なんというかすごく下手に見える。疾走感ないのに焦燥感だけあるみたいな。
だけど、書くことの、創ることの難しさは教えてくれた。気がする。
何が言いたいって?
今まで何の気なしに読んでた小説の完成度の高さよ。
これまで読んできた小説家に尊敬の念を抱かずにはいられないね。
前書き後書き書かずに投稿したので後で追加してます。
寝起きのフランドールは(私も寝起きといえば寝起きだが1日も寝てない)体の調子を整えるように宝石がたくさんついた羽をパタパタさせながら空中遊泳を始めた。
「私はどのくらい寝ていたの?」
「だいたい20年くらい」
「まあ、結構寝たかな。どんなことしてたの?」
空中で腕組みながらこっちに向きなおる。
そう聞かれてみると何とも言えない。色々やった。石投げ、自伝書き未遂、壁と壁の間をいかに素早く往復できるかって遊び、あ、時間測るために石投げの練習したんだった。石投げ楽しかったから忘れてた。それから、えーっと
「なんだ、楽しそうじゃん」
口と表情は起こされたことに不満を抱いている感じだが、機嫌はいいのは分かってる。一つの体に二つの精神、というには今二つの体に二つの精神だから微妙か、一人のフランドールに二人のフランドールがいる状態だからお互いの感情や言いたいことは割と筒抜けである。声というツールを使って情報伝達する必要はあまりないがこうつまらないのだ。声を使ってしゃべるのが趣味といえば良いだろうか。
「別に起こさなくっても良かったじゃん」
分かってて言ってくるあたり流石私。それでこそ。何て返したものかな。
「ああ、昨日さ、私達の家族構成気になってさ、聞いてみようと思って」
「ふーん。」
暇だから起こしたのを指摘するか悩んでるらしい。それは狸寝入りを自白することになるから相打ちだ。
「父はたぶん生きてるんじゃない?知らないけど。母は死んでて、5歳上の姉がいるわ」
普通に答えることにしたらしい。昨日気がついた真実ではなく、これまでの思い込みのままでいるらしいから真実を教えてあげる。
「体吹き飛ばしただけでしょ?生きてるに決まってるじゃん。」
目の前で頭抱えられて少し戸惑う。いろんな感情があふれてるみたいで読みにくい。
「あー、体吹き飛ばされたら普通死ぬのよ」
「人間の話でしょ、それ」
「いや、吸血鬼もたいていそうよ」
「かあさんは吸血鬼もどきだったってこと?」
「いや、頭と心臓まとめて吹っ飛ばされて生きてるのは高位ヴァンパイアだけよ」
「ふーん。吸血鬼ってそういうものだと思ってたけど、弱っちい吸血鬼もどきも吸血鬼カウントするのが普通ってことね」
「まあ、その理解でいいわ。なんでこうも常識ないかなぁ」
「いらないでしょ、そんなもの」
「一概に否定できないのがなんともね」
「あなたも地下からほとんど出なくて20年寝て結構寝たですますじゃない」
「まあ、そんなものでしょ」
ここでそれは常識から外れている可能性をあげてみてもいいんだけど、それは常識とは何ぞやという水掛け論になる。別に暇ならそれでもいいんだけどそれよりも遊びたい。せっかく遊んでくれるフランドールが目の前にいるのだ。遊ばない手はない。
「ねえ、遊ばない?」
空気が変わる。冷たく鋭く。
「へえ、いいね、コイン何個?」
「二個」
「まあ、あんまりたくさんあってもね。コンティニュー出来すぎるのも興醒めだしね」
真っ直ぐ飛ぶ。右手に力をためてストレート一択。右手に溜まってるのが魔力と呼ばれてるものなのか妖力なのかはよくわからない。ただ何かが溜まって拳の威力が上がっていることだけがわかってて、それで十分。
フランドールはその場で滞空したままじっと待ってる。ここでとまってはやられるだけだからここはストレートぶっぱ安定。後のことは後で考える!
