ラブライブ 女神たちの奇跡、傭兵の軌跡(凍結)   作:杉並3世

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お待たせしました

これでファーストライブが終了しました

お知らせとしまして公開中の小説全話を改訂しましたことをご報告します。


Fast Live

「悠にい、いよいよ明日」

「ああ、ここまで来たな」

今日は新入生歓迎会前日

夕方の練習はで早めに終わって穂乃果の家に集まっていた

本番前日にハードワークやってライブ影響は出したくないので本番用に一回踊ってステップの確認だけにした

それでもやれる事は全部やった。

後はベストコンディションで明日を迎えればいい

「そういえばことりは?」

「衣装が仕上がったと言う事で取りに行っているそうです」

「そうか・・・・」

 

 

 

「お待たせ!」

しばらくほうじ茶を飲んで待っていたら袋を抱えたことりが

「ことり、もしかしてその袋の中が」

「うん!さっきお店で最後の仕上げしてもらって」

袋の中から一着だけみんなに見せる形で出した

 

 

「かわいい!!」

「いい感じじゃないか」

アイドルをイメージしたのかノースリーブにミニスカート状のワンピースといった可愛いらしいものに仕上がっている。裁縫が得意といってもこのレベルだと正直店に出しても十二分に通用する出来具合だ。

海未といいことりといい、西木野さんといい俺らの周りにはすごいセンスの持ち主で溢れているな。

俺、ことり、穂乃果は高評価なのだが一人だけ・・・・

 

 

「海未さんやどうした?」

「・・・・・・・・・ことり」

「うん?」

 

「そのスカート丈は?」

 

「・・・・・・・・あ」

ことりがやらかしちゃった感満載の顔になっていた。

「どういうこと?」

「じ、実は・・・・・・」

 

衣装の原案ができたとき海未が『いいですか!スカートは最低膝下でなければ穿きません!いいですね!!』とことりにキツくお願いをしたのだが当の本人が忘れていて

確かにアイドルをイメージし過ぎたのか結構露出の激しいものになっている

ことりの肩を掴み、迫力のある顔で迫る海未問い詰めているが・・・

 

「海未さんや海未さんや!さすがに今から直すのは時間が足りないよ」

「なら私は一人で制服で歌います!!」

まさかここに来て問題が出てくるのか!?

海未の恥ずかしがりやの性格は昔に比べたら大分マシにはなったけど

「成功させたいもの」

「穂乃果」

「だって成功させたいの!曲も出来て衣装も仕上がってダンスも覚えてここまで来たの!」

 

「海未俺からも頼むよ」

「悠にい」

「海未の恥ずかしがりやの事を考慮しなければいけなかったが正直衣装まで目が回らなかった。言い訳にしか聞こえないけどせっかくここまでかんばって来たのだから3人とも同じ衣装でステージで輝いている姿が見てみたい」

「本当に卑怯ですね」

 

「そんなこと言われたら・・・・断れじゃないのですか」

 

よかった・・・・

「でも海未よひとつ思ったのだが・・・・・」

「何でしょうか?」

「この衣装のスカート丈と制服のスカート丈って・・・・・・一緒じゃない?」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

あ、あれ?

何で無言になるのですか?

お兄さん不安ですよ!!

「そ、そうだ!今から神田明神にお参りに行かない?」

「い、いいですね」

「う、うん」

え?!

スルーですか!

お兄さんの発言は無かったことなのですか

涙は出ていないもの心の中は大洪水中

 

こうして一緒に神田明神にいく事になった

「・・・・・・なあ3人とも」

俺は意を決してあることを喋った

「さっき・・・海未に一緒のステージを見てみたいって言ったけど・・・・・本当に申し訳ないけど明日はどうしても外せない仕事があって」

明日は一日中JACでの仕事が入っていてライブには間に合うか分からない。

海未にあんな偉そうな事を言っておいてその肝心な自分がいけれないなんて

「そっか・・・・ならしょうがないよね」

「ええ」

「うん」

・・・・・・・あれ?

