Fate/make.of.install   作:ドラギオン

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EXTRA
手紙


 

『もうブレイカーが居なくなって、長い年月が過ぎました。

 

 沙条家は、それぞれ自分の人生を歩んでいます。綾香は、時計塔に行った後に、セイバーと結婚。今では、私と同じ二児のお母さん。週末は、お互いの子供たちを連れて、仲良くしてる。

 アンだけど、私が一戦を引いた後は、現代でも生き残ってた英霊たちのコミュニティーを外国で見つけたらしくって、そこのメンバーと交友をしたり、我が家に帰って来ては、子供達を猫かわいがりしてる。甘やかしすぎて、私より子供たちに人気があるのは、ちょっと許せないけど。

 ウェイバーは、もう多忙。忙しすぎて、夫婦喧嘩になった事も一回じゃないよ。けど、そんなあの人を私は嫌いになれないし、家族を誰よりも愛してくれていると感じて、結局仲直りしてしまう。

 

 私とウェイバーの子供達もすくすく成長して、丁度私がブレイカーと会った年くらいになったよ。我儘ばっかりで、自由奔放。正直、何を考えているのかわからないことも多くて、もう毎日大変。けど、ブレイカーがどれだけ大変だったか、今になってわかるとは思わなかったな。

 

 あわよくば、一度二人にも貴方を紹介したいと思うけれど、今この世界は平和で、あなたが守ってくれた恩恵を預かる身としては、気軽に喚べないのは残念かな。

 

 私は今もこうして、人生を噛みしめて、私は生きてます。

 楽しい事ばかりじゃないし、大変な事も多いけれど、何よりも欲しかったものを、掴めたことが何より幸せだと感じています。

 

 だから、ハッキリとこう記します。私は今、幸せです。

 どうか、ブレイカーにも自分の人生で幸せを見つけてもらえたらなと、切に願っています。

                              アルカ・ベルベット』 

 

 上記のように記された手紙を読んでいるのは、ブレイカーだった。既に英霊ではなく、生き返った、この世全ての終わり。彼は長い時間、アラヤやガイアとは違う第三の抑止力『アルカ』の守護者として、幾つもの世界や時代を超え、どうしようもなくなった世界を破壊し、救ってきた。

 抑止力に封印される前、地球の未来を奪い滅ぼした頃よりも、遥かに強くなった彼は、自分の限界を見つけられないまま、数多の世界で力を振るい続けた。

 徐々に彼の派遣される案件は苛烈になり敵も強大になっていくが、いまだかつて敗れたことはなく、進化も止まることはなかった。

 

 そんなまま世界を移動していると、どうやったかは不明だが、時々、彼のマスターであるアルカから手紙が届くようになった。近況報告から愚痴の多い物、種類や時系列はめちゃくちゃだが、時々届くそれを読んでは、口元に笑みと穏やかな目で胸のポケットに大事そうにしまい込むブレイカー。これはどうやらアルカの持っている第六魔法の一つなのだろう。

 近況報告を見るたびに、家族達との思い出に浸る。それが細やかな癒しになっていた。

 しかし、そんな時間は長く続かない。彼が手紙を仕舞うと彼の立っている場所が雷の爆撃に会う。

 

「さて、そろそろ、仕事の時間だな」

 

 白と黒の魔力を迸らせ、それらの攻撃から無傷で立ち上がったブレイカー。彼が攻撃の出所を見る。それは地上にあらず、12の巨大な機械仕掛けの舟と太陽が瞳となったのような、ダイソン球が空を覆っており、地球上の全てが機械に侵食され、動物や植物、人までが機械化の波にのまれていく。地獄が広がる、地球が持てる全てでもってソレに抵抗したが、小さな惑星一つの抵抗では、外宇宙からの侵略者をとどめる事は叶わなかった。

 

 それらの機械仕掛けの舟と星は、ブレイカーに明確な敵意を持って、攻撃を仕掛けてくる。

 その世界に存在しなかった、唯一の密入国者、イレギュラーを排除せんと。

 

「この世全ての終わり(ブロークン・ファンタズム)!」

 

 外宇宙からの星と舟の一斉攻撃と、ブレイカーの魔力がぶつかり合った。

 

 

 

ーーーーーーーーーー―――――――――

 

 地上の7割を機械化された世界だったが、3日間の外宇宙の外来種と別世界からの来訪者の熾烈な争いによって、ようやく静寂が訪れる。地球にもダメージは多々あったが、今は地球上に不時着した巨大な舟の残骸が散らばる以外は、平和と言える。

 絶望的な状況ではあるが、まだ滅ぶと決まったわけではない。親玉でもあったダイソンスフィアは、時空断層ごとブレイカーに破壊され、船体の3割を失い、外宇宙へと逃走。ブレイカーは、追撃を止め、地べたに寝転がる。

 

 残されたブレイカーは、ボロボロになりながらも、自分が守った夜空を見上げていた。

 

「しんど。最近、異常なまでの破滅が多すぎないか? この前は白い巨人で、こんどはあれだ。外宇宙で何かあったのか? ん?」

 

 これまで何度も世界を救ってきたブレイカー。戦った後はなるべく影響がないように、すぐに世界から消えるのだが、最近、ある共通点を見つけた。

 

「やっぱり、月、だよな。どの世界も、月の輝きがおかしいんだよな」

 

 どの世界での戦いでも、必ず月から視線を感じ、何時も怪しい光を放っているのだ。ブレイカーは、月に何かあるのかと勘繰り、次の目的地を定めた。

 

 

 

 

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