戦姫絶唱シンフォギア 戦姫と音撃戦士   作:ユウキ003

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投稿が遅れてしまい大変申し訳ありませんでした。


第3話 「分岐点」

――前回までのあらすじ――

明日夢の初変身から2年の月日が流れ、今では明日夢、奏、翼の

3人でノイズとの闘いを続けていた。

そんなある日、2年前の戦いで心臓にガングニールの破片を受けた

一人の少女、立花響がシンフォギアの力に覚醒した。

明日夢達の上司である弦十郎は響に戦いの協力を要請するが、

先輩に当たる奏達は響の参戦を否定的に受け止めるのだった。

 

 

響に二課の秘密を話してから早い物で一か月が立った。

結局、ノイズとの戦いに参加する事にした響だったが、

その戦法は良く言えば足を使ってのかく乱戦法。

悪く言えば、ただ逃げているだけの囮のような戦い方だった。

初めて翼や奏と一緒に戦うと言った姿勢はどこへやら。

戦場では唯々逃げ回り、スコアは襲ってくるノイズをただ振り回した腕の

まぐれ当たりで倒す程度。はっきり言ってしまえば役立たずだった。

 

そして、その戦いの場に奏の姿はなかった。

 

数日後の朝。

その日、響は未来と共に学食で朝食を取っていた。

その時、食堂に備え付けられていたテレビがニュースを流しだした。

 

  『続いてのニュースです。数日前、突如として一時的な活動休止と

   なったツヴァイウィングについてです』

それを聞いて、未来と響、同じく数人の生徒達の箸が止まった。

  『ここ数年で急成長し注目を集めていたツヴァイウィングの

   天羽奏さんと風鳴翼さんのお二人ですが、天羽奏さんが

   体調不良を理由に長期療養に入る事になり、急きょお二人は

   活動を停止。天羽奏さんは療養に入り、風鳴翼さんは今後、

   ツヴァイウィング復活の間までソロ活動を続けると言う事が

   事務所から発表されました』

未来「ツヴァイウィングも一時的に解散か~。しばらくあの二人の

   歌が聞けないのは残念だね~響。……響?」

響「うぇ!?あ、う、うん!そうだね!」

と、ボケ~っとしていたため、唐突に話を振られてびっくりする響

 『本当は、長期療養じゃないんだけどね~』

 「…なんて、口が裂けても言えないよ~」

未来「何か言った?」

響「う、ううん!なんでもないよ~!」

と言いながら食事に戻る響だった。

 

事の始まりは数週間前。

 

その日、明日夢、弦十郎、響、奏、翼の5人が

ブリーフィングルームに集まって話をしていた。その話題と言うのが……。

 

