魔導世界に墜ちた規格外品   作:苦朗

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願望石の章 19話

魔導世界に墜ちた規格外品 願望石の章 19話

 

 

 

「なんで、なのはちゃんが僕を『晶君』なんて呼んでるんだよぉ!!」

 

 晶とって自身の状態を鑑みれば出る当然の疑問だっただろう。

 だが、何も知らないなのはにとってその言葉は、拒絶に聞こえた。

 

「ふぇぇ・・ぐすっ・なんでそんなこと言うのぉ」 

「うぇ!?」

「あぁ高町さん泣かないで・・・深町さんッどうしてそんなひどい事言うんですか!」

「え・・・だ・・・だって」

「だってじゃないです。高町さんがどんな気持ちで深町さんが目を覚ますのを待っていたと思ってるんですか」

「・・・・うぅ・しょうが-すん-ないじゃんっかぁ・・・今の僕がな-すん-のはちゃんの知-すん-ってる僕に見えるはずないんだからぁ」

「今度は深町さんまで・・・ってもしかして、深町さんまだ気づいてないんですか?」

「「えぇ~~~~~ん」」

 

 静か過ぎた石段に2人の泣き声とシャマルのあたふたしながら宥める声がしばしの間響いた。

 そして、数分後。

 シャマルの努力の結果、ぼろぼろと涙は零れているものの話を聞いてくれる程度には落ち着かせることが出来た。

 

「「すん」」

「あのですか深町さん、まさかまだ気づいてないと思わなかったので、つい言い過ぎました、すみません」

「・・・なんっのこと?」

「ご自身の体を見てもらえればわかると思います」

「?・・・・・・・・・・え」

 

 晶は、シャマルに言われるまま視線を下に向けると石段とだぼだぼのシャツが見えた。

 

「見ての通り深町さんは、昼に話してくれた元の体に戻ってます」

「や・・・・った・・・やったーッ戻れた、戻れたよなのはちゃんッこんなに早く戻れるなんて思わなかったよ」

「え・・・あ、うんよくわかんないけどおめでとう」

「深町さん、うれしいのはわかりましたけど、先に高町さんに言わなきゃならないことがあるのでは?」

「え?」

「”え?”じゃありません。あなたはさっき高町さんに気安く呼ぶなって言ったじゃないですか」

「そ、そんなこと言ってないよっ」

「いいえ、言いましたよ。『晶君』って呼んでるんだよって「あれはッ」深町さんは別の意味で言ったかもしれませんけど、彼女には拒絶されたように聞こえたんじゃないですか?

「・・・・・・・・・・そうなの、なのはちゃん?」

「もういいよ、晶君にも事情があったんでしょ?」

「・・・・・・・・・・・ごめん。あの時はまだ、僕が元に戻ってるなんて思わなかったんだ。だから、何時もみたいに呼ばれてパニックになって・・・」

「・・ねえ、何があったの?昨日、家に帰って来なかったのも、あのメールもその事が関係してたんだよね」

「信じられないかもしれないけど―――」

 

 晶は、昨日なのはを探しに家を出た後に起きたことを話した。

 はやてに会ったこと、虎みたいな怪物に襲われたこと、気づいたら何時も見る夢に出てくる姿ーガイバーーになってること、除装したら体が成長してたこと、シャマルたちに出会ったこと、はやてが倒れたこと、病院からの帰りに変な感じがしてたら一緒にいたシャマルたちが魔力を感じてその場所に急いで向かったらここだったこと、そこに昨日みたいな怪物がいたこと。

 とにかく、頭に浮かんだことを話していった。

 さすがに、腕を食いちぎられたはケガをしたっと誤魔化しておいた。

 

「―――取り押さえたまではよかったんだけど怖くなって少し力を入れたらあ、頭が潰れちゃって、そこになのはちゃんが現れてさらに気が動転しちゃったよ」

「うっ」

「あ、ごめん、嫌な事思い出させちゃって」

「・・・・大丈夫、私もごめんね、あの時逃げちゃって」

「いや、僕もたぶん同じ状況になったら逃げてたと思うし「そうだ」どうしたのなのはちゃん?」

「腕だよッケガしたんでしょッ」

 

 なのはは、晶の右腕を掴み袖を捲くった。

 

「あれ?ケガなんてないよ」

「うん、殖装したら治ってたんだ」

「そうなんだ」

「そういえば、なのはちゃんどうしてあの時、ここに来たの、それに確かヴィータちゃんがなのはちゃんが魔法使ったって」

「あ、じゃあ次は私が昨日の事話すね。昨日ね、胸騒ぎがして動物病院に向かったの。そしたら、変な怪物が暴れててね病院がめちゃくちゃに、それに突然、ユーノ君が話しかけてくるから更にびっくりしたの」

「ユーノ君?」

「あ、僕のことです」

「え・・・・・・・フェレット?」

 

 声がする方に目を向けるとなのはの肩の上で小さな前足を振る一匹のフェレットがいた。

 

「うん、ユーノ君はしゃべれるフェレットさんなんだよ」

「・・・ザフィーラさんみたいなものか」

「ざふぃーらさん?」

「私の仲間です」

「シャマルさんのですか?」

「そうだよ、大きな犬みたいな姿なんだけど、人の姿にもされるん」

「へぇ~、アリサちゃんが喜びそう。今度私にも会わせてね、晶君」

「えっとザフィーラさんがOKしたらね」

「約束だよ。それでね、「なのは、僕が話すよ」うん」

「僕は、ユーノ・スクライアっていいます。初めまして」

「初めまして、僕は深町晶、よろしく」

「まずは、すみませんッ僕の発掘したジュエルシードが原因で深町さんに多大な迷惑とケガをさせてしまって」

 

 ユーノは、深々と晶に頭を下げる。

 だが、下げられた当人には何のことなのか訳がわからなかった。

 

つづく 

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