手が当たろうかというタイミングに動かれる。というか動かれたと分かったのは手刀で右手首をきりとばされた後だ。かなり鋭いし体の使い方うまいとは思う。でもそんなことは気にすることではなく、そのまま突っ込む。膝を胸板に叩きつける。相手がのけぞったから左手に全力で力をためて殴りつける。なんか左手が火に包まれてる気がするけど気にしない。心臓を潰したのが感触でわかる。まずは一個。少し間合いをとりつつ右手を生やす。そうしてフランドールに目をむけて。
衝撃とともに五感が揺さぶられる。視界が真っ暗になり激しい破裂音と水音が聞こえ血の匂いと味がする。考えるまでもない。能力で体が炸裂したのだ。それ自体は珍しくもないけど右手に意識集中した隙に決められた。体を再構成する。そしたら能力がまた使われようとしているのが分かる。慌てて体を解す。霧状になって体をなくす。この霧と体は別物だから能力で消すには能力を中断して使いなおさなきゃならない。能力を中断して火で霧を焼こうとしてくるから体をつくって間合いを詰める。
ジャブうって受けられ蹴ってかわされ蹴られ。受けて突進されていなして殴って。無視して殴られて顔に当てて腹に当てられる。顔の骨はだいぶ砕いた。こっちも殴られて内臓は崩れているけど能力行使に支障はない。きゅっとしてドカーン。そうして悟る。自分の体もまた壊れると。
ドカーン
ほらね
体を再構成すると少し不満そうな顔しているフランドール。どっちかというと心臓止まってる時と顔をたたきつぶした時に能力行使を許しているこっちのほうが遺憾である。
「引き分けかな」
「いや、こっちのほうが少し早く体壊れたからこっちの負けでしょ」
そんな気がしなくもないけど少なくとも勝った気はしない
「勝ったっていうならもっと余裕をもって勝った時に言うわ。今回は引き分けね」
純粋に勝った気がしてないのが伝わったのだろう、
「じゃあ、今回は引き分けね」
「心臓潰して頭潰して体砕かれるとは思わなかったわ」
「まあ、慣れよ、慣れ」
ふと疑念がわいた
「ひょっとして心臓とか撃たせたのわざと?」
「さあね」
楽しそうに笑ってる。実際楽しいって感情は伝わってきてる。だけどわざとかは読ませてくれない。こればっかりは分かんない。即興でやったってのが本線だとは思うけど何とも言えない。そんな風に考えてたらそれがまた楽しませてるのが伝わってくる。感情が伝わるのも考え物だ。
「寝てる間に遊び上手くなったじゃない」
「それはそうね」
前にやったときは一個も取れずに負けたのだ。このフランドールの体、ポテンシャル高過ぎて20年程度じゃ使いこなせるようにはならない。日々精進あるのみだ。実際遊んでみて前より進歩してるのは感じられたのでそれは良かった。ちゃんと勝ちたかったといえばそうなのだけど。
「遊び、楽しかったわ」
「私もよ」
「ああ、あの手刀教えてよ」
「スッとしてシュパよ」
「スッとしてシュパ、ね」
「こう?」
静止してから手刀を振るう。
「まあまあね、こう、スッとして、シュパ」
なんかキレがいい。それに一瞬とまるときの精神の感じがあれ。
「もう一回」
・・・・「」
空を切る音がする。粗雑に振った時にでるボウっといった音でなく、澄んだ音。
スッとしてシュパ。
「そうそう、もう一回」
「スッとして、シュパ」
「黙ってもう一回」
・・・・「」
「上出来。」
「おおー」
体動かすのがうまくなっていくのは楽しい。フランドールも出来の良い弟子を見るような顔して楽しそう。というか出来の良い弟子そのものか?
「そうかもしれないわね」
このあとは軽く体動かしたり、頭なくなってるときの体の動かし方の感覚について盛り上がったりして昼は更けていった。
「そろそろ寝るわ」
「中?外?久々に外で寝ない?」
「いいわよ」
分身を解いて精神の中に迎えるんじゃなくて体二つのままベッドに入った。ベッドは十分広いから二人で寝転んでもまだまだ余裕だ。
「消すよ?」
「どうぞー」
能力でろうそくの火を消して闇をもたらす。
「おやすみ」
「おやすみ」
となりに誰かいる状態で寝ようとするなんて何時ぶりだかという感じなので少し目が冴える。
「ねえねえ」
「なに?」
「少しお話ししよ?」
「いいよ」
「えーっとね、・・・・」
この語らいはどちらかが寝落ちするまで続いた。
なんとなくの妄想はあるけどプロットないこの小説は当然不定期更新です。
気長にお付き合いお願いします