響「か、奏さんがしばらく戦えなくなるってどういう事ですか!?」

唐突に話し出された話題についていけず、声を上げる響。

弦十郎「……それについては、まず明日夢から君に説明がある。

    明日夢、頼む」

明日夢「はい。…まず、響ちゃんにはシンフォギアについて、もう一つ

    説明しなくちゃいけない事があるんだ」

そう言うと、響の前に小さなケースを開いて置き、中身を見せる明日夢

その中には小さな注射器のような物が入っていた。

響「これって、何ですか?」

明日夢「その薬の名前は『LINKER』。了子さんが作り上げた物で、

    それは本来ギアを纏えない人、正確には纏いたくても適合係数が

    基準値以下の人の適合数を人工的に補助する薬。という事だよ。

    響ちゃんに分かりやすく言えば、適合係数上昇薬、とでも

    言った方が良いかな。……響ちゃんや翼ちゃんはこの薬、

    LIKERが無くてもギアを起動。一言で言えば変身できる。

    但し、奏ちゃんだけは、LINKERを定期的に使わなければ

    ギアを装着する事はできないんだ」

響「そうなんですか」

明日夢「但し、このLINKERにも欠点がいくつかある。

    まず第1に、無理やり適合係数を上げる事になるから、使用者に

    かなりの負担をかける事になる。

    第2に、使用後には適切かつ迅速な体内洗浄が望まれる事。

    第3に、これは使用者それぞれに合わせて確かな成分の

    調整が必要になるんだ。言ってしまえば、今の奏ちゃんは

    体を犠牲にして戦っているような物なんだ。

    これは劇薬だから、服用した後、体内洗浄を行っても

    その効果や成分はごく僅かだけど、体内に残る。それが

    奏ちゃん自身の寿命を縮めていると言っても良い」

響「そ、そんな!そんな危ない薬まで使って今まで戦ってたんですか

  奏さん!?」

奏「確かに……。但し、1年半ほど前までの話だがな」

響「ふぇ?」

明日夢「僕が医師としてここに入った時から、元々これの使用には

    反対だったんだ。それで、時間をかけて、これ、LINKERに

    頼らないギアの適合係数を上昇させる方法を見つけたんだ。

    ただ……」

弦十郎「明日夢、そこから先は俺が」

明日夢「はい。わかりました」

返事をした明日夢は、そう言って椅子に腰を下ろした。

 

弦十郎「今言った通り、奏は今でこそLINKER無しで戦える

    ようになった。だが、それでも翼や響君の適合係数に

    比べれば奏のそれは低い。何より、ギアを使い続ける事自体も

    危険だ。そこで我々二課はある決断をした」

響「ど、どんな、ですか?」

弦十郎「…奏を、鬼にするんだ」

響「へ?……。それって、明日夢先生みたいな鬼って事ですか?」

弦十郎「そうだ。鬼とは、それになるだけでも相応の体力、精神力が

    必要なのは既に明日夢から聞いているな?」

響「は、はい」

弦十郎「だからこそ、我々は奏を鬼にすべく、彼女を鬼の

    支援組織、『猛士』に預け、そこでみっちり鍛えてもらう事にした。

    だが、そうなれば当然奏はしばらく戦線には復帰できない。

    そうなれば、我々は翼、明日夢、そして……。君、

    即ち立花響君。君達のスリートップで戦うしななくなる。

    君は、それで良いのか?」

響「私が…先生や翼さんと……。

  わかりました!私、やって見せます!」

と、彼女は意気込んでいた。しかし、相変わらずその決断には渋い顔を

している奏、翼、明日夢だった。

 

数日後、響は二課に呼び出されてこれまでのノイズの活動や

完全体聖遺物≪デュランダル≫についてを説明されている一方。

今、明日夢は自分の車に奏を乗せて鬼の支援組織、猛士の関東支部、

甘味処たちばなに向かっていた。

 

奏「それにしても、私が鬼か~。なぁ先生、鬼ってどんな武器を

  使って戦うんだい?」

明日夢「鬼の武器は主に、僕が使ってる音撃棒。サブで持ってる

    音撃管。後はギター状の大剣、音撃弦の3つだね」

奏「太鼓にトランペット、最後はギターか~。何か

  奏者の私たちと鬼の先生たちが居たらまるでバンドだな」

と言って笑みを浮かべる奏。

明日夢「バンドって。……あ、見えてきたよ」

奏の言っている事に苦笑いしつつ、明日夢は目的地に到着した

事を彼女に教えた。

 

たちばなの近くに車を止め、お店の前に来る明日夢と奏。

ちなみに、名目上休養中である奏は周囲の人にばれないように

大き目の麦わら帽子とサングラスをかけていた。

奏「ここが、鬼を支援してるって人達の店か」

明日夢「そういう事。さ、入ろう」

奏を連れて暖簾をくぐり、お店の中に入る明日夢

   「こんにちは~」

日菜佳「あ!明日夢君!」

中で店番をしていたこの支部の事務局長である≪立花勢地朗≫の

娘、≪立花日菜佳≫が二人を出迎えた。

 

