魔導世界に墜ちた規格外品   作:苦朗

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はじめまして、kurouといいます。
すぴばるがサービス終了ということでこちらに移転してきました。
投稿は不定期ですが完結まで続けますのでよろしくお願い致します。


0話

|様々な人の想いが重なり世界を形作り、決して交わらず、無限に広がる。

ここは、そんな世界と世界の狭間にある何者も存在せず、何も無い場所。

 

みんなは無事だろうか? 最後の瞬間、遺跡が僕の意思に答えてみんなを何処かへ転移させてくれたけど・・・・

 

つい最近まではそうだった。

 

それにしても、僕はどうなってるんだ

何も感じないし、体の感覚がひどくあやふやだ

 

それは、巨大な繭。

 

これが、死ってものなのかな? 

 

虫の物にしては大きすぎ、そのサイズは大人が一人楽に入るほどだった。

 

でも、生きているならもっと強く・・・皆を守れるぐらい強くならないと

 

だが、いつまでたっても繭は開くことはなく・・・

 

じゃないと、(アルカンフェル)に勝てない

 

 現れた時と同じように突然姿を消す。

 

そして、全てが終わったら昔みたいに・・・・・・

 

 

魔導世界に墜ちた規格外品 第0話

 

 第97管理外世界 現地呼称『地球』

 海鳴市

 この都市はどこにでもある地方都市・・・などではなく、自然が豊かに残された海や山があり、温泉ありっと観光事業にはとても恵まれた都市である。

 だが、自然が多いということ人の目が届かぬ場所も多くあるということ。

 

「はッ!」

ガッ

「・・・・」

「せいッ!ふん!りゃぁぁあ!!」

「・・ッ・・!・・・・・ッ!」

 

 夜中、普通の人ならまず立ち居いらぬような暗闇の山中、二人分の息遣いがと金属と金属がぶつかり合う音が響く。

 どちらも真剣を持ち、まるで殺し合うかのような気迫だった。

 片方の年若い男の方が果敢に挑み、もう一人の男が一方的に攻められ防戦しているように見える。

 だが、実際には年若い男、高町恭也がもう一人の男、父であり彼の師でもある高町士郎に押されていた。

 攻め手を休めれば勝負がすぐに着くそんな状態だった。

 そんなやり取りが幾分か過ぎた頃どちらからとも無く刃を引き、場の緊張感も薄れた。

 

「恭也、今日はここまでにしよう、母さんたちが待ってる」

「了解と父さん・・・それで今日も勝負する?」

「当たり前だ。ルールはいつもと同じ先に家に着いたほうが勝ち・・・」

「・・・敗者は潔く夕飯のおかず一品を明け渡す。だろ? 昨日に続き今日の分も俺がもらうからな。、父さん」

「囀るな、今日はお前に煮え湯を飲ませてやる」

 

 そういうや否やいっせいにその場を駆け出す。

 乱雑に木々を避けまだ何十キロと先の我が家に向け走っていく。

 その速度は、どちらもマラソンのオリンピック選手として出てもおかしくない所か優勝するであろうものだった。

 どちらも、昼間は人気の喫茶店のマスターや普通の大学生をしているのにっである。

 

「親父、だんだん息あがってきてるじゃないか。年には勝てないな」

「はっ・・・お前のほうこそスピードが落ちてるんじゃないのか」

 

 こんな挑発を幾度続けたどろうか? 

 一般人にはまだまだの距離だが二人の足ならばまもなく山中を抜け、街道に出るそんな場所に差し掛かったとき二人は足を急に止め一箇所を凝視した。

 

「・・・父さん、行きはこんなのあった? もしくは知らない間に道を間違えた?」

「いや、それはない。だが妙だな」

 

 二人の足元には、きれいに抉られた地面の中心に士郎の末娘と同い年ぐらいの少年が全裸で倒れていた。

 

「靴を履いていないのに、足に傷や砂がついてない」

「それに、周囲に俺たち以外の足跡もない・・だろ?」

「ああ、さらにこんな地面の変化を見逃すはずも無い」

 

 前日に雨が降って足場が泥になっている訳でもないのに二人にはそれが分かるようだった。

 

「まるで、ここに突然降って来たみたいな様子だな・・・・」

「・・・それで、どうする父さん? 外傷もないようだし警察を呼ぶ? それとも・・・・」

「・・・・このまま連れ帰ろうと思うんだが、どう思う? 」

「かまわないさ。でも・・・・なのはたちに危害を加えるような奴なら・・・・」

「ああ、それでいい」

 

 二人の間で何かの取り決めが為された後、士郎は自身のシャツを少年に着せ、恭也が背負い帰路へと戻ったのだった。

 

 

つづく

 

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