「どうしたの?」

「いや・・・意外にあっさり引いたなと思って」

もっと罵倒されるのではないかなと思っていたけど

 

「本当のことを言えば悠にいにも見てほしかったのだよ」

「悠にいのおかげでここまで・・・」

「まてまて、それは違うぞ!それはお前たちが努力を」

「ううん。悠にいが色んなことを教えてもらったからがんばってこれての」

「大げさだよ」

穂乃果達が必死になってば頑張って来たから今があるのだよ。

 

 

 

 

翌日

今日は仕事の都合で東京臨海都市にある人工島Gアイランドシティーにある日本宇宙開発の総本山である日本航空宇宙センター(Japan aerospace Center)に赴いていた

マスドライバーによる宇宙船の打ち上げはもとより多彩な視点での天文観測、リサイクル技術、核融合炉の研究を行っている。また日本が保有する早期警戒衛星や情報収集衛星の管理を行っているためBMD搭載艦はJACで最終調整しないといけない。

それ以外にも独自に大型レーダーを搭載し、弾道ミサイル発射やロケット打ち上げの追跡・監視を行うミサイル追跡艦を3隻保有している(建設費・運用予算は文部科学省から支出し、艦の運用は海軍により行われている)

 

「悠斗!!久しぶりだな」

第三ドックに入渠中のミサイル重巡洋艦榛名に訪れると艦長のタツヤと副長兼航海長のサイファーが待っていた。

「久しぶりってつい一月前に飲んだばっかりじゃない」

 

「でもどうした突然見学がしたいって」

「実は今度ユニオンの例の件があるじゃないか。それで急遽ミサイル追跡艦へ臨時勤務を命じられて、それで始まる前にどんな艦か確かめたくなってね」

「なるほどね。簡単でよければ案内するよ」

「助かります」

 

ラッタルを上って艦内に入った。

「水上艦艇にしてはずいぶん大きいな」

全長200m、全幅24m、排水量19000t航空母艦を除く水上戦闘艦としては世界最大の軍艦でもある。

「今榛名と比叡が実戦配備して白根・鞍馬が艤装中。来年度までには今のターターシステム搭載型艦艇は退役して入れ替わりで入る予定になっている」

「それにしてもいまだにターターシステム搭載しているとはな」

イージスシステムが出来上がる前、艦隊防空をつかさどっていたターターシステムももう50年近く経っている骨董品レベルで主要国でまだ現役なのは日本を含めて数カ国しかない。

「元々金剛型が空母艦隊の防空網を担う予定だったのだが、ほら昔お隣さんの弾道ミサイル発射実験があったじゃんか、それで急きょ運用を変更したとさ」

「そんなこともあったねえ~」

その事件のおかげで高価なイージスシステムの購入と国産の艦隊防空レーダーの開発に着手した。

「あれが国産イージスと言われているFCS-05か」

艦橋上にそれぞれ4面ある各一面ずつに大型の索敵用Cハンドレーダーと小型の誘導用Xハンドレーダーが設置されていた。従来のイージスシステムでは一度のミサイル誘導数が12~15までが限界に対してFCS-05は1面で8~12個の誘導が出来、計32~48個のミサイル誘導が行うことが出来る

「前にも言ったがこいつには第5世代型C4Iシステムにアルテールスのタッチパネル式をを搭載していてまだ慣熟訓練が十分じゃなくて今回の任務には観測みたいだ」

「今国内でBMD搭載艦数はどのくらいあるの?」

「国内のBMD搭載艦は総数で12隻。その内発射実験を終えているのは護衛艦隊所属の金剛型と高尾型の8隻しか終わっていない」

「それで国内の防空網は大丈夫か?」

「日本海軍と米海軍のミサイル駆逐艦・巡洋艦5隻で対処は可能だから今のところは問題ない」

ここまで知ったらいいか

「ありがとうな」

「ああ、この任務が終わったら飲みに行こうな」

 

榛名を後にし次に向かったのは東京湾に面したJAC7号岸壁に停泊中の艦船・・・ミサイル追跡艦一番天満

ラッタルを渡り舷門(艦艇の一般受付窓口兼警衛場所の総称)

「すみません何か御用ですか?」

「今度この艦の船務長を任された朝霧悠斗3等海佐です。」

 

「しばらくお待ちください」

しばらくすると・・・・

 

「お待たせしました。まもなく当直士官が来られます」

「ありがとう」

しばらく待っている間に艦をよく見た。

建造されてから年月は経っているもの定期的に整備しているのか綺麗な状態だ

これだけでも日頃の保守整備に手抜きはない

それに舷門に立っている隊員も不動の姿勢を維持している

 

「お待たせして申し訳ございません。航海長の速水1等海尉です」

「先進技術センターの朝霧3佐です」

 

艦内に入って02甲板にある艦長室に入っていった。

「失礼します」

「初めまして。艦長の若林です」

「先進技術センターの朝霧悠斗三等海佐です」

お互いの挨拶も終わり本題に入った

 

