真剣に私と貴方で恋をしよう!! 外伝? ~毎日が記念日 365日の小噺~   作:春夏秋冬 廻

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1月の記念日

・1月1日 『元旦』

 

「いや~面白かったな、初詣も初日の出も」

 

「お前が楽しかったのはヒロが振袖を着てきたからだろ」

 

「ああ、あれは素で驚いたな。おかげで私とワン子が霞んだぞ。まあ、タカの目は死んでたけどな」

 

「隣にいた凛奈さんのしてやったりな笑顔が物凄い印象に残ったな。あれは間違いなく押し切られたなヒロのやつ。まゆっちが実家に帰って見ていないのが何よりも救いか」

 

「写メでまゆまゆに送ってたりしてな。凛奈さんならやりかねんぞ」

 

「否定できないな……いや、確実に送ってるだろうな。それから俺はモモの方が綺麗だと思うぞ。惚れ直したぐらいだ」

 

「……急に話題を変えるな。照れるだろ」

 

「思ったままの事を言ったまでだよ。で、これからどうする? ひと眠りするか?」

 

「なにを言っているジン。正月で元旦で初詣と初日の出を終えた。そして今私は振袖を着ている。となると次にやる事は決まっているだろ」

 

「おい、まさか」

 

「ひ・め・は・じ・め」

 

「女が満面の笑みを浮かべて言うセリフか……さっきまでの恥じらいはどこに行った」

 

 

 

・1月2日 『初夢』

 

「よし! みんな集まったな!」

 

「正月2日目に召集って……もうちょっと常識を考えてよキャップ」

 

「全員といっても、京とまゆっちとクリスは実家に帰省していないんだけどな」

 

「俺様、まだ眠ぃんだけど」

 

「くだらない事だったらしばくからな」

 

「まあみんな落ち着け。おせち持ってきたから食べながらでもいいだろ」

 

「いただくわ!」

 

「はは。ところでキャップ、なんで今日召集をかけたの?」

 

「おお、そうだったそうだった。みんな、今年の初夢はどんなんだった? それを報告し合おうぜ」

 

「それだけのため。新学期が始まってからでもいいだろうに」

 

「いちいちうるさいぞ大和! ちなみに俺はインディージョーンズばりの冒険活劇だったぜ!」

 

「キャップらしいね。悪いけど僕は見てないないよ。って言うか見てたかもしれないけど忘れちゃった」

 

「モロに同じ。俺も覚えてないな。ワン子は?」

 

「うん? アタシはお姉様と互角に勝負する夢を見たわ!」

 

「まさしく『夢』だな。俺様は美女に囲まれた酒池肉林の夢だったぜ」

 

「なんで夢までそこまで俗っぽいんだろうね岳人君は。僕は何故か分かんないけど女になった夢だったよ……」

 

「返す言葉がないぞヒロ。振袖を着た後遺症だろうな恐らく」

 

「そう言うジン兄は?」

 

「俺か? あんまり覚えていないけど、なんか子供がいた様な……?」

 

「なんだ、姉さんとの未来予想図か? そのうち正夢になったりしてな。ところでさっきからずっと黙ってるけど、どうしたんだ姉さん? 変な夢でも見たのか?」

 

「いや、私も大和やモロロと同じで覚えていないな」

(言えるか。ジンとの結婚式だなんて私らしくない乙女チックな夢を見たなんて!)

 

 

 

・1月3日 『駆け落ちの日』

 

「なあ緋鷺刀」

 

「なに、凛奈さん。酒のつまみならもう少しで出来るから待っててね」

 

「了解した。ところで今日が何の日か知ってるか?」

 

「今日? 1月3日だよね……戊辰戦争が開戦した日なのは知ってるけど、他に何かあったの?」

 

「ああ、今日は『駆け落ちの日』なんだ」

 

「駆け落ちって……」

 

「1938年・昭和13年の今日、とある女優と演出家が樺太の国境を越えてソ連へ亡命したんだ。で、その2人が人様には言えない恋仲だったらしく、その亡命は駆け落ちでもあったってわけだ」

 

「それを僕に話して何が言いたいの?」

 

「由紀ちゃんと駆け落ちするなら私は援助してやるぞ。お前たちはある意味でロミオとジュリエットだからな。何だ、その人を蔑むような目は」

 

「小さな親切大きなお世話って言葉、作家なら知ってるでしょ?」

 

「最近、イジリ甲斐がないなお前……」

 

 

 

・1月4日 『石の日』

 

「誕生石?」

 

「はい、今日、1月4日は『14(いし)』の語呂合わせで『石の日』『ストーンデー』なんです」

 

「それで誕生石ね。僕とまゆとクリスさんは一緒だね」

 

「そうだな。3人とも10月26日だからな」

 

「10月は『オパール』『トルマリン』『ローズクォーツ』で10月26日は『タイガーアイ』だね」

 

「俺は!? 俺は!?」

 

「キャップは12月12日……12月は『ターコイズ』『ジルコン』『タンザナイト』『ラピスラズリ』、12月12日は『ピンクダイヤ』だね」

 

「2月のアタシと大和は?」

 

「2月は『アメジスト』で2月20日は『オニキス』、2月26日は『イーグルクォーツ』だね。僕は3月で『アクアマリン』『コーラル』『ブラッドストーン』、3月21日は『アイアン』だね」

