本格的に暗殺教室がスタートします!
しかし、新太は平常運転!
視点は三人称
「では日直の方、挨拶を」
4月に入り、色んな意味で教室はガラリと変わった
教壇に立っているのは雪村先生ではなく、アカデミックドレスを着た3mくらいある黄色いタコ
初めての方は「はい?」とチンプンカンプンであるがそう形容するしかないのだ
そして、「起立」と日直がいうと生徒たちはそのタコに銃を向ける
明らかに普通の教室の光景ではない
今、この教室にあるのはタコを射殺しようとする生徒の光景(口径)である
「礼」とともに一斉に射撃するがタコはそれをいともたやすく避けて、出欠を取り始めた
結局、1発も当たらないまま出欠を取り終わるのだった
「今日も1発も当たりませんでしたね~。もう少し工夫を凝らしてください。それと新太くん、初日以降暗殺をしかけてきませんので先生寂しくて仕方ありません」
「ん~、まだ思案中だからさ。もうちょっと待ってよ先生。出来そうならすぐに殺りに行くからー!」
新太は先程の射撃に参加せず、1人でノートとペンを取り出し何か考えている
タコへの返答もしっかりやりつつ、ペンで机をトントンとたたいて考え事をしていた
「ヌルフフフ……それは楽しみですね。期待していますよ。それでは、掃除して授業を始めましょう!」
なぜ、このタコがE組の担任をしているか
それは4月に入って起こったある事件と関わっていた
~回想~
「おはよー!いそ兄、タラちゃん!」
「おう、おはよう」
「だから、タラちゃんやめろって!」
「月が三日月になっちゃったね!」
新太は前を歩いている磯貝と前原に挨拶し、前原の発言をスルーして月の話題を出した
4月に入っての事件は月が7割蒸発して三日月になってしまったこと
原因は不明らしい
「ああ、世界中その話題で持ちきりらしいな」
磯貝は顎に手を当て考えている素振りを見せる
前原は「そうだったな」と短く言う
「うん!誰がやったんだろうね、北朝鮮かな?」
「いや、北朝鮮にそんな科学力ないだろ」
「どこの国でも出来ねえから!!確かに北朝鮮アホみたいにミサイル撃ってるけどさ!!」
「じゃあ、誰だろうね?」
新太の問いに2人とも「さあ?」としか言えなかった
3人は学校に着くとすでにほとんどのクラスメイトが教室にいた
何やらザワザワしていて、何かあったことを思わせる雰囲気だ
「なんだ?やけに騒がしいな…」
「おはよー!何かあったの?」
新太が中村に声をかけると速水との会話を中断させて振り向く
「新太ちゃんおはよー!なんかね、担任が変わるらしいよ!」
「え………そんな…………」
中村の一言で新太は声のトーンが落ち、顔を俯かせる
誰が見ても落ちこんでいるようにみえる
それも無理はない
新太はE組で雪村先生と1番仲の良かった生徒だ
4月も彼は雪村先生に期待を持って来たのだ
だからこそ、ショックも大きくなってしまった
「新太、仕方ないだろ。な?」
「…………してない」
前原が心配して声をかけるが新太は身体を震わせて何かを言った
「まだ雪村先生とデートしてなーーーい!!!」
教室中に響く声で叫ぶ
クラスメイト全員ポカーンとなっていた
前原が絞り出すようにして「は?」と口にする
「雪村先生、僕とデートしてくれるって……言ってたのに!!ちゃんとお誘いしたのに!!」
新太の爆弾発言に今度は磯貝が「へ?」と素っ頓狂な声を上げる
この時、前原は思った
こいつ、俺にタラシって言える立場なのか………と
おそらく、新太としてはデート=お出かけとして成り立っているのだろう
しかし、新太はデートという言葉が他の人には違う印象を与えていることに気がついていない
この時、前原の中で新太は天然タラシチビ野郎として定着するのだった
「ま、しょうがないよね。それより、担任ってどんな人?」
「切り替え早っ!!!」
先程まで頭を抱えて悔しそうにしていた様子から一転して、新太いつもの感じに戻り質問を繰り出す
それにはクラスメイトツッコまざるを得なかった
「んー、まだ何の話も聞いてないね〜」
中村は椅子の上であぐらをかきながら話す
新太はそれを聞いて「んー」と少し考えてから話す
「もしかして、月を蒸発させた人だったりしてー…」
新太のその言葉に一瞬シーンと静かになった後にクラス中爆笑が起きる
「そんな訳ないじゃん!!」
「なんでそんな奴がこんなところに来るんだよ!?」
