不思議な出会いから一月が経ち、マサトの心は躍っていた。
携帯のような物体は現在の科学力では到底作る事が出来ない代物であり、天才エンジニアの陣マサトですら、その半分も解析出来てはいなかった。
マサト「この俺に理解出来ない物がまだこの世界にあるなんてな。面白くなってきたぜ。」
マサトは始めて出会った自分に理解出来ない物に対して、喜びを隠しきれなかった。幼い頃から天才や神童と呼ばれる程の頭脳を持っていたマサトにとって、この出会いはこのうえない喜びであった。
来る日も解析を続けていたマサトは、ついにある物を見つけた。それはまるで古代文字のような、未来の文字のような変わった文字の羅列のようだった。
マサト「謎の物体の次は謎の文字か。こいつは本当に俺を退屈させないぜ。」
謎の文字を見つめるマサトの目は、天才エンジニアのものではなく年相応の少年のものだった。マサトは本来エンジニアだが、その天才的な頭脳を駆使して文字の解読に挑んだ。
マサトが謎の文字を発見してからおよそ一月後、ついに解読に成功したのである。しかしその内容はマサトの常識ではとても有り得ないものだった。
マサト「魔法、それに次元世界か。俄には信じ難いが、その産物を目の前にしていると信じざるを得ないな。」
マサトは携帯のような物体(調べてみて分かったが、デバイスと呼ばれるものらしい)を手に取り呟いた。
マサト「要はこのリンカーコアって奴があれば、俺にも魔法が使えるわけだ。こりゃ、更に面白くなってきたぞ。」
しかし当然ながらこの世界には、リンカーコアの有無を調べる方法も装置もあるわけがなく、仮にあったとしても使い方が分かるかも問題だった。そこでマサトは更にデバイスを解析し、リンカーコアの有無を調べる機械を独自に作り上げてしまった。末恐ろしい8歳児である。
マサト「これで俺のリンカーコアの有無や魔法の素質が分かるな。早速実験開始だ。」
以下がマサトの魔法の素質である。
・魔力量・・・SS+
・変換資質・・・凍結、電気
・飛行資質・・・すでに習得ずみ
マサト「これだけ見ても、俺にはすごいのかがわかんねーな。まあ、空を自由に飛べるんなら嬉しいが。しかし調べた時から思っていたが、変換資質凍結と電気って事は戦う事も考えた方がいいのか?」
そんなことを考えつつも、新しく広がる世界に興味が尽きないマサトであった。
それから更に3ヶ月の後、マサトはエンジニアらしく科学的に魔法の分析と訓練を進めていた。同じ研究者である桜田博士の研究である人間へのプログラムのインストールを参考に、自身に魔力を使った加速能力と人間離れした腕力と跳躍力のプログラムをインストールし、更に携帯のデバイスを修復し、自分のものとして通常の魔法の訓練も行っていた。マサトはそのデバイスを銃型に変形できるように改良し、完全に己のものとしていた。そんなある日マサトはふと、閃いた。魔法使い(この場合魔導士であるが)には使い魔というものが物語の中ではセットで出てくる事が多く、それは魔導士でも同じである事を。そしてそれは自分が研究していたバディロイドと基本的な部分は同じではないかと。それならいっそうの事バディロイドを使い魔にするのも面白いと。そう考えたマサトの行動は迅速であった。中身のプログラムをせずに、外装だけを作り上げて使い魔を作る事にしたのである。
マサト「流石は俺、天才エンジニアだな。まあ、元になる設計図は出来てはいたし、プログラムは必要ないからな。こんなもんか。」
そう言いながらマサトは早速使い魔作りに取り掛かったのである。
使い魔作り開始から一週間、マサトは驚異的なスピードで使い魔を作り上げたのである。
マサト「さあ、起きろ。お前の名前は『俺の名はビート・J・スタッグ』って、俺にかぶるな!?」
J「問題ない。」
マサト「いや、バディとして問題ありすぎだろう。いいか、俺の名前は『俺は俺にしか興味がない』だからかぶるなって!!」
J「何をそんなに怒っている?」
マサト「お前は本当にマイペースだな。俺は陣マサト。お前のバディだ。」
J「そうか。よろしく頼む。ちなみにJは樹液のJだ。」
マサト「だから聞いてないって・・・樹液!?つーか、勝手に名前決めるなよ。まあ、いいや、これからよろしくな、J。」
J「よろしく頼む、陣。」
こうして天才エンジニアと変わり者のバディが誕生したのだった。
次こそは舞台を海鳴に移したいと思います。楽しんでいただけているか分かりませんが次回もよろしくお願いします。