 

「モロ、私は?」

 

「京は4月だったよね。えっと『ダイヤモンド』『クォーツ』、4月13日が『バイオレットパール』だ」

 

「最後は俺様とジン兄とモモ先輩か」

 

「8月は『ペリドット』『サードニックス』、8月1日は『シトリン』、8月8日は『ダイヤモンド』、8月31日は『ファントムクォーツ』だよ」

 

「『ファントムクォーツ』か、カッコイイな。ジンはなんか予想通りだな」

 

「そうか?(ここで俺の誕生日は便宜上でつけられた、なんて空気の読めない事は言わない方がいいか)」

 

 

 

・1月5日 『囲碁の日』

 

「はい、これで詰みですよ」

 

「待て、ちょっと待ってくれんかのう神」

 

「待ちません。もう10回目ですよ? いい加減に投了して下さい鉄心さん。あ、ルー師範代、整地終わりました? お疲れ様です。宇佐美先生、いい加減長考はやめて下さい。どんなに考えてもそこから逆転手はありませんから。それから綾小路先生、さっき打ち直しをしましたよね? 公式ルールでは反則ですから気をつけて下さい。おっと、次はここです」

 

「ちっ。オイ暁の坊主。多面打ちしているのに何で正確に打てるんだお前は?」

 

「ていうか、誰だよ? 囲碁なら勝てるって言ったの。オジサン全く勝てる気しないんだけど?」

 

「そもそも、教員の親睦会をやっているのにいきなり呼び出して『囲碁をするぞ』って、こっちの方が意味分かりません。鉄心さん、諦めつきました?」

 

「なに、今日が1月5日の語呂合わせで『囲碁の日』でな。お前が以前、風間の坊主たち相手に将棋の多面打ちをして全員に勝ったと聞いて、鉄心さんが『囲碁なら勝てるかも知れん』と仰ったんだ」

 

「どうせそんなところだと思いましたよ。と、宇佐美先生も凛奈さんもこれで詰みです」

 

「「なっ!?」」

 

「ワシはこれでもプロと互角に打てるぐらいの実力を自負しとるつもりだったんじゃが……」

 

 

 

・1月6日 『色の日』

 

「イメージカラー?」

 

「おうよ! 今年はみんなそれぞれ自分のイメージカラーの物を何かしら身につけていこうぜ!」

 

「また唐突な提案だな。出所はモロか?」

 

「はは、さすが大和、よく分かったね。実はさっきキャップに今日は『色の日』って教えたら――」

 

「思い立ったが吉日、がキャップの行動理念か。まあ、いいんじゃないか? それもなかなか面白そうだし」

 

「さすがジン兄! 話が分かるぜ!」

 

「だったらアタシは赤ね! クリは黄色!」

 

「金髪だから黄色とは、安直だな犬」

 

「でもイメージ通りだよね。まゆっちはライトグリーンかな?」

 

「そうでしょうか? 確かに淡い緑色は好きですけど……」

 

「まゆはなんかそれっぽいよね。モモ先輩は間違いなく黒だし」

 

「俺様よく分かんねぇな」

 

「ジンはどう思う?」

 

「そうだな……赤はどちらかと言えばキャップだな。カズは朱色か緋色だろ。クリスは菜の花色、まゆっちは萌黄、ミヤは藤納戸、タクは江戸紫、ガクは銀鼠、ヤマは空色、ヒロは若草色、モモが濡羽色かな……って、みんなどうした?」

 

「いや、俺たちの知らない色を兄弟がいとも簡単に口にしたのに少し驚いただけだ」

 

「そうか、ちなみに俺はどんなイメージカラーだ?」

 

「「「「「「「「「「……………………」」」」」」」」」」

 

「なんでそこで黙る?」

 

「すまん兄弟、お前のイメージカラーが想像できない」

 

 

(あくまでも作者のイメージです。皆様のイメージを否定するものではありません。しかし、本当に神のイメージカラーが思いつかなかった……作者なのに……)

 

 

 

・1月7日 『七草・七草粥』

 

「ん? 七草粥か」

 

「うん、今日は1月7日だからね」

 

「はぁ、毎年の事とはいえ私はあまり好きじゃないな。飯はやっぱりがっつりと食べたいぞ」

 

「ダメよお姉様。七草粥を食べるのはちゃんとした意味があるんだから」

 

「たしか、正月のおせち料理で疲れた胃を休ませ、野菜が乏しい冬場に不足がちな栄養素を補うため、だったか?」

 

「おお、さすがジン兄だわ」

 

「わかったわかった。ちゃんと食べるさ。そういえば七草の覚え方って『おすきなふくは』だったか?」

 

「モモ、それは秋の七草で女郎花(おみなえし)(すすき)桔梗(ききょう)撫子(なでしこ)藤袴(ふじばかま)(くず)(はぎ)の頭文字だ。そもそも秋の七草は食べられん」

 

「春の七草は(せり)(なずな)御形(ごぎょう)繁縷(はこべら)(ほとけ)()(すずな)蘿蔔(すずしろ)よ。お姉様」

 

「……博識だなぁ、ジンもワン子も」

 

 

 