「この度は私たちの申し出に応じていただきありがとうございます」

「しかし私なんかでよろしかったのですか?」

確かに水上艦艇経験があるとはいえ他国の艦艇しかもブランクもある状態

「海軍とは言わず前政権の仕分けで人員不足が出始めました」

以前高野元帥と会議したときにすがる思いで相談すると俺の名前が上がったらしい。

「就航は5月中旬から2週間。任務は某国が発射すると思われる弾道ミサイルの監視が主任務になります」

「分かりました」

細かい打ち合わせが終わり速水1尉と一緒に艦内を見回っていた

「朝霧さんは前までどの艦に乗られていたのですか。」

「私は元々アルテールス軍から出向していて、乗っていた艦もアルテールス海軍の航空母艦です」

「という事は例の部隊出身ですか?」

「ええ、・・・・その時に

空挺と戦闘機ライセンスを持っています」

「私たちはまだ戦闘を経験しておりません。正直、あんなものはこない方がいいと思っています」

「ですがもしものために備えるのも軍人の務めです」

「ええ、その時のために常日頃訓練で鍛えています」

この艦の全長は178m 幅28m 排水量8000t 最大速力25ノット

機関は6気筒ディーゼルエンジン4基搭載で更に可変ピッチ・プロペラ2軸、サイドスラスター4基でタグボートなしで接岸可能(大型船舶の岸壁接岸を支援する小型船※特に大型船舶は低速時には小回りは効かなくサイドスラスター搭載していない船舶ではタグボート支援なしでは接岸できない)

レーダーは対空・対水上・航海レーダーが各一つずつとCハンド(索敵用)の数機パラボラアンテナと4面のフェーズドアレイレーダーを搭載しておりこれで衛星・ミサイル追跡以外にもレーダー波や無線電波を捉えるための高度な設備を有し、SIGINT活動にも従事する。さらにBMD用のXハンド(ミサイル誘導用)レーダーを搭載して支援を行うこともできる。

 

「艦橋も広いですね」

「はい。この艦は大型レーダーを搭載している関係で横に広い設計されて降りまして、それに外部からの乗艦しますのでそれにあわせて他の艦艇に比べれも広めの設計がされています」

「外部ってどんな方が来るのですか?」

「基本はJACの職員です。主に打ち上げたロケット観測と衛星の追尾です」

艦橋から始まってCIC、通信室、隊員食堂、士官寝室、機関室、レーダー室の案内が終わった

 

「本日はありがとうございました」

「では一緒に仕事をする日を楽しみにしております」

時間は15時を過ぎたあたりだ。

今から飛ばしたらギリギリ間に合うかな?

携帯の電話が鳴り、差出名は玲次さんからだ

「もしもし朝霧です」

『大変です!朝霧さん!!』

「どうかしました!」

いつも冷静沈着な玲次らしかぬ慌てている声に不安を抱いた

『妹経由の情報なのですが音ノ木坂学園周辺で不審者が目撃されたと』

「何だと!?」

玲次さんの知らせに同様を隠し切れなかった

「ちょっと待て!?今日はファーストライブ当日だろう?タイミング良すぎは」

『ええ、僕も気になって調べたのですが、警察の初動より早く帰宅命令が出たそうです』

「警察が動く前に!?普通警察が動いたことを確認しないと危なくて帰宅指示は出さないはずだろう!!」

『朝霧さん・・・・・この話僕たちの想像を超える深い闇があるかもしれない』

「どういうこと?」

『依頼を受けた以降少し調べた次の日・・・野党の攻勢が強まった』

どういうことだ!?

なぜ、ここまでして音ノ木坂学園を固執する理由も分からない

だけど・・・・・

 

「今から音ノ木坂学園に向かいます。玲次さん達もヤバそうになったら手を引いてください」

『それは・・・・嫌だね』

「晴彦さん」

『一度踏み込んだ!最後まで付き合うよ』

「ですが」

 

このまま深く入ると政治生命に関わって来る

『それに、これはチャンスだと思っている』

「チャンス・・・・ですか?」

 

『俺たちは独自に前政権の亡霊の調査をしていた。その時に悠斗からあの話があった。正直これはチャンスと思って悠斗の以来を引き受けた』

「気を付けて下さい」

『任せろ』

 

電話を切って、駐車場に止めてとぁったスバル・インプレッサWRXに乗り込み直ぐにエンジンに火を入れて急発進した

運転しながら車内にあったパソコンを起動させて警察無線を傍受した。

正直違法行為だけど手段を選んでいる暇なんてない。

片手で携帯を操作して絢瀬さんの番号にかけた

数回コールがなって電話に出た

 

