不思議な物体、デバイスとの出会いから一年が過ぎ、マサトが小学三年生になる年の4月の事。研究していたバディロイドも完成し、順次バディのもとに送られていきら研究に一区切りついたマサトは少し前から気になっていた事を自身のバディロイドであるビート・J・スタッグに訊ねてみた。
マサト「なあ、J。最近何か大きな魔力を時折感じねえか?現れては消えてを繰り返しているみたいだが。」
J「ああ、どうやらこの市の隣、海鳴市に魔導士またはロストロギアがあると考えられる。」
マサト「お前、気づいていたんなら言えよな!」
J「俺は俺にしか興味がない。」
最早、お決まりになりつつあるやり取りをしながら、マサトの興味は海鳴市に向いていた。研究が一段落し、次の興味の対象を探していたマサトにとってその話はとても面白そうであり、興味をそそられるものだった。
マサト「よし、J。海鳴市に行くぞ!」
J「仕方ない、俺もこの市の森についての観察が終わったところだ。ついて行こう。」
マサト「お前そんなことをしていたのか?たまに居なくなると思っていたがまさか森の観察とはな。何か面白いものはあったか?」
J「俺は俺にしか興味がない、と言いたいところだがこの世界はとても興味深い。お前に作れてから、この市の森を観察してきたが、季節によって見られる虫の姿や種類が違う。今度は季節ではなく土地や気候の変化が虫に及ぼす影響について観察してみよう。」
マサト「まあ、何でもいいがいざというときは頼りにしてるぜ、J。」
J「俺に任せておけ。」
マサト「さて、そうと決まれば向こうの学校に転入する手続きや、引っ越しの用意をしないとな。J、お前も手伝えよ。」
そう言いながらマサトは楽しそうに電話を手に取ったのである。
それから一週間後、マサトの姿は海鳴市にあった。あの後諸々の手続きを早々におえたマサトは、研究機材の搬送や、海鳴市における研究所の確保などを進め、僅か一週間で全てを終わらせたのである。
マサト「ったく、Jの奴。自分の用意だけ済ませてとっととででいきやがって。少しはこっちも手伝えよな。本当にバディロイドとして問題ありすぎだろう。まあ、そこが面白いんだけどな。」
初めて歩く町を眺めながら歩いていると、マサトの前にブラウン混じりの金色の髪をした少女と薄紫色の髪をした少女が通り過ぎた。その時は何も思わなかったマサトだが、その数秒後、少女達の悲鳴がこだました。急いで振り返ると少女達は大人の男ふたりがかりで車に引きずりこまれようとしていた。マサトは急いで加速能力を発動させて二人の男に飛び蹴りを喰らわせた。男達は不意をつかれて昏倒していた。マサトは二人の少女に声を掛ける。
マサト「おい、逃げるぞ。」
突然現れたマサトに驚いていた少女達だったが、マサトの声に我を取り戻し直ぐにその場を走り去るのだった。
数分後、ようやく人通りの多い場所にたどり着いたマサトは、二人の少女に改めて声を掛けた。
マサト「大丈夫か?怪我はしてないな?」
その声に金色の髪の少女が答えた。
???「あんた、誰。何の目的でアタシ達を連れてきたの?」
突然向けられた敵意の籠もった声にマサトは一瞬耳を疑った。そしそして直ぐに可笑しいと言わんばかりに笑ったのだった。
???「何が可笑しいのよ!?」
金色の髪の少女は、相手の突然の態度にムッときていた。その時、今まで黙っていた薄紫色の髪の少女が声を掛けた。
???「まあまあ、アリサちゃん落ち着いて。この子は誘拐されそうになった私達を助けてくれたんだから、先ずはお礼を言わないと。」
アリサ「でも、すずか。助けたフリをしてアタシ達を騙すつもりかもしれないでしょう?」
すずかの言葉にアリサがすぐさま反論するが、
すずか「でもこの人は悪い人には見えないし、危ないのに私達を助けてくれたんだよ。誘拐犯の仲間なら普通助けないでしょう?」
そのすずかの言葉に少し落ち着きを取り戻したアリサはマサトに謝った。
アリサ「ごめんなさい。せっかく助けてくれたのに疑ったりして。」
