たぶん、不定期更新にはなりますが更新されているのを見つけたら生暖かく見ていただければ嬉しいです。
僕、上杉謙信は小さな頃に偶然九鬼で働く大人達、学校の同い年の子供達が影で自分に対して言っていた言葉を聞いて泣いた。
化け物。
誰もいない川の辺で一人、膝を抱えて泣いていた。信用していた大人達や子供達が自分の事を化け物と思っていた事が悲しかった。
「ひっぐ、うぐぅ、うぅ、僕は、ば、うぐっ、化け物じゃ、ない・・・」
ガサガサ。
「っ!?」
突然後ろの茂みが揺れた音に驚き、思わず振り向くとそこには長い黒髪の美しい少女が立っていた。
「あれ? 謙くん、泣いてるの?」
現れた少女、葉桜清楚が横に座り、何故泣いていたのか聞いてきたのでポツリポツリと話していく。謙信が大人達や子供達から、化け物と言われていた話を聞いた清楚は謙信を強く抱きしめた。
「謙くんは化け物何かじゃないよ! 少なくとも私や義経ちゃんに弁慶ちゃん、与一くんにクラウディオさんにヒュームさんは謙くんの事を化け物なんておもってない!」
僕を抱きしめながらそう言ってくれた清楚の瞳にも涙が浮かんでいることが、首筋に落ちた暖かな雫でわかった。
「私は謙くんは綺麗だと思うよ? 謙くんの宝石みたいな瞳、私は好きだよ」
僕の瞳を真っ直ぐに見つめながら笑顔で言ってくれたその言葉に、さっきとは違う暖かな涙が僕の頬をつたって行った。
僕は、俺はきっとこの時から……。
――け――おき――
―――んく――て――
「謙くん、起きて」
ユサユサ。涼やかな声と、俺を揺する振動で徐々に意識が覚醒してくる。俺の大好きな、一番愛しいその人の声。
「ん――。んあ?」
「やっと起きたね謙くん?」
目を開けると俺を覗き込むようにして見ている清楚の微笑みが視界いっぱいに広がってきた。
「おはよう、清楚」
「はい、おはよう謙くん」
チュ
額に柔らかな唇が当たったのを感じ、起き上がりお返しに清楚の頬にキスを返す。
「御暑いねぇお二人さん? イチャイチャするのはいいけどさぁ、もう着いたみたいだよ? 川神学園に」
俺たちの前の席に座っていた弁慶が茶化しながらも到着したことを教えてくれる。外から開けられた車のドアから俺を筆頭に、清楚、義経、弁慶、与一の順に降りる。
眼前にそびえるは川神学園正門。
この日、この時から始まる。
毘沙門天の生まれ変わりたる彼の物語。
彼の名は――――――。
上杉謙信
「それじゃ行きますか、武士道プランの始まりだ」
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