戦姫絶唱シンフォギア 戦姫と音撃戦士   作:ユウキ003

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今回は絶唱しない編みたいな緩い回です。


閑話 「戦姫絶唱しないシンフォギア編」

それは、月の欠片の破壊後の事だった。

 

 

あの事件、『ルナアタック』から数週間が絶った後。

響と未来は無事再会し、街はボロボロなれどそこそこの平和を

享受していた。

 

そんなある日。二課の為に用意された仮訓練施設で……。

 

翼「ふっ!」

奏「はぁっ!」

ルナアタック後、正式に二課に戻って来た奏と翼が

スパーリングをしていた。

やがて、ある程度息が上がった所でスパーリングを

止める二人。

そこへ。

   『『ウホッ、ウホッ』』

   『『ピィッ!』』

二匹のアカネタカがタオルを。二匹のリョクオオザルが水筒を、

それぞれ二人に渡した。

奏「お、サンキュー」

翼「ありがとう」

それを受け取り、汗を拭きながら水分補給をする二人。

そんな時、翼はすぐ近くでディスクたちと戯れている奏に

目を向け、どこか羨ましそうな表情をするのだった。

 

はたまた、別の場所。

お昼時の食堂では……。

 

クリス、響、未来が集まって食事をしていた。

そして、そのクリスの傍では、以前の戦いで大破し、

アサギワシのパーツで修復されたキメラアカネタカが一匹、彼女の

隣の椅子の背もたれに止まっていた。

響「ねぇクリスちゃん。今更ながらに思うんだけど……」

クリス「ん?」

響「どうしてディスクアニマルをいつも連れてるの?」

クリス「あ、あぁ。これか。じ、実はその、ここに来るまで

    殆どこいつらと一緒に生活してたもんだから、

    何か一緒じゃないと落ち着かないって言うか……。

    あの先生から音叉を貰ってだな、その、時たま

    こうして一緒に居るんだよ」

そう言って、人差し指でキメラアカネタカの頭を撫でるクリス。

響「ふ~~ん」

そして、どこか羨ましそうに見つめる響だった。

 

はたまた、響と未来が一緒に居る時。

 「ねぇ未来。未来はクリスちゃんみたいにディスクアニマル

  を時々使ったりするの?」

未来「使う、って言うより一緒に居るって言った方が良いかな。

   たまにだけど、アカちゃん達を連れて散歩とかしてるよ」

響「あ、アカちゃん?」

未来「うん。アカネタカだからアカちゃん。ルリオオカミだから

   ルリちゃん。リョクオオザルだからリョクちゃん。

   アサギワシだからアサギちゃん。キアカシシだから

   キアちゃん」

響「な、何気に未来、ディスクアニマル達ペット気分でしょ?」

未来「え?!そ、そんな事無いよ~」

と、響から指摘されると驚いてから顔を赤くしつつそっぽを

向いてしまう未来。

つまり図星なのである。

 

