私のもう一人のお兄様がなんか変人   作:杉山杉崎杉田

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冬也お兄様の夏休み3

 

 

「大体お前らなぁ! サポートってかむしろ邪魔してただろ!」

 

「誤解だ、桐原。最後にお前に綺麗に勝たせてやる予定だった」

 

「会頭も! つーか今更だけど十師族がこんな所で遊んでていいのかよ!」

 

「仕事だ。さっきまで『十文字焼き』をやっていた」

 

「十文字家はもうだめだな」

 

「んだとコラァッ‼︎」

 

なんてやってると、「あの……」と幹比古が声を上げた。

 

「どうした? 吉田」

 

気付いた服部が聞き返す。

 

「あの、壬生先輩は?」

 

「………あっ、そういえば」

 

直後、ヒラッと紙が降って来た。

 

「なんだこれ」

 

『司波冬也とそのお仲間の全力ボケナス様

貴方達のお姫様は預かりました。返して欲しければ、指定の場所まで来てください。 エガリテ残党より』

 

「! ど、どうしますか!?」

 

「エガリテか……生き残りがいたのか」

 

焦った様子で幹比古が言うが、残りの四人はニヤリと微笑んだ。

 

「いいじゃないか、是非とも行ってやろうぜ」

 

「そうだな。どちらにせよ、取り返すには変わりない」

 

「懲りてないみたいだし、次は息の根を止めてやるか」

 

「この面子に喧嘩売るとは、バカな奴らだ」

 

(あっ、これは……)

 

頼もしすぎてダメになりそう、と思った。

 

*

 

指定の場所、廃倉庫。

 

「ち、ちょっと! 私をどうする気!?」

 

「はっ、お前はどうもしねぇよ」

 

「俺たちが狙ってんのは司波冬也だ」

 

「冬也くん……?」

 

「ここをあいつの処刑台にしてやる」

 

ニヤリと笑う男達。何とかして脱出したい壬生だが、魔法が苦手で何も出来ない。

 

(助けて……誰か……)

 

直後、倉庫の扉が吹き飛んだ。

 

「っ!」

 

「なんだっ?」

 

「来たようだぜ」

 

現れたのは五人の男達だった。しかし、何故か首から下はタイツだ。

 

「まずはレッド、桐原武明!」

 

「そしてブルー、司波冬也」

 

「ブラック、十文字克人」

 

「イエロー、吉田幹比古!」

 

「ぴ、ピンク……服部刑子……」

 

「「「「「五人揃って!」」」」」

 

ドカァーーーン!

 

「「「「「マホレンジャー!」」」」」

 

ポカーンとするエガリテ残党と壬生。

 

「………あのさ、やっぱ性別まで変えることないと思うんだよね」

 

「いや、そこは拘ってこそだろう」

 

「そうですよ、せっかく性転換魔法もあるんですし」

 

「………ひどい」

 

直後、エガリテ残党が言った。

 

「おい、ふざけてんのか?」

 

「それより動くなよお前ら。動いたらこの小娘……」

 

直後、桐原が壬生に向かってダッシュした。

 

「話聞いてた!?」

 

「おい、殺せ!」

 

一人の団員が壬生にナイフを突き付けた。だが、その男は大きく吹き飛ばされた。

さっきの恥ずかしがっていた様子と大きく変わって、服部の魔法だ。さらに、別の奴を雷童子で幹比古が撃破。

 

「このっ……!」

 

反撃してきたが、十文字がガードする。

 

「オォォォラアァァァァッッ‼︎」

 

木刀を構えた桐原が気合一閃、敵をブン殴った。そして、壬生の横に座った。

 

「大丈夫か? 壬生!」

 

「桐原くん……!」

 

「良かった……」

 

ギュッ、と抱き締めようとした桐原だが、その横をドドドドッと走り去る冬也、服部、十文字、幹比古。四人は容赦なく敵を袋叩きにした。

 

「桐原! じゃないレッド! あとは俺たちに任せろ!」

 

「お前は壬生を連れて逃げろ!」

 

「ちゃんと決めろよ! 時間まであと5分ないぞ!」

 

「吉報、待ってますからね!」

 

桐原は、壬生の手を引いてその場から離れた。

 

*

 

「ち、ちょっと桐原くん! あの子達いいの!?」

 

「あいつらが負けるところを想像できるか?」

 

「………ごめん」

 

で、桐原が逃げた先は小さな公園だった。

 

「ここは……?」

 

「………間に合った」

 

一息ついて、二人はブランコに座った。直後、ヒュ〜……という音の直後、ドォンッという風流な音がした。花火の音だ。

 

「綺麗……もしかして、この為にここに……?」

 

「あ、ああ……」

 

「ありがとう、桐原くん……!」

 

二人でそのまま花火を見る。花火の光によって見える壬生の横顔を見て、桐原はため息をついた。

 

「? 桐原くん?」

 

「あー、ダメだ。もう抑えらんねぇ」

 

「? 何が?」

 

「壬生……」

 

「な、何?」

 

「好きだ」

 

「………へっ?」

 

「壬生、俺は、お前が好きだ」

 

「………………へっ?」

 

かあっと顔が赤くなる壬生。

 

「付き合って、くれるか?」

 

「……………」

 

真っ赤な顔をしたまま、目をパチパチする壬生。すると、プッと噴き出した。

 

「ふふっ、やっぱらしくない。いつも馬鹿やってるくせに」

 

「う、うるせっ」

 

「ふふふ……。こちらこそ、よろしくお願いします」

 

壬生は喜んで受け入れた。

 

*

 

「桐原先輩、末長くお幸せに」

 

「それより冬也、こいつらの始末どうすんだよ」

 

「焼いとく?」

 

「過激だな。まぁ俺に任せろ。十師族だし」

 

四人はその場で退散した。

 

 

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