帰りのホームルームが終わり、さっさと支度を済ませ、下校する。部活にも入っていないので、いつも家に着くのは4時くらいで、高校生にしては、時間がある方だ。家に帰って、漫画読んだりゲームやったりしてても、今は一人暮らしだから、小言を言う親もいなくて気が楽だ。生活費は、全て親が払ってくれているのでバイトをしたりして稼いだお金は、ほとんど趣味に使える。
(昨日買った本全部よんじゃったからなー。新しいの買いに行くか。)
竜一は昨日7時間かけて漫画を1シリーズ読み終えてしまっていた。おかげで寝不足だ。今日読む為の本を買うため、取り敢えず駅前にあるオリオン書房によることにして、駐輪場へ向かうと、そこに七海仁美がいた。
「あれ七海さん部活は?確か軽音部だったよね。」
「ああ、高崎君。軽音部は、今日は休み。あまり熱心な部活ではないから。」
「そっか。じゃあ今帰り?奇遇だね。」
「そうね。でも、一緒に帰ったりしないわよ。」
「なんで誘ってもないのに断られなきゃいけないのさ?!」
さすがの竜一も、少し声を荒らげた。もちろん怒っているわけではないが。
「冗談よ。からかってみただけ。」
と、悪戯っぽく笑った。
「私駅前に行くのだけれど、高崎君も行く?手伝って欲しいこともあるし、一緒に行かない?」
「まあ断る理由も無いし。、、、行くよ」
竜一たちが通う高校から、駅前には自転車で20分かかる。少し長い距離だが、二人で話しているとあっという間に着いた。
「そういえば手伝って欲しいことって?」
「高崎君文庫本だけじゃなくて漫画も沢山読んでいるんでしょう?だから、オススメを教えて欲しいの。」
「いいけど、七海さんも、漫画とか読むんだね。」
「いいえ。買うのはこれが初めてよ。友達に貸してもらったりしたことはあるけど。」
「へえー。じゃあ気合入れて選ばないとね。」
そうして二人はしばらく雑談をしながら、本を選んだ。竜一も自分の読む本を買ってオリオン書房を後にし、帰る方向も大体同じなので、今度は、自転車を引きながら一緒に歩いている。
「そういえば、なんでまた漫画を買う気になったの?」
「この前話した時に、高崎君いろいろな本を読んでるっていってたでしょ。」
「うん。まあ確かに言ったね。物語から、評論文、ミステリから、恋愛までって。」
「それで私以上に本を読んでいる人が、ハマるものっていうのを買ってみたくなったのよ。」
その言葉に竜一は安堵したような顔になり、ゆっくりと噛みしめるように言葉を発した。
「そっか。うん。よかった。」
「?何がよかったの?」
「俺みたいな性格で、漫画を沢山読んでいるとさ、なんかバカにされることがよくあるんだよ。本も読むって言っても、どうせラノベだろ?とかね。ラノベがダメなわけでは無いけど、あんまりいい意味で言ってないんだよ。言う奴は。たまにひく人もいるからね、その勘違いでさ。だから俺の話を聞いて、純粋に興味を持ってくれたみたいで、よかった。嬉しい。」
竜一にしては爽やかな笑みで、そう言った。
「そう、、、。、、、私は別にそんなことくらいで引かないわよ。」
と言いながら七海は、顔をそらす。心なしか頬が赤い。純粋な好意というのは向けられると照れるものだ。そんな七海を不思議に思いながらも、竜一は、別れの言葉を告げる。さよなら、そう言いかけた瞬間だった。不意に七海の後ろのブロック塀が歪む。突然の出来事に、自分の目をこすり、唖然とする。すると七海が後ろを振り向き、驚き叫ぼうとした瞬間、二人一緒に歪みに呑み込まれた。
自分で書いてて思いましたけど、進行遅いですかね。少し。でも、私は東亰ザナドゥの日常シーンも好きなので、こういう戦闘でないシーンもちゃんとしたいんです。ジレンマ。では、次もよろしくお願い致します。