湖の騎士が王妃じゃなくて王を好きになっちゃったら   作:天才になりたい

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円卓の騎士編


私はとある湖で育ちました。湖の乙女《ヴィヴィアン》によって育てられました。彼女たちは私に様々なことを教えてくれました。あらゆる武、知識、それに魔術まで。この魔術に関してはあまり才能がなかったので全てを習得することは叶いませんでしたが、それでも学んだことに意味があるのです。他にも娯楽や人の心理やら何まで教わりました。私が興味を持ったのが始まりでしたが。ただ一つ、親父ギャグなるものは必要だったのかは今でも謎です。

そうして月日が経ったとある日、私は運命の出会いを果たしたのです。正直申しますと私はこの時すでに一目惚れしていたのでしょう。

 

side???

「確かこの辺だった気がするんだよね〜」

 

ここはとある森の中。若い姿をした男と、騎士の甲冑に身を包んだ男が二人。いや、正確には一人は女性であったが。

 

「マーリン殿、道に迷ったとかありませんよね?」

 

騎士の一人(男)がマーリンと呼ばれた若い男(?)に問う。

 

「うーん、まあ僕が迷うとかありえないし?大丈夫じゃないかな?」

 

「マーリン!それは大丈夫じゃありませんよ

ね?なんで?マークがついてるんですか!」

 

適当に返す男に向かってもう一人の騎士(女)がとっさに突っ込む。

 

「まあまあ落ち着いて。ほら、森が開けてきた。見えるでしょ?湖が」

 

そういいながらマーリンが指差す方向を見ると、森は開け始めその先には湖が見えてきた。

 

三人が森を抜けた先はとても美しい光景が広がっていた。その湖畔はまさに神秘そのものだった。

 

「ヴィヴィア〜ン!いないのかーい?」

 

そんな風にマーリンが呼びかけると、スッと長身の男が現れた。

 

「我が母に何かご用ですか?大魔術師殿」

 

 

 

 

sideランスロット

何者かが森に侵入してきた。本来ならばいつの間にか外の道に戻っているはずにも関わらず彼等は道から外れることなく確実にこの湖に近づいてきている。私は警戒心を強めた。もし不当な輩ならばこの場所に来させてはならない。だが、私は一瞬見惚れてしまっていた。彼らが森を抜け、湖畔までやってきた時女神を見たような気がした。母たるヴィヴィアンは確かに美しい。しかし、それとも違った輝きを彼女は放っていた。しかし、私は湖の騎士。ここにやってくるものたちは追い払わなければならない。

 

side out

 

 

 

 

殺気を放ちながら近づいてくる長身の男に対して二人の騎士は身構えるも、大魔術師殿と呼ばれた若い男はようやく探し物が見つかったような顔をしていた。

 

「ああ、君がランスロットだな?我々は君を探しに来たんだよ。アーサー王がこの地を収めるには君の力が必要なんだ」

「ああ、成る程。では、そこなお方がアーサー王で?お付きのお嬢さんは……どういうことですか?」

 

初めは納得したように殺気を抑えたランスロットだったが、途中であることに気づき顔を顰めていった。

 

「ほう?気づいたか?そうだ。アーサー王となるのは、こっちのケイではなくアルトリアだ。」

 

随分と嬉しそうに話す男とは裏腹に名を呼ばれた二人は警戒を強めた。

 

「マーリン!そんなことを言っていいのか⁈」

 

ケイと呼ばれた騎士は思わずマーリンに怒鳴り問う。

 

「だって相手もう気づいちゃってるのに今更誤魔化しても意味なくね?」

 

そして殺気を向けられているにも関わらず飄々と言葉を返すマーリン。そうしていると、ランスロットが口を開いた。

 

「我が母より話は聞いてましたが、本当にアーサー王となる方が女性の方だとは思いませんでした。ご心配なさらず、この事を他人に言うことはないでしょうし私はこの剣を正しき主に捧げると決めております。」

 

「あれ?ヴィヴィアン知ってたの⁉︎」

 

「そこが驚きどころですか。まあ母なるヴィヴィアンは伝えるつもりが皆無でしたが私も幼いものだったので色々と聞き出している中でうっかりポロっと言ってしまったんですよ」

 

最早最初の邂逅など忘れたかのようにマーリンとランスロットは親しく話し始めていた。

しかし、これを簡単に二人が許容する訳もなく……許容した。マーリンだからもういいや!ってなってしまったのだ。

 

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