Killing Art Online   作:MZMA

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ごめんね、一次創作してたら全然書けなかったぜ。

あと、コアラ大国や腹ペコ騎士王の治めてたメシマズの国にもいってたからな……

日本食って良いよね(真顔)


あ、あと文が雑な上にとても短いのでごめんなさい


第一層フロアボス戦 - 後

 

 

 

 

 激戦。

 その戦闘を言葉として表すのなら、まさしく激戦であった。

 

 いくらユウキがスピードに優れ、異常な程の直感力を持っていたとしても、所詮はβテスト未経験者(ビギナー)

 どういう訳か、仮想現実空間での体の動かし方は既に一流のそれだし、今現在ですらβテスト経験者と同等かそれ以上の力量を備えている。

 だがしかし、戦闘に重要な決定的な要素がユウキには掛けている。

 

 それは、戦闘経験。

 

 いくら強力な力を持とうとも、ユウキはこの世界(VRMMO)に来てからまだ一月と少しの時間しか経過していない。

 俺に付き合っていた為にモンスターバトルだけで無く、対人戦闘を幾度と無く経験したユウキは経験を大量に積んだと言えるだろう。

 だが、まだ足りない。

 

 完全な余談だが、俺のβテスト時の一日の平均ログイン時間は十五時間前後だ。それ故に、この世界での戦闘経験は誰よりも積んでいると自負している。

 だがしかし、俺だけが強くてもダメだ。

 

 何度も繰り返す様でアレだが、ユウキは強い。俺の動きをよく理解しているし、俺もユウキの事をよく知っている。

 

 だが、経験の差から来る判断のズレが、俺たち二人の連携を狂わせている。

 このデスゲームは直感だけでは生き残れないのだ。

 

 

 

 俺たちでは、目の前の敵(フロアボス)を圧倒するにはまだ足りない。

 

 

 ○

 

 

「ッ! ユウキ!」

 

 一瞬の隙を突かれた。

 だが、被弾を覚悟したボクの眼前に迫ったコボルドロードの野太刀が届く前に弾かれる。

 

 まただ。

 またキアラに守られた。

 

 ギリッと自分の歯の鳴る音がボクの耳に届く。

 

 キアラの武器は短剣。

 

 ボクの片手剣より短いリーチの武器故に、その体はもうボロボロだ。

 短剣の性質上、攻撃する際は自然と敵の懐に入り込む事になる。

 でも、キアラが本気を出せばコボルドロードの攻撃なんてめじゃないだろう。

 でも、先程からキアラのHPゲージは黄色に変色している。

 

 ボクのせいだ。

 ボクがいるから。

 

 只でさえボクよりも狙われやすいのに、ボクが危なくなる度に割り込んで攻撃を受けているから。

 

 悔しい。悔しいよ。

 ボクはキアラに救われた。だから、キアラを助けたいのに。

 さっきまで二人で楽しめていたのに、そんな感情は何処かへ消えてしまっている。

 今はただ、キアラが理解出来ないのが悲しい。

 

 ああ、まただ。

 いつもの様に直感で、コボルドロードが野太刀を上段に構えたのを見て、懐に入り込む。

 だが、キアラは僅かな隙が出来たにも関わらず突っ込む事はない。

 そしてボクの事を見た瞬間、弾かれた様にボクを追い始める。

 

 連携がズレた。

 キアラの足を引っ張ってしまった。

 またキアラに守られてしまう。

 

 上段だと思った野太刀がぐるりと半円を描き真下に回る。

 驚きに脳がフリーズし、体が硬直する。

 まずい、このままじゃーー!

 

 そして跳ね上がった野太刀がボクの事を切り裂きーー

 

 だが、その刹那の間にボクと野太刀の間に割り込んだキアラがその一撃を完璧に防いでいた。

 

 まただ。でも、後悔は後でいくらでも出来る。今は攻撃に当たらない事が最優先だ。

 ボクはそれを見て離脱しようとしたその瞬間。

 

「くッーー⁉︎」

 

 キアラの短剣が粉々に砕け散り、キアラの体を吹っ飛ばした。

 

「え?」

 

 ボクの口からポツリと声が漏れる。いや、それはもう声なんかでは無く、只の音かもしれないと思えるほどに、その声はか細く小さい。

 

 視界の端に映るキアラのHPゲージがゆっくりと減少していき、遂には赤く染まる。

 