その後。明日夢の元を訪れていた響達5人。

響「今更ながらに思うんですけど、そもそもディスクアニマルって

  どんな風に作ってるんですか?動きも殆ど動物と

  違わないし、この前奏さんが了子さんを助けた時、

  魂がどうの~って言ってた気がするんですけど」

明日夢「あぁ、成程。ディスクアニマルって言うのは、この

    銀色の体に自然界の動物の魂を吹き込んでいるんだ」

響・未「「へ~」」

明日夢「昔はお札みたいなのを折り鶴に変形させてたみたい

なんだけど、今はこうやって円盤に変形する

ディスクアニマルを使ってるんだ」

奏「ちなみに、今ここに居ない種類もあるぞ」

響「え?!そうなんですか!?聞きたいです!」

奏「じゃあ一通り教えるが。まずは赤いアカネタカ。青いルリオオカミ。

  その発展形のアサギワシとキアカシシ。それに緑色の

  リョクオオザルは知ってるだろ?」

響「はい!」

クリス「けど、何でタカとオオカミだけ新しくなったんだ?」

明日夢「元々、3種の中でオオザルだけが録画機能が

    持っていたんだ。そこで、アカネタカやルリオオカミに

    録画機能を追加したのがアサギワシとキアカシシなんだよ」

響「へ~。じゃあこの子達も録画とか出来るんですか?」

明日夢「うん。キアカシシなら140時間。アサギワシなら

    60時間。リョクオオザルなら20時間って

    所かな。専用のプレイヤーがあれば、そこに

    アニマルをセットしてデータをUSBとかに移す

    事も出来るよ」

響「う~ん、なんだか動くカメラみたいですね」

奏「あぁ、実際そんな使い方もしてるぞ。訓練の時の

  動きを撮影してもらって、後から見るとか、

  私も修行の時にそう言った事に使ったぞ」

未来「後は私も、散歩がてらに歩いた道をリョクちゃん達に

   録画して貰ったりして、安達先生からプレイヤーを

   借りてUSBにデータを移したりしてるよ」

クリス「私も似た感じかな。カメラみたいに何度か使ってるぞ。

    結構便利だよな」

未来「うん」

響「ほえ~」

と、ディスクアニマルと一緒な3人の会話に羨ましそうな

表情の響。

明日夢「で、話を戻すと、今の皆が知っている以外にも

    3種類程アニマルが居るんだ。カエルがベースの

    セイジガエル。蟹ベースのキハダガニ。

    蛇がベースのニビイロヘビ、なんて具合にね」

クリス「そいつらはこいつらと何か違うのか?」

奏「セイジガエル、キハダガニ、ニビイロヘビは水中でも

  活動できるのさ。私の師匠はセイジガエルを多めに

  持ってるな。後、別の鬼で威吹鬼って先輩は

  ニビイロヘビをたくさん持ってるな」

翼「成程。……ん?そう言えば奏。奏は金色の狼のような

  アニマルを連れているのを見た事があるが、あれは?」

奏「あぁ、あれはコガネオオカミ。私の前の斬鬼、先代斬鬼が

  使ってたのを私が受け継いだんだ。一匹しかいない

  特別な奴なんだよ」

特別、という単語に密に目を輝かせる響。

 

響「ち、ちなみにですけど奏さんやクリスちゃん、未来は

  アニマル達と一緒に居てどう?」

未来「私は、結構楽しいかな。ペットって言い方はアカちゃん

   達に失礼かもしれないけど、散歩したりしていると

   楽しいよ。飛んでるアカちゃんとかに指を差し出すと

   そこに止まったりする姿が結構可愛いの」

クリス「そうだな~。汗かいたりするとタオル取ってくれたり

    とか日常生活の中でも結構役に立ってると思うぞ」

奏「私は暇なときとかに一緒にランニングしてたりもするぞ。

  ルリオオカミとかは足速いから何匹かと一緒に走ったり

  した事あるな」

響「え~。何かみんなすっごい楽しそう。良いな~」

と、3人の感想を聞くと、羨ましそうな表情を浮かべる響。

翼「しかし、3人ともアニマルに対してかなり好印象の

  ようですね」

明日夢「これは一種のアニマルセラピーとも言えるからね」

響「アニマルセラピー?」

明日夢「そう。人と動物が触れ合う事で内在するストレスを

    軽減する療法の事だよ。ディスクアニマルも言わば

    動物。体は無機質でも中にあるのは動物の魂

    だからね。その触れ合いが決して悪い事じゃないって

    意味だよ」

響「へ~。でも良いな~」

と、頷きながらも、響は明日夢に羨望の眼差しを向ける。

理由は明日夢にもわかっている。

彼女の目が、『自分もディスクアニマル欲しい』と

物語っていた。

 

明日夢「え、えっと。じゃあ響ちゃんにも、一枚くらい

    上げようか?」

響「え!良いんですか!」

パァァァッと表情が晴れ渡る響。しかし……。

翼「あ、あの、明日夢先生」

不意に、翼が後ろから明日夢の白衣の裾を引っ張った。

振り返ると、そこには恥ずかしそうに顔を赤くした翼が。

 「わ、私にも、その……」

それを見て明日夢は苦笑を浮かべながら頷いた。

明日夢「わかった。それじゃあ後で勢地朗さんに頼んで

    二人分の音叉を送ってもらうよ。ディスクは

    僕が持ってるのの中から1枚、好きなのをどうぞ。

    音叉が届くまでは、小日向ちゃんや奏ちゃんに

    起動して貰って」

翼「ッ!はい!ありがとうございます!」

そう言って、嬉しそうに笑みを浮かべる翼。

 

ちなみに……

『『ニヤニヤ』』

嬉しそうな翼を見て奏とクリスは意地悪な笑みを浮かべ、

それに気づいた翼は羞恥で顔を赤くするのだった。

奏「まぁまぁ照れるなって翼!」

クリス「そうそう!お前にも可愛い所があるんだな~」

翼「く、屈辱だ……!」

と、翼をいじる二人であり、それを見た響達は笑みを

浮かべているのだった。

 

ちなみに、響はアカネタカ。翼はルリオオカミを一匹ずつ

貰うのであった。

 

 

その後……。

 

