ほんの少しの間、暗い場所を通る。転移場所をランダムにしたから、設定に時間がかかっているのかな?あ、光が見えてきた。
「どこの世界かな〜ってうわぁぁぁぁっ!?」
暗いトンネルを抜けると、そこは海の上でした。
はい、ボケてないで説明します。世界ーー不明。現在地ーー何処かのの海の上空。わーどーしよー。
「て、んな事言ってる場合じゃねぇ!」
書架から一冊の本を取り出す。
「〈憑依《アーサー王》〉!」
取り出した本は【円卓物語】。憑依させたのはアーサー王。かの騎士王は湖の精霊とやらの加護で水の上に立てるのだ。無事着水。
「ふぅ、焦った」
が、一難去ってまた一難。なんか変な口がある魚雷っぽいモノが現れたのだ。そいつと睨み合っていると、背後から衝撃が来た。倒れる前に本を書架に戻す。濡れるといけないし。結局、意識を失うのだが、直前に見えたモノは、変な帽子を被った色白の女だった。
☆
「……ん」
此処は何処?私は誰?……何て事は無く、此処が何処か解らないだけで済んでいる。洞窟のようだが……
「目ガ覚メタノカ」
「ッ!?」
ベッドの隣には、ビキニ姿の色白短髪の女がいた。
「……貴女、名前は?」
「普通、自分ノ名前ヲ言ッテカラ聞クモンダト思ウガ」
「ああ、ごめんなさい。私は水華夏流。貴女は?」
「重巡洋艦ノ、重巡リ級ダ」
確定、艦娘の世界だ。深海棲艦に捕まってしまったらしい。
「……捕マッタ何テ考エテルナラ違ウ。人類ト深海棲艦ハ和解シタ」
「え、本当?」
「本当ダ。オ前ハ、マア、艦娘デモ深海棲艦デモ無イ者ガ海ノ上ニ立ッテイタラ、恐クモナル」
「混乱した結果、襲われた、と」
「ソウダ。スマン」
「別に良いわ。ところで、深海棲艦と艦娘って和解したのよね。何で傷だらけなの?」
そう、このリ級は傷だらけなのだ。
「一部、深海ノ者トハ和解ナンカ出来ナイトイウ人間ガ居テナ……。ソレニ、此方側ニモ同ジ思考ノ者ガ居ル」
「で、貴女が襲われたって事?」
「イヤ、此ノ基地ガ、ダ」
「……私、さらっと危険地帯に連れてこられたの?」
「本当、スマナイ」
「はぁ……諦めるとしましょう。で、何か頼みたいの?瞳の色に期待が混じってるけど」
「アア、此ノ基地ニ居ルトアル深海棲艦ヲ預カッテクレナイカ?」
「何故?」
「此ノ基地ガ狙ワレルトイウ事ハ、此ノ基地ニ居ル全テノ艦ガ狙ワレルトイウ事。何処へ逃ゲテモ同ジダロウガ、オ前ハ人間ナノニ海ノ上ニ立ッテイタ。オ前ナラ、ナントカシテクレルダロウト言ウ期待ガアル」
「貴女達はどうするつもりかしら」
「此処デ戦ッテ、名誉ノ戦死デモ遂ゲルサ。アノ子ガ無事ナラ、此処ニ居ル艦ハ全員未練ハ無イダロウ」
「……それで、その子は何処?」
「今起キタ所カナ?マ、会イニ行ッテ見ルカ」
☆
「入ルゾー」
「良いよー」
「あれ?深海棲艦にしては発音が流暢ね」
「彼奴ハ特別ナンダ」
ガチャ
「よく来たなーリ級ー。アレ?そっちの人は?人間?」
「アア、オ前ヲ預ッテモラウ事ニナッテル」
「水華夏流よ。よろしく」
「おー、よろしく!俺の名前は戦艦レ級ってんだー。よろしく」
【円卓物語】
円卓の騎士について詳しく書かれた本。騎士王の表記はアーサー王となっているが、所々アルトリアとなっている。型月世界の品。出典は【Fate/】