ご注文は猫ですか?   作:峰白麻耶

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久しぶりの投稿です。久し振りに自分のこの作品を見て、そして思いました。猫の隠れ家の日常にスポット当ててないと……

と言うわけでタイトルどうりです。


猫の隠れ家の慌ただしい平日 その一

朝五時。俺はやっと慣れつつある猫の隠れ家を開店する準備を始める。実際に店を回しこれが一番良いだろうと言う営業時間を決めた。八時から一時に回して一時間半の休憩を挟み二時半から六時まで回す。午後はたまに客が多く入ることもある。そのためノアが速く帰ってこないと俺は死ぬ。と言うのは半分冗談だ。午後なら一時間だけなら回せる。それまで来なければゲームオーバー。しかし今まで無かったので大丈夫だ。たぶん。

 

寒さも幾分か和らいできたが上に上着を羽織り、まずはノアの弁当を用意する。ノアに好き嫌いはないから適当にいれてよ!あっでも玉子焼は入れてね!甘いやつ。と言うご所望を受けたので毎朝手作りしている。と言うより玉子焼の冷凍食品何てないから作るしかない。そこから夕飯の残りと隙間に冷凍食品をつめてノアが自前で持ってきた可愛らしい黒猫が歩いている弁当は埋まった。

 

「完全に今の俺専業主夫だな」

 

研究者から専業主夫。凄い転職だ。一応ここの代理店主だけど。

 

弁当を開けておき、冷ましておく為そのまま台所で放置。それから店の整理と清掃に入る。どこに何があるかを再度確認。綺麗な布巾で清掃し清潔を保つ。カウンターとテーブルも拭き、そこから床を掃く。ちりとりで取った砂は外にゴミはゴミ箱に捨てる。猫スペースも清掃し、下準備に集中する。

 

 

 

 

ピピピピ。

 

おっと。ノアがもう直ぐ起きてくるか。さて続きは後にして保存と。朝食の準備を始めますかね。

 

ノアは俺と同じ朝はパン派。俺らの朝食は大体パン二枚にコーヒーと決まっている。ノアはチーズを乗せコーヒーは猫舌なので冷たいのだけどな。パンをトースターにセット。コーヒーはスーパーで売っているペットボトルのやつを注ぐので急ぐ必要はない。

 

テーブルに座って少し休憩する。あー。ノアが学校行ったら洗濯物して、また準備して、干して、それで開店までゆっくりするかな………。

 

 

 

にゃーん。あさだにゃー。おきるにゃよー。にゃーんにゃーんにゃーんにゃーん

 

 

……毎度聞く度にやる気がそがれる鳴き声。これがノアの目覚ましだ。部屋に入ったことがないので分からないがどうせねこなんだろ。というよりこんな目覚ましでよく起きられると毎度感心する。俺ならば二度寝する。ついでに止めないとにゃーんのところだけエンドレスリピートされるらしい。

 

「おはよう……鈴さん」

 

まだ眠いのか目を擦りながらリビングに入ってくる。たまにだが目のやり場に困る着崩れを起こすこともあるが今日は大丈夫みたいだ。安定の緑の猫さんパジャマだ。ふらふらとテーブルに座り半分眠ってるかのような感じでテーブルの上に置いたパンを手に取りカリカリ食べている。俺も自分の分が焼きあがったのでテーブルの向かいに座りパンを食べる。ノアが一枚食べ終わった所で

 

「やっぱり朝はパンだね~」

「和んでいても良いけど遅刻しても知らないぞ」

「だいじょうぶだいじょうぶ」

 

ちょっと不安だが………大丈夫か?

 

 

ノアと同時に食べ終わりパンを乗せるために使ったチラシはゴミ箱。コップは洗い乾かしておく。よし。洗濯物するか。そう思った時だった。ダッダッとはまでは行かないが何か焦ったような足音。勢いよく扉を開けて

 

「思い出した鈴さん!鬼畜先生の課題が終わらない!」

「諦めろ」

「はやい!なんか俺がやってやるとかないの!」

「洗濯物あるし」

「僕の優先順位低くない!?」

 

さっきの寝ぼけた感じとは違う。恐らく宿題やってないことで目が冴えてhighになってるんだろう。

 

「宿題なら見せて貰えば?」

「………ココアとチヤがやってきてるとは思えないんだよ。しかも量も難易度も高いし」

「そりゃ。確かに。でもなんでそんなレベルの問題が?」

 

俺がごもっともな質問を返すと

 

「その先生。わりと進路とか受験とかにうるさい先生なんだ。一年でも解けるように変えた大学入試みたいな長文読解をたまに宿題で出してくるんだよ」

「まだ一年に合わせるだけマシだと思うけど。終わってないのか?」

「うん。でもゴールは見えてきた」

「ならいいんじゃない?あたらないでしょ?」

 

俺がそう言うとさらに絶望した顔になる。

 

「その教科先生。出席番号で当てるんだよ。だから確実に僕が当たる」

 

……ご愁傷様。

 

「お願いします鈴様。僕を助けると思ってね?何でもするから」

 

何というか言葉の選択に気を使えと言わざるおえない。おい、やめろ。涙目で下から見上げるな。ついうっかりやるって言いそうじゃねーか。はあ。もういいや。

 

「でなに?課題って」

「これです」

 

そう言って出したのはプリント。結構な枚数がある。

 

「これの日本語訳をノートに書いて後ろの設問といて提出なんだ」

 

パラパラと捲ると教科は英語だった。

 

「これぐらいなら……ノート持って来い」

「え?うん」

 

ノアにノートを持ってこさせて机に座らせる。

 

「一度しか言わないからよく聞けよ~」

 

俺はその英語の文章を日本語訳する。最後まで読み終わりノアを見ると驚いていた。

 

「凄い鈴さん!びっくりだよ。こんな所に救世主が」

「少しいじれよ。多分そのまま出すと怪しまれるぞ」

「わかった!これで設問も解けるよ」

「喜ぶのはいいがさっさと支度しろ。遅刻するぞ?」

 

ノアはテレビの時計を見て慌てて部屋に戻り制服に着替えてドタバタと家を出て行った。

 

 

「はあ。準備するかな」

 

 

 




まさかの続きます。もしかしたら次にどうなるか分かる人もいるんじゃないでしょうか。


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