・1月8日 『勝負事の日』

 

「それじゃあいくよ。ハッ!」

 

「丁!」

 

「俺様は半だ!」

 

「じゃあ俺も丁で」

 

「なあタク、なんであいつらは丁半なんてやってんだ?」

 

「ああ、たぶん今日が『勝負事の日』だからじゃないかな?」

 

「『勝負事の日?』」

 

「うん、ほらよく『一か八かの勝負』って言うじゃない。でもって今日は1月8日」

 

「ああ、なるほどな」

 

「ジン兄も混ざる? タカは勝負にならないからって壷振りに専念しちゃっているけど」

 

「いや、俺も遠慮しておく。ヒロが言うように勝負にならないからな」

 

「……それってどうしてか聞いていもいい? もしかしてキャップが参加しているから?」

 

「俺とヒロの場合、動体視力で中のサイコロの目が見えるんだよ。壷振りが素人なら苦もなくな。嫌だろ? 一人勝ちってのも」

 

「物凄く説得力あるね」

 

 

 

・1月9日 『風邪の日』

 

「くしゅん!」

 

「ん? まゆっち風邪か?」

 

「あ、いえ、ちょっと鼻がムズムズするぐらいですから……」

 

「風邪はひき始めが肝心だからね。今日は温かくして寝た方がいいよ」

 

「こう、タカが人肌で――」

 

「下世話だぞモモ」

 

「そういえば今日は『風邪の日』なんだって」

 

「『風邪の日』だぁ? なんで今日なんだよ」

 

「江戸時代の頃の有名な力士が『自分が倒れるのは風邪にかかった時ぐらいだ』とか言ってたけど、結局風邪をこじらせて亡くなったんだよ。それが1月9日だったってわけだ」

 

「奇しくも言葉通りになっちまったってわけか。でも風邪って特効薬がないから、もし作れたらノーベル賞ものの発明だってよく言われるよな」

 

「風邪か……かかった事ないからいまいち辛さが分からんな」

 

「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」

 

「なんだその反応は。失礼だろ。なあジン?」

 

「まあ、普通は驚くはな」

 

「もしかしてお姉様とジン兄って風邪ひいた事ないの?」

 

「「ない」」

 

「断言しちゃったよこの2人。でも物凄く納得出来ちゃうのが怖いよね」

 

 

(神と百代は風邪をひくイメージがない)

 

 

 

・1月10日 『110番の日』

 

「もしもし? 警察ですか? すみません。緊急通報と言うわけではないんですけど、少しご相談がありまして。はい。いえ、無理なら今度は警察署の方にかけます。え? 大丈夫ですか? ありがとうございます。いえ、相談というのはですね、実は周囲に犯罪予備軍になりそうな知り合い3人ほどいまして。いえ、今のところはそんなに酷くはないんですけど、このままいくとちょっとどころではない問題になりそうで心配なんです。はい、はい、えっと1人はまあ周囲に迷惑をかけおらず、自分の趣味嗜好の枠から出ていないんですけど、その趣味嗜好が他人に指差されそうなものなので。一応その人の友人に注意をするように言ってはいますのでまだ大丈夫かと。ええ、そうです、分かりました。で、2人目はもう手遅れなんですど一応良識のある大人ですから世間に顔向けできない行動は取らないと思うんですけど、時々心配になるんですよ。はい、はい、そうですね、心配はあくまでも個人的な意見ですので、そこら辺は信用のおける人です。で、実は最後の人が問題なんです。もう既にストーカーの1歩手前まで来てるんですよ。はい、そうなんです。いや、被害を受けているのは幼馴染みです。で、実はそのストーカーもどきも同じ幼馴染みなんです。そうです、共通の友人でもあるんです。本当にどうすればいいんでしょうか?」

 

「……ジン兄、お願いだからそんな真面目に警察に相談しないで」

 

「京がうろたえてやがる」

 

「さすがジン兄だわ」

 

「いやでもさ、いくら今日が『110番の日』だからといって躊躇いもなく警察に電話するって……」

 

「オラたちに出来ない事をあっさりとやってのける、そこにシビれる憧れるぜ!」

 

「凄いです」

 

「兄弟、俺はお前が本当に神様に見える」

 

「ところで、ジン兄殿が言っていた1人目と2人目は誰の事だ?」

 

「2人目は凛奈さんの事だろうね、間違いなく」

 

「1人目はあのハゲの事だろ」

 

「ねぇ、なんで誰もジン兄を止めてくれないの?」

 

「そう落ち込むなよ京! 何事も経験だぜ!」

 

 

 

・1月11日 『鏡開き』

 

「今日は鏡開きだね」

 

「川神院であの巨大な鏡餅を割るんだろ? 今年もその役目は姉さんなのかな?」

 

「なんだ、川神院の鏡餅はそんなに大きいのか?」

 

「直径6メートと4メートルの餅だよ」

 

「大きいですね。でもその鏡餅をどうやって割るんですか?」

 

「ンなもん決まってるだろ、モモ先輩の拳だよ」

 

「毎年見てるけど、あれスッゲーよな~」

 

「一子ちゃん、今年もモモ先輩なの?」

 

「ううん、今年はジン兄だって。しかも指1本で砕くって言ってたわ」

 

「「「「「「「「は?」」」」」」」」

 

「なんでも、点穴っていう物体の壊れやすい場所があって、そこを突けば指1本でも破壊が可能なんだって」

 

「……確かに兄弟なら指1本でも可能かもしれんが、でもそれって」

 

「どう見てもら○ま1/2だよね……」

 

 

(ちなみに巨大鏡餅、思い付きです。でも川神院ならありそうですよね? そう思いませんか?)

