この作品の着想は、ガンダムSEEDの設定の中で結局本編では使われる事なく終わってしまった宇宙クジラことエヴィデンス01を使って、お話を作れないだろうかと思い立った事が最初でした。そこで、いわゆる種割れ現象と、宇宙クジラの存在をリンクさせる、オカルトチックなSF設定を考えてみました。
お世話になっているサイトに掲載していた時は、SEEDコンバーターの開発者は普通に生き残ったのですが、これからも自分がこの二次創作を続けていく上で、この特殊設定は後々使いにくい事になるなと思い、展開を変更しました。
あとはこのオカルトチックな設定を生かすには、少し暗めの舞台が相応しいだろうと思い、スパイの蠢く街として東京の設定を考えました。
確か、「アラブの春」が始まったのが、この作品の掲載を終えたくらいで、当局の規制を掻い潜って、ネットと携帯電話、動画投稿サイトとSNSが市民運動の火付け役になるという事が実際に起こったりもしました。意図はしなかったのですが、期せずして現実の事件と作品内容が似てしまう事になってしまいました。
あと、外国人研修生の話は、自分の勤め先でも一時期、そういった人達を雇っていたことがあり、一部の人ではありますが脱走したり勝手にバイトしたりといった事もありました。そういった実体験と、色々と問題が出ているという報道などを参考にして内容に反映させているつもりです。
東京に関しては、実際に行った事も数度しかないため、地理などに関しては全く分かっていません。書いている時は、ずっと地図を見ながら書いていたのですが、やはり距離感がリアルに掴めないため、移動にかかる時間なども全く分からず、実際に知っている人からすると、変な部分はあるだろうと思います。
地下鉄などを含めた三次元の地図は見つける事が出来なかったため、地下鉄の天井を崩落させて道路に穴を開ける作戦が、実際に成立するのかどうかも良く分からない・・・
主人公の青年は、自分が一番最初に書いたガンダムSEEDの二次創作において登場させた人物で、彼の母親や知り合いの女性ジャーナリストはその作品の主要人物でした。ここの作品に関しては、それなりに思い入れもあるのですが、今読み返すと色々と書き直したい部分だらけになりそうなので、手を付けないままになっています。
お話はそのままにもう一度書き直したくもあるのですが、全六十話近くあると考えるだけでうんざりと・・・・・・
ひ弱な青年が引き寄せた必然のように、悲しい結末になってしまいましたが、最後のシーンはそれなりに綺麗にまとめられたのではないかと思っています。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。