明日夢「日菜佳さん。お久しぶりです」

日菜佳「明日夢君も久しぶり~!いや~大きくなってね~。

    あ、後ろの子が?」

明日夢「はい。電話で伝えた奏ちゃんです」

日菜佳「わかった。あ、詳しい話とかはこっちでね」

そう言って、スタッフ用の奥へと二人を案内する日菜佳

 

明日夢「勢地朗さんや香須実さんは居ないんですか?」

日菜佳「うん。野暮用でちょっと出かけててさ。こっちよ」

そう言って案内された奥ではもう一人の女性が待っていた。

その女性と言うのが……。

 

みどり「あら。明日夢君、来たわね~」

彼女の名は≪滝澤みどり≫。この支部に勤務する鬼の装備、

ディスクアニマルの開発を行うメカニック的存在だ。

明日夢「お久しぶりです。みどりさん」

みどり「ほんとにね~。と、話がそれて、自己紹介がまだ

    だったわね」

そう言って奏の方に向き直るみどり

   「初めまして。私は滝澤みどり。鬼の装備の開発を行っている

    スタッフよ。噂や歌、企業秘密の事も色々聞いているわ。

    よろしくね、天羽奏ちゃん」

奏「あぁ、よろしく」

差し出されたみどりの手を取って握手を交わす奏

みどり「うん。それじゃ明日夢君。しばらくこの子はウチで

    預かるから」

明日夢「はい。明日には郵送で奏ちゃんの着替えとかも届くの思うので、

    よろしくお願いします」

みどり「うん。…ただ、一から特訓となるから、基礎は問題ないとしても、

    最低でも数か月。或いはそれ以上の時間をかける事になるかもしれないの」

明日夢「わかってます。鬼の修行は生半可じゃないのは、僕自身が知って居る

    つもりです」

みどり「うん。そっちにはこっちから定期的に経過報告をするから。

    明日夢君の携帯で良いんだよね?」

明日夢「はい。お願いします」

みどり「うん」

 

奏「先生。私、強くなって必ず戻っていくぜ。それまで、翼や

  みんなの事、任せたぜ」

明日夢「うん。……鬼の使命は人の命を脅かす魔を断つ事。

    ノイズに、人々の平和は脅かさせないよ」

そう言って拳を握りしめる明日夢だった。

 

こうして、この日から奏は猛士でお世話になりながら鬼としての

修行を始めたのだった。

 

そして、数日後。

 

再びノイズが現れた。場所は地下鉄の駅構内。

明日夢が駆け付ける頃には、その入り口で響が誰かに電話を掛けていた。

 

既に階段の下にはノイズがうじゃうじゃと沸いていたが、明日夢は音撃管を

構え、無言で響の方を見て、頷いた。

響「ありがとう。……ごめんね」

そう言って、電話を切る響。

 「お待たせしました。先生」

明日夢「誰かと、約束があったんだね」

響「はい。でも……」

そう言って悲しそうな顔をする響。

明日夢「…僕もできるだけ、早く終わらせるために努力するよ」

響「え?」

明日夢「誰かの夢や未来を守るのが、医者であり、鬼である今の僕の使命

    だからね」

そう言って、明日夢は音叉を取り出し、立たせた。

   「行くよ。響ちゃん」

響「はい!」

 

返事をした響は前を見据え、明日夢は音叉を入り口の柱部分に

打ち付けた。

   ≪キィィィィン≫

 「♪~♪♪~」

静かに澄んだ音を発する音叉と聖唱を謳う響。

 

音叉を額に当てた明日夢の体を紫色の炎が包み、響の体を光が包んだ。

そして、二人が光と炎を払うと、明日夢は鬼へと。響はギアを纏った姿

へと変身した。

 