 

 

 

・1月12日 『スキーの日』

 

「まゆまゆは北陸出身だからやっぱりスキーは得意なのか?」

 

「はい、それなりにですけど」

 

「ねぇねぇ、北国は学校の授業にスキーがあるってホント?」

 

「はい。学校にもよりますが私が通っていた小学校ではありました」

 

「学校の授業でスキーか……面白そうだな」

 

「そういえば今日って『スキーの日』なんだって。なんでも日本人が初めてスキーをした日だとか」

 

「そうなんですか? ところで風間ファミリーのみなさんは運動神経も良い方も多いですし、やっぱりスキーもお得意なんですか?」

 

「あ~……えっとだな……意外な事にモロロも結構上手いんだが実はな……」

 

「ヒロがそういうの全然ダメなのよ。スキーとかスケートとかいうの」

 

「意外だな。あんなに運動神経がいいのにか?」

 

「滑るってのが苦手なんだよ。文字通り雪まみれになって転げていった時は笑ったね」

 

「そういえば以前、凛奈さんにスケートに誘われた時、頑なに断っていました」

 

「男のプライドか、まゆまゆの前では醜態をさらしたくないんだろうな。そんな事で嫌いになるわけないのにな。なあ、まゆまゆ?」

 

「もちろんです! ――――はっ!?」

 

「「「「ニヤニヤ」」」」

 

「//////////」

 

 

 

・1月13日 『ピース記念日』

 

「ぷは~……世知辛い世の中だねぇ」

 

「たばこを吸う背中に哀愁が漂ってますよ」

 

「気にするな、どうせまた小島先生に袖にされたんだろ」

 

「暁に凛坊かよ……オジサン今、心の傷を癒すのに忙しいの。ほっといてくれる?」

 

「屋上では喫煙は罰金だと聞いたんですけど?」

 

「杓子定規みたいな事言うなよ。お前さんはそんな堅っ苦しい性質じゃないだろ」

 

「まあ、生徒として一応の苦言を。ピースですか、意外といいたばこ吸ってますね」

 

「意外は余計だよ。知ってたか暁、今日はこのピースが発売された『ピース記念日』なんだぜ」

 

「1946年に発売され、当時は10本入りで7円、日曜祝日に1人1箱だけだったらしいな。名称の意味も第二次世界大戦後の混乱期に平和な未来を願って『平和』の意味で『ピース』らしい」

 

「さすが凛奈さん、博識ですね」

 

「扱いが酷いんじゃないかとオジサン思うんだけどね」

 

「しかし、身体を壊すと言われているのに『ピース』、『平和』ですか。なんだか皮肉ですね」

 

「なに、世知辛い世の中に辟易している巨人さんは、早くあの世に行って『平和』になりたいんだろ」

 

「なるほど、一理ありますね」

 

「正直に言え。お前ら……俺のこと嫌いだろ?」

 

「「さあ?」」

 

 

 

・1月14日 『ダイアリーデー』

 

「はい、大和。これプレゼント」

 

「手帳? なんでまた手帳なんか。今のところ必要ないんだが?」

 

「あのね、今日は『ダイアリーデー』って言って、その年1年間使う手帳を恋人にプレゼントする韓国の記念日なんだよ」

 

「あっそ。っていうか俺たち恋人じゃないだろ」

 

「それでもいいの。よければ使ってね?」

 

「まあ、ありがとうと言っておくよ。……ん? 1回開いたのか? おい京、なんで毎月必ず花マルが書き込まれているんだ?」

 

「ああその花マル? それは大和の赤ちゃんを授かりやすい――」

 

「兄弟、今すぐこの手帳燃やしてくれ」

 

「了解だ。【烽塵罰火(ほうじんばっか)】」

 

「あああああ!?」

 

「さてミヤ、申し開く事はあるか? なければ少しお説教タイムといこうか?」

 

「助けて大和ぉぉぉぉ!!」

 

 

 

・1月15日 『ウィキペディアの日』

 

「タクはよくネット情報仕入れているようだけど、そういった豆知識は何で調べてるんだ?」

 

「基本はウィキペディアだよ」

 

「ウィキペディアって……ネット上のフリー百科事典ってやつか?」

 

「うん。それで実は今日、1月15日はウィキペディアが公開され事でウィキペディアンからは『ウィキペディアの日』に制定されてるんだ」

 

「『ウィキペディアン』?」

 

「ウィキペディアの執筆者・編集者の事だよ。まあ、誰でも書きこむ事が出来るから誰でもなれるんだけどね」

 

「そもそも『ウィキペディア』の意味って何だ? 百科事典なら『encyclopedia』だろ?」

 

「造語だよ。ウェブプラウザ上でウェブページを編集する事が出来るシステムを『wiki』って言って、そのシステムを使用した百科事典『encyclopedia』だから、繋げて『Wikipedhia』」