などと笑いながら話すクラスメイトを見て、「そんな訳ないか」と新太は小さく呟く
しかし、これが嘘から出たまこととなるとはこの時はまだ誰も知らなかった
「どうも、私が月を蒸発させた犯人です。今日からE組の担任になりますのでよろしくお願いします」
(当たっちゃったよ………)
朝のホームルームの時間
黄色いタコがそう言った
そして、その時クラスの心が1つとなった
これには予想を的中させた新太自身も驚いていた
「防衛省の烏間という者だ。単刀直入に言う。君たちにこいつを殺してもらいたい」
この発言にクラス全員の目が飛び出さんばかりに見開く
ただ1人、新太を除いては……
その後も説明という説明ではない話を烏間からされた
このタコは最高速度マッハ20、月を蒸発させた犯人、手入れが好き、来年の3月には地球を破壊するという情報とタコに効くナイフと銃が配布された
しかし、それだけでは疑問が多く残っているのだがこの一言によりかき消された
「報酬は100億円」
この言葉にクラス全員の目が¥に変わっていた
しかし、新太だけ「へー」と言っていた
そして、この時からタコによる授業が開始されたのだった
~回想終了~
「それでは先生、上海に行ってきます。暗殺希望の方は電話をかけてください」
タコはそう言い残すと窓から空に飛び立った
新太は外を見て「おお、すげー!」と言い見送っていた
その直後、クラスでタコの凄いところを列挙していく
それだけ、タコが生徒を大事にしていることは伺える
しかし、彼らの大半は暗い表情だった
「どうせ、俺らE組だしな。期待しても無駄だよな」
三村が自虐的に笑いながら言う
クラスの大半も同じような表情だった
「そうかな?僕はそう思わないけど…」
それに異を唱えたのは新太だ
何か思い当たるところがあるようだ
「どういうことだよ?」
菅谷が半笑いして聞く
新太はニコニコしてそれに答える
「僕はE組だからって期待は無駄にならないと思うよ。少なくとも、あの先生は僕たちの可能性を見てる。そんな眼だったよ」
「…………けっ、いいよな元A組の奴は、余裕でよ」
新太の言葉に否定する形で入ってきたのは寺坂だ
「お前はさ、落ちこぼれの気持ちとか分かんねぇだろうがよ。考えてみろよ、何でE組があると思ってんだよ…。落ちこぼれなら落ちこぼれらしくしてろよ。夢なんか持ってんじゃねぇぞ」
寺坂は机に足を乗せてのけぞりながら話す
それに反論を入れようとする磯貝だが近くから凄い殺気を感じた
そう、新太だ
「寺坂君さ、落ちこぼれ落ちこぼれって言ってるけど…………なんかしてきたのか?頑張ってきてそういうこと言うのならいいけどさ、やってないんだろ?………………よく言えたよね。自分はだっさいプライド守ってしかないのにさ」
新太の挑発ともとれる発言に机を強く叩き立ち上がる寺坂
「なんだと」と言いながら新太に近づく
その様は韓国と北朝鮮みたいに一触即発状態だった
「てめぇに俺らの気持ち……」
「俺ら………じゃなくて、俺のだろ?誰もお前の気持ちなんて分かりたくもない。腐るのは勝手だけどさ、周りを巻き込むのはやめろよ。気に食わないなら来なけりゃいいじゃん」
新太の強気な発言に寺坂は「けっ」と吐き捨てツレの吉田と村松、それと渚を連れて教室から出ていく
新太の殺気が収まり、いつもの雰囲気になる
クラスは緊張感がとけてほっとひといきついている
「ふー、なんとかなったな。急にキレるなよ、新太」
「ごめんごめん!でも、あんなこと言われたら黙ってられないよ!」
岡島が新太にそう言うと新太は合掌し、クラスに謝る
「でも、またなんであんなに怒ったの?」
岡野は新太の怒った理由に対して気になったので聞いてみる
新太は少し真剣な顔で話し出す
「今の寺坂の言葉は夢に向かって頑張ってる人に失礼だよ!そんな人の心も踏みにじってる!どんなに高い壁も努力次第では乗り越えられる!……………それを体現した人がいたから」
そう告げた新太の顔は最後の一言だけ少し様子が違った
片岡はそのことについて聞いてみたかったが今回はやめることにした
新太の顔が見せたことのない寂しげな表情だったからだ
次回は自爆テロ!
新太があのガキ大将にマジギレ!
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