俺はMUGENの可能性 作:轟く雷鳴のギース
ニューイヤー
一応という形でみんなに認められた俺はあの空間から意識を取り戻した
切島たちと別れて結構時間が経ったようだ
携帯で見た情報から今相澤先生たちがメディア相手に爆豪と常闇が連れ去られた件について会見を行っているらしい
更にだ
オールマイトを始めとするヒーロー連合が
それとは別に八百万から位置情報がついたメールが届いておりそのメールにはただ一言、「ここに居ます」とだけ書かれて居た
俺にここには近付くなという意味なのか、それとも気が変わったら来てくれとでも言いたいのかはわからないが俺だってあの2人を助けたい
今すぐにでも飛び出して行きたい
けど俺が行った所でなにも変わらないだろう
そういった考えが過ぎるが頬をバン!っと両手で叩くと気合いを入れ直す
なんのためにアカツキと戦ったのか
その結果、なにを得たのか
それを思い返した
「行くよ、俺も。みんなが居るなら助けにはなるはずだ」
中のみんなが一斉に頷く
異論はない、それがみんなの総意であることを確認した俺は八百万から送られて来た位置情報の地点に向けて走り出した
さっき出た激痛は嘘のように消え去っていた
☆☆☆
「野次馬だらけかよ…」
位置情報に沿って現場に駆けつけたはいいものの野次馬とそれを制するヒーローと警察でもみくちゃになっていた
その八百万から聞いた情報では今中にベストジー二ストを始めとするヒーロー連合が奇襲を仕掛けた所らしく今さっき完全にこの場を制圧したとのこと
別の場所ではオールマイトたちも
その場には
「とりあえず切島たちと合流したいが…」
と俺が呟いた時、辮髪の殺し屋と空気王が声をかけて来た
うん、アサシンが声かけて来たのはわかるけどさ
ウッドロウさん、あんたなんか違うよね…
その立ち位置自分で認めちゃっていいの?
まぁここはアサシンに任せた方がいいと判断した俺は「アサシン、頼む」とだけ伝える
それと同時に周りの人混みから俺という存在が消えた
☆☆☆
『他愛なし』
「嶽君!?」
アサシンの能力により気配を消し、更に索敵能力のおかげで4人を補足
その場に到着した後アサシンは俺の中に帰っていった
緑谷の反応や他の奴らの様子的にいきなり俺が現れたみたいに見えたようだ
「おう、俺が言った通りヒーローたちに任せときゃ良かったじゃねーか」
俺がそう言うと切島は俺から露骨に目線をそらした
「別にお前らと戦ったことはなんも思ってねぇよ。意見の違いで喧嘩するなんていくらでもあるだろ。それよりも俺たちがここに居ることがバレる方がめんどくさい。アサシンの奴に人の気配が薄い場所を探して貰ってるからそっから早く立ち去るぞ」
「そうだな。ここには俺たちができることはもう1つも残ってない」
俺の言葉に飯田が賛成し後ろで八百万が頷く
てか今までツッコまなかったけどさ
その格好なんだよ
索敵能力で飯田ってわかってなきゃ誰かわかんねぇぞ
なんてヒソヒソ話していると不意に寒気のする声が響き渡った
「すまない虎。前々から良い“個性”だと…ちょうど良いから貰うことにしたんだ」
「うっ!」
「どうしたの嶽君!?」
奴の声を聞いた途端だ
俺の中にいるギースやオロチなどの一部のキャラクター達が感化されたようにざわめきだした
俺が奴らを抑えようと中に意識を飛ばそうとした時だった
「な…んだよ…それ…」
そりゃあこいつらも騒ぎ出す訳だ
時間にして1秒も経っていないだろう
何が起きたか見ることも認識することも出来ないまま
ヒーローたちを壊滅させて悠々と奴は立っていた
「せっかく弔自身が自分で考え、自身で歩み始めたのに…出来れば邪魔をして欲しくはなかったなぁ」
あの男が誰か…なんて知ったこっちゃない
だが奴の真っ暗な、ドス黒い闇のような気配は俺だけでなく俺の中の奴らにまで『死』というものを感じさせたのだ
「おい、逃げ…」
るぞ、と緑谷たちに声をかけようとした
しかしみんなは奴の気に充てられて身動きを取ることが出来なくなっていた
まずい、今は奴にバレていないから無事だがもしもバレちまったらそれで一巻の終わりだ
奴は躊躇なく壁の向こう側と同じ状況にするだろう
そんな時だった
げほげほと咳き込む声が2つ恐怖と悪意によって沈黙したこの空間に響き渡った
「くっせぇ!」
「ここは…」
その2つの声を聞いた途端俺たちは皆表情を変えた
そこに立っていたのは救出目的である爆豪と常闇だったのだ
「悪いね爆豪くん、常闇くん」
悪意の塊である覆面の男はまるでオールマイトがおちゃらける時のような雰囲気でそう告げる
それに爆豪が反応しようとしたと同時に爆豪たちの後ろの空間に泥のようなものが湧き上がる
そこから湧き出たのはいつかUSJで見た顔、死柄木と初めて見るがその仲間であろう者たちだ
「また失敗したね弔。でも決してめげてはいけない。またやり直せば良いのさ。こうして仲間も取り戻した。この子たちもね」
まるで失敗した生徒を慰め導くように男は死柄木に語る
言葉は正しいのにすっと胸に入ってこない
「君が大切なコマとなると考えて判断した。いくらでもやり直すといい。そのために
男は自分のことを先生、と呼んだ
つまりあいつがすべての元凶だ
未だに中でオロチが『騒ぐぞーー』とかいって騒いではいるが最初と比べればいくらかマシになった
ここからどうしようか、と俺が思考を再開したとほぼ同時に轟音と共に俺たちのヒーローが核弾頭のように飛来した
「ずいぶん遅かったじゃないか」
男が久しい友に語るようにその飛来したヒーローの名を呼んだ
「オールマイト」
その名を呼ばれた
オールマイトが一瞬で制圧するかと思われたが意外や意外
あのマスクマンはオールマイトと同等レベルの力でオールマイトと戦っている
いや、正確にはオールマイトは爆豪や常闇を助けようとそっちに意識が行っているせいで普段通りの戦い方が出来ていないのだ
他の
だが爆豪はもともと持っているセンスにものを言わせそれらを躱し常闇は夜という時間帯もあって全開のダークシャドウが交戦していた
「緑谷、なんかねーか?」
「うん、僕も今それを考えてた。でも…かっちゃんは助け出せても常闇君が無理なんだ」
「なるほどな。つまり、常闇をなんとかすりゃお前らは爆豪を助けられるんだな?」
「そうだけど…まさか1人で乗り込むなんて言わないよね?」
「たりめーだ。常闇1人なら俺たちでなんとかなる」
俺は自分の胸に親指を当てる
俺にはこいつらがついてる
万が一にでも失敗はない
「だから…爆豪は頼んだぞ」
俺はそう言って笑った
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