 

「ふ~ん」

 

「なんか、ジン兄にものを教えるって物凄く意外で新鮮なんだけど」

 

「俺だって別に何でも知ってるわけじゃないぞ?」

 

「いやだって、ジン兄って僕の中じゃあ『超越者』って感じだからさ」

 

「……俺は普通のつもりなんがだ?」

 

「……モモ先輩をコントロールしてる時点で普通じゃないよ」

 

 

 

・1月16日 『禁酒の日』

 

「うはははは~! 飲め! 飲むんだ!」

 

「見よ! 俺様のこの肉体美を!」

 

「やまとぉ~胸が熱くて苦しいのぉ~擦ってぇ~?」

 

「ちょっと京! なに大和にもたれかかってんのよ!? そこはアタシの縄張りよ!」

 

「縄張りって……本物の犬じゃないんだからその表現はどうかと思うぞ一子。だがそんなお前も可愛いぞ」

 

「だからそのCPUにするならグラフィックボードはこっちの方が……Zzz」

 

「いいぞみんな! やれやれー! あははははは!」

 

「なんだこの魔窟は……俺がいない1時間で何が起こった」

 

 

   5時間後

 

 

「いいかお前ら、20歳にもなったし成人式も終えたから酒を飲むなとは言わない。だが『酒は飲んでも飲まれるな』という言葉があるように前後不覚になるまで飲んでどうする。さらに今日はアメリカで初めて禁酒法が実施された『禁酒の日』だ。まあ日本にはあまり関係が、それでもこれから付き合いで酒を飲む機会が増えるのは間違いないのにその度に醜態をさらす気か? 酒を飲むならまず自分の摂取酒量の限界を覚えろ。記憶がなくなるまで飲むな。酒の場は無礼講ってよく言うがそれは建前だ。これから社会人として生きていくのなら酒の場で身を滅ぼす事だけはするな」

 

「……き、兄弟……分かった…分かったから……」

 

「あ、頭痛いからそんなに声を張り上げないでよジン兄……」

 

「頭痛いのは知ってる。だからこそ今こうやって説教しているんだろ。痛みを伴えば忘れる事ないしな」

 

(((((((っていうかこの人、1升瓶6本空けといてなんで平気なんだろ)))))))

 

 

(神、大和、一子、翔一、岳人、卓也、京、クリスが成人して酒盛りしていた。ってな感じの場面という事にして下さい)

 

 

 

・1月17日 『防災とボランティアの日』

 

「そういえば今日は阪神・淡路大震災が起きた日だな」

 

「自分も知ってるぞ。ドイツでもニュースで流れたからな」

 

「それにちなんで今日は『防災とボランティアの日』に制定されている。震災をきっかけにボランティア活動への認識を深めて、災害への備えを充実強化を図る目的があるらしい」

 

「ボランティアか。素晴らしい志だな」

 

「場合によっては善意の押し売り、有難迷惑な時もあるけどな」

 

「大和! なんだその言い草は!? もっと素直に言えないのかお前は!?」

 

「ヤマもクリスもそこまで。クリス、物事には多面性がある。確かにいい志だけど相手の気持ちを考えなければヤマが言ったように善意の押し売りだ。そしてヤマ、たまには素直に物事を捉えろ。裏ばっか見てても面白くないだろ」

 

「むむ」

 

「分かったよ」

 

「ジン兄がいると大和とクリの言い争いが始まる前に終わるわね……ねぇジン兄。ジン兄もじいちゃんみたいに気合だけで地震起こせる?」

 

「ん? 出来ない事もないがやろうとは思わないな」

 

「さらりと言ってのけたよこの人……」

 

「この場合、さすがジン兄殿と言うべきなのか?」

 

 

 

・1月18日 『振袖火事の日』

 

「地震・雷・火事・親父」

 

「いきなりどうしたんだよガクト?」

 

「いや、さっきニュースで今日が『振袖火事の日』とか言ってたからなんとなく」

 

「ああ、明暦の大火だね。江戸時代に起きた火事で実に1月18日~20日の3日間、江戸市街の約6割を焼き尽くし死者10万人にも及んだ火事だよ。当時は旧暦だから1月18日だけど新暦で換算すると3月2~4日なんだけどね」

 

「別にそこまで説明を求めちゃいねーんだけど」

 

「ガクトが言った言葉って怖いものの順番ってよく言われてるけどな」

 

「俺様にしてみりゃあ、地震・雷・火事・お袋だな」

 

「ははっ、麗子さん時々マジ怖ぇもんな!」

 

「ガク、キャップ。悪いがそれ意味違うからな。地震・雷・火事・おやじの『おやじ』は『父親』の事じゃない。『台風』の事だ」

 

「「え?」」

 

「台風は昔は『大山嵐(おおやまじ)』って言って、どういった経緯か知らないが恐らくそれが省略されて『おやじ』って呼ばれるようになったんだろ。だから正確には『地震・雷・火事・台風』で全て災害だ。さてガクにキャップ、さっきの発言について俺は麗子さんになんて言えばいい?」

 

「「ここでそんな話になんのかよ!?」」

 

「……僕たちにしてみれば、地震・雷・火事・おやじ、よりもジン兄の方が怖いよね」

 

