舞台となる世界の設定はそのまま引継いでおり、前作より少し後の時間になっています。(そのため、前作のキャラクターも少しだけ出てきます)
ただ、題名の通り舞台はほぼ東京のみで、あらすじにあるように少し暗めの雰囲気になっています。MSによる戦闘もほとんどなく、もっぱらキャラクターが街を歩き回る展開です。
土地勘がまったく無い状態で、地図だけを頼りに描いているため、東京を良く知る人からすると疑問符の付く場面もあるかと思いますが、それはコズミック・イラのトウキョウだという事でご容赦下さい。
コズミック・イラの東京
コズミック・イラの国際秩序は、再構築戦争と呼ばれた戦争によって形成された。極東地域においてもそれは同様であったが、かつて極東に存在した国は再構築を目指す国際的潮流に乗り遅れていた。
その国は、地理的には極東・東アジアに位置しながら、大西洋連邦の前身となった国家との政治的・経済的な繋がりが強く、再構築に際してどの陣営に付くかの判断が遅れたのだ。
結果としてその国は、大西洋連邦の前身国家から事実上切り捨てられる形で東アジア共和国に併合された。経済規模の大きさや言語上の問題から、日本自治区として広範な自治を認められはしたが、首都であった東京は東アジア共和国政府が直接統治する形をとる事となった。トウキョウ特別行政府と呼ばれるその地域は、西の境を多摩川、東の境を利根川として、圏央道の内側地域を指す。
房総半島は全域が特別行政府内であり、これは東京湾防衛のためである。横須賀に大西洋連邦が海軍部隊を駐留させているため、房総半島の側から浦賀水道を牽制する必要があるとの判断であろう。
トウキョウ特別行政区を特徴付けるのは、身分証確認ゲートと呼ばれる検問システムである。道路のいたるところに駅の自動改札のような装置が設置されており、身分証がなければそこを通行する事が出来ないのだ。車道にも同様のゲートが設けられており、ゲートの開閉は車載装置に身分証をセットする事で行われる。
さらに身分証の種類によって通行可能な人間を選別しており、その選別は一日の間に何度も変更される。これによって、特別行政府当局にとって都合の悪いものは市民の目から物理的に隔離する事が可能なのだ。鉄道網の運行システムもこれに連動されており、市民の動きは完全に監視・管理されている。
東アジア共和国では、情報通信に関する規制が厳しく、特にトウキョウ特別行政府では市民が触れる情報の全てに監視の目が光っているという話もある。だが、そのような当局の監視を逃れるアングラのネットワークが存在するという噂もまた、まことしやかに語られているのだ。
さらにトウキョウ特別行政府には、二つの特別地域が存在する。
一つは旧世界と呼ばれている、日本人特別居留区。もう一つは、オーブ連合首長国の租借地であるタマユラ地区だ。
日本人特別居留区は、東アジア共和国による併合を良しとせず、トウキョウ特別行政府で反東アジア政府活動を行った人々やその関係者を隔離するための地域である。隅田川と江戸川、首都高速7号小松川線で囲まれた区域で、現在は日本軍と名乗る武装勢力の拠点と化している。
特別行政府当局による攻撃も頻繁に行われ、インフラなどは多くが機能不全に陥っている。そのため、住民の人道的危機に対処するための支援などを行う団体も存在する。
タマユラ地区は、ブレイク・ザ・ワールドに伴う津波被害が大きかった場所を、オーブ連合首長国が復旧・復興の資金援助と引き換えに租借地とした区域である。日本人特別居留区の南側の区域であり、首都高速7号小松川線の高架下には分離壁が築かれている。
オーブの租借地であるため身分証確認ゲートはなく、またオーブ本国との直通海底ケーブルが存在するため、タマユラ地区から発信される情報は東アジア共和国政府も簡単には手を出せないと言われている。
しかし、その租借期限は間近に迫っており、その延長がなされるか否かが政治問題になっている。なお現在のタマユラ地区は、オーブ本国にとっても負担が大きく、本国政府は租借期限の延長に後ろ向きだとされる。
このように、トウキョウ特別行政区はその形成過程も内部構造も極めて複雑で不安定なものとなっていた。
東アジア共和国による直接統治という形であるが、末端の行政職員まで派遣する事などできず、現地で採用された職員がほとんどを占めている。それらの職員が、東アジア共和国の方針に無条件で従う保証がないのは当然である。
トウキョウ特別行政府に住む市民もまた、その統治体制に納得などはしていないであろう。
以上のような設定とさせていただきますが、作品の展開上ここで書いた設定との齟齬が生じている部分も存在します。その場合は、作品上で書かれた事が優先されます。
既に書き上がっている作品(プロローグ・エピローグを含めて23話)なので、マメに投稿出来ればいいのですが、何らかの都合で投稿が滞るかもしれません。
もしよろしければ、お付き合い下さい。