魔導世界に墜ちた規格外品 願望石の章 35話
「ぎゃあああぁああッ」
「わぁー、すっごぉーい」
飛び交う晶の悲鳴と血。
アリサは、それを気持ちよさそうに受けていた。
「ァアァアアァアアァ」
「ね、ねえ、晶、もっと聞かせて、もっと出してよ」
「ゲァッ・・ぎぃ・・・がぃッ」
アリサは、何度も何度もその剣で晶を刺す。
その度に悲痛な声と血が彼から漏れた。
態となのか偶然なのか刺す箇所は、どれも急所を外し悪戯に苦しめる。
しかし、当然ながらそんな行為が、長く続けられるはずもなかった。
「――――」
「えっぇ~もうお終いなのぉ?」
「――――」
「しょうがないなぁー」
微かな呼吸音と小さく上下する胸の動きからまだ生きていることが窺えるものの、長くは持たないだろう。
そんな晶に呆れる風にアリサは、いつものように話す。
「晶はこれで許してあげる。だからぁ今度はあたなね」
「―ッ」
そう言って宙へ顔を向けると晶からだいぶ先行していたはずの少女が息を飲み固まっている。
アリサが新たに発動させたジュエルシードへ狙いを変更したからだろうか、戻ってきたようだ。
【ゲスト、脈拍・血圧共に基準値を低下。急ぎ救命措置を要す】
「っ―バルディッシュッ」
『了解。Arc saber.】
バルディッシュと呼ばれた彼女のデバイスが晶の状態を報告すると少女は、顔を顰める。
だが、すぐに顔を引き締め魔法―大鎌状のデバイスから分離した金色の光刃が回転しながら飛ぶ―をアリサに放った。
「わわぁ」
【Defenser.】
「もう少し頑張って・・・・」
「・・晶にバリアなんて掛けなくても私、もう手を出さないよぉ」
「黙って。あなたも今助けるから」
魔法によりアリサを晶から離すと少女は、彼をバリア状の防御魔法で覆う。
そして、すぐに光刃を再びデバイスに発生させ、アリサに斬りかかった。
「おぉッ早い早いッ」
「ッ」
「よ、やぁ、おいさぁ」
しかし、晶の容体故かそれらの斬撃は、素早いものの単調気味で、全てアリサの剣に防がれ鍔迫り合いの状態となった。
「はは、すごいすごい。晶とは大違い」
「――これならどう?」
【Photon Lancer.】
「うきゃっ」
ほぼゼロ距離から撃ち込まれた槍状の魔力弾がアリサを襲う。
すかさず封印しようと少女は、アリサから距離を取った。
「――――」
【Sealing form.Set up.】
「ジュエルシ「だらっしゃぁああああッ」ッ」
封印魔法の準備中に炎を斬撃が飛んで来る。
少女は慌ててそれを回避したが、その後に起きた轟音に、硬直することとなった。
「あ・・・・・あぁあああああ!?」
つづく