マサト「こっちこそ、笑って悪かったな。誘拐されそうになっていたのに、あんな強気な言葉が出てくるとは思わなくてな。」
そう言いながらマサトは改めて少女達の顔をよく見た。幼いながらも可愛さと美しさを合わせ持つ二人を見て、マサトは二人が誘拐されそうになった理由が二人の容姿にあるのだと思った。
マサト「まあ、ここまで来れば大丈夫だろう。二人共可愛いから誘拐されそうになるんだ。これからはあまり二人だけで出掛けない方が良いぞ。」
マサトのその言葉に二人の顔は一瞬にして真っ赤になった。
アリサ「可愛いってなによ!?そんなことを言われても嬉しくないんだからね。」
そう言いながらアリサの顔は喜びを隠せずにいた。一方すずかは恥ずかしそうに俯きながらも声を出した。
すずか「可愛いだなんで、そんな。私達が誘拐されそうになったのはそんな理由じゃなくて。」
照れている二人の顔を楽しそうに見つめるマサトの顔は、誘拐犯を倒した時の凛々しいものではなく、年相応の無邪気な笑顔だった。その顔を見た二人は更に顔を赤らめて俯いてしまった。そんな二人を楽しそうに観察していたマサトだったが、改めて二人に声を掛けた。
マサト「まあ、誘拐されそうになった理由は知らないがこれで終わったとは限らない。家の人に連絡して、迎えに来てもらった方がいい。それから外出を出来るだけ控えるのは・・・、見たところ小学生だから無理だろうから、家の人に送り迎えを頼むか、大袈裟かもしれないがボディガードでも雇った方がいい。」
マサトのその言葉に顔を俯かせていた二人はようやく顔を上げて答えた。
アリサ「いつもなら車で移動しているわよ。今日は偶々都合がつかなかっただけよ。それにボディガードならちゃんといるわ。」
アリサの言葉にマサトは不思議そうに首を傾げた。
マサト「どこにも居ないじゃないか?」
アリサ「いるわよ。今はちょっとお使いを頼んでいるんだけど、多分また道に迷ったのね。帰って来たらお説教よ!」
すずか「まあまあ、アリサちゃん。こうなるかもしれないと分かっててお使いを頼んだんだから、仕方ないよ。」
アリサ「そうだけど、ウサダ達が早く帰ってきてたらこんな目にあわなかったでしょう?」
すずか「それはそうだけど、ゴリサキ達だけを責めるのは間違ってるよ。」
二人は先ほど誘拐されそうになった事やマサトの事を忘れて話あっていた。
マサト「楽しそうなところ悪いがちょっといいか?」
そこでマサトの事をすっかり忘れていた事に気づいた二人は申し訳なさそうな顔をして、答えた。
すずか「すみません。助けていただいたのにお礼も言わなくて。」
マサト「いや、お礼の言葉が欲しいんじゃなくてな。さっきの二人の会話に知っている言葉があったから、それについて聞きたくてな。」
すずか「はい。何でしょう『アリサ~、すずか~』か?」
アリサ「ウサダ、やっと帰ってきたのね。」
ウサダ「緊急信号が出てたから急いで帰ってきたんだ。それなのにニックったらまた道に迷って。」
ニック「あそこの道を左に曲がる筈なんだけどな?」
ウサダ「まだ言ってる。あそこの道は右に曲がるのが正解でしょ。ニックのせいで余計な時間をくったよ。」
ゴリサキ「まあまあ、ウサダ落ち着いて。ニックも悪気があった訳じゃないから。」
ウサダ「そんなこと分かってるよ。むしろ悪気があったら許さないよ。」
アリサ「あんた達言い訳しない!連帯責任でしょう。本当に危なかったんだから。」
すずか「すみません、騒がしくて。ところで聞きたい事って何ですか?」
マサト「いや、もういい。聞きたい事は分かったから。」
すずか「そうですか?なら、いいんですが。」
マサト「久しぶりだな、お前ら。」
バディロイド達「「「あ~、陣」」」
三人のバディロイド達の声が響いたのであった。
中途半端なところで終わります。私の小説は皆さんに楽しんでいただけているでしょうか?もしよろしければ感想をお寄せ下さい。それが私の活力になりますから。よろしくお願いします。