間桐邸、蟲蔵。
ハルとフランにこの世界の事を教えて送り出した私は、再びここに戻ってきていた。パチュリーから、レミリア達がこちらに来ると言われ、一番迷惑にはならなそうな場所に移動した結果だ。
ゴウッ
強風。展開されている魔法陣からは、パチュリーの魔力がした。
「来てやったぞ、夏流。なかなか面白そうな事に参加するそうじゃないか。我々も混ぜて貰うぞ」
「御断りしたいのだけれど?」
「残念だがフランがやる気なのでな。それに、彼奴にだけ良い思いはさせたく無い」
「彼奴?誰の事?」
「決まっているだろう。あの忌々しいーー」
「お嬢様、家主への挨拶をしなければ」
「ああ、そうだったな。案内してくれ、夏流」
「騒がしくなりそうね……」
☆
ーーー衛宮邸
槍兵と青い少女の闘いは、拮抗しているかに見えて、槍兵が終始押していた。
少女は不可視の何かで金色の槍を防ぐが、防がれた直後には次の攻撃を繰り出している。少女が攻撃する事は殆ど無い。
「ふん、そんなものか?人間」
「大口を叩いているわりには、其方も決め手に欠けているのでは?」
お互いに攻めきれずに、数合打ち合う。そこで、戦局が動いた。
膨大な魔力の襲来。
魔術には絶対の自信を持つランサーでも眼を見張る程、圧倒的な量。
「私も交ぜてくれませんか?そろそろ、戦闘欲が高まって参りましたので」
天使のような少女。圧倒的な存在感を纏い、頭上には、幾何学的な模様を描き廻る光輪、人を浮かせるには小さすぎる、腰から生えた羽。
その全てを上回る程の殺気。
「ちっ、バーサーカーか」
「なっ、理性を保っている!?」
そこに一人へたり込む少年ーー衛宮士郎は、
「キュゥ……」
失神していた。
☆
「不味いな」
「どうかしたの?アーチャー」
「バーサーカーが乱入した」
「バーサーカー!?なんでこんなタイミングで?」
「詳しくはわからんが、ただ、闘いたかっただけと取れる発言をしていた」
「……それ、
「ランサーがバーサーカーと言っていたが?」
「……ま、如何でも良いわ。私達も行くわよ」
「待て、今行くのは駄目だ。少なくとも、あのバーサーカーが居なくなるまでは」
「あら、逆らう気?こっちには令呪が有るのよ?」
「ここはバーサーカーが居る場所からは遠いからか、君は感じていないようだな。膨大な魔力と殺気を」
「……膨大な魔力?あのバーサーカーは魔術を使えるの?」
「そこまでは解らん。だが、君でも太刀打ち出来ないだろう。いや、現存する全ての魔術師が協力しても深手を追わせることすら出来ないだろうな」
「何よそれ。反則クラスじゃない」
「今はただ、バーサーカーとランサーが消えるのを待つしかない」
「くっ……」
☆
「……あら?」
「如何したのですか?マスター」
「新たな乱入者のようね。それも、私達の知り合い」
「へぇ、キャスターさん達の知り合いかー。どんな人達ー?」
「まだ誰かは解らないので、答えようが無いですわ。……さて、この世界について理解は出来たかしら?キノ、エルメス」
「ええ。ありがとうございました」
「ありがとー」
「暫くは此処に居なさいな。アサシンが守ってくれるから安全でしょうしね」
「みょん!?わ、私はまだ半人前です!無理ですって!」
「限界を超えなさい」
「みょーん!」