魔導世界に墜ちた規格外品   作:苦朗

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願望石の章 6話

 23:58 高町家

 

 なのはがこんな時間に出かけたっと晶に起こされた恭也は飛び起き、士郎達を叩き起こした。

 そして、すぐに夜の街へ飛び出していく。

 一方晶は『もう子供が出歩いていい時間じゃない。先に寝ていろ』っと言われ、桃子と一緒に家にいた。

 

「・・・・・・・そろそろ、いいかな」

 

 だが、そう言われて『はい、わかりました』っと納得できるはずも無く、晶は桃子の目を盗み高町家を飛び出して行った。

 

「フェレットのところは、恭也さん達も思いつくだろうし・・・・・・取り合えずフェレットを拾ったっていう公園にっ」

 

 こうして、見当違いの場所へ走り出して行った。

 

 

魔導世界に墜ちた規格外品 願望石の章 6話

 

 

 00:05 

 

 まだ、快調とはとても言えない脚に鞭を打ち走ること数分の事だった。

 反対側から歩いてくる人が、突如掻き消えるのを目にする晶。

 

「ッ!?さっきの人はッ――――いない・・・うそだろ・・・・」

 

 慌ててその場に駆けるが何処にも見当たらない。

 

「曲がり角もないし、車に乗・・・・車?そういえばさっきから静かだ」

 

 『車に乗った』

 そう考えたほうが突然人が消えたと考えるよりまだ自然だ。

 しかし、晶はその事で他の異変にも気づく。

 静かすぎるのである。 

 さっき、人が消えるのを見るまでは、遠くから車の走行音やら小さいながらも喧騒が聞こえていた。

 

「・・・・・・・・何にも聞こえない。どうなってるんだいっ・・・・・・・「おい」え?」

「子供は早くうちに帰って寝ろ!」

「え?うそ、さっき・・・・」

 

 たたらを踏んで数歩下がると突然、五月蝿くなりさっき消えた人に注意され足早に立ち去っていく姿を晶は、混乱しながら見送る。

 

「白昼夢ってやつなのか?・・・・・・・・・・・・・とりあえず、先に進もう―――ッ!?またッ」

 

 たった数歩。

 それが日常と異常の境目だった。

 再び晶は、先ほどの静か過ぎる街に立っていた。

 

「おいおいおい、どうなってるんだよこれ――ッまさか、なのはちゃんもこれに巻き込まれてないよな!?」

 

 晶は、当初の目的を思い出し家を出たときよりも慌てた様子で走り出す。

 そして、走りながらますます異常さが浮き彫りになる。

 人が全くいない。

 すでに日付が変わっているものの、こうも人の姿を目にしないのはおかしい。

 そう思いっていた時、前の角から曲がってきた何かを目にした。

 晶は、勇気を振り絞って声を掛けた。

 

「・・・あ、あの~そこの人ッ」

「ッ!?」

 

 声を掛けた人物も相当驚いたのか、肩びくっと震わせ立ち止まった。

 

「よかったぁ。僕以外の人にも会えて」

「・・・・・・なんや晶君かいな。脅かさんといてっただでさえ、急に周りの様子がおかしなってこわごわしとったのに」

「ごめん。でも、僕も不安だったんだよってなんで、はやてがこんな時間に、こんな所に」

「それやったら晶君もやろ?」

「僕は、なのはちゃんが家を飛び出しちゃったから探しに」

「へぇなのはちゃんが・・・」

「で、はやて?」

「私?私は、なんや誰かに呼ばれた気がしてなふらふら~っと」

「呼ばれた?・・・・・・・・・・・ねえはやて、今朝夢を見なかった?誰かに助けを求められる」

 

 なぜ、そう感じたのか晶にも分からないが、はやての話となのはの今朝の夢、その2つが結びついた。

 その問いかけに、彼女はびっくりした様子で答えた。

 

「・・・・・よぉわかったな、晶君。もしかして、あのSOS晶君やったんか?」

「違うよ。今朝、なのはちゃんも同じ夢を見て、不安がってたから」

「そうか、なのはちゃんも・・・・もしかして、私となのはちゃん、同じモンに呼ばれ取るんかな」

「ねえ、はやて。今から行こうとした場所に案内してくれない?そこになのはちゃんもいるかも」

「ええけど・・・・『家に帰れ』とか『こんな時間に女の子が一人歩きするな』とか最近の晶君ならいいそうやのに、1人じゃ怖いんか?」

「う、うるさいな、悪い!?」

「いんや、ぜんぜん悪ないよ。最近、大人びてきとったけど、安心したわ」

「何が?」

「こっちのことぉ」

 

 はやての先導の元、晶は車椅子を押し走り出した。

 

 

つづく

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