Fate/make.of.install   作:ドラギオン

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アキレウス攻略戦 前編

 

 ブレイカーの予想通り、2つ目のトリガーキーが解放される。

 元々備えていたこともあり、ブレイカーと眠そうなセレアルトは、誰よりも早くアリーナに侵入した。前回はシンジ達に後れを取ったせいで、面倒な事になったので今回は先に確保するという目的がある。

 

「流石に眠いわ」 

「早朝スタートだからな。いいか、早朝に並ぶメリットは大きい」

 

 妙に早朝に並ぶことのメリットを力説するブレイカー。彼の脳内には、辛い子育ての記憶が渦巻いていた。マスター達が当時小学校に通っていた時に大流行した卵型のおもちゃを欲しがった。その当時の人気はすさまじく、英霊であるはずの彼も日夜日夜、行列に並び、3つも手に入れたのだ。

 その際の情報交換を欠かさず、行列仲間なるものまでできた。世間のお父さん方は、偉大だと胸に刻んだほどだった。

 

「よし、到着」 

「相変わらずブレイカータクシー速いわね」

 

 流石にブレイカーの速さに慣れたセレアルト。防衛担当のエネミーたちを一回も止まらずに蹴散らすせいで、殆ど直通便である。さらに厄介な事に、エネミーはすべて倒してお金を稼ぐしアイテムボックスはすべて開けるのだから、ダンジョン殺しもいい所である。

 

 非常に楽してトリガーキーの入手が完了する。本当はもうちょっと苦労する場面なんだろうなと遠い方向を眺める。

 

「シンジ達は、来ると思う?」

「来ない訳がない。あの手の奴が、最終日まで待ってからトリガーの入手とかするはずがない」

「シンジに詳しいね。シンジ博士なのかな?」

「違う。あいつは、餓鬼だからな。見た目の割に精神が幼い。小学生くらいの精神性だ。俺の見た所」

「まさか、子育てBっていう訳の分からないスキル?」

「馬鹿。あれは俺が聖杯戦争よりも過酷な戦いを勝ち抜いたという勲章だ。むしろ宝具になっていないことが不思議なくらいの逸話の結晶だ」

 

 ブレイカーのスキルを聞かせてもらった際に、何故か存在したスキル。それを何よりも誇りに思っている様子のブレイカーにそんなものなのかと呆れるセレアルト。だが実際効果はあるらしく、精神が子供なアステリオスやありす達には、気に入られていた。

 少し強面な彼だが、子供からの人気は高いらしい。

 

 だがブレイカーの発言は、思い当たる節がある。

 

「私たちの姿って、ようはテクスチャだから、年齢通りとは限らないわよ。私は年齢通りだけれど」

「テクスチャ? あーんー、肉体ってことだな。やっぱりクソガキだな」

「待って、子供相手に戦えるのブレイカー」

 

 相手が子供と聞いて、狼狽えるセレアルトだがブレイカーは頷く。

 

「あいつは、ここが殺し合いの場だと分かってるんだ。流石に幼すぎるとは思うが、自分の意志でここに立って、俺達と戦う道を選んでいる。なら、敵として扱ってやるのが礼儀だ」

「敵」

「その子供相手に、マスターとしての性能で惨敗してるのがお前だベアラー。同情する余裕なんてお前にはない。最低一回戦は勝ち残ってからだ。そんな同情なんていうのはな」

「うん。そうだよね。私は弱いから、負けないためにも全力で」

 

 セレアルトの覚悟が決まったタイミングで、侵入者の気配を肌に感じとる。敵が侵入してきたかと思い、仕掛けていたセンサーの反応を見るが、まだ反応がない。だが、ブレイカーは、肌がぴりつく殺気を感じて防御を行った。センサーには誰も映っていない。だが、もうシンジとアキレウスは、眼前に迫っていた。

 完全な奇襲攻撃。センサー頼りにしていたセレアルトとブレイカー。迫る槍をどうにか弾いたブレイカーだが、体に蹴りを貰って吹き飛ぶ。

 

「なんでもうここにって顔だなセレアルト。センサーだろ? 前から気が付いてたさ。あんなのに引っ掛かる僕じゃないんだよ」

 

 想像よりシンジは優秀だった。前回はあえて引っ掛かっていた。いや相手にもしていなかった。だが、ブレイカーの能力を知った今、セレアルトたちは明確な敵となった。

 

「この前に預けた勝負の決着をつけに来たぞ灰色のサーヴァント!!」

「相変わらずテンションの高いサーヴァントだ。時間がないんだ。来い」

 

 吹き飛ばされてもなお、体勢を立て直したブレイカーが両手で構えを取る。SE.RA.PHの干渉までの時間があまりないため、挑んで来いというブレイカー。アキレウスはその誘いに乗る。最初から最大速度で走り、ブレイカーの反応速度と反射神経を凌駕しようと攻める。

 縦横無尽な動きと変幻自在の槍捌きで、猛攻を仕掛ける。その速度にブレイカーは意地で食らいついて行く。

 

 だが、本気のアキレウスの速度はブレイカーにも対処不可能な領域にたどり着く。

 

「ぐっく」

「どうした! 宝具は使わないのか!? このままではじり貧だぞ」

 

 彼の槍がブレイカーの肌を裂き、至か所を貫いていく。徐々に灰色の外套を血で染め始める。致命傷は完璧に防ぐが、それ以外は捨てるしかなくなる。だがそれでは結果的に負けが決まってしまう。これまで一度も宝具を使っていないブレイカー相手に、宝具の使用をけしかけるアキレウス。

 この不利を覆すには宝具しかない。だがアキレウスはその宝具ですら、完封する気満々だった。

 

(馬鹿げた強さのサーヴァントだ)

 

 ブレイカーがピンチになっているタイミングだったが、一方でセレアルトもシンジとの戦いになっていた。

 

「ははは。ほらほらどうしたんだい。shock(32)!」

「きゃあ」

 

 シンジが発動したコードキャストを食らい、自動防壁によって防ぐも吹き飛ばされるセレアルト。

 

「いいね。防御用の礼装を手に入れてたのか。一体何発耐えられるか見てやろうじゃないか」

 

 次から次に発射される魔弾。それらがセレアルトに迫る。セレアルトは走ってどうにか回避するが、シンジに避けた先を狙い撃ちにされ再び吹っ飛ばされる。

 

「ハハハ。いいね。中々に頑丈だ。けど、守ってばかりじゃ勝てないぜ!」

 

 吹っ飛ばされ転んでしまったセレアルト目掛けて、シンジは何発も魔弾を叩き込んでいく。その衝撃が彼女を襲う。一方的な蹂躙ともいえる。それを見たブレイカーが救援に向かおうとするがアキレウスがそれを阻止する。

 

 

 

 

 

 

 

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