暗殺教室Another〜大海の様な暗殺者〜 作:コユキ@0324
感想、お気に入りありがとうございます!これからも頑張ります!
今回は渚視点で、ほとんど原作沿いに行います…。
そしてミナト君の出番がほとんどないです…。
ついでに、ここからようやく本編です!
side渚
ペタン。ペタン。ペタン。
「HRを始めます。日直の人、号令を」
「き、起立!!」
ガチャ……
「気をつけ!!」
僕らは、殺し屋。
「れーーーーい!!!」
ドパパパパパパ!!!!
「発砲したままで結構ですので、出席を取ります。磯貝くん!」
「…………ッ!!」
「すいませんが、銃声の中なのでもっと大きな声で」
「……は、はい!!!」
「岡野さん」
「はい!!」
「片岡さん」
「はい!」
「………遅刻なし、と。素晴らしい!先生、とても嬉しいです!」
(速すぎる!!)
(クラス全員の一斉射撃でダメなのかよ!!)
「残念ですねぇ。今日も命中弾ゼロです」
ニヤリ、と先生は言う。
「数に頼る戦術は個々の思考をおろそかにする。目線。銃口の向き。指の動き。一人一人が単純すぎます。もっと工夫しましょう。でないと…」
「最高時速マッハ20の先生は殺せませんよ?」
「本当に全部避けてんのかよ先生!どう見てもこれただのBB弾だろ?当たってるのに我慢してるだけじゃねーの!?」
そう異論をとなえるのは、出席番号22番の前原君だ。
「では、弾を込めて渡しなさい」
先生はそう言うと、岡野さんからおもむろに銃を取り、自分に向けた。
「言ったでしょう。この弾は君たちにとっては無害ですが…」
パン!!と、自分に銃を撃つと、先生の触手はブチュ!!とちぎれ、床を転がった。
「国が開発した対先生特殊弾です。先生の細胞を豆腐のように破壊できる。あぁ。もちろん数秒あれば再生しますが。だが、君たちも目に入ると危ない。先生を殺す以外の目的で室内での発砲はしないように」
正直、ビビった。しかし、触手が千切れた当の本人は気にも止めておらず…。
「殺せるといいですねぇ。卒業までに」
緑のしましまに変わり、ニヤニヤしながらそんなことを言ってくる。
椚ヶ丘中学校3年E組は暗殺教室。始業のベルが、今日も鳴る。
なんで僕らがこんな状況になったのか。
「ね、渚」
「昼だけど出てるね、三日月」
3年生の初め、僕らは2つの事件にあった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『月が!!爆発して7割方蒸発してしまいました!!我々はもう一生三日月しか見れないのです!!』
「初めまして。私が月を爆った犯人です。来年には地球も爆る予定です。君たちの担任になったのでどうぞよろしく」
まず5、6ヶ所ツッコませろ!!
クラス全員そう思った。
後ろに立っていた黒スーツの男性が話し始める。
「防衛省の烏間という者だ。まずは、ここからの話は国家機密だと理解して頂きたい。」
ふぅ、と一息ついて更に続ける。
「単刀直入に言う。この怪物を君たちに殺して欲しい!!」
「………え、なんスか?そいつ攻めてきた宇宙人か何かスか?」
「失礼な!育ちも生まれも地球ですよ!」
タコみたいな形の生物が、顔を真っ赤にして怒っていた。
「詳しいことを話せないのは申し訳ないが、こいつが言ったことは真実だ。月を壊したこの生物は、来年の3月地球をも破壊する」
そして、と続ける。
「世界がパニックになる前に…秘密裏にこいつを殺す努力をしている。つまり……」
「暗殺だ」
シャ!と、烏間さんがナイフを当てようとするが、ものすごいスピードでかわされてしまう。
「だが、こいつはとにかく速い!殺すどころか眉毛の手入れをされてる始末だ!丁寧にな!」
あっ本当だ。スゴく丁寧に眉毛を手入れしている。
「満月を三日月に変えるほどのパワーを持つ超生物だ。最高速度は実にマッハ20!!」
「「「「「な!?」」」」」
「驚くのも当然だろう。つまりこいつが本気で逃げれば、我々は破滅の時まで手も足も出ない」
「ま、それでは面白くないのでね。私から国に提案したのです。」
烏間先生の眉毛の手入れを終えたらしい超生物が、烏間先生の話を遮り、喋り始めた。
「殺されるのはゴメンですが…椚ヶ丘中学校3年E組の担任ならやってもいいと」
……………………何で!?
