〔数週間後〕
それは偶然だった。
私が町を歩いていると中の良さそうな男女のNPCを見たとき、女性の懐から小さな紙切れが落ちた。
私は拾って女性に渡そうとしたが、内容が気になり読んでみると
《日が沈み 水遊びしす》
と書かれていた。
普通人間ならわからないが、元軍の幹部であった私は暗号解読をしていたこともあり、隠してはいるものの、簡単に内容がわかった。
(日が沈みは西を表し、水は海だね。遊びは浮かぶものか小島だけと西には造船所があるから船、しすは忍びの誰からの情報かを表していると思うなー。)
私は紙を落とした男女がまだ見えることを確認し、気体になって追跡した。
【森】
おそらく隠れ里だろう。
小さい田にごみ溜めが見つかったので人が少しでもいることは確認できた。
小さな小屋の中でも一番大きな小屋に気体のまま侵入すると8人の男女が会話していた。
「どうするだ?このままじゃうちらはじり貧だべ。」
「本国からの補給がなければ生活はできんぞ。」
「大友とその周辺の調査と言われても・・・私達風魔党に帰るには戦地を突発しないといけないけど・・・。」
「我々の実力じゃ無理だな。」
私は彼らに声をかけてみることにした。
「ねぇ、うちに来ない?」
「だ、だれだべ!!」
気体が集まって私を形成し
「織田信長側近衆雨咲だよ。」
「なぜここに!!」
「教えるわけないじゃん。」
「ク・・・。」
「それよりも私に雇われない?身分は保証するよ。」
「何をやらせる気だ?」
「内偵だよ。」
「内偵・・・できんこともないが我らのような他国の忍を使うほど織田は衰えているのか。」
「違うよ。織田じゃなくて私が雇うの。」
「ほほう・・・何を支払う?」
「技術を教えるよ。」
「国内機密を我らに売るのか?」
「違うよ。」
私は前にいた男性の肩を掴み、オーラを流した。
「こ、これは!!」
「早くしないと死ぬよ。体のオーラを内側に留める感じにイメージすれば誰でもできる・・・いや、あなた達は才能があるからね。」
すぐにコツを掴んだのか男性はオーラを内側に留めると仲間達に
「・・・チャンスだ。したっぱで使い捨てだった俺らが躍進できるチャンスだ!!俺は雨咲様の下に付くぞ。」
その言葉に彼らは目の色を代える。
「・・・死ななくてすむ。」
彼らのうち誰かが呟いたその一言で彼らの心は折れた。
「「「お願いします。」」」
「背を向けて。イメージしてね。」
彼らにオーラを流し込む。
普通ならオーラが垂れ流しになり、死んでしまうが彼らはすぐに対応した。
「各自にこのオーラを色々してみな。工夫するのはあなた達だよ。」
私はそう言って小屋を出た。
彼らは私のあとを追うのだった。