「キアラ!」

 

 ボクは脇目も振らずに走り寄る。

 

 このままじゃキアラが死んでしまう。

 いつもボクが殺している人間の様に。

 

 

 

「嫌…」

 

 

 

 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。そんなのは絶対に嫌だ。

 

 他の人間がいくら死のうが構わない。でも、キアラだけはダメだ。

 

 コボルドロードが近づいてくるが、こんなのは関係無い。

 キアラが死んでしまうなら、ボクの生きる意味なんて無い。

 

 だって、あの時キアラに助けられた時からボクの命は彼のものだから。

 

 

 

 ◯

 

 

 

 最初は何がなんだか分からなかった。

 先生が、少しでも楽しい時間を過ごせる様にと治療用に特別改造されたナーヴギアーーメドュキボイド、だったっけ? のプロトタイプだとか言っていたーーでログインをしたソードアートオンライン。通称SAO。

 後でキアラから、初回ロットはたったの一万本しか無いと聞いてとてもびっくりしたと同時にボクなんかの為にそこまでしてくれた先生に感謝の気持ちと申し訳なさがこみ上げてきた。

 それに、ボクなんかよりもこのゲームで遊びたかった人はいっぱいいるよね…。

 

 でも、そんな気持ちは直ぐに吹き飛んだ。

 男の人のアバターの方が、みんなと気軽に接せるかと思い作った男性アバター。

 ボクが武器屋さんでよくわからないままに悩んでいると、一人の男性プレイヤーに声をかけられたんだ。

 

 とても嬉しかった。

 特別な処理を施した部屋から出ることが出来なかったボクにとっては、先生以外の人と話せるというのはとても新鮮で楽しいことだった。

 ……見た目がちょっと怪しい感じだったけど、アバターたがらワザとだよね?

 

 それからはずっとキアラと一緒だった。

 そう、ゲームが現実になるその瞬間も、ボク達は一緒だったんだ。

 あいつらに襲われるまでは。

 

 剣が地面に突きたっていた。

 ボクが好奇心に負けこっそりキアラから離れ、その剣に近づくと視界が真っ暗になって、目の前にハラスメントコードの発動を促す画面が広がる。

 怖かった。

 無我夢中で暴れて、叫んだ。

 

 そして、そんな闇の中で聞こえたのはキアラの声。

 

 ボクの名前を呼び、ボクを助けるために駆け付けてくれた。

 

 視界が開き、眩い仮想の夕日が網膜に焼きつく。

 そして、見えたのは秀麗な顔を愉悦に歪め短剣で二人組のうちの一人を切り刻んでいるキアラの姿。

 

 ボクはその姿に見惚れた。

 淡く輝く夕日に赤く照らされたキアラはまるでおとぎ話に出てくる英雄の様だった。死神の様な、ボクだけの英雄。

 

 だから、ボクも愕然としながら尻餅をついているもう一人に目をつけた。

 頭上のカーソルがオレンジ色に変色している。

 

 だからーー殺した。

 

 初めての殺人は仮想世界の筈なのにとても重みがあり、だからこそ確かな愉しみをボクに与えた。

 

 キアラと一緒になれた。

 キアラと一緒に居られる。

 

 ボクだけの英雄。ボクだけの死神。

 

 ボクはキアラと共に人を殺そう。

 

 

 ◯

 

 

 

 そして、気づく。

 

 ああ、ボクはキアラの事が好きなんだと。

 

 

 

 ○

 

 

 

 くっそ!

 まさかお気に入りの短剣がぶっ壊れるとは。コボルドロード、許すまじ。

 

 幸い、今までの経験からすれば死ぬ事は無いだろう。

 レッドゾーンには入るだろうが、ポーションを飲めば大丈夫だ。

 大丈夫な筈だ。ーー回復、間に合ってくれるといいなぁ。

 このフロアーーというよりも第一層で手に入る回復アイテムなどたかが知れている。回復量もさる事ながら、回復速度も微々たるものだ。回復中に殺されて黒鉄宮に死に戻りなんてよくある事だった。

 

 目を開ければ、コボルドロードの一撃を雄叫びと共に跳ね上げるエギルとコボルドロードに突っ込んで行くアスナとキリトの姿が見て取れた。そして、俺の側に寄り添うユウキよ姿も。