明日夢「響ちゃん!行くよ!」

響「はい!」

そう言って駆け出していく響と明日夢。

 「♪~~♪~~!」

ギアの共振によって彼女自身の頭に浮かぶ旋律を口ずさみながら

オレンジ色の一体を殴り飛ばし、その横に居た青いノイズを蹴飛ばした。

その響にもう一体が飛びかかるが……。

   ≪ガガガン!≫

それを明日夢の持つ音撃管からの銃撃が貫いて倒した。

明日夢「後ろと援護は任せて!」

その言葉に歌いながらコクンと頷く響。

 

響が前衛を務め、それを後ろから援護する明日夢。

やがて二人は改札部分にたどり着き、この騒動の元と思われる

人型のブドウのようなノイズを見つけた。

 

弦十郎『そいつが親玉だ。だが、無茶はするなよ』

通信機を通して、聞こえてくる司令部の声。

響「わかってます!私は、私にできる事をやるだけです!」

そう言って飛び込んでいく響と、それを音撃管で援護する明日夢。

 

その時、最後列に居たブドウを背負ったようなノイズが

背中の球体を無数に分裂させ、響の方へと飛ばしてきた。

彼女の前で無数に炸裂する球状生体爆弾。

明日夢「ッ!危ない!」

 

明日夢は咄嗟に響の前に躍り込み、彼女を庇った。

爆発の衝撃で天井も崩落し、二人は生き埋め状態となってしまった。

その間に護衛のノイズを残して逃亡する薄紫色のノイズ。

 

と、その時。『ガラガラ』と言う音を立てながら、瓦礫を退かし、

その下から現れる明日夢と響。

 

そして再び、二人はノイズを追いかけだしたのだが……。

 

明らかに響の様子がおかしい。

殆ど怒気に飲まれ、その表情は狂気とも取れる表情に変化していき、

彼女は嬉々としたままノイズを屠っていった。

 

明日夢『不味い』

   「響ちゃん!」

怒気に囚われたまま紫色のノイズを追おうとする響を、

咄嗟に明日夢が肩を掴んで止め、前方から転がってきた

無数の爆弾を撃ち抜いた。

 

そして、その爆音によって正気に戻った響は明日夢と

共に再びノイズを追ったのだが、ノイズは路線の天井に

穴をあけ、そこから悠々と外に逃げ出そうとしていた。

明日夢「ッ!待て!」

咄嗟に銃撃する明日夢だが、圧縮弾は虚しく空を切った。

   「逃がさない!」

そう言ってノイズが開けた穴のでっぱりに飛びつき、上を目指そうとする

明日夢。だが、この時、響はその穴から見える空に

一つの流れ星のような物を見つけていた。

 

だが、それは流れ星ではない事をすぐに知る事となった。

何故なら……。

 

翼「♪~~~♪~~~」

次の瞬間、逃亡していたノイズめがけて上空から

青い光刃が襲い掛かり、ノイズを真っ二つに切り裂いた。

 

響が流れ星だと思っていたのはギアを纏った翼だったのだ。

着地した翼に近づく響。

響「私だって、護りたいものがあるんです!だから……!」

翼「………」

明日夢「響ちゃん」

 

と、その時だった。

???「だから?んでどうすんだよ」

いきなり明日夢達とは異なる第三者の声が響いた。

声のした方に振り返る3人。

 

やがて、雲で隠れていた月が姿を現し、月明かりに照らされて、

ゆっくりと声の主が姿を現した。

 

響や翼のギアに似た白い鎧と両肩から生える紫色のクリスタル。

そして、翼はその鎧の正体を知って居た。

翼「ネフシュタンの、鎧……!」

明日夢「あれは……。間違いない」

 

明日夢は静かに腰元に備え付けられている音撃棒に手を伸ばした。

   『あれは2年前のライブの時に暴走して、失われたはずの

    デュランダルと同じ完全聖遺物。そもそも、彼女は一体?

    いや……今はそんな事より』

静かに音撃棒を構える明日夢。

 

 

ノイズとの戦いは序章でしかない。闘いは、終わらない。

     第3話 END

 

 

 




という事で、奏は鬼路線になりました。
しばらくは登場しない事になります。
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