「否定できないからなお怖いよな」

 

 

 

・1月19日 『のど自慢の日』

 

「第5回! 風間杯争奪カラオケ大会!」

 

「「「「「「いえ~い!」」」」」」

 

「い、いきなりどうしたんだキャップは?」

 

「カラオケに来ているのにカラオケ大会……ですか?」

 

「実は今日って『のど自慢の日』なんだ。だから時々思い出したかのように1月19日にカラオケをやるんだ。僕はなかなかあのテンションについていけないけど」

 

「まあ、いつものノリだと思えばいいさ、クリスもまゆっちも」

 

「KARAOKEか。ドイツではあまり見かけないから少し戸惑うな」

 

「カラオケは日本発祥ですからね」

 

「しかしみんな上手いな……次はジン兄殿が歌ってはどうだ? 自分はジン兄殿の歌声を聞いてみたいぞ」

 

「私も聞きたいです。ジン先輩ってすごく上手そうですし」

 

「……………………ふぅ」

 

「「?」」

 

「まゆもクリスさんも期待しているところ悪いけど、ジン兄は歌はからっきし。有り得ないほどの音痴だから。そのせいでジン兄、音楽の成績悪くて成績表はオール5が1回もなかったんだ」

 

「……画竜点睛を欠く?」

 

「……麒麟の躓き、では?」

 

「……正確に言うなら玉に瑕、じゃないかな?」

 

「酷い言われようだなオイ」

 

 

(ちなみに、画竜点睛を欠く……殆ど完成しているが肝心なところが抜けて全体がダメになっている。麒麟の躓き……非常に優れた人でも失敗する事がある。玉に瑕……それさえなければ完全なのにほんの少し欠点がある。です)

 

 

 

・1月20日 『玉の輿の日』

 

「『玉の輿の日』? なんじゃそりゃあ?」

 

「今日、1月20日の記念日の1つだよ。明治38年にアメリカのある財閥の人が祇園の芸妓さんを見初めて結婚したんだ」

 

「ふーん、だから『玉の輿の日』か。男女逆だと逆玉の輿って言うんだっけか?」

 

「逆玉の輿か……俺様も狙いたいぜ」

 

「ガクト、人の夢と書いて『儚い』だ。っていうかお前が逆玉とか絶対にありえん」

 

「ンだと大和!? やってみなきゃ分かんねーだろ!」

 

「お前の外見と性格じゃあ絶対に無理だ。俺たちの中で逆玉出来そうなのはヒロだけだろ」

 

「なんか凄く納得」

 

「ねえ大和君、卓也君、それってどういう意味?」

 

「年上の女性に囲ってもらえるもらえるような外見、って事だろうな。特に金持ってそうな人たちはそういうのが好きそうだしな」

 

「……身も蓋もない言葉、ありがとうねジン兄」

 

 

 

「という話が聞こえたけどモモ先輩はどう思う?」

 

「確かにタカは囲いたくなるな。若いツバメにもなりそうだ」

 

「私としてはモロも捨てがたいと思うんだけど」

 

「ふむ、気弱そうなモロロは母性本能をくすぐるかもな。私は理解できんがな」

 

「あの~……それって逆玉の輿じゃなくてただのヒモなのでは?」

 

「なあ犬、『若いツバメ』とはどういう意味だ?」

 

「さあ? 燕の雛の事じゃないかしら。アタシも良く分かんないわ」

 

 

 

・1月21日 『ライバルが手を結ぶ日』

 

「やあ、大和君」

 

「……葵」

 

「人を見てすぐに表情を歪める……そんな貴方もキュートですよ」

 

「気色悪い事言うな! 鳥肌が立っただろ!? そもそもなんで俺とお前が話し合いをするんだ!?」

 

「それは今日が『ライバルが手を結ぶ日』だからですよ」

 

「薩長同盟を結んだ日か……」

 

「ええ、その通りです。ですがこの場合、どちらが桂小五郎でどちらが西郷隆盛なのでしょうね?」

 

「知るか。分かっているのは兄弟が坂本竜馬って事だけだろ」

 

「言い得て妙ですね。どうです? 私たちもここで固く握手しますか?」

 

「……身の危険を感じるのは俺の気のせいか?」

 

 

「で? 実際なにがしたかったんだ、坂本竜馬こと暁よ」

 

「別に、なんとなく面白そうだと思ったからだよ井上。お前はさしずめ高杉晋作か大久保利通か?」

 

「面白そうって……やっぱお前も風間ファミリーだよ」

 

 

 

・1月22日 『カレーライスの日』

 

「おい京、それはもはやカレーじゃないぞ」

 

「大和も食べる? 辛さ10倍+マイタバスコ+マイハバネロソースをふんだんにかけた京スペシャルカレーだよ」

 

「それって既にカレーに対する冒涜だよ京ちゃん」

 

「つーかカレーって呼んでいいのかよそれ?」

 

「そもそもなんで今日に限って全員でカレーを食べに来ているのだ?」

 

「それは今日が『カレーライスの日』だからだよ。で、それを聞いたキャップが『ならば今日はカレーを食うぞ!』って」

 

「相も変わらず思い付きなんですねキャップさんは」

 

「ほらジン、あ~んだ」

 