二課の基地が壊滅したため、仮の司令部として宛がわれた

潜水艦に、響達がやってきていた。案内の緒川を先頭に

艦内を歩く響や未来、翼や奏にクリス、明日夢達。

響「へ~。潜水艦が司令部になってるんだ~」

緒川「あの時の戦闘で都市は半壊し、加えて皆さんや

了子さんのエネルギーが残っていて、今はそれを除去する

為に閉鎖区域になってしまっています。二課の設備も

   カ・ディンギルの浮上やらなんやらで壊滅して

   しまいましたからね。当面はここが僕達の 

   仕事場です」

そう言いながら歩いていると、一つの扉の前までたどり着いた。

  「ここが司令室の艦橋です。中で司令達がお待ちです。

   どうぞ中へ」

そう言いながら扉を開く緒川。

そして入るなり……。

響「うわ~!すっご~い!」

中の様子を見て驚く響。

弦十郎「お?みんな来たみたいだな」

そして、彼女たちが来たのに気づいて椅子から立つ弦十郎。

   「どうだ?この新しい仕事場は!」

響「とってもカッコいいです師匠!」

弦十郎「そうかそうか~!はっはっはっは!響君はロマンって

    奴が分かってるな~!」

と、豪快に笑う弦十郎と目をキラキラさせる響を前に

苦笑しながら肩をすくめる奏たち。そこへ。

 

了子「相変わらず弦十郎君はそう言うの好きなんだから~」

不意に、艦橋内に了子の声が響いた。

響「え?この声了子さん?」

驚き、響達は周囲を見回すが声の出どころは分からなかった。

その時。

了子「ここよここ」

と、再び声がしたかと思うと、中央のモニターに二課の時と

同じ了子の姿が映し出された。

  「は~い♪」

響「了子さん!」

画面に映った彼女を前に笑みを浮かべる響だが、不意に

疑問に思った事があった。

 「ってあれ?そういえば了子さん今どこに居るんですか?」

と、疑問を口にした響。

了子「今の私のボディ。ディスクはこの船の制御装置に

   接続されているわ。言わば私はこの船の中枢AIね。

   今のこの姿はゲームのアバターって所ね。言わば、

   今の私は電子の妖精ね♪」

そう言って、ウィンクをする了子。

ちなみに……。

緒川『……あなた歳いくつですか、とは口が裂けても

   言えませんね』

と、思っていた緒川。しかし……。

了子「緒川く~ん?ちょっと覚悟しておいてね~?」

緒川『なぜバレた!?』

そんなやり取りがあったりした後。

 

クリス「なぁ、所でフィーネ、えっと、櫻井了子だっけ?

    世間的にはどうなったんだ?」

弦十郎「その辺は抜かりない。上には、櫻井了子を名乗っていた

    フィーネは戦闘の末消滅。我々が作り出したAIは

疑似的に了子君の性格を模した物。と、適当に

報告しておいた。だから心配は要らん!」

了子「よくもまぁそんな報告書が通った事」

弦十郎「ふっ。嘘は言ってない。フィーネの肉体が消滅

    したのは事実だし、彼女が復活を示唆したのも

    報告済みだ。消滅から物の数秒で復活した、

    とは伝えていないがな。流石に、フィーネが

    無事に生きていたと、国のお偉方や外国の

    連中に知られると不味いからな。

    了子君が無事と知っているのは、ここに居る

    俺達だけだ」

あきれ顔の了子と、笑みを浮かべる弦十郎。

了子「そう言うのは消滅とか復活じゃなくて生き延びたって

   言ってちょうだい。と言うか弦十郎君、それって

   公務員的にアウトなんじゃないの?」

弦十郎「ふっ。アウトで多いに結構。折角了子君が

    無事だったんだ。それを水泡に帰す訳には

    行かないからな」

了子「やれやれね。……まぁでも、ありがと」

と、以前の二人のようなやり取りに、笑みを浮かべる響達。

弦十郎「と、まぁと言うわけでフィーネもとい了子君は

    公的には死亡扱いになっていて、ここに居る了子君は

    疑似AIって事になってる。あんまり外にこの情報

    漏らさないでくれよ。俺達全員の首が飛ぶからな」

と言って、手刀で自分の首をズビッと切る仕草をする弦十郎。

響「だ、大丈夫ですよ!絶対誰にも喋りませんから!