「もしもし絢瀬さん!!」

『どうしました朝霧さん』

「今どこにいるの?」

『学園の講堂で高坂さんたちのライブの準備をしているけど』

 

「緊急事態だ!音ノ木坂学園周辺に不審者が出て生徒が強制下校になっている」

『うそ!!でもそんな放送一切流れては・・・』

もしもとは思っていたけどやっぱり知らされていなかったか

「おそらく講堂周辺だけ流れないように細工したのだろう」

『でもなんでそんなこと』

 

「今、政府内を調べている友人の情報だけど、おそらくこの不審者騒動は廃校派が作った自作自演の可能性がある。そして警察の無線を傍受しているのだけどまだ管轄の警察が動く前に帰宅指示を出し・・・まって」

 

ちょうど千代田区管内のパトカーが慌しく動き始めた

「今警察の無線を傍受した。ようやく所轄署の警ら隊が動き出した」

『それじゃ・・・今校内には!?』

「ほとんど生徒は残っていない可能性がある」

 

 

 

「今音ノ木坂学園に向かっている」

車を最大に吹っ飛ばし、警察無線を傍受しているのでネズミ取りには引っ掛からずに音ノ木坂学園に到着した。

そして門の前には絢瀬さんが待っていった

 

「すまない!待たせてしまって」

「いいえ」

一緒に学園内に入っていった

「現状どうなっている?」

「朝霧さんの言う通り、新入生歓迎会終了後にこの付近に不審者が出て自宅待機が命じられていたよ」

「歓迎会終了後!?」

ますますタイミングが良すぎる!!

 

「それで講堂まで放送が聞こえなかった理由は分かった?」

「それなのだけど歓迎会中、誤放送とかで気を散らさないように切ることがなっていて」

「今年から?」

「そうだけど、去年の歓迎会中に放送が流れて来年は切るって話にが先生たちの中で回っていて生徒会まで降りてこなかったの」

こんな案件、本当にただ単に知らされていないだけかもしれないが、生徒会まで情報が降りてこなかったら黒と思うけど何かここまで来ると全て疑ってしまう程の疑心暗鬼に見舞われる。

絢瀬さんの表情も怒りや困惑・悲しみがごちゃまぜになったような表情になっていた

 

絢瀬さんの案内で講堂にたどり着くが静かすぎる

 

やっぱり・・・

 

これまで入っている情報を来ていても予想は出来ていた

 

でも、ほんの少しでも可能性を信じていたが無残に打ち砕かれた

 

誰の騒ぎもなくしんみりとした無人の観客席

 

「くっ!!」

 

こんなことがあっていいのか!!

この日の為に、あいつらは頑張ってここまで来たのに!!

 

むしろ俺のほうが認識が甘かったかもしれない

まだ駆け出しのスクールアイドルのライブに一体何人が興味持ってくれていると思う。

その時点で俺の作戦ミスだったかもしれない

 

 

ここからでも、穂乃果たちの表情が泣きそうなのは分かる

俺が悲しんでどうする!!

一番つらいのはあいつらなんだ!!

 

 

「俺にライブを見せてくれ――――――!!」

「悠にい!?」

 

まさか俺が着ているとは思っていなかったので驚いた表情をしていた

 

「ここまで頑張ってきたのだろう!!俺にお前たちの成果を見せてくれ!!」

 

僅かな可能性から始まったスクールアイドルμ`s

準備期間は短かったとはいえここまで来た

最初は体力もダンスの経験なかった3人がここまで来たのだ

俺は一度・・・どん底の絶望感を味わった。

 

 

「ここで諦めたら今までの努力を無駄にしない為にも俺に見せてくれ!!」

 

それ以上に辛いのはここで諦めてしまったことだ

 

「悠にい・・・・・」

今日!この日の為に練習していた時のあいつらは輝いていた

無論辛いことも楽しいこともあったが

 

「あ、あれ?ライブ終わっちゃいました?」

眼鏡をかけた女の子がショートカットの女の子と一緒に慌てて講堂に入ってきた

お客さんがいない光景にもう終わったのか勘違いしたの

「これで4人だ!!お前たちのライブを見に来てくれる人もおる」

 

