魔導世界に墜ちた規格外品   作:苦朗

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願望石の章 36話

ユニット

 

各地に点在する遺跡から引き出したデータから私は、殖装した生物の機能増幅とコンディションの調整、数々の武装を内包したこれを降臨者たちの宇宙服とも言うべき物ではないかと推測する。

長期の旅と未開の地での活動を鑑みれば、殖装者の機能増幅とコンディションの調整ー生命維持と言い換えてもいいが―は必要であり、武装も本来は護身用か現地作業での使用が主ではないだろうか。

ただし、人類が殖装した場合は、本来の性能を凌駕し驚異的な戦闘能力を発揮することはデータから判明している。

さらに、その人類が調整、しかも最上位のものを受けていたとしたら――――――――

 

          ~山村晋一朗手記より~

 

 

魔導世界に墜ちた規格外品 願望石の章 36話

 

 其れは、待機していた。

 意思も感情も無く唯一の本能も縛られ、プログラムに従う存在。

 故に、其れは補給を済ませ万全の状態を維持しながら待ち続ける。

 

―緊急対応事案発生―

 

 其れが受信したデータには、対象の肉体に甚大な破損による心肺停止状態であることを示していた。

 

ぷろぐらむニ従イ、対象ノ再構築並ビニ防衛もーどニ移行スル

 

 其れは何処とも知れぬ空間を破砕し、対象の元へ現界する。

 そして、直ちに対象の体を其れの内側へ格納し、記録されたデータを基に損壊部の再構築を開始した。

 

全身ノ重度ノ火傷・・・再生開始、右脚欠損・・・再構築開始、全身18ヶ所ノ損壊・・・再生開始、血液不足・・・補充開始

 

 対象の保護が完了し、次に周囲の状況の確認した。

 すると、この場所がビルの屋上であること、対象を焼いた所為か外気温が若干高いこと、上空に対象の同種族が2体いることを確認する。

 

動態反応2、内蔵エネルギー高、敵対行動無、危険度小――現状維持、要警戒

 

 煙の中其れは、どうゆう仕組みなのか頭部の左右にある金属球から情報を得て、宙にいる2体を警戒しながらその場に待機することを決める。 

 そして、煙がビル風に飛ばされ、その2体の姿を視覚情報として、改めて認識した。

 片方は対象と同じ言語で何かを叫んでいる雌型をα、もう片方は動きを停止している雌型をβと仮呼称する。

 どちらも武器を所持していた。

 

対象ノ記録内ニ該当でーたアリ。αノ呼称名、ありさ・ばにんぐす、βノ呼称名ハ不明ダガ対象ガひーろート呼バレル存在ト認識シテイル

  

 対象の記憶から情報を参照し、2体への対抗準備が整いつつあった。

 そんな時である。いう

 アリサと呼称された方が内包するエネルギーを炎へと変更し武器に纏わせ、襲いかかってきたのは。

 

「あんた、晶をどこにやったのよ!?」

ありさノ敵対行動ヲ確認、ひーろーニ変化無

 

 改めて言う。

 其れ喜びも悲しみも怒りも優しさも無い、プログラムの奴隷である。

 故に、例え対象の友人というデータがあっても加減をすることは無い。

 

ありさトノ交戦開始

 

 其れの呼び名には、幾つかあるが、対象専用の其れを周りは『ガイバーⅠ』と呼ぶ。 

 

高周波そーど、あくてぃぶ

 

つづく

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