それではどうぞ
川神学園校庭では、全校朝会が行われていた。
「皆も今朝の騒ぎをしっているじゃろう、武士道プラン」
川神学園校長川神鉄心による説明が、全校生徒たちを前に始まった。
「この川神学園に、転入生が7人入ることになったぞい」
学長の示した人数に、皆が驚きを隠せずざわめき始める。それもそのはずだ、おおやけに公開されている人数は3人。義経、弁慶、与一だけだからだ。
「武士道プランについては、新聞でも見るんじゃ」
「重要なことは学友が増えるという事じゃ。仲良くするんじゃぞ」
「競い相手としても最高級じゃぞい、何と言っても英雄じゃからの」
「武士道プランの申し子達は、全部で5人じゃ。残り二人は関係者。まずは3年生、3-Sに2人入るぞぃ」
学長の話を聞き、3年生が騒がしくなる。
「ほう。私のクラスか…物好きな奴もいるものだな」
3-Sの生徒である京極彦一がもの珍しげに言う。すると、となりのFクラスからは世界の武神と言われる川神百代が落胆していた。
「なんだSクラスか。私達F組にはこないのかー」
「残念で候。しかしこの時期にSとは、相当な学力で候」
「それでは、まず1人目。葉桜清楚、挨拶せい」
すると、鉄心の声とともに、女の子が1人しゃなりと前に出た。そのまま、ゆっくりと壇上にあがっていく。
その立ち振る舞いだけで、周りから感嘆の声が聞こえてくる。
「…これはこれは、なんという清楚な立ち振る舞い」
男子達から、ほーっというため息が漏れた。
「こんにちは、はじめまして。葉桜清楚です」
「皆さんにお会いするのを、楽しみにしていました」
「これからよろしくお願いします」
ふわり、と挨拶した後、男子達から歓声が巻き起こった。
「名前からして清楚なんですけど!」「なんか文学少女ってイメージだね! イイ感じだね!」「すっげぇ! 宴にグッズだしたら価値は間違いなくSR!」「ふわぁ~可愛い!」「生きててよかったあああああ!」「超清楚なんだけど!」「ででで、デラベッピン!!」
「なんだよカワユイのにSクラスとか…Fクラスにきてくれー」
一部女子からも歓声が上がっていた。主に百合な方向の女子に。
「ハイハーイ、気持ちは分かるけど静かにネ!!」
あまりの騒動に教師からの注意が入る。
そんな中、一人の生徒が大きな声で学長に質問を求める声が上がる。
「が、学長! 質問がありまーす!!」
「全校の前で大胆な奴じゃのう。許可する、言うてみぃ」
そう、彼女には現時点で大きな謎が一つあった。
「是非、3サイズと、彼氏の有無を!」
そう質問した瞬間、一人の女教師の鞭によって生徒が張り倒された。
「全校の前でこの俗物がーっ!! 皆、私の教え子がすまん」
「アホかい! …まぁ確かに3サイズは、気になるがの」
「…ええっ」
「おいジジイ死ね!」
すかさず百代から罵倒が飛ぶ。
「ごほん・・・」
「彼氏、というか婚約者ならいます」
その瞬間、全校生徒が静まり返った。
『な、なにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!』
全校生徒の驚きの声が響き渡った。
「なんでだよぉおおおお」「バカなっ! 嘘だと言ってよバアアアアアアアニイイイイイイイイ!!!!」「ウソダドンドコドーン!!」「ういうfhrhがhふjdbふいかshふじこ」
「静まれぃッッ!!」
喝ッ、と学長の一括で阿鼻叫喚の地獄絵図状態だった生徒たちは即座に静かになる。
「うむ、それでは続けるぞぃ」
「葉桜清楚、という英雄の名前を聞いたことがなかろう皆」
そう、葉桜清楚という名の英雄は存在しない。それこそが彼女の最大の謎であった。
「これについては、私からお話しさせていただきます」
「実は私は、ほかの四人と違いまして、誰のクローンだか自分自身でもあるときまで知りませんでした。葉桜清楚という名前は本当の私を知る前にイメージでつけた名前です」
「へーそうなのかぁ、自分自身を知らなかったのか。ん? てことは、今は知ってるって事だろ? 何で本当の名前を出さないんだ?」
「なぜ本当の名前を出さないのか、疑問に思っている人がいると思います。そのことについては、九鬼から然るべき時期に公表することになっているといわれているからです」
2-Sでは九鬼英雄に親友の葵冬馬が清楚の正体を聞こうとしていた。
「それで、彼女はいったい誰のクローンなんですか英雄?」
「我が友トーマよ。彼女の正体が判明した騒動の時に我は居なくてな、彼女に限りは我も知らぬのだ」
「お? 人類の宝である九鬼英雄が知らなくていいのか?」
「フハハ、正体がなんであろうと、葉桜清楚は葉桜清楚でよい」
「そいつはごもっとも」
「それにしても存在感ある人だなぁ。大勢の前でも声がよく通る」
2-Fからも清楚の話題が聞こえてくる。
「正体が謎だからテレビでは放送されなかったのかぁ…」
「皆、テンションが上がってきたようじゃな、良いぞ良いぞ」
「それでは3-Sに入るもう1人の紹介じゃ。上杉謙信、でませぃ」
上杉謙信。その名前が出た瞬間、生徒たちのテンションがさらに上がる。
「上杉謙信! まじでっ!!」「女か! 女であってくれ!」
カランカラン、と下駄の音を鳴らしながら壇上に上がってきたのは白く長い髪を後ろで一纏めにした赤い瞳の女性と見まがう男子であった。
「皆さん初めまして、上杉謙信です」
はい今回はここまでです!
誤字脱字の指摘、感想よろしくお願いします^^
次回予告
「皆さん初めまして、上杉謙信です」 「てめぇら、清楚に手ぇ出したら殺すぞ?」
「ふん。ヒューム風に言えば、“まだまだ赤子”だな」「挨拶できたぞ、弁慶!」
「おおーい! 瓢箪が気になってたが、弁慶が酒飲んでるぞー!!」「フハハハ! 我、顕現である!」
「そんな老けた学生はいない!」
「お帰りなさい! パパ! ママ!」