さらに3日後。バカンス終了まで一週間、半分が終わってしまった。
ここ最近、兄の事で随分と悩まされている。冬也お兄様に相談しようにも、毎日のように基地に遊びに行っててほとんど別荘には帰って来ていない。あの人、入隊したんじゃないだろうな。
そんな中、すべての情報機器から緊急警報が流れ出た。
『西方海域より侵攻』
『宣戦布告は無し』
『潜水ミサイル艦を主兵力とする潜水艦隊による奇襲』
『現在は浮遊状態で慶良間諸島を攻撃中』
聞きなれない言葉ばかりだったが、ひとつわかったのは潜水ミサイル艦の文字。もしかして、この前のクルージングの時の相手はこの前触れだった?
「便宜を図っていただけるよう真夜様にご依頼します!」
「ええ、お願い」
桜井さんがそう言って、お母様も緊張気味に頷いた。
突然の戦争状態に誰もが焦りを見せたが、私はそれよりも冬也お兄様のことが気になった。今日も元気良く基地で遊んでるらしい、つまり軍の基地にいるのだ。
すると、私の携帯に電話が掛かってきた。
「も、もしもし?」
『司波家のアイドルぅ!冬ちゃんだよー!よっろしくぅー!』
「お父様ですか?」
『え?いや違う違う父ちゃんじゃなくて冬ちゃん。それよりさ、玄信さ……風間大尉が基地のシェルターに避難しないかって』
「!」
私はすぐにお母様に声をかけた。
「お母様、冬也お兄様が風間大尉に基地のシェルターに避難しないかって……」
直後、さらに桜井さんがお母様に受話器を手渡した。
「真夜様からお電話です」
それを聞いて、お母様は受話器を取った。
「もしもし、真夜?……ええ、私よ。……そう、貴女が手を回してくれたのね……でも、かえって危険ではなくて?……そうね、分かりました。ありがとう」
通話を終えたのか、受話器を桜井さんに返した。
「奥様、真夜様は何と?」
「国防軍のシェルターに匿ってもらえる様、話を通したそうよ」
「しかし、かえって危なくはありませんか?」
「私もそう言ったのだけど、明確な敵対状態ですらなかったのに、いきなり奇襲をかけて来るような相手に、ルールの遵守は期待出来ないそうよ」
「それは、そうかもしれませんが……」
「大した労力じゃないとはいえ骨を折ってもらったんだし、真夜の言う通りにしてみましょう」
そういうわけで、私達は車で迎えに来た桧垣ジョセフ上等兵に、シェルターまで送ってもらった。
*
基地に到着した。私達はシェルターへの案内を待っている状態だ。意外なのは、私たち以外にも民間人がいたこと。
でも、私はそんな事よりも、すぐに冬也お兄様を探しに行きたかったのだが、そんな勝手な行動は許されない。車の中での桧垣上等兵の話だと、最後に見た時は真田中尉と、「下着解体」とかいう魔法を発明して、藤林という人で実験しようとしていたらしい。ほんと何してんのあの人。
「奥様、冬也くんは……」
桜井さんも同じことを思っていたのか、お母様の耳元でそう言った。
「後でいいわ。あの子なら大丈夫でしょう」
あの子なら?どういう意味だろう、冬也お兄様は魔法は苦手なはずだ。お母様は冬也お兄様が心配ではないの?
なおさら、深まる不安にソワソワと体を動かし、キョロキョロと辺りを見回したりしてると、兄と目があった。
「大丈夫だよ、深雪」
兄は過去にないほどに優しい声でそう言った。
「俺がついてる」
………それ、反則………!
どんな顔をしていいのか分からない。だめよ、落ち着いて。落ち着きなさい。動揺してはダメ、そう自分に言い聞かすほど、落ち着かなくなっていった。
ええい!こんなのは吊り橋効果よ!ホラーハウスよ!私はISのチョロイン共とは違うんだから!
そんな事を思ってると、兄は急に椅子から立ち上がった。桜井さんもだ。
「達也くん、これは……」
「桜井さんにも聞こえましたか」
「じゃあ、やっぱり銃声……!」
「それも拳銃ではなく、フルオートの、おそらくアサルトライフルです」
「状況はわかる?」
「いえ、ここからでは……この部屋の壁には、魔法を阻害する効果があります」
「そうね……どうやら、古式の結界術式が施されているようだわ」
「部屋の中で魔法を使う分には問題ないようですが……」
私にはさっぱりわからないことを兄と桜井さんは話している。
「おい、き、君たちは魔法師なのか」
すると、別の男性が桜井さんと兄に声をかけた。
「そうですが?」
「だったら何が起こっているのか見てきたまえ」
………え、何言ってるのこの人。
「私達は基地関係者ではありませんが」
ムッとした口調で桜井さんは言った。
「それがどうしたというのだ。君たちは魔法師なのだろう」
「ですから私たちは」
「ならば人間に奉仕するのは当然の義務ではないか」
イラッとした。こいつ何言ってんの?冬也お兄様風に言うと、バカなの?死ぬの?
「本気で仰っているんですか?」
殺気とも言えるオーラを隠すことなく桜井さんは言った。
だが、お母様は全く意外なことを言った。その男性の言うことなどまるで耳に入っていなかったかのように、兄を呼んだ。
「達也」
「何でしょうか」
「外の様子を見てきて」
しかし、兄は珍しく、それに難色を示した。
「……しかし状況が分からぬ以上、この場に危害が及ぶ可能性を無視できません。今の自分の技能では、離れた場所から深雪を護ることは」
「深雪?」
お母様はそれを冷たい声で遮った。
「達也、身分を弁えなさい」
「………失礼しました」
私ですらゾクっとした声に、兄は一言謝罪し、それ以上反論はしなかった。
「……達也くん、この場は私が引き受けます」
桜井さんが横から口を挟んだ。
「分かりました。様子を見て来ます」
兄はそう言うと、部屋から出て行った。
冬也「あーらら、とうとうギャグとか思い付かなくて、俺の出番も電話で台詞一つしかなくなったよ」
深雪「リアルな話しないで下さい。とちうかなんですかこれ、後書きに何やってんですかこれ」
達也「ガンダムとアベンジャーズネタ多過ぎて飽きられてるのに気づいてませんからね」
冬也「と、いうわけで、今回はこんなネタをやっているんだが、どう思う?」
深雪「うぇ?こんなネタやってるって……現在進行形なんですか?」
達也「ゴッグ!」
冬也「ザク!」
深雪「いきなりモビルスーツの名前連呼しないでください!ていうか本当何やってんですか⁉︎」
達也「まぁ落ち着けよ深雪。それより本気で気付いてないのか?」
冬也「すごいバカな深雪だから仕方ない」
深雪「! 誰がすごいバカですが誰が!」
達也「これで完成ですね。ウェーイ」
冬也「ああ。イェーイ」
深雪「ち、ちょっと!結局何が……!」
達也「まだ分からないのか。全員の台詞の最初の文字を取ってみろ」
あ り が と う ご ざ い ま す !
冬也「スゲェだろ!」
深雪「無駄な努力!ていうか途中から雑になってんでしょうが!ていうか私もその中に組み込まれてたの⁉︎てかそれ誰に対してのお礼……ああもうっ!捌ききれない!」
達也「と、いうわけで雑な追憶編!」
冬也「あと少しで終わるから我慢してください!」
深雪「締め方も雑か!皆さん、すみませんでした!」
終わり