魔導世界に墜ちた規格外品   作:苦朗

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願望石の章 14話

 元気な様子のはやてを見て一先ず安心した晶は、渋る2人をシャマルたちを『大人数は病院側、他の患者さんにも迷惑になるし、はやても休めない』と説得し病院を後にした。

 ただし、『少人数なら良いのだろ?』っとシグナムは、付き添い人として残る。

 それは、付き添いとしての面もあっただろうが、護衛としての面も彼女たちの本来の役目から言えばあったのだろう。

 

魔導世界に墜ちた規格外品 願望石の章 14話

 

 

4月3日 17:32 海鳴市 市街

 

 病院から帰宅中のことだった。

 

「「「ッ」」」

 

 3人は、同方向ー海鳴神社の方向に顔を向け、天に昇る光の柱を目にする。 

 

「おいシャマル、これって」

「ええ、魔力みたいですけど、騎士のものとはちょっと違うみたい」

「・・・・・・この感じが魔力?」  

「あ?何でリンカーコアの無いお前に分かんだよ」

「そんなの分かんないよ。突然胸の辺りがざわざわして、その方向を見たらあの柱があるし・・・・・」

「ヴィータちゃん、深町さんの事は後にしましょう。それより」

「ああ、あれだな。どうする?」

「・・・・現状、情報が少なすぎて判断できません。ですから・・・」

「おう、叩きのめして、情報を得るだな」

「・・・乱暴ですけどそれしかないですね。素直に話してくれれば良いんですけど・・・・・」

「はん、そんなことあるわけねぇじゃん」

「ですよね・・・・なら」

「ああ、あたしが先行する。シャマル、サポート頼んだ」

「ええ。ヴィータちゃんやり過ぎないで下さいね?」

「おう、しゃべれる程度にしとく。いくぞ、グラー「待ってッ」急いでんだ邪魔すんなよッ」

「そうです。今は緊急事態なんです」

「ケンカしに行くのは今の物言いからわかったけど、走っても間に合う訳ないよ」

 

 晶は、市街地から見える山の頂上を指す。

 彼らの現在地からだと数km離れており、相手が移動する前に到着するのは不可能に思えた。

 だが、ヴィータはそれを一笑する。

 

「はっそんなもん飛んできゃ良いだけじゃねえか」

「え・・・飛ぶ?」

「何言ってんだよ、飛行魔法なんて・・・あぁこの世界は、魔法が認知されてしないんだっけ」

「そういえば・・・・でしたら、この場ではまずいですね」

「ちぃ、しゃあねえな」

「先に帰っていてください、深町さん」

「何処に行くんですか、2人ともッ」

  

 ヴィータは、晶の手を振り払い路地裏へと走って行く。

 それに遅れて、シャマルも後を追い路地裏へ、人目の無い場所へと走っていった。

 

「待ってよ、2人とも。やっぱりケンカなんてダメだよッ」

 

 そして、晶も2人を止めるべく路地裏へ飛び込んでいった。

 2人を追いかけ、奥へ奥へ、人の居ない方向へ進んでいき、彼女らの声を聞き角を曲がる、晶。 

 

「グラーフアイゼン」

「クラールヴィント」

「居た」

 

 2人は、それぞれの相棒(デバイス)に呼びかけ戦闘状態へと移行させる。

 ペンダント状態から長い柄のハンマーに拡大し、ヴィータの手に収まった「グラーフアイゼン」。

 鎖に通して首に掛けていた4つのリングが独りでに外れ、シャマルの両手の人差し指と薬指に1つずつ嵌った「クラールヴィント」。

 そして、彼女らの服装も間に合わせで着ていた服から朝始めて会った時に着ていた黒一色の格好へと切り替わっていた。

 急いでいたため2人は角を曲がってすぐの所でこれらを行っていた。

 その間は一瞬の出来事であったが、声を聞きつけ角を曲がった晶と2人は面衝突してしまった。

 

「痛てッ」 

「「きゃ」」

「ッ~~~またお前かよ、深町ッ」

「ごめん、でもやっぱりケンカなんてダメだよ」

「あ゛ぁ?だったら、お前はマスターに何かあったら責任取れんのかよ」

「・・・・・・・でも」

「でもへったくれもねえよ、やられる前にやるんだよ」 

「・・・でしたら、深町さんに何か名案でもあるのですか?争いをしなくていいような」

「え・・・えっとえ~と・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「ほら見ろ、なんもねぇじゃんか「僕が行く」あ?」

「・・・・・・2人の代わりに僕が話をするよ」

 

 晶は散々頭を捻り、悩んでそう口にした。 

 

つづく

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