女性の悲鳴の方へ急いで駆け付けると、卍解・大紅蓮氷輪丸のような姿をした冬也くんが、歩いてるほのかと雫の前に立ち塞がっていた。
「ちょっ、何やってるの!?」
「! 深雪!」
助かった!みたいな声を上げる涙目のほのか。ちょっと、高校生が小学生に泣かされそうにならないでよ……。
「お、来たな。袖の白雪!」
「誰がルキアですか!?」
「氷雪系最強は俺の物だああああ!!」
言いながら冬也くんは、斬魄刀(笑)を振るった。
「『氷竜旋尾』!!」
飛んでくる氷の斬撃。正直、これが冬也お兄様のものならやられていたかもしれないけど、冬也くんのなら大した威力ではない。
………おっと、なるべく構ってあげたほうがいいんだったかしら?なら、やってあげるわよ。
「『袖の白雪』」
私は、斬魄刀(笑)を取り出した。
最近ブリーチにハマった冬也お兄様のために、いつでも遊んであげられるように作っておいたのだ。
「『初の舞・月白』」
「!?」
そう言いながら、冬也くんの間合いに近付き、地面に切っ先を付けて円を描いた。
直後、冬也くんは凍った。
「……ふぅ、捕まえた」
「……あの、深雪?何してるの?」
気が付けば、ドン引きしたような表情でほのかと雫が私を見ていた。
「いやー……ちょっと、ね?」
この子を冬也お兄様だと言ってもいいのだろうか。
色々と面倒なことになりそうだから、回避したほうがいいかもしれない。
………なんて言おう。親戚の子?
「親戚の子が、遊びに来てて……」
「いや、遊ぶにしてもちょっとやりすぎじゃ……」
「大丈夫よ。どーせ……」
直後、氷はパキィンッと砕け散り、中から冬也くんが別の斬魄刀を持って出てきた。
「『卍、解!!龍紋鬼……!!」
「いい加減になさい」
私は今度は何も使わず、普通にゲンコツした。
「いだっ!?」
「まったく……ほら、やんちゃもそこまで。あんまり言うこと聞かないと、お菓子もオモチャも買ってあげませんよ?」
「うっ……それは困る……」
「はいはい。じゃあ、お店に着くまで、大人しく手を繋いでましょうね」
「うう……俺の方が兄ちゃんなのに……」
「じゃあほのか、雫。また学校でね」
「「え、あ、うん」」
深く聞かれる前に私は冬也くんの手を引いてお店に向かった。
*
近くのAEON。ここなら、まぁある程度のお菓子もおもちゃも買えるでしょう。
「じゃあ、オモチャから行こうか。何が欲しいの?」
「んーっとねー、ガンプラ!」
……そういえば、私が幼稚園の頃はよく冬也お兄様の作ったガンプラで遊んでいたっけ……懐かしいわね。
そういえば、あれからだっけ、私がガンダムに興味が出たのって。
「はいはい。何にしますか?」
「アンクシャ!」
また渋いのをチョイスしたわね……。私はアンクシャよりアッシマーの方が好きなのだけれど……。
「家にユニコーンとバンシィがあったから、サイコフレームの被害者にして飾るんだ!」
しかも飾り方が残酷なのであった。まぁ、冬也くんがそれでいいならいいけれど……。
「分かりました。ではお金を渡しますから……」
「あと、グレイズ・アイン」
「へっ?」
「それとゼーゴック」
「ち、ちょっと待って下さい。ていうか最後の知りませんしプラモ化されてるんですか!?」
「何?」
「多すぎますよ!一つまでです!」
「一つだけなんて言ってないじゃん」
………あっ、この顔。言い負かしたと思ってる顔だ。でも残念でした。
「それなら、二つとも三つとも言ってません。私が買うと言った以上、買う個数は私が決めます」
「ううっ……うー!」
「唸ってもダメ。どれにするんですか?」
「…………じゃあ、グフ・フライトタイプで」
「結局どれでもないんですか!?」
レジに運んだ。