「こいつの狙いはよくわからんが、政府はやむなく承諾した。君達生徒に絶対に危害を加えないことを条件にな」
理由は2つある、と烏間さんは言った。
「教師として毎日教室に来るのなら監視ができるし、何よりも30人もの人間が……至近距離からこいつを殺すチャンスを得る!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
パン!と打ち出された弾を、チョークを箸のように使って防ぐ。
「中村さん。暗殺は授業の妨げにならない時、と言ったはずです。HRも立派な授業です。罰として後ろで立って受講しなさい」
「………すいませーん………。そんな真っ赤になって怒らなくても……」
何で怪物がうちの担任に?どうして僕らが暗殺者なんか?そんなみんなの声は…烏間さんの次の一言でかき消された。
『成功報酬は百億円!!』
『『『!?』』』
百億円に目がくらんだ僕達の中に、暗殺教室の反対を唱える者は、誰一人いなかった…。
「はい!では、今日は皆さんに新しいお友達を紹介したいと思います!」
「え?」
突然の発言に、思わず声を出してしまった。
新しい友達?また誰かE組に落とされたのだろうか。
「ミナト君!入ってきなさい!」
「うぃーーす……てか、ほんとボロいなこの校舎…。大丈夫なのかよ」
ガラガラ、と教室のドアを開き、ぶつぶつ言いながら入ってきたのは、茶髪に制服を着崩した、やる気のなさそうな少年だった。
「これからこの教室で皆と共に生活する転校生です!ホラ、ミナト君。自己紹介!」
「お…おぅ。海鳴 水湊ッス。今日からここでお世話になります。よろしくお願いしやーす」
なんか、なんだろう。この違和感は。
「では、席は一番後ろの端でお願いします。ヌルフフフ、新しい仲間が増えてよかったですねぇ」
「一番後ろの端とか最高の席じゃねぇかよ…。しかもここ山の上だから陽のあたりもいいし…。昼寝が渋りそうだ」
「にゅや!?授業中に昼寝なんて先生は許しませんよ!!」
「固いこと言うなよ…」
……………馴染みすぎだろう!!
一見普通の生徒に見えるけど、後ろにいる烏間さんが連れてきたということと、先生とあそこまで気軽に話せるということは、どう考えても『普通』の転校生ではないだろう。
僕達の困惑を察したのか、烏間さんは喋り始めた。
「この海鳴君はだな、ちょっと特殊な事情でこの3年E組の生徒になってもらうことになったんだ。別に凄腕の暗殺者だとか、国が派遣した人材とか、そういうのではない普通の生徒だから安心してくれ」
まぁ、君たちより3つほど年上だがな。と、烏間さんは言った。
…………普通ってなんだろう。
僕は自分の『普通』が、ここにいると壊されていく様な感覚がして、恐ろしくなった。
「いや、3歳年上ってどういうことですか?」
出席番号2番、クラスの委員長も務める磯貝くんがみんなを代表して聞いてくれた。
「いや、彼には少し特殊な事情があってだな…」
言いにくそうにしている烏間さんを見かねたのか、転校生であるミナト君が代わりに話し始めた。
「簡単に言うとだな?大学から帰る途中にこのタコに会って、追いかけて、追いかけられて、崖から落ちて、薬飲んで、身体が退行したってわけだ」
………どういうわけだ!!
「いや!薬飲んで身体退行ってなんですか!そんなことありえるんですか!?」
磯貝くんがなおも負けじと食らいつく。しかし、ミナト君はそれに一言。
「あるらしいよ?」
そんな他人事みたいな!!
「まさか貴方…、高校生探偵とかやってたりした?」
「おい待て。それは色々な人たちに怒られるからそれ以上言っちゃダメだ」
先生が赴任してきて1週間。また変な人が来た…。
どうなるんだろう。今年のE組は…。