 つーか、ナイスエギル。お前が攻撃弾いてなきゃ、俺もユウキもあの世行きだった。お前、出来るハゲなんだな…。

 

「おい、大丈夫か? ユウーーキ?」

 

 だが、様子がおかしい。

 

 瞳は相変わらず、ドロリと濁っている。それは良い(良くない)。

 それはいつもの事ーーというより戦闘中は大概がそうだ。

 コイツはオンオフがはっきりしてる奴だからな。

 

 だが、その表情はいつもの狂った様な笑顔では無く、一切の表情が抜け落ちた能面のような顔だ。

 俺が思わずビビる程に、その表情は何処か不気味…というか得体の知れないナニカがあった。

 

 呼んでも一向に反応しないので、仕方なく俺はポーチに入れてあるポーションを自分で掴み口に含む。

 俺のHPゲージが徐々に回復してくる。いや、いつも思うけど本当に遅ぇよな、このポーション。

 もっとこう、ホラ。

 某モンスターハントなゲームみたいに、ゴクッゴクッ……シュキーン! 的な感じの回復方法は無いのかね。

 まぁ、あったとしてももっと上層だろうけどな。

 

 それにしても…まさか短剣が折れるとは思わなかった。

 第一層のフロアボスなんて大した事無いと正直、高をくくっていたからこれ以上のポーションも予備の短剣も持っていない。

 

 ……これ以上は無理、か。

 

 仕方が無い。これは俺の判断ミスだ。

 そうと決まれば話は早い。

 俺はコボルドロードにレイドメンハーの支援を受けながら突貫しているキリトとアスナを尻目に、何処か危なげな雰囲気を放つユウキへと声をかけた。

 

「ユウキ。残念だがーー」

 

 俺は、決断を下した。

 

 ◯

 

 

 

「オオオォォォォォォォ‼︎」

 

 俺のアーニールブレードがコボルドロードの体を切り裂く。

 

 そして、遂に奴はーーポリゴンの欠片となって消滅した。

 

 ドット湧き上がる歓声。

 アスナもエギルも俺に向かって笑顔を向けてくる。あのアスナも、だ。

 

 まあ、キバオウの叫びで全ては台無しになってしまったが。

 

 だから俺は一人、恨まれる道を進むことにした。

 後悔は無い…といえば嘘になるかもしれない。

 でも俺は、俺自身の道を進む。

 

 第二層へと続く扉を開け、後ろを振り返る。

 

 そして、俺は先ほどから感じていた違和感に気がついた。

 

 消えているのだ。

 キアラとユウキが。

 パーティーメンバーからも、表示は消えている。

 

 あの二人に限って死ぬ事は無い筈だ。

 キアラの武器が粉砕していたし、ボス部屋から迷宮区へと戻ったのだろうか。

 だが、そんなことを考えていても仕方が無い。

 あの二人とはいつかまた出会うだろう。

 そう俺の直感が告げていた。

 

 

 ◯

 

 

「ここが、第二層……」

 

 ユウキが目を輝かせながら呟いた。

 悪いな、キリト。

 あんまりにも暇なもんで短剣砕けた後は俺とユウキはボスの背後にある二層への扉付近に隠蔽スキルを使って隠れていたのだ。

 

 そして、ボスがキリトに倒された瞬間、これ幸いとさっさと気付かれないうちに二層に上がってきたって訳だ。

 

 だが、まあ。

 俺たちは共にこの城に飲み込まれたたった一万人の人間だ。

 

 生きていればまた何処かで会うだろうよ。

 

「さて、行くぞ、ユウキ」

 

「うんっ!」

 

 ユウキが俺の腕に自身の腕を絡めてくる。

 さらに抱きつく様に胸を押し付けてるおまけ付き。

 やめなさい。胸部装甲が良い具合に当たって、なんかムラムラしてきちゃうでしょ。

 

 

 そんな風に閉まらないことを考えながら俺とユウキはとあるスキルを取得するために、ゆっくりと歩を進めるのだった。

 

 

「ん? て事は、ユウキにゃんこが見れるのか…。猫耳とかアイテムにあれば良かったのに。……でも俺はヒゲ描かれるの嫌だなぁ」

 

「え? どうしたの?」

 

「なんでも無い」






早いうちに更新できたら…できたら…できたら…いいなぁ(笑)
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