「いや。5人よ」

後ろから声を掛けられて振り返ると

「東條さん」

「せっかく一生懸命練習してきたのやから、それを見せんともったいないで」

そうだ

この子もまた、練習風景を見守っていたのだ。

「まだ聞きたい人たちがいるんだ!!どんな人数だろうと!どんな結果だろうと最後までやり遂げる・・・それが覚悟なんだ」

 

「・・・・・覚悟」

 

泣きそうだった3人の顔は涙を拭い・・・・

 

「行くよ!ことりちゃん!!海未ちゃん」

 

穂乃果の目はいつもと同じ・・・いやそれ以上に輝いていた

 

証明が落ちて辺りが暗くなり、それぞれの定位置についた

 

「それでは聞いてください―――――――」

 

「「「START:DASH‼」」」

 

イントロが始まり一瞬とも見逃さない

 

隣にいる絢瀬さんはどこか懐かしい表情をしていた

 

東條さんはタロットカードをもってまるで確信たような顔だった

 

ついさっき来た眼鏡の子は興奮して、一緒に来たショートカットの子も物珍しいそうに見ていた。

この子たちが来なかったら本当に最悪な事態になっていた

 

ありがとう!!

 

入口には作曲してくれた西木野さんがいつの間にか来ていた。

最初は興味がないと言いつつも何だかんだいっても自分が作曲した歌が気になったのだろう。

 

慌てていて気付かなかったが、よく視るとツインテールの子も隠れて見ていた。

・・・・・そんなに隠れなくてもいいのに。

 

観客は10人も満たないが間違いなくμ`sファーストライブが行われた

 

 

3人は一度絶望を味わったが、諦めずひたすら前に進めば必ず道は開ける

少しずつ歩めばいい!道を遠回りしてもいい!それは脱落ではなく道を模索しているだけ。

 

時折涙を必死に堪えているが一生懸命輝こうとしている

 

経験者からすれば歌もダンスもまだまだ未熟な面があるものの何か人を引き付けるものがある。

 

やがて曲は終わり

 

穂乃果たちの顔に疲労感はあるものそれは全てやりきった感のあるいい表情だ。

 

会場内から拍手が送られた

 

少ない拍手でもここに来た人たちはそれぞれの思いがあるはずだ

 

俺はステージに近づく

「悠にい」

「いいライブだったよ。よくやった」

本当に良くやり遂げてくれたよ

 

「どうする穂乃果。引くとしたら今ならまだ間に合うが―――」

「ううん。続ける!!」

 

俺の言葉を遮り、即答した

「私、こんな気持ち初めてなの!!もっと踊りたい、もっと歌いたいって思ったの!!

やって良かったって、本気で思えたんです」

己の思いを俺にぶつけてくる

「このまま誰も見向きもしてくれないかもしれない・・・でも、私達がとにかく頑張って届けたい、今、私達がここにいる、この想いをみんなに伝えたいの!!」

 

どうやら俺は妹たちを見くびっていたようだ

これほど絶望感を味わってもやり遂げ、そして前に進もうとしている。

兄としてもこれほどうれしい事はない

 

「よく言った!!俺も最後まで付き合うよ」

今はまだ、ほんの小さな光ではあるが・・・力強い光は決して消えることはない!

これからまだまだやることはたくさんあるが、この悔しさをバネに必ず這い上がる

完敗からのスタートだ

「仕切り直しだ。もう一度鍛え直すぞ」

この子達ならきっと叶う。

 

直感ではなく確信だ

 

「お前たち・・・・・いつかこの講堂を満員にさせるぞ」

「「「はい!!」」」

 

 

「・・・・・・よし!今日は頑張ったのだから俺のおごりで食べに行くぞ!!」

「いいの!?」

「やった♪」

穂乃果とことりは年相応に喜んでいたが

「ですが」

「海未。子供が変に遠慮なんかするな!お金の方は気にするな」

この子は気が真面目過ぎるからな

 

「お疲れ様でした」

「絢瀬さん、今回ありがとうございました」

「いいえ。私もいいものが見られて良かったわ」

思えばこの子にもずいぶん世話になったな

 

「絢瀬さん。マスターに頼んで宴会セット4人分お願いします」

「任せて!ザ・グレンリベットの18年物を用意して待っているわ」

「そりゃいい!!」

今回のライブは完敗の完敗を喫した。

しかし、この完敗で自分の足りない所、ダメな所、良かった所、伸ばすところが見えてきたはずだ。

だからこのファースライブはある意味いい経験なったと思う。

 

 

さて、俺も車を家に置いてきて飲みますか。

 

今日は長くいい夜になりそう




何とか5月中にファーストライブ編が終わりました。


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