「分かったから、口開けるから押しつけようとするなモモ」

 

「よっしゃワン子! どっちが多く食えるか勝負だ!」

 

「乗ったわ!」

 

「いつも通りマイペースな人たちだねホント……」

 

 

 

・1月23日 『電子メールの日』

 

「りょうかいいたしました。変換して、送信っと」

 

「まゆっちは未だにメールは慣れないんだな」

 

「いちいち声にも出してるしね」

 

「えっと、電話の方は別に問題ないのですが、メールはちょっと……なにぶん、手紙を書く方が多かったもので……」

 

「別段、出す相手がいたわけではないんだけどな~」

 

「たまに言葉の端々に笑えない過去が滲み出てるな、まゆまゆは」

 

「そういえば今日って『電子メールの日』なんだって。1月23日で『(いい)23(ふみ)』、『E文』の語呂合わせかららしいけど。ま、女子高生としてはメールぐらいはちゃちゃっと打てるようにならなきゃね」

 

「やはり今時女子高生の必須スキルなんですね」

 

「やっぱまゆっち女子高生レベルが低いぜ」

 

「なんなら自分が練習相手になろうか?」

 

「えっと、以前凛奈さんにも同じ事を言われましたので、実は寝る前にタカさんとメールのやり取りをしているんです」

 

「「「「………………」」」」

 

「あ、あの~?」

 

「ラブラブメール?」

 

「なんだかんだ言ってやっぱ仲いいわねヒロとまゆっち」

 

「自分たちは惚気られているんだろうか?」

 

「お互い自覚がないのがなんとも2人らしいがな」

 

 

 

・1月24日 『ボーイスカウト創立記念日』

 

「やっぱガクト×モロだよ。攻めのガクト受けのモロ」

 

「源と風間もなかなかのモンじゃない? アタイとしちゃぁ結構イケると思うんだけど」

 

「えー、アタシとしてはナオっちと暁君も捨てがたいんだけどな~」

 

「ジン兄を例えに出すなんて恐れ多い。モモ先輩に物理的に潰されるよ?」

 

「怖い事言わないでよ椎名っち。それ冗談に聞こえないから」

 

 

「……なあ委員長、何がどうなったらあんな不穏な話になるんだ? 自分たちは今日が『ボーイスカウト創立記念日』だという話をしていたはずだったが?」

 

「私に聞かれても困りますぅ」

 

「気にするだけ無駄よ。京のあれはもはや病気だって大和が言ってたわ」

 

 

「あ~でもそれだったら大和と葵冬馬の組み合わせもソソるものがあるよ」

 

「葵ってバイだって噂があるし、マジ有りそうじゃん?」

 

「篁君もいい線いきそうだけど見た目がね~」

 

 

(何故こんなネタしか浮かばなかったんだ自分……)

 

 

 

・1月25日 『左遷の日』

 

「『左遷の日』?」

 

「そ、今日1月25日はあの菅原道真が太宰府に流罪された事から『左遷の日』になってるんだ」

 

「おいおいモロ、せっかくの酒が不味くなるじゃねーか。ただでさえこの間、ウチの課の課長が左遷されたってのに」

 

「はは、ガクトも気をつけなきゃなあ?」

 

「そりゃどういう意味だよキャップ!? なんで俺様にそれを言う!?」

 

「だって、俺たちの中で1番左遷って言葉に縁があるのガクトだけだろ?」

 

「はは、キャップの言う通りだね。大和とタカは率ないから無縁だろうし、キャップとジン兄なんかそもそも左遷なんかない。僕の会社は本社しかないからね」

 

「くぅぅ! 世知辛い世の中だぜ!!」

 

「だったらガクトも夢に生きろよ! 楽しいぜ!」

 

「キャップはいい加減に現実を見ようよ。もう『夢』なんて言葉で自由やっていられる年齢じゃないでしょ……」

 

 

(学園卒業10年後ぐらいの設定で)

 

 

 

・1月26日 『コラーゲンの日』

 

「クリス、これあげる」

 

「……急になんだ京? それにその袋、何故か異様な感じがするのは自分の気のせいか?」

 

「そんな事ないよ。この袋の中には物凄く美容にいい食材が入ってるだけだから」

 

「本当か? どれ――――うわぁぁ!?」

 

「せっかくのプレゼントを放り投げるなんて」

 

「動物の足みたいなのが大量に入っていたら驚くに決まってるだろ!? 何なんだそれは!? イジメか!?」

 

「何って、豚足だよ」

 

「トンソク!?」

 

「豚の足。コラーゲンたっぷりで美容にいいんだよ。知らなかった?」

 

「コラーゲンが美容にいいのは知っている! だが何故、今日それを持ってくるんだ!?」

 

「今日、1月26日が『コーラゲンの日』だから」

 

「たったそれだけの理由か!? まさかとは思うが京、もしかして自分をからかってるのではないだろうな!?」

 

「クスッ」

 

「なんだその含んだような笑いは!? 待て! 逃げるな京!」

 

 

 

・1月27日 『真剣で私に恋しないさい!S 発売日』

 

「「『真剣で私に恋しないさい!S』本日発売しました!」」

 

「…………」

 

「…………」

 

「なんか侘びしいねジン兄」

 

