魔導世界に墜ちた規格外品   作:苦朗

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願望石の章 11話

 昨夜遅く、八神家に帰って来た、晶とはやて。

 しかし、小学生である2人―特に肉体的にも小学生であるはやて―には、深夜と呼ばれる時間に起きていることは難しかった。

 なので、ディスプレイが割れ見難くなった自身の携帯から士郎に『暫く高町家に帰らない』うまのメールを送信し、返信が来る前に電源を落とす晶。

 だが、気になることが多々あるもののとりあえず、はやてが何気なく残していた父親の服を着て1人で眠るのを怖がった彼女と共に布団へと潜り込んだ。

 

 

魔導世界に墜ちた規格外品 願望石の章 11話

 

 

10:21 八神家

 

「んぁ・・・・・あ「動くな」うえッ!?」

「逆らえば我が剣が貴様を貫くぞ」

「は、はい」

「私はヴォルケンリッター烈火の将、シグナム。貴様は主のなんだ?」

「あ、主?」

「貴様の隣で眠ってらっしゃる方だ。答えろ、偽称は許さん」

「ぼ、僕は深町しょ「ッ!」ひっ」

「偽称は許さんと言った。その少年は、主と同じ歳だ」

「・・・・ん・・・何を騒いどるのしょ・・・・・・ご、強盗!?」

「ご就寝の所申し訳ありません、主」

「え、え?主って私なん」

「はい・・・貴様はその場から動くな」

「はいッ」

 

 シグナムと名乗った女性は、晶に念を押してからすぐさま剣を退き片膝を着き頭を下げる。 

 さらに今まで晶は気づかなかったが、彼女の後ろで見知らぬ男女2人と少女も同様に頭を下げた。

 

「我ら闇の書の守護騎士、ヴォルケンリッター。剣の騎士、シグナム」

 

 晶に剣を突きつけていた女性が――

 

「湖の騎士、シャマル」

 

 金髪の女性が――

 

「鉄槌の騎士、ヴィータ」

 

 赤い髪の少女が――

 

「盾の守護獣、ザフィーラ」

 

 獣の耳と尻尾が付いた男性が――

 

「「「「変わらぬ忠誠をここに。何なりと御命令を・・・」」」」   

 

 ――はやてへと忠誠を誓う4人。

 だが、それを向けられた当人は、ポカーンっとしていた。

 

「な、なあ」

「はい」

「闇の書って何なん?」

「これです」

【―――】

「うわぁ、本が浮いとる。それにこの本って私の本棚にあったやつやん」

「・・・よく分かるね、全部覚えてるの?」

「主に気安く話しかけるなッ」

「す、すみません」

「晶君別にかしこまらんでもええよ?ええっとシグナムさん「臣下に敬称いりません」・・・・わかった。とにかく、晶君は私の友達やか許したって」

「ですがこの男、主のご友人、深町晶とデータが一致しません」

「あー・・・そのデータがってのどうやってとったんか知らんけど、間違いなく晶君や。私が保証する」

「・・・・・主がそういうのでしたら」

「ありがとうな。っでや、晶君の質問やけど、あの本いつの間にか本棚の中にあってびっくり、書いてある言語が何なのかさっぱり、でも装飾がかっこよくてな」

「あぁそれでか」

「うん、いつか読めるようになったらええなって大事にしとったんや。それでや、『闇の書』いうんが、その本っていうのはわかったんやけど・・・・」

「はい、今から詳しくお話します。ですが、その・・・ご友人には席を外して頂きたい」

「別にええやんか」

「ですが・・・」

「・・・じゃあ僕、下に行ってるよ、はやて。朝食兼昼食を作ろうと思うんだけど冷蔵庫の中身勝手に使っていいよね?」

「うん、好きに使ってな。ごめんな、晶君。仲間はずれみたいで」

「別に気にしないで。えーとシグナムさんたちの話ってどのくらい掛かります?1時間ぐらいですか?」

「?まあ、そのぐらいでいいと思うが」

「分かりました。じゃあ、それぐらいに出来るように作ってます」

 

 そう言って晶は、部屋を出た。

 シグナムは、彼が下に降りた事を確認してから闇の書がどういう物か、自分たちが何のための存在か詳しく説明し始めた。

 

 

11:37 

 

 晶とはやて、そして、ヴォルケンリッターの4人がリビングでテーブルを囲んでいた。

 しかし、目が覚めていきなり剣を突きつけられた所為か、晶はシグナムと視線を合わせない様にしている。

 

「いや~晶君が気を利かせてくれて助かったわ」

「・・・・どうなるか分からなかったから、ある程度人数に対応できるようにサンドイッチにしてみたんだ」

「「「「・・・・・・」」」」

「ん?食わんの、シグナムたち・・・あ、もしかして何か嫌いな物でもあったんか?あかんよ、好き嫌いは」

「いえ、好き嫌いではなく・・・」

「・・・・口に合いませんでした?」

「いや、そういう訳でもないのだが・・・・よろしいのですか、主?我らも共にして」

「?何わけわからんこと言っとるん?4人の衣食住は現マスターの私が面倒みるのが当然やろ。それに皆一緒に食べたほうがええやん」  

「は、はぁ・・・・・」 

「どうすんだよ、シグナム?」

「・・・・・・」

「・・・とりあえず、頂きましょうシグナム」

「・・・・・うむ」

 

 シャマルの進言にシグナムたちは、サンドイッチに手を伸ばすものの、現主、八神はやての自分たちへの接し方に困惑するばかりだった。

 

つづく

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