魔導世界に墜ちた規格外品   作:苦朗

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願望石の章 29話

”ガイバー”

我々がそう呼称している者たちは、極めて危険な存在である強殖細胞(生物)とそれを制御する制御金属球(コントロールメタル)からなるユニット・Gを解放・装着した人類、殖装体である。

解放されたユニット・Gは、殖装した者、殖装者の肉体構造を改造する強靭な外殻を形成し強殖装甲となる。

これによって殖装体は、強靭な外殻と常人を遥かに超えた身体能力、強大な威力の武器を数々内蔵する体となり、圧倒的な戦闘能力を獲得する。

また、対ガイバー用獣化兵≪≪ゾアノイド≫≫エンザイムⅡとの戦闘データから殖装中に殖装者が意識を失っても自動的に過剰防衛行動を取ること、殖装者の精神状態、意志力に多大な影響を受けることが分かっており、まだ隠された性能があると思われる。

 

 

クロノス科学陣 ガイバーレポートより

 

 

魔導世界に墜ちた規格外品 願望石の章 29話

 

 

 黒いマントと衣を纏い、黒い斧の様な刃が付いた杖を持つ金色の女の子が、同じく金色の球を体従者のように3つ従え空にいた。

 晶は、謎の体調不良と痛みの中、彼女を見上げていた。

 

「――――い」

「?」

「ギィギイギギイギッ」

 

 何かを呟いたように思えたが、距離がありすぎて分からない。

 しかし、その時にジュエルシードの異相体の足元に伏せる晶と女の子の視線が合ったことには気付いた。

 それは一瞬の出来事、一瞬の目と目の交差。

 だが、晶には憂いを帯びている様に感じた。

 異相体も欠けた頭部で女の子を睨み、威嚇するように不気味に声を上げている。

 そして、彼女はきゅっと口を閉じると杖を異相体に向け、従者たちに号令を発した。

 

「ファイア」

「あ・・・・・・」

「ピギィイイイィ」

 

 女の子の周りにあった3つの金色の球体から同色の何かが高速で撃ち出される。

 晶は、その金色の光を見ながらどこか他人事のように思った、『あ、僕死んだ』っと。

 異相体の方は、悲鳴のような声を上げて前に飛び退く。

 そして、連続する着弾音。

 

「・・・・・・・・生きてる」

 

 呆然、呟く晶。

 なぜなら着弾は、彼の手前から真っ直ぐ連続しているからだ。

 そして土煙が晴れ、晶が目にしたのは、呆気ない決着だった。

 

【Scythe form】

「ジュエルシード・・封印ッ」

「ピギャァアアアア」

 

 女の子が瞬く間に異相体に接近し、言葉を発した杖が変形、金色の刃の大鎌になった。

 そして、彼女はそのまま勢いのまま右薙に切り裂き、異相体の悲鳴を背中に受けた。

 だが、悲鳴を上げる異相体の両肩の大きな瘤が弾け、その中から現れたもう一対の腕が背中を向ける女の子に向かう。 

 

「―――危ない!!」

「ッ」

「ギアアアァアアアァア」

「ハッ!!」

 

 晶のどこにそんな力が合ったのか、女の子に自然と声を張り上げ危険を知らせた。 

 彼のおかげか、マントは新たな腕に持ってかれたものの彼女自身は、飛び上がり振り向き様にもう一度、今度は唐竹に異相体を切り裂いた。

 

「――――」

「ァアアア・・・あ・・・・ぁ・・・・・」

 

 女の子は、バックステップで距離をあけながら、異相体の様子を今度は油断なく見据える。

 そして、異相体が爆発、封印された。

 

【Receipt №15】

 

 晶は、そんな声を聞き限界が来たのか意識が遠のいていった。

  

 

つづく

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