  ねっ!みんな!」

と、振り返るが、翼やクリス達はじ~っと響の方を

見つめていた。

 「な、何?」

視線を前にたじろぎながら疑問符を浮かべる響。そして、

彼女たちを代表してクリスから帰ってきた言葉は……。

クリス「お前が一番真っ先に情報漏らしそうなんだよな~」

翼・奏・未「「「うんうん」」」

響「そ、そんな~!」

彼女の言葉に頷く親友と先輩たちを前に、ガ~ンと擬音が

聞こえてきそうなほどショックを受ける響。

ちなみに明日夢は、その近くで苦笑を浮かべる事しか

出来ないのだった。

 

ちなみに、他にも……。

 

クリス「フィー、あ、いや、その、了子」

と、どうやらまだ了子と呼び慣れないのか四苦八苦するクリス。

了子「ん?どしたの?まだこの姿は呼び慣れない?」

クリス「い、いや、別にそう言うわけじゃ……」

口をすぼめながらもそっぽを向くクリス。

それを見た了子は笑みを浮かべながら……。

 

了子「何なら姿と口調、変えようかしら?」

響「え?変えるって、了子さん姿を変えられるんですか?」

了子「そりゃもちのろんよ♪この姿はあくまでもアバター。

   その気になれば変幻自在よ。例えば……」

 

フィーネ「こんな風にな」

 

と、画面の中で了子が一回転すると、見た目が瞬く間に

フィーネのそれに変化した。

 

   「「「「「「「…………」」」」」」」

しかし、そんなフィーネを前に艦橋の居た面々が硬直して

しまった。

フィーネ「ん?どうした?」

聞き返すが、答えが返ってこない。

    「おいどうした?何か不味い事でもあるのか?」

少し怒り気味に聞くと、弦十郎が口をパクパクと動かす。

    「ん?どうした?言いたい事があるのなら

     はっきり言ったらどうだ?」

弦十郎「ふ、ふふ、ふ」

フィーネ「ふ?」

 

弦十郎「服を着てくれぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」

 

フィーネ「は?」

そして、弦十郎の叫びと彼女の疑問符が艦橋内に響いた。

 

そう、今のフィーネのアバターは、『全裸』だったのだ。

そして彼女は自分の体を見下ろして初めて言葉の意味を

理解した。

    「何だそんな事か」

弦十郎「そそそ、そんな事じゃないぞ了子君!」

フィーネ「生憎私はフィーネとしての時は殆ど全裸だった

     のでな、こっちの方が心地いいのだ」

弦十郎「ここは君の家じゃないぞぉぉぉぉっ!」

 

と、そんな問答をしている間に、衝撃から抜けきらないのか

ボケ~っと画面を見続けていた響達。そして、一番に

我に返ったのが……。

響「はっ!?」

彼女だった。そして……。

 「あ、明日夢先生は見ちゃダメ~~~~!」

と、叫びながら……。

   『ドゴォォォッ!』

明日夢「ぐふぅっ!?」

彼の腹部に思いっきり頭突きをしてしまった。

床に倒れる明日夢。

更に……。

翼「お、緒川さんも見てはなりませんっ!」

   『ドゴォッ!』

緒川「うぅっ!?」

翼の見事なボディブローが緒川に命中した。バタリと明日夢の

近くに倒れる緒川。

朔也「あぁ!明日夢君!緒川さん!だ、誰か医者を!医者を!

   って明日夢君が医者か。……じゃなくて!誰か、誰か!

   メディック!メディィィィィックッ!」

と、彼の悲痛な叫びが響くのだった。

 

はたまた……。

未来「………」

驚きと困惑で固まっていた未来。しかしその時。

  「はっ!そう言えば、クリスって少し前まで

   フィーネさんと同棲してたんじゃ……」

   『『はっ!?』』

その言葉にハッとなった、クリスの左右に居た翼と奏は……。

 

静かにクリスと距離を取った。

クリス「ば、バカっ!変な勘違いすんなよ!

    フィーネが普段から裸なだけで私は!」

フィーネ「服は着てても露出度は私とそんなに変わらなかったな」

クリス「バラすなよバカやろ~~~~!」

涙目で訴えるクリスと未だ全裸なフィーネ。朔也は倒れて

動かない(若干痙攣してる)明日夢と緒川に付き添ったり、

未だにフィーネと問答している弦十郎。クリスから

距離を取る響や翼に奏や未来。

 

 

何だかんだでも、彼女たちの周りは平和であった。

 

今は、まだ。

 

     絶唱しないシンフォギア END

 

 

次回 戦姫絶唱シンフォギアG編へ

 




え~、というわけで公的には櫻井了子、フィーネは死亡、もとい
消滅という扱いになっており、生きてる事を知っているのは弦十郎達だけ、
という展開です。まぁこれが実はG編に色々関係ある訳で……。
その辺りは本編をお楽しみに!
今後ともよろしくお願いいたします!
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