「カカカッ、エクストラクラスとは、ある意味とんでもない者を呼び出したのう、桜」
「……その桜って子がマスターかしら?」
今、言葉を発したのは気色悪い老人。その他には、ワカメの様な髪型の少年と、召喚陣の前に立つ少女。おそらく、この少女がマスターだろう。……桜?
「……そこの老人、名前は何かしら」
「ふむ、儂は間桐臓硯と言う。お主を召喚した桜の祖父じゃ」
間桐臓硯。ああ、アーチャーの言ってた蟲爺か。よし、殺ろう。
「私の真名はまだ教えないでおくわ。知らないでしょうしね。……かわりに、真名解放はしないけど宝具を見せましょうか?」
「へぇ、面白そうじゃないか。見せてくれ」
あ、ワカメが漸く喋った。まぁ良いや。私は虚空から一冊の本を取り出す。
「ふむ、かの英雄王と近しい宝具か。だが、本では勝負にならんな」
「ええ。でも、普通の本では無いわ」
本を朗読する。宗教儀式の祝詞に似た、異国の言葉。すると、臓硯が苦しみだした。
「ぐっ……なんじゃ、その、本は……!」
教えるつもりは無い。
「ぐ、ぐぁぁぁぁっ!」
間桐臓硯を構成していた蟲が崩壊する。それと同時に、桜も倒れた。
「っ!マスター!」
「はぁ、はぁ……平気、です。それより、お爺様は……?」
「今頃、地獄の最下層にでも行ってるでしょうよ」
使った幻書は、【窓なき館の死者祭宴の書】。死者を
「……まさか、あの爺さんが殺られるとはな」
「そう言えば、貴方は誰かしら?」
「僕は間桐慎二。お前のマスターだ」
「あら?私のマスターはこの子でしょう?」
「……いいえ。私は戦いたく無い。ですから、貴女のマスター権は、あの人に移動させます」
「……そう、よろしくね。無茶な命令には従うつもりは無いけれど」
「ふん。まあ良い。お前の真名は何だ?」
「教えないわよ。貴方、あっさりバラしそうだし、それに、戦いには置いて行くわ」
「なっ、何でだよ!」
「魔力無いし、ヘタレっぽいから」
あ、撃沈した。
☆
同時刻、穂群原学園校庭。そこで、二騎のサーヴァントが打ち合っていた。
「くっ、重いな!」
「ふん、貴様も中々やるじゃないか、人間のくせに」
赤い外套の男と、魔女の様な帽子の、マントを着けた少女。その二人は、白黒の中華剣と黄金に輝く、少女の背丈を越える槍で戦っていた。
「槍か。なら、お前はランサーかね?」
「答えると思うか?逆に聞くが、剣を使うということはセイバーと思って良いのだよな?」
「答える必要はないな」
言い合い間にも、二合、三合と打ち合う。しかし、徐々に赤い男の方が押されていた。
「ふん、その程度か」
「くっ」
「っ!誰だ!」
ダタダッ
「ちっ、此処までだな、人間。元から力量を試せとだけ言われているし、聖杯戦争は一般人には秘匿すべき物だ。運が良かったな」
タッ
「……行ったか」
何者かに見られていた。恐らく、あの男だろう。しかし、本当にあの少女がランサーなのか?何時ものランサーは、青タイツの男の筈……
「アーチャー、追い掛けるわよ。目撃者が心配だわ」
「分かった。行こうか、マスター」
【窓なき館の死者祭宴の書】
死者を冥府最下層へと導く、古代アステカ文明の書物。本来は、魂魄の内の魂を奪われた、
オリ鯖一号さんの予想をしてみてね。初っ端から最強クラスのサーヴァントだけど。