「仕方ないだろ。今ここには俺とヒロしかいないんだから」

 

「他のみんなは『S』で出番があるから行っちゃったしね。全く出番のない僕たちは関係のない事だもんね」

 

「俺たちは二次創作のオリジナルキャラクターだからな。出番云々以前の話だろ」

 

「どうしようか? 凛奈さんも呼ぶ?」

 

「そうするか」

 

「じゃあ僕は電話してくるから」

 

「ああ、頼んだ。えっと……まあそういうわけで『真剣で私に恋しなさい!S』がついに発売になりましたのでどうぞよろしくお願いします」

 

 

(ちなみに今日は『国旗制定記念日』でもあります。かしこ)

 

 

 

・1月28日 『逸話の日』

 

「ここだけの話、泰然自若でどちらかと言えば大らかなジン兄だけど、実は1度だけマジギレした事があるんだ」

 

「あのジン兄殿がか?」

 

「想像できません」

 

「あ~……あの事件の事か」

 

「あの事件? 何か物凄い話な気がするぞ」

 

「原因はよく分かんないし覚えていないんだけど、確か小6の夏休みだったかしら? 親不孝通りにある暴力団の事務所を壊滅させて、その親組織の組の屋敷に殴りこみに行って組長さんと話を付けた事があるのよ」

 

「……ばいおれんすだぜ」

 

「そのせいかその組長さんに気に入られて、ここらの地域の暴力団関係者からはある意味で一目置かれてるらしいよ、ジン兄って」

 

「この間、ちょっとだけ派手なシャツ着てたオジサンに頭下げられてたわ」

 

「……何故だろう。ジン兄殿らしくないのに何故か納得できてしまう」

 

「……確かに、どこかで納得している自分がいますね。そもそもどうしてそんな話を?」

 

「それは今日が『逸話の日』だからだよ。1月28日で『128(いつわ)』。でしょ?」

 

 

 

・1月29日 『昭和基地開設記念日』

 

「南極物語って知ってるよな?」

 

「ああ、南極にとり残された樺太犬の生き残りのタロとジロの話だよな?」

 

「かなり端折った説明だが大まかはその通りだ」

 

「それがどうかしたのか?」

 

「いや、今日がその南極物語の元になった日本の南極観測隊が越冬のために昭和基地を開設した『昭和基地開設記念日』なんだ」

 

「1957年だからもう50年以上前の出来事だもんな……そう考えると凄いよな」

 

「同感だな。ところで兄弟、ふと思ったんだが――」

 

「なんだ?」

 

「お前なら何の基地設備もなくても南極で越冬できそうだなぁと」

 

「……お前は俺を何だと思ってる」

 

「ああ、兄弟でもやっぱ無理か」

 

「寒さなら【天嶺(てんりょう)焔烽宮(えんほうぐう)】でしのぐ事は出来るがさすが、最低限調理施設は欲しいぞ」

 

「……寒さはしのげるんだ」

 

 

 

・1月30日 『3分間電話の日』

 

「タッちゃん! 誕生日おめでとう!」

 

「ありがとよ。で、祝ってもらうのはありがたいんだが、なんで公衆電話からなんだ?」

 

「あのね、あのね、今日は『3分間電話の日』なんだって」

 

「『3分間電話の日』? なんだそりゃ?」

 

「えっとね、公衆電話からの市内通話の料金が3分で10円になったのが今日なんだって。それまでは1回10円で時間無制限だったらしいの。それをタッちゃんに教えようと思って公衆電話探してたんだけど、なかなか見つからなかったわ」

 

「そいつはどうもありがとよ。どうせ神か直江か師岡からの雑学だろ」

 

「凄いわ! タッちゃんてエスパー!?」

 

「お前のその辺の雑学は大概がその3人からの受け売りだろ。そもそも、教えるだけだったらわざわざ公衆電話探す必要もないだろ。携帯があるんだから」

 

「ああ!? そういえばそうだった――――」

 

「……3分過ぎて切れたか……テレカ使わずに10円使ってるあたり、どこか抜けてるところは一子らしいが……『おめでとう』の言葉、サンキューな一子」

 

 

 

・1月31日 『愛妻家の日』

 

「じぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」

 

「………………」

 

「じぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」

 

「……モモ、穴があくほど人を見るのは別に構わないが、擬音を声に出すのはやめろ」

 

「……………………………………………………」

 

「……ハァ、分かったからそんな物欲しそうな目で見るな」

 

「分かっているのに黙っているのはいただけないぞ」

 

「そいつは悪かった。だがガラじゃないだろ?」

 

「確かにお前のガラじゃないけど、可愛い彼女の可愛いわがままぐらい聞いてくれても罰は当たらないぞ」

 

「そこまでいっていないってツッコミはしない方がいいんだろうな」

 

「いずれそうなるんだ。今から予行演習だと思えばいいだろ。さあ、今日は何の日だ?」

 

「1月31日、『愛妻家の日』だな」

 

「なら、私の望む言葉ぐらいお前なら分かっているはずだ」

 

「……愛してるぞ、モモ」

 

「私も愛しているぞ、ジン」

 

 

(神はベタ甘じゃないけど、周囲が羨むぐらいの愛妻家になりそうな気がします)

 

 

 

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