
「最初の方はほとんど的に当たらなかったが今ではだいぶ精度が上がったな。」
後ろから声が聞こえ、私は後ろを振り向くと今まで私に狙撃の訓練をしていた男がたっていた。
「…」
正直私はこの男が嫌いだ…何か少しでもミスをすれば嫌みったらしく文句を言われる。話すのも嫌なので黙っていると、
「はぁ、可愛くねえな、なんとか言えよ…」
「…」
「…リーダーがお前を呼んでいる…ついてこい…」
そういうと男が早足でいこうとしたので慌てて私は男についていった。
そんな時私は、
(はぁ…またなにかされるのかな…)
などと暗い気持ちになって俯いていた。
気づけばある扉の前に立っていた。
「失礼します。」
『入れ…』
そんな男の声で私は、気持ちを切り替え部屋の中に入っていった。
「来たか14番…」
そこには、私が初めて人を殺した時にいた男がたっていた。
「早速だが一番成績のいいお前にこの男を殺してもらいたい。」
言い方をこそ頼むような言い方だが実質ここのトップであるこの男の頼みに私は拒否権がないのである。
しかしそんなことよりも私は
(よしこれでやっとこんなクズ見たいところから出れる‼)
などと先程の暗い気持ちからうって変わり嬉しさで一杯になっていた。
そんな私のことなど知りもしないでこの男は私に暗殺の内容を話始めた。
「お前に殺してもらいたい男はこいつだ。」
そう言って男は私の前にいくつかの書類を机の上に投げ出した。
私はその中の一番上にあった書類を手に取りその中身を読んでみると…
「!?」
それにはこう書かれていた。
『殺害対象:アイザック・ウェストコット』、と。
「アイザック・ウェストコットて」
そう気がつけば口に出していた。
DEMインダストリー社長であり最強の
(原作に関わってくるから殺したくないんだよね…近くに十中八九エレンいるし…どうしよう?1週間以内に帰ってこないとこの首輪につけられている爆弾が爆発するらしいし…本当にどうしよう…)
そう私の首にはあの施設を出るときにつけられた時限爆弾がついている首輪がはめられている。
何でも私が逃げるのを防ぐためらしい…
が、しかし私は天使や霊装を使えば簡単にこの首輪を無力化することができるのである。
(今私が霊装を使えば確実に魔力反応がでてDEMに私の存在を知られる。それは避けたいからこれは最終手段…てゆうかまだ私霊装出してなかった…)
「はぁ何とかしてアイクに接触できないかな?」
そうして私が移動を移動を開始しようとした瞬間、
「!?何が起こってるの!?」
そうして回りを見渡すとそこに
それは、直径10メートルくらいの漆黒の球体だった。
それは、一見すると謎の物体にしか見えなかったが私にはこれが何かわかった。
(そうか…そうか、これが…これが『歪み‼』私がここで倒さなければならない敵‼
)
「いったい何が起こっている?」
突然その漆黒の球体が形を変化させ始めたのだ。
その姿は刻一刻と変化し続けている。
私の体なんぞ容易く切り裂いてしまうような鈎爪や牙、丸太のように太い足、背中には硬くしなやかな尾、そして一対の巨大な翼、そして見たものを射殺すことのできるような鋭い瞳。
私にはこれが一体何なのかが分かった。
「ドラゴン…」
「ギョエェェェェェ‼」
そこに空の王者が君臨した。
「ガァァァ‼」
ビルの上にいる私に向かってドラゴンが雄叫びと共に雷のブレスを吐いてきた。
(不味い‼)私はすぐさま今いるビルから他のビルに飛び移ることで回避したが、
急に襲ってきた暴風によって飛び移ったビルの上に叩きつけられた。
「グハッ…一体何が!?」
そうして後ろを振り返ると私は愕然とした。
そこにはなにもなかったのだ。さきほまで立っていたビルもその回りのものも何もかも。あるのはただバカみたいに大きなクレーターのみだった。
「なん…だと!?」
(これは不味い‼力の差が違いすぎる…でも、私はこんなやつに倒さなければならない…なら、長期戦はできない。なら…短期決戦しかない‼)
「来い、
そして久しぶりに私は相棒である一対の漆黒の大剣を顕現させた。
「ガァァァ‼」
先に動いたのは黒いドラゴンだった。
ドラゴンは咆哮と共に私がいるビルに向かって突進した。
(クッ、ビルが倒れる!)
「ハァァァァァ‼」
ビルから飛び降り、落ちる力を使って右手の剣をドラゴンの首筋に向かって降り下ろした。
(とった‼)
確かに相手が人間ならば殺せていたであろう。しかし、その確信は裏切られることとなる。今私の目の前にいるのが神話上の生物だということを忘れていたのだ。
『ガツンッ‼』
そんな音と金属を叩いたような鈍い感触を覚えながら私は建物に叩きつけられた。
「グハッ…一体何が?」
そして私は見た…ドラゴンのしなやかに振られている長い尾を…
(そうか…尾で弾かれたのか…)
「ギョエェェェェェ‼」
顔をあげると黒き龍が首を上げて雄叫びをあげているのが見えた
「クソッ、
そう言って私は立ち上がり、剣を構えてドラゴンに吹き飛ばされて、話された距離を詰めていった。走って来る私に応戦するようにドラゴンは尾を横凪ぎにふってきたが、それを体をジャンプすることでかわし、そのままドラゴンとの距離を詰めていく。
尾をかわして、距離を詰めてきた私にドラゴンは鋭い鈎爪を降り下ろしてきたが、それをスピードを落とさぬまま少しからだ横にずらして、スレスレでその爪をかわし、
(今度こそ終わり‼)
「セアァァァァァ‼」
爪を降り下ろした状態のままのドラゴンの胸に向けて右手の剣で渾身の突きを放った。それはこれまでの中でも最高の一撃だった。だったのだが…
『カンッ』
「何!?」
現実は余りにも非情過ぎた…
(天使が…天使が弾かれた…?)
愕然としている私を見逃すほど敵は甘くなく、気づいた時にはドラゴンの鈎爪によって切り裂かれたあとだった。
(あぁ…私、死ぬのかな…)
そんな時、理解できないような声が聞こえてきた。
『生きたいか?』
(生きたい…せっかくこの世界に生まれることができたんだから…)
『これからまた同じようなことが起こるとしてもか?』
(うん…この世界に生まれた時にこの世界の『歪み』をなんとかするって約束したから)
(そうか…なら行ってこい、お前の全てをもって目の前の敵を叩き斬れ‼)
(そうだ…まだ、私は全てを出しきっていなかった。)
『呼べ。お前の力を出し尽くせ‼』
気がつけば、私は赤い血だまりのなかに倒れていた。目の前にはあの黒き龍が佇んでいた。
重い体に鞭をうちながらゆっくりと立ち上がり、私は叫んだ。
「来い、
すると突然天から私の体なんぞ容易く飲み込んでしまうような大きな閃光が私に降り注いだ。
しばらくして光が消えるとそこには天使がいた。
両腕には白銀のガントレットをつけ、胸にも同じ色である白銀の胸当てをつけ、
腰には少し前を開けたスカート状の白銀の鎧をつけていた。
「そうか…分かったよ。」
顔立ちは人形のように整っており
そして髪は白銀で先の方はブロンドになっている。
そして瞳は全てを魅了するような深紅である。
全ての人を魅了するような少女がそこにいた。
「これが